日曜洋画劇場 特別企画「相棒シリーズ X DAY」 2014.04.27

XDAYのシミュレーションですよね?
社会派エンターテインメント
犯人を挙げるなって事ですか?
異色の相棒コンビは権力者たちの暴走を阻止出来るのか!?
XDAY…。

(サイレン)
(クラクション)
(警察官)ご苦労さまです。
(米沢守)どうも。
死亡推定時刻は昨夜の9時前後だそうです。
(三浦信輔)東京明和銀行か…。
そこのシステム部がこのビルに入るそうです。
(伊丹憲一)被害者もシステム部の人間みたいだな。
中山雄吾…。
(芹沢慶二)これは…お金。
帯封ですね。
っていう事は100万。
それぐらいはありそうだな…被害者の金か?所持していた財布に金が抜かれた形跡はありませんでした。
それからこれなんですけども…これ。
(米沢)おそらく封筒ですね。
つまり帯封のついた100万が封筒に入ってた…。
誰の金だろう?それ以前になんで死体のそばで100万が燃えてんだ?ここから落ちたんでしょうなあ…。
それからここに争ったような痕跡がありました。
ゲソ痕は?乱れすぎで採取は不能です。
(芹沢)米沢さん!
(米沢)はい。
これ被害者の所持品ですよね?
(米沢)ええ。
これで100万に火つけたんですかね?
(米沢)わかりませんが被害者の指紋しかありませんでした。
おいなんか呼んでんぞ。
(芹沢)え?
(小田切亜紀)こんな投稿があちこちにありました。
(岩月彬)削除依頼が出されたみたいですね。
(亜紀)ええ。
動画以外で投稿されたものは復元出来ました。
これと同じデータで投稿者は全部この人。
「justice11」アップロードされた日も同じ…。
これってなんのデータですかね?わかりません。
これが接続記録から割り出した端末。
接続した端末がバラバラだ。
多分これ全部他人の端末を経由して投稿したんです。
その不正アクセスの容疑で1週間ずっとこのjustice11を追っていました。
justice11は個人の端末を何台も経由していますが最終的に中山のパソコンにたどり着きました。
その中山が死体で発見されたと聞いて驚きました。
じゃあもしかしてこれ中山の銀行の情報ですか?…かもしれません。
不正アクセスで銀行の情報をあちこちに流していた男が殺された…。
どういう事だ?さあ…じゃああとはよろしくお願いします。
えっちょっと待った。
はい。
「はい」じゃないよ。
これから中山の家の捜索だ。
そうですか…よろしくお願いします。
いやだから待てって!あんたが追ってる不正アクセスに繋がるブツだって出るかもしれねえだろ。
その場合はあとで鑑識に伺います。
お気遣いなく。
あんたに気は使ってないよ。
その可能性があるならサイバー犯罪対策課の人にも立ち会ってもらった方が…ねっ。
いや…でも殺人事件の押収は僕の仕事じゃないですし。
あのさあんたも1週間あの男を追ってたんだろ?はい…。
だったらなんで殺されたか気になるだろ!?おっしゃってる意味がよくわからないんですけど。
なんでわかんねえんだよ…。
不正アクセスの被疑者を特定するまでが僕の仕事です。
あとは被疑者死亡で送検するだけです。
だけじゃねえだろ…人ひとり死んでんだぞ!だから殺人犯の特定はあなた方捜査一課の仕事ですよね?
(三浦)もういい!じゃあ何かもし不正アクセスに繋がりそうなブツが出たら鑑識から報告させますから…。
いいや…お前みたいなやる気のない奴に大切なブツは一切渡さねえ!全部捜査本部でもらう!どけ!邪魔だどけ!は?なんなんですか?あの人。
まあ…ああいう奴なんですね。
立ち会った方がいいと思いますよ。
はいどうも。
(芹沢)中山さん独身でしたよね?女がいたみたいだな…。
(米沢)めぼしい情報はありませんなあ…。
いいですか?あの…そのパソコンにこういったデータは?
(米沢)うーん…いやありませんでした。
…だとすると消されたか持ち去られたかですね。
本当に中山がjusticeなんとかなのかねえ…。
この端末に侵入した形跡はありますか?ん?あ…いや…ちょっと待ってください。
justice11を追っていくと中山のパソコンの1つ前の端末がこれなんです。
ああ確かにこれらにアクセスされた記録があります。
やっぱり中山がjustice11でしたよ。
へえ…。
このパソコンってうちで押収してもいいですか?ええあとで書類を頂ければ。
わかりました。
米沢。
大切なブツをやる気のねえ奴に渡すな。
必要な場合はいつでもサイバー犯罪対策課に来てください。
見せて差し上げますから。
先輩!作業に集中しましょ。
…っていうかあいつ帰りやがったよ。
(米沢)おや?これは気になりますなあ…。
この指紋この部屋で何かを探していたかのようです。
同一人物の指紋か?
(米沢)位置関係から見てその可能性は高いですね。
中山さんの指紋じゃありませんね。
違います。
前科もありません。
この部屋に出入りしてた女の指紋じゃないのか?いえ…ちょっと失礼。
(米沢)例えばですねこういったものに付いていた指紋とも違いました。
じゃあ誰のだ?
(亜紀)justice11の端末に間違いありませんでした。
(九条弘毅)ではjustice11こと中山雄吾が漏洩した情報が彼が勤めていた銀行のものかどうか裏づけしてください。
(岩月・亜紀)はい。
(亜紀)明日また東京明和銀行の本店行くんですか?はい。
流れてたデータがそこのだったらやっと送検です。
でもまさか殺されてたなんて…。
おかげで捜査一課と絡んじゃいましたよ。
しかも1人性格に問題のある刑事がいて…。
かゆい…かゆい…。
ちょっと…指紋採取中ですよ。
誰かが噂してる…かゆい…。
どんな体質してんですか…。
(米沢)おおビンゴです。
中山さんの部屋を探っていた指紋が中山さんの鞄からも出ました。
中山さんの鞄と部屋から正体不明の指紋か…。
被害者は誰かに調べられていたって事ですかね?
(三浦)指紋といえばここから指紋採取出来たか?
(米沢)えー…大方焼けてしまってますが現場に残されていた1万円札です。
それでこの部分…ここが封筒です。
1万円札からは複数の指紋封筒からは2つの指紋が出ましたが前科のある指紋はありませんでした。
封筒から出た指紋ABはその形状から同一人物ではなく2人分の指紋だと思われます。
そのうちの指紋Aは1万円札にもありましたがBの指紋は被害者中山雄吾さんのものでした。
つまりこの札束はですねAの指紋の人物から中山さんが受け取ったものだと推測出来ます。
受け取った札束をなぜ中山さんが燃やしたのかはこれは謎です。
(管理官)えーではそれぞれの班に分かれて指示に従ってください。
(一同)はい。
(芹沢)先輩別班ですね気をつけて。
おう。
(芹沢)お願いします。
八重洲署橋口毛利。
マルガイの女性関係。
(橋口・毛利)はい。
本部那須谷。
マルガイの取引先。
(那須・谷)はい。
本部三浦芹沢。
マルガイの両親。
(三浦・芹沢)はい。
本部伊丹。
八重洲署渡辺。
マルガイの勤務先。
(伊丹・渡辺)はい。
本部前島。
八重洲署戸塚…。
(戸張弘成)海外からのサイバーテロを防ぐ法律。
片山先生が数年前から提出している法案です。
これが通ればインターネットの匿名性は完全になくなり誰が何を検索したのかすら政府が丸裸に出来ます。
(片山雛子)そういうご批判がありこの法案がいまだに通らない。
自覚してるつもりです。
今日もそういうお話でしたらせっかくのお料理も美味しくいただけそうにありませんわ。
日本政府へのサイバー攻撃最近もありましたよね。
衆院と参院外務省の機能が一時ストップしました。
ええ非常にセキュリティーが甘い。
日本政府と回線を繋ぐ事に不安を表明している国もあり先生のお怒りはごもっともだと思います。
つきましては出来るだけ近々勉強会を開いて頂けないでしょうか?…ありがたいお話です。
わたくしの金融委員会の数少ないつてで金融関係の方々にも参加頂きたいと思っています。
では財務省や金融庁の方も参加されるんですね?ええそのつもりです。
どういう風の吹き回しだと思う?財務省の族議員がこれの勉強会だなんて…。
出来るだけ財務省に有利な法案にするつもりでは?彼私が言った「金融庁」を否定しなかったわよね…。
では先生の法案に興味を示したのは…金融庁。
ねえ金融関係で…例えばそうねえ…。
情報漏洩などの不備がなかったかどうか調べてもらえる?
(ため息)
(角田六郎)しかしまあ…手伝ってほしい時に休暇中なんだよなあ…。
(大木長十郎)杉下警部の休暇って想像つきませんね。
今頃ロンドンだ。
(小松真琴)ロンドン?なんで?知らないよ…っていうかお前ら本当に泊まるのか?
(大木)ええうちに帰っても気が立って眠れないんで…。
ったく…シマ広げてまでシャブの買い占めしやがって。
なんで急に羽振りよくなったんでしょう?このヤクザ。
どうせ明日の一斉摘発でわかるよ。
(アナウンサー)「大手都市銀行東京明和銀行の全国の本支店で昨日の窓口終了後からATMやインターネットでの金の出し入れが出来ない状態である事がわかりました」「親会社TMBCフィナンシャルグループは昨日為替取引に関するシステム障害が原因の可能性が高いと発表しました」「復旧については現在調査中としていて他の銀行での振替出金を行うなど対応に追われています」だから緊急事態なんです。
お金下ろせないんです。
(陣川公平)東京明和銀行ですね。
今日中に精算してくんないと一文無しになっちゃう!ああそういう人ね今日で20人目ですよ。
じゃあ俺の領収証これ精算いつ終わるんですか?えー…1週間後を予定してます。
無理無理無理無理…餓え死ぬ!あっ優しい先輩に融通してもらってください。
三浦さんは妻子持ちだし伊丹先輩は優しくないの。
もうとにかくズルはいけません。
順番です。
いやそこをなんとか…陣川さん!何よ?刑事になれるように推薦するから。
えっ…。
権限もないのに言わないでくださいよ!陣川さーんっ!
(男性)一体どうなってるんだ!?
(銀行員)NGA共和銀行では振替出金は出来ますが…。
(渡辺)なんか最近銀行のシステム障害多いですね。
コンピューターなんかに頼るからだよ。
(銀行員)申し訳ございません。
殺人には興味なかったんじゃなかったのか?不正アクセスの裏づけです。
(朽木貞義)朽木です。
殺された中山さんの上司という事ですね?はい…。
あの…本当に殺されたんでしょうか?可能性は高いと思ってください。
では早速ですが…。
これを。
あっ…。
心当たりがあるんですね?もしかしてこれは…。
この銀行の情報ですか?…はい。
どのようなデータでしょうか?何か言えないような極秘の…?あっいや…あの…対策マニュアルです。
対策マニュアル?ええ…システム障害が起きた時の。
システム障害…現在こちらで起きてるような?ええ…。
その数字とアルファベットが?例えば当行で入出金出来なくなった分をどの銀行で振り替えるかとかそういう…。
つまりそれはシステム障害が起きた時の全銀システムのシミュレーションデータ。
全銀システム?あっ全銀システムというのは…。
説明は結構ですわかります。
あの…中山のパソコンにこのデータがあったなら全部返してほしいんですが…。
いえそれはネットに流れていたのを復元したものです。
という事は中山さんならこのデータは手に入るという事ですね。
ええこのデータを作った1人ですから。
あの…本当にそれはただのマニュアルですか?は?あっいえ…ただのマニュアルをなんで中山さんはネットに流したのかと…。
それもあちこちに。
さあ…。
あの…ネットに流れていたこのデータは頻繁に削除依頼が出されていたんですけど…。
えっ?えっ…銀行が出した依頼じゃないんですか?ひょっとして情報が流されていた事を今知りました?…はい。
このマニュアル全部提出してもらいます。
えっ?何か?中山が殺された事と関係があるんでしょうか?それを調べるためにもお願いします。
しかし…ただのマニュアルですよ?でしたら提出してもらえますよね?提出してもらうデータはまずこちらに渡してくださいね。
不正アクセスの送検が終わったらすぐに捜査本部に渡しますから。
聞いてます?伊丹刑事。
あんたら専門の捜査官でも1週間かかったんだよな…。
はい?情報をネットに流したのが中山だってわかるまで。
まあ…ええ。
なのにあの朽木って上司情報を流したのは中山だって知ってた。
そのくせ情報が流れた事は今まで知らなかったって言いやがった。
なんで隠すんだ?まさかこれが殺害の動機…?
(渡辺)伊丹さん!提出してもらいました。
じゃあまず我々が…。
これが動機ならただのマニュアルじゃないはずだ。
そこまで言うなら捜査二課に頼みましょうよ。
捜査二課?漏洩されたデータがただのマニュアルか殺されるほどの情報か二課の財務捜査官に分析して…。
冗談じゃない。
それでもし何か出たら事件自体を二課に持ってかれちまうだろうが!持ってかれる?くだらない縄張り意識ですか。
事件の本筋を持ってかれたら殺しの捜査がしにくくなる。
あんたは現場を知らないだけだ。
財務捜査官は僕と同じ専門捜査官です。
だからなんだ?あなた方現場の人はいつもそうだ。
我々専門捜査官を道具として使うだけ使って協力しようっていう気がまるでない。
あああんたと協力する気はないね行くぞ。
そのデータまずこちらに渡してください。
断るどけ。
渡してください。
(三浦)またケンカしてるのか?
(三浦・芹沢)どうも。
おいこれ捜査本部に届けてくれ。
は?いいから早く。
あ…はい!いやちょっと待って…。
おーいこら〜。
でなんの捜査だ?被害者の両親に聴取したら恋人が同じ銀行にいるって聞いたんで。
その恋人を聴取するんなら俺も交ぜてくれ。
いいけど…そっちの持ち場大丈夫か?よっ…じゃあな〜。
あっならご一緒にどうですか?殺人捜査は僕の仕事じゃありません。
感じ悪いだろ?行きましょう!
(三浦)ご存じですよね?
(麻生美奈)はい。
交際されていたとか?まさかあんなとこから落ちるなんて…。
(芹沢)殺された可能性があります。
殺された!?まもなく発表されます。
あの…。
こちらに見覚えは?なんのデータです?この銀行のマニュアルだそうですシステム障害が起こった時の。
中山さんこれをネットに流していたんです。
心当たりがあるんですね?麻生さん。
システム障害の対処マニュアルなら私がいる法人営業部では見る機会はありません。
恋人なのになんかちょっと冷たいですね。
(三浦)事件に巻き込まれたくないのかもしれないな…。
だとしたらいけすかねえ女だな。
(芹沢)残念ですねルックスは先輩の好みなのに。
この削除依頼を誰が出したのか調べたいんですが…。
(九条)東京明和銀行じゃないの?違うと言っていました。
(九条)システム障害の対処マニュアルだって先方は供述してたんだよね?ええ。
でも捜査一課は疑ってるようです。
岩月くんはどう思ってる?捜査二課に分析をお願い出来ないでしょうか?疑ってんだ…。
うん。
中園参事官に相談してみよう。
ありがとうございます。
小田切さんネットから拾ったこれまとめてもらえますか?もう出来てます。
(内村完爾)これを分析?
(中園照生)はい。
サイバー犯罪対策課の九条課長が。
八重洲署管内の殺人と関係があるのか?…かもしれません。
じゃあ殺人捜査にサイバー課の助けを借りる可能性もあるな。
今のうちに売れる恩は売っとけ。
はっ。
手入れだー!
(小松)動くな!警察だ!
(大木)はい携帯パソコン触るな!
(構成員)おいメガネ!てめえ覚悟出来てんだろうな!この野郎!おい!
(構成員)なんだよお前…!買い占めたねこりゃ…おいおい!こらこらこらこら!証拠品…証拠品だよ!
(角田)お前は…こら!このバカタレがっ!!よしお前でいい!一緒に確認してもらおうか。
おらっ!いいか?これが青くなったら覚せい剤だ。
なったねえ。
はい13時6分覚せい剤。
(大木)はい確保!
(小松)課長!ちょっとこっちの部屋見てください。
なんだこりゃ。
すごいね…。
(小松)トレーディングルームだそうです。
へえ…村岡証券にいたの。
大企業じゃない。
そこ辞めてなんでヤクザに雇われてんの?
(神林直樹)引き抜かれて。
暴力団だなんて知らなかった。
(角田)でも知ったあとも抜けなかったって事だよね?抜けられなかったんです。
脅されて。
損失を出すと何をされるかわからないから儲けるのに必死で。
じゃその恐怖心のおかげかな?
(角田)1日に何億も儲けた日があるね。
おかげで桂井企画は君を引き抜いてから急に羽振りがよくなった。
覚せい剤を買い占めようとするほどね。
まあそのせいで我々の目に留まっちゃったけどね。
しかしよくまあこれだけ儲けられたね。
どうやったの?インサイダー取引?…かどうかはっきりさせるためにここをちょっと調べてもらえないですかね?
(角田)摘発に入った桂井企画のトレーディングルームです。
あら。
あっ!らしくないとこでお会いしますね。
それはこっちのセリフだよ。
人殺し専門がなんの用だ。
最近の殺人捜査はハイテクなんですよ。
じゃ。
ハイテクってお前…。
(大河内春樹)角田課長。
(角田)大河内監察官…。
少しよろしいですか?緊急なんですが。
あ…わかりました。
被害者の上司が提出したマニュアルだ。
まあそういう事でしたらお預かりします。
僕も言いすぎたと後悔していました。
すい…。
俺は言いすぎたと思ってないし後悔もしてない。
なんなんですか?あなた。
照合してくれ。
あんたがネットで拾ったこれが本当にそれなのか。
あの上司が素直に提出したとはどうしても思えない。
なんでも疑う現場の刑事らしい発想ですね。
褒め言葉はいいから早くしてくれ。
褒めてませんよ今忙しいんで…。
いいから早く。
こっちにはこっちの仕事があるんです。
そうかい。
じゃあこっちで調べるよ。
おい。
このデータどこにある?誰が持ってんだ?ちょっとやめてください。
ガラが悪いですね。
捜査一課の刑事だからねえ…。
あんたか?え?あんた?ありますよここに。
貸せ。
こっちでやります。
お望みどおり今すぐ。
最初からそう言えばいい。
どうせ一課で照合してもわからないでしょうから。
ひと言多いんだよ。
んー…。
気が散ります。
出てってください。
終わったら連絡しま…。
やだね。
これが殺しの動機なら誰かさんと違って俺は気になるんでね。
僕と違ってあなたが見ても何もわからないと思いますけどね。
(大河内)そちらに任意同行されている神林直樹には3年前警視総監賞を受けた経歴があります。
警視総監賞…。
まあ民間人にも授与出来ますからね。
彼が証券会社にいた頃顧客の家に入った空き巣を捕まえた功績です。
なるほど。
それは表彰されるわけだ。
その彼が今暴力団に雇われているというのは事実ですか?ええ本人も認めています。
では私の調査にご協力ください。
はい?警視総監賞受賞者の非行には我々監察官の報告書が必要ですから。
この2つ書式は似てるけど明らかに違うものです。
じゃあやっぱり朽木って上司が…。
ええ。
似て非なるものを提出したみたいです。
でもこれどう見たってただの全銀データですよ。
そうだ…。
全銀システムってなんだ?本当に知らなかったんですか?悪かったな。
あんたとは頭の出来が違うんだよ。
それでよくあの上司聴取しましたね。
お前が質問する隙与えなかったんだろ!説明しろよ!とてもひと言では説明出来ません。
頭がいいならひと言で説明してみろ。
日本中の金融機関を繋いでるコンピューターシステム。
へえ…。
今のでわかったんですか?学習能力が高いんでね。
つまり金融機関相互の内国為替取引データです。
だからそういう難しい事を言うんじゃねえよ。
学習能力高いんですよね?つまりどういう事だ!つまり人を殺すほどのデータではないって事です。
いや殺しの動機はきっとこれだ。
根拠はなんですか?学習能力が高い刑事の勘だ。
説得力ゼロですね。
よし朽木の指紋を調べてやる。
指紋?どういう事です?自分で考えろ。
頭いいんだろ!警察庁も参加してもらえるわよね?勉強会。
(神戸尊)通る可能性の高い法律の勉強会に参加するのは警察庁にとって利益にはなりますが…いいんですか?
(雛子)ええ。
法律が通ったあと財務省に利権を持っていかれるくらいなら総理の息の届く警察庁に…ね。
(神戸)なるほど。
総理補佐官らしい発想ですね。
しかしなんで財務省は突然この法案に興味を示したんでしょう?
(雛子)その事なんだけどちょっと気になるデータがネットに流れていたの。
お久しぶりです。
はい。
ええ…ですからこの時間に電話しました。
そちらとは時差がありますからね。
9時間も。
えっ?8時間?あっ今サマータイムでしたね。
はい。
急なお願いですみません。
添付ファイルの方は見てもらえました?ええええ…。
それを知りたいと思いまして。
それが一体なんのデータなのか昔捜査二課にいたあなたなら分析出来るんじゃないかと…。
はい。
ええまあそんなところです。
(神戸)いやいや…いやお言葉ですが人使いの荒さではあなたにはかないませんよ。
(アナウンサー)「…銀行のシステムを新社屋に移すにあたってのネットワーク構成の不備だったと発表しました」「今朝の会見で東京明和銀行頭取久松信義氏はご迷惑をかけた皆様に謝罪しトラブルのあったシステムについては再度徹底的に検証し今後こういったトラブルが起きないよう努めたいと話しました」
(中園)は?
(内村)は?じゃない。
一課の捜査に二課を巻き込んだのは誰だ?あっいや…それは刑事部長のアドバイスで…。
捜査本部に一課と二課の管理官を突っ込んで混乱させたいのか?いやいやそんな事は…。
一課と二課の参事官は誰だ?わたくしです。
その場合捜査本部長に最もふさわしいのは?わたくしです。
うん。
我々も捜査本部に呼ばれました。
(ため息)ついては不正アクセス容疑のこのデータ全てネットから拾ってあります?
(亜紀)はい。
今岩月捜査官が最終確認しています。
(九条)削除依頼を出したのは誰かわかってますか?その依頼を出した端末の接続情報をサイトの管理者から提出させています。
あっ…。
justice11がまだ生きてます。
新しく投稿されたデータです。
データは以前と同じで投稿された日が…。
中山が死んだ2日後です。
つまりjustice11は被害者以外にもいるって事か。
はい。
今その端末を調べています。
(中園)わかった。
次に東京明和銀行が提出したこのデータについて。
はい。
それも我々が調べた結果…。
それについては我々捜査一課から。
(中園)ああ。
被害者の上司朽木室長が提出したそのデータネットに流されたものとは別物だとわかりました。
(中園)なんで上司は虚偽のデータを提出したんだ!わかりません。
再度聴取するつもりです。
(中園)えー各班長の指示に従い隙のない調書を作成してください。
次回捜査会議は今夜10時。
散会!
(一同)はい!お前だろ二課に分析頼んだの。
離してください。
それが何か?おかげで班が増えちまった。
いいか?捜査が細分化されると全体像が見えにくくなる…ってこら!聞けよ…。
(班長)本部佐藤。
八重洲署橋口。
はい。
銀行システム障害と事件との関連。
結局捜査本部来ちゃいましたね。
あの人と同じ班にならなかっただけよかったです。
本部三浦芹沢。
(芹沢・三浦)はい。
新たなjustice11の特定。
(芹沢・三浦)はい。
あっうちでは小田切捜査官が分析を始めています。
早速行ってみます。
本部前島。
八重洲署渡辺。
はい。
不明指紋の特定。
はい。
あっああそうか…。
ああそうか二課が1人入った分…。
自分は結構です。
え?1人で。
やりたい事もあるし。
ああこっちも1人余ってるみたいですよ班長。
(班長)そうか。
じゃあこっちにお願い出来ますか?了解しました。
じゃあ伊丹くんあっちで。
一課の伊丹です。
よろ…。
嘘…。
(芹沢)いいんですか?あの2人。
(三浦)デカなんてのはな現場でわかり合うしかねえんだよ。
わかり合えるかなあ…。
ハハハハ…。
あ?民間の給料日ってまだだろ。
ああ。
やっとシステム障害から回復したからですよ。
ああ。
やっとみんな金が下ろせるからか。
のんきですね。
きっと口座を解約する人たちです。
解約?なんで?なっ…なんで?行きますよ。
あっお前こら今バカにしたろ。
俺の事バカにしたよな?勘がいいですね。
おお勘はいいよ。
俺はな勘でやってきたんだ。
この辺りはまだバブルの名残が残ってますね。
もう1つ向こうか。
近いと思っても遠いな意外に。
(大河内)3年前警視総監賞を受けてすぐ辞めています。
(飯村)それが何か?直属の上司だったあなたなら彼の退職理由をご存じではないかと思いこうして伺いました。
彼何かしたんですか?すいません。
申し上げられません。
お話し頂けないような事情でもあるんですか?そういうわけでは…。
しかし個人的な事ですから。
じゃあ本人に取り調べで聞いちゃいますね。
取り調べ!?ええ。
もう任意同行してますから。
角田課長!あっ…。
今のは聞かなかった事に。
あの…取り調べってどういう…。
ああ…取り調べっていうのはですね…。
相手が話した事を全部記録しちゃう聞き取りの事です。
当然その記録は裁判の資料にもなるわけです。
ですから彼がこちらを辞めた理由に万一こちらが困るような事情があったらと思って伺ったんですがね。
だってほら取り調べで記録される前ならそちらが困らないように出来るかもしれないじゃないですか。
でもそれは杞憂だったようですね。
よかった。
じゃ早速神林の取り調べに行きましょうか。
あああの…。
どうぞ。
はい?
(飯村)実は…。
(角田)驚きましたね神林が横領してたなんて。
しかもこの時助けた客のお金をですよ。
…にもかかわらず被害届すら出していなかったとは。
まあこれだけの大会社。
体面ってのがあるんでしょう。
全く違うデータを提出しましたね?なんでこんなすぐわかる嘘をつくんですか?ああ…あっ…嘘ってハハ…。
あの時はシステム障害のパニックで…。
その…。
手違いです。
そうですか。
じゃあ本当のデータを提出してください。
提出出来ない理由があるんですね?マニュアルを紛失しまして。
(舌打ち)3日前20日の夜9時頃どこにいました?は?中山さんの死亡時刻のアリバイ聞いてるんです。
そんな…私を疑うんですか?疑われたくないなら答えてください。
被害者がネットに流したのは一体なんの情報なんだ!人に命を狙われるような情報じゃないよな?またネットに流れています。
実は僕この人とは違う部署なんです。
「サイバー犯罪対策課」…。
我々はこの手のデータをネットから簡単に拾えます。
今度は削除されていないのでもっとたくさん。
そうやって我々が全文を手に入れる前にそちらから出した方が利口なんじゃないですか?完全黙秘された上に指紋提出も断られましたね。
フンお前の聞き方が陰険だったからな。
あなたの聴取が止まったから僕が聴取したんです。
はいはい。
お前らしいいやらしい攻め方でした。
それで褒めてるつもりですか?褒めてるつもりは一切ねえ。
しかし一体どんなデータなんだ…。
殺されるほどの情報なのかもしれませんね。
おっやっと俺の推理を認めたな。
頭が柔軟なんです。
あなたと違って若いから。
ひと言多いよ!これからどうするんですか?このデータにはきっと殺しの動機も犯人も隠れてる。
かっこいいセリフですね。
で?でってなんだよ。
まあとにかくあの上司にこの情報全部か指紋かどっちか出させるしかねえだろ。
それ今やって失敗した方法…。
何度でも当たって砕けんだよ。
わかりました。
じゃああなたが砕けてる間に僕は僕で調べます。
何する気だ。
どこまで分析出来てるか聞きに行くんですよ。
また捜査二課に頼るのかよ。
頼るってなんですか。
捜査協力でしょう。

(松岡哲也)2度目ですね泣きついてきたのは。
すいません。
全てあなたの監督不行き届きから始まってるんですよ。

(平利一)捜査一課とサイバー犯罪対策課か…。
少し厄介だけど…そうだな…。
財務省からでも圧力かけてもらおうか。
お疲れさまです。
おっ!どうですか?うちの伊丹は。
思い出したくありません。
ほらやっぱり…。
まだですかね?もう少しです。
おう。
(三浦)おお来たか。
捜査本部の了解取ったぞ。
はい?明日の朝またあの本店に行く。
あの上司は何も答えてくれませんよ。
フッ作戦変更だ。
明日はな行員を片っ端から聞き込む。
これを見せてな。
大変そうですね。
お前もやるんだよ。
(亜紀)出た。
新justiceの端末は秋葉原にあるネットカフェ。
(三浦)よし。
俺住所。
(芹沢)はい。
俺IPアドレス。
はい。
ありがとうございました。
よし行こう!じゃ。
あれ?削除されてる。
新justiceが流したデータが…。
お前今日話したよな。
あの朽木って上司に同じ情報が新たに流されたって。
じゃあ今まで削除依頼を出してたのも…。
小田切さんこのデータの削除依頼を出した端末を。
これから特定します。
(店員)えっと…。
ここからずーっとこっちのパソコンになりますね。
あの映像何日分残ってます?1日で消しますけど。
最後に接続したのが昨夜の9時前っすね。
すぐに提出してください。
(九条)桂井企画のトレーディングルームですが調べた結果組対五課が押収したその帳簿どおりです。
ただ…失礼。
(九条)この取引が帳簿にありませんでした。
なんです?これは。
神林は日本国債の空売りをし続けてたようです。
国債の空売り…利益は出るんですか?いえ。
だから帳簿に記載がなかったのかもしれません。
組対五課の被疑者です。
こいつがうちの事件とどんな関係が?
(九条)この男のトレーディングルームにこのデータが。
(中園)ああ…。
(金子文郎)捜査一課とサイバー犯罪対策課の捜査員が東京明和銀行を調べているようだね?はい。
その行員が殺された殺人事件の捜査です。
うん。
殺人事件の犯人は是が非でも逮捕してください。
もちろんです。
現在刑事部参事官を捜査本部長として…。
だがあの…。
それに被害者側の銀行の捜査は必要かね?は?ああいやいや…誤解のないように。
捜査は警視庁の所管だ。
しかしね他にするべき捜査があるんじゃないかなと思ってね。
東京明和銀行の捜査はご法度という事でしょうか?ハハハ…。
いや私の口からそういう事は言えないよ。
まあただ警察庁長官との雑談だと思ってくれていい。
警察庁長官と警視庁刑事部長の雑談ですか。
と…。
財務省との雑談だ。
どうぞ。
いただきます。
財務省や金融庁?ええ。
この削除依頼は財務省や金融庁のサーバーを経由していました。
(電話)はいサイバー課。
どういう事だ?この削除依頼を出してたのが財務省や金融庁って事です。
東京明和銀行みたいな一銀行が財務省や金融庁を動かせるのか?捜査二課に聞いてみましょう。
二課二課っていい加減にしろよ。
本店に行くぞ。
二課の解析終わりましたこのデータの。
ですって。
本店と二課どっち先行きます?まあ二課の方が断然近いんですけどね。
いいよ二課で。
聞きわけよくなりましたね。
ケッ。
犬かよ俺は。
ナメてんじゃねえぞこら。
(舌打ち)
(携帯電話)どうだ?捜査本部は。
こっちも大事な話がある。
失礼します。
サイバー課の岩月です。
(篠山)どうも。
ちょっとお待ちください。
はい。
(篠山)お待たせしました。
こちら確かに全銀システムのデータでした。
えっ…じゃあ本当にただのマニュアルなんですか?いえ。
システム障害の対応マニュアルじゃありません。
じゃあなんです?驚かないで聞いてください。
実はこちら…。
(堤)内村刑事部長がお呼びです。
は?え?いやちょちょちょ…。
内村部長がお呼びです!
(米沢)新justiceがデータを流したパソコンエリアです。
(米沢)データが流された時刻に店にいたお客さんです。
ストップ!
(三浦)戻してくれ。
(米沢)はい。
(三浦)少しずつ。
少しずつ…。
(米沢)はい。
あっ!この人…。
犯人を挙げるなって事ですか!?殺人事件の捜査はしろ。
だが銀行側の捜査は不要だ。
東京明和銀行から何か言ってきたんでしょうか?知らなくていい事だ。
どうして警察の捜査が銀行の要求に左右されるんですか?知らなくていい事だ!ええ…知りたくありません。
殺しの犯人を挙げなくていいなんてそんな理屈!前から言ってるがお前は…。
私は…!刑事ですから。
頼む!今回だけは…頼む。
失礼します。
(ドアの閉まる音)私は刑事部ではなく生活安全部の人間です。
刑事部長の命令には従えないのか?直属の上司九条課長に伺い判断させて頂きます。
失礼します。
まだ携帯聞いてなかったですよね?教えてください。
連絡します。
一体何があったか知りませんがうちの課長にかけ合います。
このままでいいわけがありません。
刑事部長のお願いなら素直に聞くタイプ…じゃないですよね?まさか。
あんな内村部長初めてだ…。
一体何があるんだ?この殺しの裏に。
殺人捜査はあなた方捜査一課の仕事ですよね?いいです。
あとはこっちでやります。
待て。
はっきり言って見損ないました。
見損なうほど俺を買ってたのか?普通赤外線ですよ。
難しい事はわからねえんだよ。
証券会社辞めた理由横領したからだってなあ?う〜ん…そういう事聞いちゃうとさ君が暴力団に脅されて泣く泣くトレーダーやらされてましたっていう被害者像?「ちょっと怪しくなってきちゃうんだよね〜」「そんなわけで…」「例えばこれ」
(角田)ちょっと説明してもらえる?
(角田)「ただの国債の空売りじゃないのかな?」
(小松)おい…ちょっとなんだ!?
(堤)捜査二課です。
神林直樹。
金融商品取引法違反の容疑で逮捕します。
ちょっと待て!今うちがそれ…!組対五課さんたちの担当は覚せい剤取締法違反のヤクザたちのはずです。
(大河内)誰から聞いたんですか?彼の身柄がここにあると誰から聞いたんです?質問に答えなさい!捜査二課って事は中園参事官か内村刑事部長ってとこだろ…。
長官直々に?どういう事です?お前たちが知る必要はない。
では直接長官官房へ伺います。
無駄だ。
お前たちが動いてどうにかなる問題ではないんだ。
(杉下右京)「ええ」「神戸くんから興味深いデータが送られてきました」「一見すると単なる全銀システムデータのようですが…」
(杉下)僕の分析では故意にシステム障害を起こす…。
もっと言えば故意に金融封鎖の状態を作るシミュレーションデータです。
わざと金融封鎖を?なんのためです?このデータを見る限りこのシミュレーションはある特定の年月日を想定しています。
その年になっても国の収入の半分以上を国債の関連費に充てざるをえない状態の日本政府は人口減少と高齢化が続く中消費税増税でも財政再建の道筋がつけられずまるで麻薬を摂取するかのように国債を発行し続け借金が膨らんでいく想定です。
当然市場は財政破綻の不安が強まりその月の初めに行われる国債の買い手が国の売り出し量を大幅に下回るとこのデータは予測しています。
買い手がほとんどいなくなった日本国債は暴落。
金利は上昇。
日本の信頼が大きく損なわれた事で通貨である円も暴落。
日本株は売り浴びせられ円株国債のトリプル暴落が起きるというデータです。
それが財務省金融庁そして各金融機関にいる有志のグループの予測したXDAYだ。
それによって金融封鎖した時銀行利用の個人や法人はもちろん関係官庁にどんな影響が出るのかその反応やパニックについてデータを取るために仕組まれたのが最近頻発してる銀行のシステム障害だ。
じゃあこのデータは…。
XDAYを想定した金融封鎖の手順の一部だ。
それを中山さんは漏洩した…。
なんのために?やっぱりこれが殺害の動機…。
何する気だ?だとしたらXDAYを予測した財務省金融庁銀行のどこかに殺人犯がいるはずです!その捜査本部から我々は撤退した。
え?犯人を逮捕すれば当然裁判になる。
もし犯人が有志グループの中にいたら殺害の動機…XDAYが公になってしまう。
でも人ひとり殺されてるんですよ?わかってるのか!?XDAYが公になった途端その日がXDAYになってしまうんだ!事の重大さがわかったらこの件は他言無用だ。
XDAY…。
それは日本にとって最悪の日ですね。
それ以前に日本だけでは済まない問題です。
ええ。
しかし大変よいお話を聞かせて頂きました。
東京にいればもっと詳しいお話が出来たのですがねぇ。
ありがとうございました。
(神戸)わかりましたね財務省の思惑が。
ええ。
(神戸)XDAYの準備は国民に気づかれたらアウトです。
だからこそ二度とこういうデータが流れないようにあの法律を通そうとした。

(中園)お前のトレーディングルームから出てきた。
これを見てお前はXDAYを知った。
さすが元敏腕証券マンだな。
だから国債の空売りなんかしたのか。
日本の破産がわかってれば誰でもやる手だ。
もっとはっきりした日付がわかればもっとうまく出来たんだ。
その日付ならもうわかったよ。
データをうちで分析したからな。
いつだ!?そんなに金にしたいのか!?日本の破産を!さすがヤクザに飼われてただけの事はあるな!あそこがヤクザだなんて知らなかった。
今さら何言ってる?だがヤクザとわかったって抜ける気はなかった。
潤沢な資金に圧倒的な情報量…。
あんなエキサイティングな仕事場他にない。
そんな中でつかんだXDAYだ。
日本国民には地獄だろうよ。
だが…俺にとってはチャンスなんだ。
あっどうも。
うっす。
中山さんの部屋を探っていたこれらの指紋ですが伊丹刑事の推測どおりこの人の指紋でした。
やっぱりあの上司…。
よし任意同行するぞ。
違法に入手した指紋じゃ証拠になりませんよ。
(三浦)それ以前に部長に止められたんだろう?銀行の捜査。
関係ねえよ。
しかし…あいつ連絡遅えな…。
新justiceの正体わかったぞ。
新justiceがデータを流したネットカフェだ。
この女…中山の恋人。
その法律でネットによる内部告発を防ごうとした。
例えば…XDAYの内部告発とか。
美味しい!ここの和牛のポワレ本当に美味しいの。
どうぞ召し上がって皆さんも。
我々はこの法案を通したいと思っています。
心強いわ。
(雛子)大手都銀の方や金融庁の方警察庁の方が応援してくださるなんて。
警察庁?必要でしょ?この法律を運用する機関が。
それを警察庁に作るつもりですか?警察の天下り先になると国民の批判を受けます。
我々はそんな事をするつもりは…。
そんな事にならないよう早い段階でこの法案の主導権を握りたかった?だから勉強会だなんて言い出したの?国の予算を預かる財務省がうなずくはずない。
うなずかせるのよ皆さんが。
ハハ…我々にそんな力は…。
ハハッ!まあご謙遜!XDAYのシミュレーションなんて大きな事をなさる皆さんですもの…。
いるんでしょ?財務省にも日銀にもお仲間が。
皆さんにお会いしたいわ…。
勉強会で。
警察庁の参加それが条件ですか?条件?片山先生がXDAYを黙っている条件です。
やだ!私が脅してるみたい。
フッ…ハハッ…。
ちなみに…次はいつ?XDAYのシミュレーション。
(ため息)明日です。
あら!ほとんどの民間企業の給料日。
人が悪い…。
(咳払い)またどこかの銀行から顧客が逃げるわね。
今後国内ほぼ全ての金融機関が続きます。
じゃあどこに預金しても危険性は同じ?ええ。
逃げた客もいずれ戻らざるをえません。
預金は国外に出ても追跡出来るシステムは出来ています。
そのシステムの強化のためにもこれは必要なんです。
それは日本をサイバーテロから守るための法律よ。
ええ。
表向きはその方が通りやすいでしょうねえ。
(雨音)
(月本幸子)いらっしゃいませ。
おいおいおい…連絡くれるんじゃなかったのか?よかったらお使いください。
ああ…すいません。
お前のとこの課長にかけ合うっていうのはどうだった?すいません…。
やっぱりな…。
まあいいや。
お飲み物はどうなさいます?あっじゃあ同じものを。
明日中山の女に会いにいくぞ。
え?新justiceはこの女だ。
どうぞ。
あっ…。
(雷鳴)サイバー犯罪対策課は捜査本部を抜けました。
ああ?課長にそう言われました。
ハハハ…よくやるよ上の連中も。
そんな顔するなよ。
いいよ構わねえよ。
明日朝7時この女の家に来い。
俺が捜査の本丸に連れてってやる。
何言われたってホシ挙げて見返してやりゃいいんだよ。
行けません…。
行けません。
もう捜査は出来ません。
すいません。
そうだよな…。
お前頭いいんだもんなあ…。
忘れてたよ。
俺は現場の…能なしデカだから!なんだよ…いけ好かねえ野郎だが少しは骨のある奴だと思ってたのによ!あっ…。
お代頂いてませんけど…。
あ…はい。
あっ…。
すいません急に呼び出されたもので今手持ちが…。
いつでも結構ですよ。
いやでも初めて入ったお店ですし…。
伊丹さんとそのお友達の刑事さんですもの。
信用してるんですね伊丹刑事を。
あ…そっか。
信用なんですねお金って。
え?私…昔ある場所で働いてた時なんですけどねそこすごく報酬が安かったんです。
ひと月で1万とちょっと。
え?でも衣食住付き。
そのお金をもらった時すごく嬉しかった…。
少なくともこれだけは信用されたような気がして。
信用されなかったらただの紙くずなんですよね。
え?お金は明日必ず持ってきます。

(アナウンサー)「今日未明から日本MBU銀行とNGA共和銀行の2大都市銀行で為替取引が停止した状態である事がわかりました」「金融関係者の間では先日の…」おはようございます。
おはようございます。
「今後他の銀行にも連鎖するのではないかという…」新justiceです。
え?彼女が使ったネットカフェのパソコンを調べました。
思ったとおりUSBメモリーを持ち込んでそれをパソコンに繋いでこのデータを流したんです。
でもきっとメモリーがデータを開くソフトも一緒に運ぶタイプだった事を知らなかった。
だからネットカフェを出る時にログオフしなかった。
それでそのパスワードがパソコンに残ったんです。
ネットカフェにログを出させて分析したんですか?ひと晩かかりました。
我々はこの捜査から外されたはずです。
まだ続けてる刑事がいます。
続ければ…あなたもその刑事も警察官ではいられなくなるかもしれない。
そうですよね…。
警察官だったんですよね僕たち。
ITバブルが弾けた頃に解雇されたエンジニアの一人ですよね?小田切さんも。
理不尽だとは思いませんでした?僕は思いました。
思ったから今は安定をと思って…。
でも警察に入ったら現場の捜査官が無能に思えて…。
ええ。
いつもその愚痴でしたね。
正義感を持った捜査官とそれすら持っていなかった専門捜査官と警察官としてはどちらが無能だったんでしょう?会社に行くだろうと思って待たせてもらいました。
オートロックのマンションはピンポンすると逃げられる恐れがありますからね。
なんで私が逃げるんです?このネットカフェから中山さんの死後このデータが流されました。
あなたのいたちょうどこの時間に。
たまたまその時間このネットカフェにいただけです。
この時間にこのパソコンで使われていたUSBメモリーのパスワードです。
このメモリー持ってますよね?家宅捜索の令状ならこれとこれで取れますけど。
どうします?中山から預かったものです。
知ってたんですね?中身がこれだと。
一度だけ中山が見ていたのをのぞいた事が…。
(美奈)何?仕事?
(中山雄吾)うん。
なんのデータ?うん…一部の人だけが握ってちゃいけないデータ。
広く知らしめてみんなでどうするか考えなきゃいけない。
持っててくれ。
俺に何かあった時のためにさ。
何かって何よ?さあな…。
ただ何が起こるかわからない世の中だから。
だからあなたたちにそれを見せられた時それをネットに流したから殺されたんだと思いました。
彼が命をかけて流したデータです。
それなら今度は私が…。
(芹沢)危険だとは思わなかったんですか?
(芹沢)それは?どうだ?気になる?早く教えろよ。
何よタロットなんてバカにしてたくせに…。
知ってるか?銀行員は占いを信じやすいって。
え?自分の仕事が人の信用だけで成り立ってるって潜在意識でわかってるんだ。
だからすがるものが欲しいんだ。
(美奈)カードは「JUSTICE」。
そうね…。
あなたがしようとしている大きな仕事は動けば必ず反応が返ってくる。
動かなければ?何も変わらない。
(美奈)中山の背中を押したのは私かもしれない。
中山の上司の…。
顔を見た事は?
(美奈)あります。
同じ本店勤務ですから。
あのデータがネットに流れたのを知っていました。
(美奈)朽木室長が怪しいんですか?事件について何か知ってる…我々はそう考えてます。
そういえば…。
中山が殺された日行内で誰かと…。
朽木が誰かと会ってたんですか?ええ。
(美奈の声)でもなんか険悪な雰囲気で…。
室長さんここからはビジネスの話をしましょう。
(朽木)お帰りください。
誰と会ってたんです?わかりません。
ちょっと見ただけで…。
でも覚えてないって事は本店の人間じゃなかったって事です。
(芹沢)それ朽木さんに聞いて答えてくれるかな?くれるかな?じゃねえ。
聞き出すんだ!私が…見たって言います。
それで聞き出せますか?
(三浦)混んでるなあ…。
この辺銀行多いですからね。
ああ…今日は給料日か。
じゃ昼休みになったらもっと混みますね。
今日はMBU銀行と共和銀行がシステム障害で止まってるからかなりパニックになると思います。
テレビで見ました。
今起きてるシステム障害が連鎖的ならまたどこかの銀行でお金が出せなくなるって。
(三浦)やってたなあ。
もしかしたら金融封鎖が起きるとか銀行がつぶれるとかもうテレビは好き勝手な事を言う。
それでこの人混みですか…。
(芹沢)いくらなんでもこんな大勢…。
下ろす金ないでしょ。
いえ。
無理してでも用意すると思います。
もし出来ないとなるとその時点で大パニックになりますから。
(芹沢)朽木室長今日から有給休暇だそうです。
え?俺たちの動きが上の方からバレたんだろう。
朽木の家へ行くぞ。
いや僕は彼女と朽木さんが会っていた男を見た人を探します。
じゃ。
行きましょうか。
(美奈)はい。
(解錠音)
(行員)申し訳ありません。
朽木は今席を外しておりまして。
ええ。
携帯はご存じでしょうか?あっ少々お待ちください。
内線です。
256を押してた。
(行員)システム部です。
(美奈)256…こっちです。
(行員)朽木室長いらっしゃいますか?
(廣田幸夫)財務省の廣田です。
(雛子)どうぞ。
かなり混乱が起きてるけど大丈夫?海外への影響は最小限になるように努めています。
(平)混乱を起こした金融機関にはちゃんと業務改善命令を出し立入検査をします。
あら命令を出して検査する方命令を出されて検査される方。
よく出来てる。
(戸張)XDAYの準備は日本国民のためではなく日本政府のためにあるんですから。
どいて…!どいて!大丈夫ですよ。
こうやって徐々に悪くなる分には日本国民は耐えられるんです。
(戸張)先の事を具体的に想像出来ない人が多いですから。

(戸張)絶望の真実より希望の嘘に飛びつく人が多いですから。
危ない危ない危ない…!クソッ!複雑な真実よりわかりやすい嘘が大好きなんです。
(警備員)「ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません!」
(エラー音)
(警備員)押さないでください皆さん!なんの行動も起こさなくても明日もまた今日と同じような生活があるとなぜか信じてる。

(エラー音)そうじゃない現実を何度も見てきたのに。
あーっ!どけ!キャーッ!だとしたら…そう勘違いさせておきましょう。
万一そうじゃなくなった時にはまたお得意の想定外だったと言えばいいじゃないですか。
あっ!ああ…!すいません…!タクシー!タクシー!早く!出て!
(クラクション)
(運転手)危ねえぞこら!やばい!オーライ!はいストップ!
(一同)あっ…!
(歓声)
(歓声)
(朽木)どけどけ!どけ!
(人々の悲鳴)
(朽木)どけ!
(人々の悲鳴)
(朽木)どいて!どいて!どいて!どけ!
(朽木)離せ!うっ…!よーし!離せ!なんだよてめえ!おとなしくしろよおら!誰と会ってたか聞いてんだよ。
中山さんが殺された日。
これ…全部あんたの指紋だ!あんたは明らかに中山さんの部屋をあさっていた。
あのデータは一体なんだ?なあ…この事件の裏に…何があんだ?
(ノック)何取り調べさぼってんだよ。
捜査本部にいない人間がしたらまずいと思いまして。
構わねえよ来い。
朽木さんと2人きりにしてもらえませんか?あ?伊丹刑事の嫌いないやらしい攻め方をしてみます。
取り調べは刑事2人以上が基本だ。
今1人でしてましたよね?お手並み拝見してやる。
(ノック)捜査一課伊丹刑事。
うちの岩月が取り調べをさせられているとか。
させられてるって…まあそうですが…。
今から見ます?うちの課長に告げ口する前にご説明願えますか?はいはい。
(ノック)XDAY。
…のシミュレーションですよね?ちなみにこのデータの削除依頼を出していたのは金融庁のサーバーが中心でした。
知ってましたよね?だってこのデータ作ったのあなたですから。
私は上の命令で…。
じゃあその上って人にこう言ってあげましょうか。
あなたがXDAYを自白したって。
なっ…し…してない!した事に出来るんですよ調書を作ってしまえば。
なんで…なんでそんな事…!そんな事が嫌なら教えてください。
中山さんが殺された日あなたは誰と会ってましたか?
(篠山)以上だ。
お前を金融商品取引法違反で送検する。
(堤)署名捺印しろ。
神林直樹!殺人容疑で逮捕します。
神林直樹!殺人容疑で逮捕します。
(篠山)殺人!?中山さんの殺害現場にあった紙幣と封筒の指紋…。
あなたの指紋でした。
どういう事か説明してもらえますか?いい職場だったよ桂井企画は。
暴力団の事務所がですか?ああ。
おかげでこのデータの意味がわかった。
これが東京明和のデータだと教えてくれたのも関東貴船組の情報網だ。
金融封鎖のシミュレーションってわかるまでにちょっと手こずったけどな。
会いたかったんだよこのデータを作った奴に。
どうして?決まってんだろ。
正確なXDAYを知るためだ。
(中山)退職願?郵送でいい。
明日からはここに来るな!急に退職して怪しまれないよう今月いっぱいはいろじゃなかったんですか?そんな悠長な話じゃなくなった!何があったんです?
(朽木)何があった?よくそんな事が言えるな!こんな事しといて!そのセリフは一週間前にも聞きました。
私が流したデータは見つけ次第削除してる!だから公になる事はないんじゃないんですか?何してるんです?あ…本店システム部の中山です。
すでに運ばれた荷物から私物のデータを取りに。
もうすぐ9時ですよ。
大切なデータですか?実は今日いっぱいで退社するんで。
なるほど。
まあ…それだけの事はしたもんな。
(神林)XDAYはいつですか?来年ですか?まさか…今年?金が必要だろ?明日から無職なんだ。
安心しろ。
こんなはした金で済ます気はない。
どうせもうすぐ紙くずになるんだ。
それに無職にはなるが忙しくなる。
それをマスコミに発表するからな。
クビになった銀行員の話をどこまで信用してくれるかわからないがこうなったら…。
なんでそんなにバカなんだ!?
(中山)離せ!
(神林)金になる情報の使い方知らないのか!?ああっ…!金になる情報?ああ…。
だから調書にはとらせない。
裁判では黙秘する。
お前…。
このネタさえあれば刑務所の中にいても稼げる。
ふざけるな!おい!
(篠山)おい…!落ち着け!何をしてる!君は捜査本部を外れたはずだ。
出て行け!
(大河内)同じく自称トレーダーによる殺人容疑の検挙により…。
この捜査を必死に止めましたよね部長。
止めてはいない。
捜査の道筋を示しただけだ。
それが功を奏してお前たちが逮捕したのは官公庁でも銀行関係者でもなくヤクザの共生者だ。
よくやった。
いい部下を持ったよ。
(拍手)民間人にも渡せる賞なんですよね。
ええ可能ですが。
じゃあ今回の捜査協力者にあげてください。
捜査協力者ですか?被害者の恋人です。
逮捕した神林…。
裁判で本当に黙っていると思いますか?金の亡者らしいじゃないか。
そんな男の国債暴落論なんかたとえ口を滑らせても単なる妄想だ。
お前たちに何か出来るなんて考えない事だ。
世の中には知らなくていい事があるんだ。
さぞかしいい気分だろうなあ…。
たった一人で殺人犯逮捕して…。
何が殺人には興味ねえだよ。
ったく…。
で?今回の事件官公庁がどう関わってんだ?さあ。
まあ…俺には関係ねえけどな。
俺は刑事だ。
犯人をとっ捕まえるだけだ。
じゃあもう行きますね。
僕忙しいんで。
待てよ。
金返すっつってんだろう。
いいですよ飲み代くらい。
(舌打ち)ホシを盗んだ男におごられるのは嫌なんだよ。
本当面倒な人ですね。
(エラー音)「恐れ入ります。
お取り扱い出来なくなりました」なんでだよ〜!またシステム障害じゃないですか?冗談じゃねえよ俺の時に!自らに降りかかって初めて災難がわかるタイプですね。
難しい事言ってんじゃねえよ!難しい事を面倒だって逃げてると来ちゃいますよ。
何が?XDAY。
X?なんだそれ!おい金!じゃあ今度おごってください。
ただし日本銀行券が使えるうちにお願いしますよ。
難しい事はわかんねえよ。
『相棒シリーズXDAY』お楽しみ頂けましたでしょうか?『相棒』はさらなる進化を続ける事をお約束いたします。
その最新作が現在公開中の映画『相棒‐劇場版