世界文化遺産に登録される見通しとなった富岡製糸場(群馬県富岡市)の27日の入場者数が4972人と、過去最高だった3446人(昨年5月4日)を大幅に更新した。26日未明にユネスコの諮問機関から「登録が適当」と勧告を受けた効果がいきなり表れた。

 午前9時の開場前、約270人が正門前に列をつくり、警備員らが整理に追われた。その後も見学者が詰めかけ、通路は人がすれ違えないほどに。施設を所有・管理する市は、無料ツアーのガイドを増員し、普段30分ごとの出発間隔を10~15分にして対応した。

 夫の母(故人)が富岡製糸場で働いていたという横浜市の臼井久美子さん(72)は初めて訪れた。「ニュースで勧告を知って駆けつけました。大勢の人が見てくれて、母も誇りに思っているのでは」と感激した様子だった。