【東田剛】アメリカが激怒

From 東田剛

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https://www.youtube.com/watch?v=Wzz3dqOIGrY

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靖国参拝の話が続いたので、今回は久しぶりにTPPを。
こっちも、結構、深刻です。

まず、年末ご紹介した記事のおさらいです。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131222/plc13122212570002-n1.htm

<参考>
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/12/25/korekiyo-76/

関連して、日本機械工業連合会のサイトで、TPPに関して、同様の情報が出ていました。
http://www.jmf.or.jp/USA/USA_53/usa53_p1.html

「マイケル・フロマン米通商代表部(USTR)代表は・・・市場アクセス問題で適切な提案を怠っているとして日本を激しく非難した。「我々の観点からすれば、日本は市場アクセス問題において、『包括的でかつ野心的である』というTPPの目標にかなうだけの意味ある提案を行っていない」と述べた。フロマン氏は安倍晋三首相が国内の農業団体をなだめるために6つの農産品をTPP交渉のテーブルから除外するよう交渉団に指示したことをやり玉に挙げた。」

「あるTPP代表団から流出したメモによれば、日本は関税撤廃案の内、最少95品目で関税削減を提案していない唯一の国となっている。

どうも、日本側の戦略は、こうだった模様。

<1> 日本側は、非関税分野で米国のお先棒を担いで各国を攻め立てる。例えば、豪州にISD条項を飲むよう迫る(これぞ、日米による新たなルール作り!)。
<2> それと引き替えに、米国に、農産品5分野の関税維持を認めてもらう(総理が、パねえ交渉力で、聖域なしは前提じゃないとオバマに認めさせたはず)。
<3> で、日本に有利に進んだ交渉はめでたく妥結して、日米関係は強化。

ところが、実際に起きたことは、こちら。

<1> マレーシアやヴェトナムなどは、従米かつ利己的な日本の態度にすっかり失望。
豪州はISD条項を飲み、そして日本に「お前の言うとおり譲歩してやったから、次はお前が関税を全廃しろよ」と迫る攻守逆転の展開。
<2> そしたら、米国も、日本に「そうだ、全廃しろよ。お前が一番、開いてねえぞ」と!他の国々も「そうだ、そうだ!」と、日本を囲んでタコ殴り。総理が聖域なしは前提じゃないって確認したはずなのに・・・。
<3> 日本は、今やTPP交渉の最大の障害。フロマン激怒。

希望的観測に基づき、稚拙で手前勝手な戦術に基づいて交渉に突入すると、こういう無残なことになります。

これ、経済交渉だからまだいいですよ。
戦争だったら、大変なことです。

で、日本側は、苦し紛れの提案・・・(我が国の名誉のために、これが誤報であることを祈ります)。
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO64881420U4A100C1NN1000/

「TPPは国家百年の計です!キリッ」

TPP、この後、どんな展開になっちゃうのでしょうか・・・。
それは、また別の機会に議論しましょう。

ところで、ルー財務長官が円安を牽制する発言したとか。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1700M_X10C14A1EB1000/

TPA法案が提出され、議会には、為替条項の導入を求める声がある中、FRBは、(ドル高を招く)量的緩和の縮小を開始するのです。
http://mainichi.jp/select/news/20140106k0000m020078000c.html
http://www.jmf.or.jp/USA/USA_53/usa53_p3.html#05

ルー長官が円安を牽制しても、まったく不思議ではありません。

ところが、政府関係者は「真意を測りかねていルー」って。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJEA0G00H20140117

ダメだこりゃ。

PS
日本の行く末が心配な方は、こちらまで。
http://chokumaga.com/author/124/

PPS
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http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index2.php

【東田剛】アメリカが激怒” への11件のコメント

  1. 第二次大戦でも見た光景。ああ歴史は繰り返す。
    一度目は悲劇として、二度目は喜劇として。

  2. 99年後…(笑)
    今生きてる日本人はほとんど死んでるだろうから国内も納得してくれるだろみたいな感じか?
    それで日本政府は交渉で一体何を得ようとしているのだろう。

  3. 物事は良い方にはいき難く、悪い方にはすんなりいくのですね。
    99年後関税撤廃とは、無責任ですね。

  4.  ”<2> そしたら、米国も、日本に「そうだ、全廃しろよ。お前が一番、開いてねえぞ」と!他の国々も「そうだ、そうだ!」と、日本を囲んでタコ殴り。”
     東田剛とは無関係ですが、こんな事、3年も前に出版された「TPP亡国論」に書いてあったはずですよねえ。

  5. 利己的な人間の末路としては、実に面白いです。
    登場人物を動物に置き換えれば、立派に童話として成り立ちそうです(笑)

    • 同感です。ここまで解りやすいとまさに童話レベル。
      雉と鷹とコアラあたりで童話になりそうです。

  6. ようやっとTPPを取り巻くアメリカの政治勢力が明白になってきたました。
    POLITICO の Harry Reid rejects President Obama’s trade push という記事によると、上院を率いる民主党の Harry Reid は反対、下院をコントロールしている共和党は賛成、オバマはなぜか賛成。オバマはいったい誰のアドバイスを聞いているのかって話ですが。。。

    • FTA を押し通したクリントン大統領あたりですかね。それにしても、オバマ大統領(民主党)は、自分が出した法律をすべて葬り去ってきた共和党が押しているTPPをまゆつば物と思ってないようなのが悲しいところ。

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