旧聞に属することですが、先週発表されたアメリカの3月の新規住宅販売件数は38.4万件で、2月から-14.5%も落ち込みました。

その理由のひとつは住宅ローン金利が少し上昇したことです。ただ現在の30年住宅ローン金利は4.34%付近であり、これは歴史的に見てまだ低いです。
連邦準備制度理事会(FRB)は住宅ローン金利を低くおさえる狙いもあり、これまで量的緩和政策を実施してきました。それが住宅ローン金利を低く維持することに貢献しています。
ところが差し押さえ物件の処分売りなど、誰から見てもあきらかに「美味しい」在庫の処分が一巡してしまうと、一戸建ての需要の戻りは、とたんに「牛歩」のペースになってしまいました。
これを「リーマンショック以降、魅力ある新築住宅の供給が減ったからだ」という風に説明するエコノミストも居ます。
確かに宅建業者は比較的値段の高い新築住宅の建設に注力しています。その結果、新築住宅の販売単価はかなり上昇しています。
株などの資産を持っているベビーブーマーの購買意欲は健全だし、彼らの場合、ローンの承認もおりやすいです。
でも結婚したばかり、あるいは妊娠して、赤ちゃんが生まれるという「若いファミリー」のスターター・ホームに対する需要は「どーしちゃったの?」と言うほど不振です。
ニューヨーク・タイムズは「アメリカンドリームの先送り」と題された記事の中で「ニューヨークやサンフランシスコなどの大都会では住宅価格が戻り、買い手が先を争うように値段を吊り上げる現象が戻っているけど、それ以外の地方では住宅市場が経済のけん引役になれていない」と指摘しています。
その理由のひとつは住宅ローン金利が少し上昇したことです。ただ現在の30年住宅ローン金利は4.34%付近であり、これは歴史的に見てまだ低いです。
連邦準備制度理事会(FRB)は住宅ローン金利を低くおさえる狙いもあり、これまで量的緩和政策を実施してきました。それが住宅ローン金利を低く維持することに貢献しています。
ところが差し押さえ物件の処分売りなど、誰から見てもあきらかに「美味しい」在庫の処分が一巡してしまうと、一戸建ての需要の戻りは、とたんに「牛歩」のペースになってしまいました。
これを「リーマンショック以降、魅力ある新築住宅の供給が減ったからだ」という風に説明するエコノミストも居ます。
確かに宅建業者は比較的値段の高い新築住宅の建設に注力しています。その結果、新築住宅の販売単価はかなり上昇しています。
株などの資産を持っているベビーブーマーの購買意欲は健全だし、彼らの場合、ローンの承認もおりやすいです。
でも結婚したばかり、あるいは妊娠して、赤ちゃんが生まれるという「若いファミリー」のスターター・ホームに対する需要は「どーしちゃったの?」と言うほど不振です。
ニューヨーク・タイムズは「アメリカンドリームの先送り」と題された記事の中で「ニューヨークやサンフランシスコなどの大都会では住宅価格が戻り、買い手が先を争うように値段を吊り上げる現象が戻っているけど、それ以外の地方では住宅市場が経済のけん引役になれていない」と指摘しています。
住宅への投資が経済全体に占める割合は第二次大戦後最低の水準にあり、住宅ローン金利が20%を超えていた1980年代と比べても今の需要は小さいのです。
ニューヨーク・タイムズは「新築住宅の市場の不活発の最大の原因は、そもそも需要がお話にならないくらい弱いことにある」と断定しています。
2006年にサブプライムの問題が最初に認識されたわけですが、それ以来、アメリカの人口は2,000万人増加しており、普通に考えれば潜在的住宅購入者の数は着実に増えているわけです。
しかし昔のように人口増が住宅の需要増にリンクしなくなった理由はハウスホールド・フォーメーション(household formation)、つまり親と同居するのではなく、若者が結婚相手などのパートナーを見つけて、親の家を出て、新しいファミリーをはじめる……この極めて重要な経済活動に著しい鈍化が見られるからです。
前回の米国の国勢調査(2001年から2006年)ではハウスホールド・フォーメーションは135万件ありました。しかし今回(2007年から2013年)はそれが僅か56.7万件に減っているのです。
つまりミレニアル世代と呼ばれる、今の若者は、婚期そのものも遅れているし、いつまでも愚図愚図と親と同居し、あるいは親の家を出た場合でも友人などと共同で都心にアパートを借り、まるで大学の学生寮のようにギュウギュウ詰めになって暮らしているというわけです。
これらの若い世代は一般に昔の世代より高学歴です。ところが高学歴だからといって自動的に良い仕事に就けているか? と言えば、それはそうではありません。また大学を出て、働き始めた場合でもスチューデント・ローンの返済負担が重いので、いきなりマイナスから人生をスタートしているわけです。
そのような経済環境の中で、若者たちのプライオリティ(=優先順位)や価値観は、大きく変わっています。
若し投資家の中に「住宅市場の復活をコアに据えた米国経済の回復」というシナリオを描いている人が居るのなら、デカい落胆が待ち構えていると思います。
ニューヨーク・タイムズは「新築住宅の市場の不活発の最大の原因は、そもそも需要がお話にならないくらい弱いことにある」と断定しています。
2006年にサブプライムの問題が最初に認識されたわけですが、それ以来、アメリカの人口は2,000万人増加しており、普通に考えれば潜在的住宅購入者の数は着実に増えているわけです。
しかし昔のように人口増が住宅の需要増にリンクしなくなった理由はハウスホールド・フォーメーション(household formation)、つまり親と同居するのではなく、若者が結婚相手などのパートナーを見つけて、親の家を出て、新しいファミリーをはじめる……この極めて重要な経済活動に著しい鈍化が見られるからです。
前回の米国の国勢調査(2001年から2006年)ではハウスホールド・フォーメーションは135万件ありました。しかし今回(2007年から2013年)はそれが僅か56.7万件に減っているのです。
つまりミレニアル世代と呼ばれる、今の若者は、婚期そのものも遅れているし、いつまでも愚図愚図と親と同居し、あるいは親の家を出た場合でも友人などと共同で都心にアパートを借り、まるで大学の学生寮のようにギュウギュウ詰めになって暮らしているというわけです。
これらの若い世代は一般に昔の世代より高学歴です。ところが高学歴だからといって自動的に良い仕事に就けているか? と言えば、それはそうではありません。また大学を出て、働き始めた場合でもスチューデント・ローンの返済負担が重いので、いきなりマイナスから人生をスタートしているわけです。
そのような経済環境の中で、若者たちのプライオリティ(=優先順位)や価値観は、大きく変わっています。
若し投資家の中に「住宅市場の復活をコアに据えた米国経済の回復」というシナリオを描いている人が居るのなら、デカい落胆が待ち構えていると思います。