台湾の馬英九(マーインチウ)総統は27日、建設停止を求める動きが強まっている第四原発について、安全検査を行って住民投票で稼働の是非を決めるまで、工事をとめる方針を決めた。だが、投票時期や成立のハードルをめぐっては政権と反対派の間で意見の違いが残っている。

 第四原発をめぐっては、著名な民主活動家の林義雄・元民進党主席が建設停止を求めて22日から断食に入り、改めて関心が高まっていた。27日には、建設停止を求める数万人が台北駅前の幹線道路に座り込んで交通をマヒさせ、政権は対応に追われていた。

 馬政権は第四原発を稼働させなければ電力不足に陥るとし、原発を完工させて住民投票にかけるとしていた。だが、この日の与党・国民党の会議で、同原発1号機の安全検査だけを進め、その上で住民投票をすることを決め、一定の譲歩を見せた。ただ、台湾電力によると、1号機は工事を基本的に終え、安全検査の一環として試運転中。2号機は工程の約96%を終えた段階だが、反対派には「現状を追認しただけ」との受け止めもある。