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【社会】

警官自殺 パワハラ原因 警視庁 蒲田署の警部補懲戒

 今年二月、東京都大田区の警視庁蒲田署で同署地域課の男性巡査長(44)が拳銃自殺した事件を調べていた警視庁は二十一日、上司によるパワーハラスメント(職権による人権侵害)が自殺の大きな原因だったとして、同課の男性警部補(52)を減給百分の十(三カ月)の懲戒処分にした。

 警部補は昨年春ごろから今年二月にかけ、巡査長を含む部下十人近くにパワハラをしていた。警視庁は監督責任などを問い、蒲田署長ら八人を口頭厳重注意などとした。

 同庁によると、警部補は今年二月中旬に二回、巡査長ら数人に、職務質問の成績が良くないと指摘し、「おまえら駄目だ。身の振り方を家族と相談しろ」などと責めた。

 巡査長は同月十五日、勤務中に署内のトイレで拳銃自殺。遺書には、警部補の名前を挙げ、「許せない」「こんなに仕事が嫌になったのは初めてだ」と書かれていた。

 ほかにも警部補は、部下が書き間違えた勤務表を床に破り捨て、頭をたたいたり、電話にすぐに出なかった部下に、紙パックのジュースを口が開いたまま投げ付けたりした。

 同庁の調査に、警部補は「部下に危機感を持って業務してほしかった」と、パワハラの認識がなかったと説明。「自殺は残念で、責任を痛感している」として、巡査部長への降任を申し出ているという。

 同署幹部は今月二十日、巡査長の遺族に、パワハラの事実を説明し謝罪した。

 同庁の森元良幸警務部参事官は「幹部職員としてあるまじき行為。職務にまい進できる職場環境づくりに努めたい」とコメントした。

 

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