東京都の多摩地域で27日午後8時26分ごろ、大規模な停電が起きた。東京電力によると、最大時は八王子、多摩、町田、日野の4市で計約30万1千軒。南多摩変電所(八王子市)のトラブルが原因としている。

 東京消防庁によると、エレベーター停止の通報が6件入ったが、閉じ込められた人は全員助けたという。京王電鉄では、高幡不動―京王八王子、京王多摩センター―橋本、北野―高尾山口で約30分間運転がストップ。列車の遅れが深夜まで続き行楽客らに影響した。

 最後まで停電が続いた約1万軒が完全復旧したのは午後11時4分だった。東電によると、南多摩変電所内で電流を切り替える開閉器が故障。他の変電所から切り替え復旧させたという。

 八王子市によると、複数の病院で電気が止まったが、自家発電で対応し、特段の影響はなかった。市役所には「原因は何だ」「復旧はいつか」との電話が相次ぎ、職員が対応に追われた。同市や日野市では信号機も消灯し、警察官が交差点で交通整理にあたった。

 南多摩変電所では2010年11月にもケーブルの損傷で、約25万8千軒が停電している。