2011/5/15 (日)
被爆66周年 8・6のつどいに思う 呼びかけ人 沼田鈴子
被爆者として,長く反核運動に携わってこられた沼田さんのメッセージです。ぜひお読みください。
昨年は被爆65周年,老いも若きもみんながひとつの心になって8・6ヒロシマのつどいをされたことがどんなに私達(被爆者)にとって心強いかわかりません。
さて今年は被爆66周年ですが,いまは本当に平和とは言えません。
このたびのような地震は今までになかったことです!
「原発がいつか爆発するのでは・・・」と私はずっと心配してきました。放射能漏れが報道されており,「まだ安全」といわれていますが絶対にそんなことはありません。においも形もないが,残留放射能がどんなに恐ろしいものかしっかり知ってほしいと思います!
私達は二度と被爆者になりたくない!
みなさんに被爆者の実態,66年前の8月6日,9日の被爆体験をもう一度勉強してほしいのです!
核兵器廃絶は口先だけの軽い運動ではありません。命にかかわること,いついかなるときに起こるかわからないことを自覚してほしいのです。
戦時中,軍国主義に惑わされ,真実を何も知らされなかったことの恐ろしさ!それが1945年8月15日の敗戦という日で終わったが,戦争に日本が負けるなどということは思いもしなかった・・・。教育で徹底して教え込まれたのです。
私も軍国少女として女子学生のとき勤労奉仕で群に協力していったことが何だったのか・・・!
今こそ真実はしっかり勉強してもらわないと・・・。
今は本当に平和ではありません。
このたびもたくさんの方,戦争を知らない方にも思いをしっかり伝えてほしい。特にそれを言いたいわけです。
大きな地震の犠牲になられた方に冥福を祈りながら,かろうじて生きのびている方にどのように支援をしてあげてよいか・・・。
66年生かされているからこそだまってはいけないと思います。これからも私は子どもたちにしっかりお話をしたい。
大久野島毒ガス工場の実態を知らせる活動をされている藤本さん山内さん。そして戦争犠牲者は日本人だけではない・・・韓国,朝鮮,アメリカの犠牲者のこと・・・。
そしてニュージーランドの地震の犠牲者・・・。語学を勉強する若い人達が犠牲になり胸が痛みました。
外国で起きたことと思っていたら「今日は他人の身,明日はわが身」
今度は日本の国内で大きな地震が起きた・・・。
どこで何が起こるかわかりません。
それを自覚して過ごしていかねばならない。起こってからでは遅かりき。
自分のことだから,興味本位ではなく学んでいってほしいのです。
生きのびた体験をこの会で訴えていただくことを切に願っています。
ひとり,ふたり,三人・・・とみんなが学んで平和の種をまいてほしい。
そうすると,この会のすばらしさがもっと伝わっていくと思います。
ありがたいことに大地震の犠牲を知ったいろいろな国が,組織にかかわらず,協力支援してくださっている。
人の痛みのわかる人の輪の広がり,参加した人々一人ひとりがすばらしいことを学べる会にしていきましょう。
何度も言います。
「今日は他人の身,明日はわが身」(自分には関係ない他人事だと思っていたら自分の身に起きる)なのです。
あらためて66年前の8・6,8・9にどんなことが起きたのかを本気で自分のこととして学んでほしいと思います。