日曜美術館 アートシーン ▽“光琳を慕う—中村芳中”展 ほか 2014.04.27

「アートシーン」です。
江戸時代後期の知る人ぞ知る画家の展覧会が開かれています。
金地に映える白梅の老木。
「たらし込み」で描かれた重厚な幹はあたかも尾形光琳を思わせる表現です。
作者は中村芳中。
光琳の画風を出発点として独自の世界を築いた画家です。
江戸後期に大阪で活動しこれまで美術史の表舞台に出る事のなかった中村芳中の展覧会です。
芳中が大きな影響を受けた尾形光琳の作品。
淡い色彩で描かれたあじさい。
墨のにじみを利用したたらし込みの技法に芳中は魅了されました。
琳派の絵を独学で学んだ芳中はまず版本の「光琳画譜」を出版します。
デザイン性の高い光琳風の作品で画壇に打って出たのです。
ここでは版画によってたらし込みの色調を表現しています。
やがて芳中は独自の画風を展開していきました。
ケイトウの葉の豪快な墨のにじみ。
計算して画面を構成していく光琳とは大きな違いが感じられます。
こちらは芳中の現存作品で最大の屏風。
中国の故事を題材に仙人を描いています。
野性味あふれる人物。
ひげや髪の毛は流れた墨の形をそのまま生かしました。
即興的な表現は琳派のスタイルから離れ芳中ならではの世界を作り上げています。
芳中の方はたらし込んで出来たらそれを使ってどうしようかなというようなそういう何か自由な感じがあると思います。
形の面白さとか偶然性とかそういった事を追求してかっちりした形というものをもともとそんなに求めてない人なので光琳を慕ってるんだけれども出来たものは光琳とはだいぶ違うものになってったって事だと思います。
謎に包まれた芳中の生涯。
今後の研究が期待されます。
新さんは実際に展覧会に行かれたとか?はい。
僕芳中大好きなのですぐに行ってきました。
普通展覧会で芳中の作品が並ぶ時っていうのは1つ2つ…3点あれば多いなたくさん見れたなって思えるんですけど今回芳中づくしですからほんとに見応えありましたし芳中って琳派の系譜の中で研ぎ澄まされていったたらし込みあの技法を本当に究極なまでに推し進めたというかある意味完成させた人なんじゃないかなって思うんですね。
本当に見応えありましたね。
そうですね。
ではその他の展覧会です。
小説家平野啓一郎さん。
見つめるのは美術館のコレクションから自身が選んだ1点です。
ドイツの画家マックス・クリンガーの版画。
スケート場で誰かが落とした手袋を男性が拾おうとする瞬間です。
(平野)取ろうとしてる人が下を向いてる時に追いかけようとしてる落とした人たちが不思議な体の形なんですよね。
倒れようとしてるような無重力のような。
構図自体もすごく期待をかきたてるような構図になっていて見てるといろいろな想像力をかきたてられますね。
国立西洋美術館でゲストキュレーターとして平野啓一郎さんを迎えた展覧会が開かれています。
小学生の時とかは文章より絵描く方が得意だったのでずっと憧れがありますね。
自分は画家にはなれませんでしたけど好きでしたし今小説書いてる時にも絵からインスピレーションを得たりする事も結構あるので自分の人生の中ではすごく重要な存在ですね。
今回のテーマは「非日常」。
物語を紡ぐように32点の作品で展覧会を構成しました。
人間にとって究極の非日常といえるのが「死」。
19世紀の画家ドラクロワが描いたキリストの埋葬の場面です。
画面の上から続く階段は日常を離れ光の届かない死の世界へ下りていくかのようです。
妻のいる室内を描いたハンマースホイの絵。
いつも目にする何気ない光景にも非日常を感じる事があります。
静かな画面にふとした瞬間のかすかな違和感が漂っていると平野さんは考えました。
平野さんが最後に選んだのはクールベの「波」。
この絵のどこに非日常を感じたのでしょうか?見てるうちに何かこう感覚が揺さぶられるというか特に海っていうのは寄せては返しっていう永遠の反復ですからふだんの日常の時間みたいにまっすぐ流れていく時間ではなくて何度も何度も再来しては遠ざかっていく時間の比喩になっているので余韻があっていいんじゃないのかというのが僕の意図でした。
小説家の視点から作品の新たな魅力に出会います。
紀伊半島に広がる3つの霊場を中心に神と仏の姿を見つめる展覧会です。
山の神への信仰と仏教が一体となった修験道。
役行者はその開祖とされています。
古くからさまざまな神や仏が祭られてきた熊野。
「那智参詣曼荼羅図」には多くの神社仏閣が宗派の隔てなく描かれています。
日本独自の宗教観が展開する展覧会。
近代文人画の巨匠富岡鉄斎の没後90年を記念する展覧会です。
中国の思想に影響を受けた鉄斎は不老不死の仙人が住む世界に憧れを抱きました。
蓬莱山に仙人たちが集う様子を表した「群僊集会図」。
理想の世界が鮮やかな色彩で描かれています。
20世紀美術の巨匠たちが挑んだ版画の展覧会が奈良県立美術館で開かれています。
横8mあるフランク・ステラの作品。
版画工房との共同作業によって一人では生み出し得ないエネルギーを形にしました。
印刷物のドットを絵画で再現した事で注目されたリキテンスタイン。
世界のポップアートをけん引する中で版画にも興味を持ち多様な技法を駆使しました。
版画のイメージを超える大型の作品が中心です。
現代日本画を代表する平山郁夫の展覧会が広島県立美術館で開かれています。
釈迦誕生の伝説。
母親が白い象の夢を見て釈迦をみごもったという場面です。
平山は50年代から仏教伝来のテーマに取り組みました。
それをきっかけにユーラシア大陸を貫くシルクロードを描くようになります。
悠久の時を感じさせるラクダの隊列。
平和への祈りに根ざした平山の画業をたどります。
猫猫猫これも猫。
猫を題材とする作品を集めた展覧会が渋谷区立松濤美術館で開かれています。
古代エジプト以来世界中で愛されてきた猫。
さまざまな意味を持つシンボルとして表現されてきました。
エジプトでは家を守る女神の使いです。
中国南宋時代の絵。
タチアオイの下猫と蝶が描かれています。
蝶は80歳猫は70歳の長寿を表すめでたい組み合わせとされています。
大みそか中国の家で貼られる「年画」。
ねずみの害を減らし福を招く事を願っています。
日本には奈良時代頃に渡来した猫。
さまざまな絵に登場します。
これは江戸時代の肉筆浮世絵。
猫が恋のきっかけを作る「源氏物語」にヒントを得ました。
美しく着飾った花魁の足元に猫がまとわりついています。
気まぐれな性格の猫はしばしば美人と共に描かれました。
「アートシーン」でした。
ではまた次回。
2014/04/27(日) 20:45〜21:00
NHKEテレ1大阪
日曜美術館 アートシーン ▽“光琳を慕う—中村芳中”展 ほか[字]

「光琳を慕う—中村芳中」(千葉市美術館 4月8日〜5月11日)ほか、展覧会情報

詳細情報
番組内容
「光琳を慕う—中村芳中」(千葉市美術館 4月8日〜5月11日)ほか、展覧会情報
出演者
【司会】井浦新,伊東敏恵

ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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