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WIRED VOL.11

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グラスに浮かぶ、氷の彫像(ギャラリー)

サントリーが、おしゃれなウイスキーの飲み方を提案している。3Dプリンターで精密に作成した、ギターや金閣寺などの「氷の彫刻」を浮かべるのだ。

 
 
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TEXT BY JOSEPH FLAHERTY
IMAGES BY TBWA HAKUHODO
TRANSLATION BY TAKU SATO/GALILEO

WIRED NEWS (US)

サントリーは、1899年に設立された日本の大手飲料メーカーで、100年あまりにわたって、さまざまな紅茶やお茶、ソフトドリンク、アルコール飲料の製法に磨きをかけてきた。

同社は、研究開発においては伝統を重んじているが、マーケティングではハイテクな手法を好んで採り入れている。1990年代はじめには、遺伝子工学の研究機関を設立し、不可能の象徴とされてきた青いバラの栽培を成功させた(日本語版記事)。そんな同社がいま目を向けているのが、3Dプリントだ。

サントリーは、広告代理店のTBWA/HAKUHODOと手を組み、3Dプリンティングでユニークな氷の彫刻の数々を創り出した。スペースシャトル、ギター、日本の古いお寺、ミケランジェロのダヴィデ像など、さまざまな作品がある。

どの彫刻も、幅約15cmの氷の塊を材料に、約マイナス7度の冷凍機の中で、CNCルーターを使って数時間をかけて丹念に彫られたものだ。氷を厚めに削って全体の形をつくってから、少しずつ彫って細かい部分を完成させたら、氷の向きを変えて同じ作業を繰り返す。ひとつの氷を掘るのに、1~6時間ほどかかる。馬の脚などの複雑なものは、いくつかの氷を別々に彫ってからつなぎ合わせる必要があったという。

彫刻のテーマを決めるにあたり、サントリーは同社のウイスキーの愛好者から、人生においてお酒が重要な役割を果たした出来事を募集し、その中からテーマを選んだ。ある大学教員は、自分に勇気をくれるお酒のことを、自分の気持ちを奮い立たせてくれるリンカーン大統領の言葉になぞらえた。

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