地球ドラマチック「ペンギとソンミの物語 コウテイペンギンの子育て」 2014.04.28

一年中氷に覆われる南極大陸。
冬には気温が氷点下50℃まで下がります。
この厳しい環境の中で子育てをする生き物がいます。
コウテイペンギンです。
ここにいるのは全てオス。
身を寄せ合って寒さに耐えおなかの下の卵を温めているのです。
ヒナが孵るのを見守るのはお父さんペンギンの役目です。
取材班は2つの家族に注目し生まれたヒナを「ペンギ」と「ソンミ」と名付けました。
ペンギとソンミは仲良く育ちます。
ある日ソンミが親に取り残されてしまいました。
(鳴き声)ペンギ親子は飢えと寒さで死にそうなソンミを救おうとします。
過酷な環境で育つペンギとソンミ。
2羽は無事に成長する事ができるのでしょうか。
極寒の南極での子育て。
コウテイペンギンの家族の絆を追いました。
南極大陸の長い冬が始まります。
多くの動物が暖かい場所を求めて南極大陸を離れる中コウテイペンギンは海から内陸に向かって進みます。
その数およそ40万羽。
コウテイペンギンは冬の間も南極大陸にとどまり子育てをする唯一の動物です。
コウテイペンギンは夏の間を海で過ごします。
そして冬の初めに100kmもの道のりを移動し「ルッカリー」と呼ばれる繁殖地に向かいます。
コウテイペンギンは数ある繁殖地の中で迷う事なく毎年同じ場所に戻ります。

(鳴き声)繁殖地に到着すると早速パートナーを探します。
コウテイペンギンは鳴き声で仲間とコミュニケーションをとります。
気温が更に下がる前に繁殖を急がなくてはなりません。
3羽のメスが追いかけているのは太ったオス。
メスはおよそ2か月の間卵を温め続ける事ができるたくましいオスを求めています。
つがいになった2羽がダンスを踊ります。
「求愛のダンス」です。
あとは卵が産まれるのを待つばかりです。
ペンギの母親になるメスが卵を産みました。
オスとメスは役割を分担し協力しながら子育てをします。
メスが卵を産むと次はオスの出番。
メスから卵を受け取り温めます。
ペンギの父親になるオスが足の上に慎重に卵をのせます。
父親はおなかの皮をかぶせ卵を寒さから守ります。
一方こちらはソンミの両親になるつがい。
うまく卵を渡せません。
氷の上では卵を受け渡すのは簡単ではありません。
時間がかかると卵が凍ってしまいヒナは孵りません。
ソンミの母親は卵をおなかに戻してしまいました。
卵が転がって割れてしまう事もあります。
ソンミの父親になるオスがもう一度挑戦します。
ようやく卵を足の上にのせる事ができました。
オスに卵を託すと産卵で体力を消耗したメスは食料を求めて海へと旅立ちます。
戻ってくるのはおよそ2か月後。
ちょうどヒナが孵る頃です。
繁殖地はオスだけになりました。
およそ2か月にわたってオスは何も食べずに卵を温め続けます。
ペンギの父親とソンミの父親は隣同士でヒナが孵るのを待ちます。
寒さは厳しさを増してきました。
日照時間も短くなります。
オスは身を寄せ合って寒さをしのぎます。
こうして風速50mを超える事もある強風に耐えるのです。
オスは身を寄せ合いながら少しずつ移動します。
暖かい集団の中央に代わる代わる行けるようにしているのです。
いてつく寒さの中でも卵はオスのおなかの下で温かく守られています。
吹雪がやみました。
コウテイペンギンは水さえ飲めれば何も食べなくても数か月間生きる事ができます。
コウテイペンギンの足には特殊な血液循環システムがあり氷の上に立っていても凍える事はありません。
また羽毛は水をはじき断熱材の役割を果たします。
機能が十分に発揮されるよう手入れを怠りません。
何も食べていなくても排泄はします。
排泄物で氷は更に滑りやすくなります。
オスはきれいな場所に少しずつ移動します。
メスが海にたどりつきました。
ヒナに与えるため食料をたっぷり食べて再び繁殖地に戻らなくてはなりません。
しかし海にはコウテイペンギンを狙う生き物がいます。
ヒョウアザラシもその一つです。
ヒョウアザラシに襲われないようタイミングを計ります。
やがて一羽が海に飛び込みました。
他のメスも後に続きます。
コウテイペンギンは多くの時間を海で過ごします。
魚やイカを食べて体脂肪を蓄え子育てをする間の絶食に耐えます。
コウテイペンギンを狙ってヒョウアザラシがやって来ました。
一羽のメスが命を落としました。
母親が死ぬと卵から孵ったヒナはエサをもらえずに死んでしまいます。
猛烈な吹雪が繁殖地にいるコウテイペンギンのオスを襲います。
そして卵を失うオスが増えていきます。
寒さのため10個に1個の割合で卵が割れてしまいます。
もうヒナが孵る事はありません。
卵を失ったオスが氷の塊を抱こうとしています。
繁殖地ではヒナが次々と孵り始めます。
オスはおよそ2か月間温め続けた卵からヒナが孵る瞬間を待ちます。
取材班が「ソンミ」と名付けたヒナです。
隣にいるペンギの父親の卵にはまだ変化はありません。
メスのヒナ「ソンミ」が誕生しました。
父親は孵ったばかりのおなかをすかせたヒナに体の中から食べ物を吐き出して与えます。
取材班が「ペンギ」と名付けたヒナが孵ろうとしています。
オスのヒナ「ペンギ」の誕生です。
オスは3か月以上何も食べていません。
しかしおなかをすかせた我が子のために食べ物を吐き出します。
貴重な栄養源が地面に落ちてしまいました。
もう一度挑戦します。
成功しました。
ペンギ親子のもとにソンミの父親がやって来ました。
ペンギとソンミが初めて顔を合わせます。
しかしソンミは背中を向けたまま出てこようとしません。
ペンギとソンミは父親のおなかの下で母親の帰りを待ちます。
再び猛吹雪が繁殖地に襲いかかります。
オスはヒナを抱えているため以前のように身を寄せ合う事ができません。
ソンミは父親のおなかの奥に潜り込みます。
(鳴き声)ペンギが食べ物をせがみますが父親にはもう与えるものがありません。
オスは吹きつける風に背を向けヒナを守ります。
多くのヒナが母親の帰りを待たずに飢えと寒さで命を落とします。
海に旅立ってからおよそ2か月。
ようやくメスが戻ってきました。
ヒナを抱えたオスが出迎えます。
(鳴き声)メスは繁殖地に到着すると大きな鳴き声を上げて家族を捜します。
ヒナのために食料をたっぷりと蓄え太っています。
ソンミの家族が再会しました。
(鳴き声)ソンミが激しく鳴きます。
遅れてペンギの母親も到着しました。
しかし足にケガをしています。
ようやく家族を見つけました。
母親はペンギと初めて対面します。
(鳴き声)
(鳴き声)母親が戻ると今度は父親が海へと旅立ちます。
その間ヒナを温め食べ物を与えるのは母親の役目です。
ソンミの父親が母親に子供を託します。
今度は母親が子育てを担当します。
ペンギの父親もペンギを母親に預け海に向かう事にしました。
父親は立ち止まりペンギを振り返ります。
オスは1か月後に戻り再びメスと子育てを交代します。
ペンギとソンミは母親に守られすくすく育っています。
体の大きなオスのペンギは食欲も旺盛。
メスのソンミも小柄ですが元気です。
コウテイペンギンはヒナを自分の足にのせて育てます。
ペンギとソンミが遊ぶ時も母親の足の上。
母親同士が近づいて遊ばせます。
ペンギとソンミは仲良く育っています。
時にはこんな事も。
ヒナが孵ってからおよそ50日がたちました。
大きなペンギはもう母親のおなかに収まりません。
小柄なソンミも大きくなりました。
オスが戻ってきました。
ペンギの父親が家族と1か月ぶりに再会します。
母親からヒナを受け取り急いで足の上にのせます。
ソンミの家族も再会しました。
自分で歩こうとするソンミを母親が引き止めます。
幼いヒナが勝手に動き回るのは危険だからです。
父親に子供を託し母親が再び海へと出発します。
ヒナが大きくなると父親と母親は子育ての役割を頻繁に交代するようになります。
「地球上で最も過酷」と言われる子育ては続きます。
南極大陸の強烈な寒さはあっという間に幼い命を奪います。
猛吹雪の度に多くのヒナが命を落とします。
ヒナの身に迫る危険は寒さだけではありません。
子供を亡くした親が他の子供を奪う事があるのです。
ペンギも狙われます。
父親が体を張って守ります。
父親はペンギを守りきる事ができました。
ソンミは今父親に世話をされていますが母親が戻ってこない状態が続いています。
このまま母親が戻ってこなければソンミも父親も飢えてしまいます。
生き残るためにはソンミを置いて父親が海に食料を取りに行くしかありません。
父親がソンミが足の上にのろうとするのを拒み始めました。
ソンミが一人で寒さと飢えをしのげるか一か八かの危険な賭けです。
(鳴き声)必死に潜り込もうとするソンミに父親が最後の食べ物を与えます。
(鳴き声)父親は大きくひと鳴きしソンミを置いて去っていきました。
ソンミはひとりぼっちになりました。
親を捜して声を張り上げます。
(鳴き声)ソンミは生きるため見知らぬメスのおなかの中に潜り込もうとします。
食べ物が十分でなく寒さでヒナが命を落とす危険性のある中大人たちにソンミを受け入れる余裕はありません。
(鳴き声)ソンミは何も食べていません。
(鳴き声)気温も下がってきました。
何とか温まろうとしますが…。
ペンギが落ち着かない様子を見せ始めました。
(鳴き声)ソンミを捜しているようです。
ソンミはまださまよっています。
ペンギがソンミを見つけました。
2羽はやっと再会できました。
ソンミはペンギの母親のおなかの下に潜り込みます。
ソンミはペンギの母親から食べ物をもらう事もできました。
ペンギは自分の居場所をソンミに譲りました。
いつもは食欲旺盛なペンギがソンミと母親の食べ物を分け合います。
しかしペンギの母親もいつまでも2羽に食べ物を与え続ける事はできません。
食料が無くなり全員の命が危険にさらされるからです。
ソンミの父親が戻ってきました。
ソンミが駆け出します。

(鳴き声)ソンミは父親と再会する事ができました。
しかし母親に会う事はもうないでしょう。
ソンミは父親のおなかの下に潜り込みます。

(鳴き声)ペンギとソンミは生後4か月になりました。
親のそばを離れて繁殖地の中を冒険します。
ヒナが大きくなり親たちは食べ物を運ぶのに大忙し。
親が食べ物を取りに行っている間ヒナは「クレイシ」と呼ばれる共同保育所で他のヒナと一緒に過ごします。
おっちょこちょいのペンギ。
慎重なソンミ。
ペンギが他のヒナとケンカを始めるとソンミが2羽の間に入ります。
風が吹きつけ寒くなるとヒナたちは身を寄せ合って温まります。
極寒の地で生き抜くための知恵をヒナたちは既に学んでいるのです。
(鳴き声)ペンギとソンミも仲間に加わります。
(鳴き声)親は繁殖地に戻るとまっすぐ共同保育所に向かいヒナを捜します。
(鳴き声)相変わらず食欲旺盛なペンギ。
ソンミの父親はつがいのメスがいないためより頻繁に食べ物を運ばなければなりません。
冬の間南極大陸を離れていたナンキョクオオトウゾクカモメが繁殖地にやって来ました。
ペンギとソンミは初めて目にする鳥の様子に興奮しているようです。
ナンキョクオオトウゾクカモメはヒナを襲う事があります。
しかし繁殖地のコウテイペンギンのヒナは既に大きく成長しているので心配ありません。
コウテイペンギンが冬の間に海から離れて繁殖するのは天敵がいないからです。
夏が近づきヒナたちの羽毛が生え変わろうとしています。
間もなく灰色の羽は抜け落ち大人のコウテイペンギンと同じ姿になります。
ソンミも目の周りが黒くなってきました。
母親を亡くしたソンミは父親が頻繁に食べ物を運んでくれたおかげで無事に成長しました。
しかし父親と過ごせるのもあと僅か。
コウテイペンギンはヒナが完全に成長すると子供のもとを去ります。
ソンミと父親にも別れの時が迫っています。
ペンギの家族も別れの時を迎えようとしていました。
父親と母親が協力して続けた子育てが間もなく終わります。
ソンミの父親がそしてペンギの両親が海へと旅立つ時がやって来ました。
親は二度と子供のもとに戻る事はありません。
これからヒナたちは自分たちの力で生きていく事になります。
灰色の羽は抜け落ち立派な若者になりました。
まだ見た事のない海を目指して先頭を進んでいます。
ソンミもいます。
自分たちの力で海に向かう若きコウテイペンギン。
5年後には生まれ育った繁殖地に戻ります。
そして親と同じように吹きつける風に背を向け身を寄せ合って子供を育てます。
コウテイペンギンは過酷な南極大陸の環境に順応し命を育んできました。
ペンギとソンミ。
地球で最も寒い氷の大地で生まれ育った2羽のコウテイペンギン。
その旅は始まったばかりです。
2014/04/28(月) 00:00〜00:45
NHKEテレ1大阪
地球ドラマチック「ペンギとソンミの物語 コウテイペンギンの子育て」[字][再]

コウテイペンギンのヒナ、ペンギとソンミは真冬の南極でそれぞれの家族に見守られ成長していく。あるときソンミに危機が訪れる。ソンミを助けようとペンギ親子は…。

詳細情報
番組内容
真冬の南極。天敵の少ない、海から100キロの内陸でコウテイペンギンは産卵する。卵を産み終えたメスが遠く離れた海まで食料をとりに行っている間、オスが何も食べずに2か月間卵を温め続ける。取材班がペンギとソンミと名づけた2羽のヒナは“幼なじみ”。あるとき、ソンミが親と離れ、飢えと寒さで命の危険にさらされる。そのときペンギ親子がとった行動とは…。2つの家族の深い愛情ときずなを描く。(2013年韓国)
出演者
【語り】渡辺徹

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0×0808)
EventID:25567(0x63DF)