死神くん #2 2014.04.26

(大西福子)事故に遭ったら私…顔に傷ついたりするのかなあ。
(監死官)職務に反して死者に死後の結果を見せた。
死神No.413…ルール違反じゃね?任務終了のサインするから死神手帳。
早くしろよ。
(死神No.413)どっか落としたのかな?いい加減にしろよカス!手帳の力を悪用されたら予定外の死を招くんだぞ。

(島孝一)ん…?「脳梗塞腎不全交通事故」…。
なんだ?これ。
(記者)こちらが事故現場です。
高校3年生の大西福子さんが亡くなったのは今日2月21日午後4時頃でした。
公園脇のこちらの現場には…皆さんお友達でしょうか。
事故現場に花を手向ける人たちの姿が見られます。
福子さんは真面目で控えめながらも優しい性格だったそうです。
18歳の少女を襲った突然の悲劇に…。
書いてあるとおりじゃねえか。
(アナウンサー)「世界的に高く評価されてきた画家の田中章さんがつい先ほど入院先の病院で亡くなりました」田中!?ここ…!うわっ!なんだ!?これ!気持ち悪い…。
ダメだ…見つからない。
うっ…!何休んでんだよ。
この状況のやばさわかってないわけ?場合によっちゃ天界始まって以来の不祥事だよ。
いやだけど新たな死亡予定者を迎えに行く任務もあるわけだしちょっとは休まないと…。
世界中のゴミ箱あさってでも捜し出せ!カス!痛い!
(女性)気をつけて車来るから。
もうちょっとこっち寄ろう。
気をつけて。
はい行くよ−。
(男の子)くっせえな!
(男の子)うわっくっせえ!
(男の子)お前と給食食いたくねえ!おいおい…。
汚えから学校来んなよ健太。
そうだよ。
なんで毎日同じ服着てんだよ。
(男の子)お前の母ちゃんエッチな店で働いてるんだろ?なんだよその目は。
なんだよ!ハハハッ。
行こうぜ。
(男の子)今日何する?おう健太。
おい。
また会ったな。
飲むか?学校は?
(山本健太)行きたくない…。
俺も会社行きたくねえよ。
だったら孝ちゃんしばらくこうしてようよ。
ハハッ…それもいいかもな。
(黒川弘樹)仕事も出来ないくせにまた遅刻か!体調が優れなかったっつうか…。
まあ反省してるんですけど。
クズがぐちゃぐちゃ言ってんじゃねえぞ。
クズですか…俺は。
契約は取れない。
顧客名簿は流出する。
仕事は出来ない。
人間扱い出来るか?おい!反省してるなら土下座してみんなに謝れ。
嫌だ…!ほら謝れ!
(黒川)なんだ?その目は。
わかってんのか?島。
今のままじゃクビって言われてもお前の事守ってやれないぞ。
部下を守るのが上司なんじゃないんですか?クビになりたくなかったら契約取ってこい。
どんな手を使ってもだ。
どんな手使っても…いいんですね?
(村田守)パパね今日遅くなるからママの言う事よく聞いてねカレンはお利口にしてるんだよ。
じゃあね。
バイバイ。
村田守さん…ですよね。
誰だ?あんた。
大黒生命の島と申します。
保険の勧誘ならお断りだよ。
先週受けた健康診断でも異常なしだったしさ。
しかしめまいや手足のしびれにお悩みではありませんか?えっ?いや最近多いんですよ。
普通の健康診断じゃ見つからず突然死する例が。
たまにものが二重に見えるとかは?それ危険信号ですよ!じゃあ急に言葉が出なくなったり激しい頭痛に見舞われた経験はありませんか?心当たりがあるのなら加入すべきです。
健康診断の資料で審査は通せますから。
僕は残されたご家族が路頭に迷う姿を見るのが一番忍びないんです。
「もしもの時の杖になりたい」。
それが我が社のモットーですから。

(女性社員)すごいじゃない孝一くん!こんな高額な契約3つも取るなんてさ。
まあ本気出しましたから。
(拍手)黒川部長これで文句ないですよね。
調子に乗んなよ。
明日もでかいの取ってこい。
どれくらい会社に迷惑かけてきたと思ってんだ。
これぐらいやってもらわないと割に合わないんだよ。
あっお前の実力じゃ2日続けては無理か。
いいや…やれますよ俺は。
「山本大輔心不全」か…。
おめでとうございます。
山本大輔さん。
死亡予定者リストにあなたの名が記されましたのでお迎えに上がりました。
何かやり残した事はございますか?
(山本美紀)母さん仕事行くから父さんの看病お願いね。
あっ孝ちゃん。
ここ健太の家か?
(美紀)健太のお知り合いですか?大黒生命の島と申します。
保険会社の方ですか。
うちの人も保険に入れたらよかったんですけど病気になってからじゃ無理みたいでね…。
(美紀)じゃあ頼むね!
(山本大輔)ありがとうな健太。
父ちゃん少し眠るよ。
色々大変そうだな。
父ちゃんが働けなくなって…。
病院もお金がかかるし…。
この家も追い出されるかもしれないって。
そうか…。
元気出せよ。
そのうちきっといい事もある。
ホント?ああ。
母ちゃんには内緒だぞ。
よし…。
隠しとけ。
ほら隠しとけ。
どうも。
えっ!?健太の父ちゃんの知り合いかなんか…?いやあの…。
私は山本大輔さんの担当なものでして…。
担当って?孝ちゃん誰と話してんの?誰と話してって…この変な格好した…。
あっあのあのね…ちょっといいですかね。
ちょっとすいませんね。
なんだよ?なんなんだよ?あの…まず質問があるんですがあなたにはこの私の姿が見えているんですよね?そりゃ目の前にいたら見えるだろうが。
いや普通は見えないはずでして。
何言ってんだ?あんた。
ひょっとして同業者の方ですか?仕事内容は?簡単に言えば人の死を扱うっつうか…。
ああやはりそうでしたか!名刺交換よろしいでしょうか。
「大黒生命」…。
変わった名刺ですね。
「死神」おちょくってんのか?あんた。
えっ?健太はなデリケートなんだ。
もう二度とここへ来ないでくれ。
いやあのいやしかしですねこれが私の仕事ですし…。
お前マジでバカじゃね?えっ?それは人間の名刺だろうが。
いやけど…死亡予定者でもない人間になんでこの死神の姿が?死神手帳を持ってるからじゃね?あ〜なるほど…。
ええっ!?
(監死官の声)天界のカラスを総動員して調べたら死亡予定者に次々会ってる男がいた。
大黒生命の島孝一だ。
今の男が…死神手帳を?しっかし生命保険絡みとはな…。
あの〜生命保険っていうのは一体…?マジ勘弁しろよ!クソだなおめえ!そんくらい勉強しとけ!私の査定にも響くんだよ。
どんな手使ってでも死神手帳を取り返してこい!カス!
(鳴き声)怖いねえ…。
えーっ!?今日も契約取ってきたの?やるじゃん孝一!なんか人が変わったみたい。
俺だって本気出しゃこれぐらい余裕っすよ。
黒川部長!保険加入の承認お願いします。
ふざけるな。
どうかしたんですか?どうもこうもないよ。
お前が取ってきた契約加入者3人揃いも揃って亡くなったんだよ。
嫌だ!たまに契約を取ってきたと思ったらなんなんだ?これは。
まあ…そういう偶然もあります…。
偶然で済まされる話か?たった一度の掛け金に対して合計2億3千万の保険金払わされたらお前大損害じゃねえか!偶然で済まないって…。
まさか俺が死ぬのを知ってて契約取ったとか言わないですよね。
それに損害ってなんですか。
「もしもの時の杖になりたい」がモットーなら喜んで支払うべきでしょう。
それとも部長は我が社のモットーを否定するんですか!?なめてんのか!?島。
俺まで管理責任を問われるんだぞ。
お前をクビにするって話ももう抵抗出来ねえよ。
どんな手使ってでも契約取ってこいっつったのあんただろうが!なんだ!?その口の利き方は!拾ってやった恩も忘れたのか?拾ってやったって…犬じゃないんすよ。
どこにも採用されなかったクズを俺が情けをかけて拾ってやったから今この会社にいられるんじゃねえか。
クビになりかけたお前をかばってやったのも俺だぞ。
ろくな仕事もしないでよく恥ずかしげもなく生きてこられたな。
犬のほうが恩を忘れないだけマシだ。
いくぞ!こい!ストライク!もう1回!もう1回!捜しましたよ島孝一さん。
生命保険について勉強させてもらいましたがいや〜感心しましたよ。
死がお金になるなんて。
人間は面白いビジネスを考えるもんですね。
なんなんだよ?あんた。
急に高額の保険契約が取れるようになったそうですね。
なのにクビだとよ。
最低の上司だよ。
いやしかしあなたもあなたですよ。
死ぬとわかっている人間に対して手帳の力を借りて契約を取ったんですから。
なんで手帳の事を知ってる?あれ私の手帳でして。
あ…あんた何者なんだ?名刺はお渡ししましたよね。
死神か?バカバカしい…。
手帳返してくださいよ。
うわっ!叱られるんですから。
あ…あんた本物なのか?はい。
死神が見えるって事は俺死ぬのか?手帳を悪用した罰なのか?残念ながらあなたはまだ死ねません。
死神が見えているのは死神手帳を手に入れたが故の特別な現象です。
(男の子)いくぞ!
(男の子)こい!まさかあんた健太の父ちゃんを迎えに?そういう事です。
すでに死亡日時も告げました。
(山本)この苦しみから解放されるのはめでたい事かもしれないが…。
健太にも女房にも苦労ばかりかけた…。
少しは楽な暮らしをさせてやりたいが…。
何も残してやれない。
(死神の声)その事が心残りだとおっしゃっていました。
だったら死なないようにしてやれよ。
死神にそんな力はありませんよ。
死亡予定者に死期を告げて天へ送り届けるそれだけの仕事ですから。
(男の子)おい!何汚い手で触ってんだよ健太。
あっち行けよ!そうだよ!
(男の子)やろうぜ!
(男の子)よし!
(男の子)いくぞ!
(男の子)よっしゃ!じゃあこの手帳は返して頂きますよ。
それでは。
待て!待て…おい!行かせねえぞ。
暴力はやめましょうよ。
お前さえ行かなきゃ健太の父ちゃんは死ななくて済むんだよ!!危ないじゃないですか。
えっ…えっ!?健太くんが心配ならご自分でなんとかしてあげてください。
ちょ…あっおい!死神手帳は取り返したぜ!時間かけすぎ。
どんだけ仕事出来ねえんだよカス!カスですいません!なんじゃこりゃあ!やばいやばいやばい!やばい!!やばすぎるよ!「明日の朝目覚めたら黒川弘樹部長が死んでいる」「原因不明」なんでしょうかね?この子供じみた落書きは。
はあ?人間が書いたものでも手帳の力は発動されるんだよバカ!予定外の死招くんだぞ!マジ最悪じゃね!?じゃあこれ消せばいいんじゃん。
書いた本人しか消せねえんだよボケ!じゃあ…。
とっととあの男のとこ行ってこい!ちょっと待ってください専務。
話が違うじゃないですか。
君の部下が起こした問題だ。
役員昇格の話は忘れてくれ。
ぶ…部長!何しに来た?クビになる前に最後の仕事させてください。
この保険契約の承認印を…。
お前とは関わりたくないんだよ。
お願いします!時間がないんですよ!時間がないってどういう意味だ?あっまた加入した途端にすぐ死ぬのか?なんなんだお前は!まったく。
お前のせいで俺の昇進まで取り消し…。
(黒川のうめき声)ぶ…部長?
(黒川のうめき声)
(うめき声)部長…!部長!!黒川部長!
(うめき声)救急車!
(うめき声)
(救急隊員)黒川さん聞こえますか?
(救急車のサイレン)あなたのせいですよ。
わっ!あなたがこんな事書いたから。
えっ?あっ!ああ…。
えっ…これがまさか現実に?止めるには書いた本人が消すしかありません。
じゃあ俺が消さないと黒川部長は…。
まあ明日の朝には死んでる事になっちゃいますね。
消して頂けますね?
(笑い声)いや驚いたなあ!恨みを込めて書いてはみたけどまさかホントになるとはな。
いや…消して頂ければ死にませんから。
なんで消さなきゃなんないんだよ。
あいつは俺より犬のほうがマシだって言ったんだぞ。
いいんじゃねえの?死んじゃえば。

(黒川のうめき声)
(黒川の妻)原因不明って…今朝はあんなに元気だったんですよ。
(医師)ですから我々も困ってるんです。
原因がわからないから根本治療も施せない。
体力だけがむしばまれている。
つまりパパは治らないって事ですか?
(医師)症状が改善されなければそれなりの覚悟も必要かと。
そんな…。
来月はこの子の結婚式なんです。
どうしちゃったんだ?俺…。
なんだ?お前。
死神と申します。
なんで宙に浮いてる?
(黒川)「死神」?誠に申し訳ありませんがアクシデントが発生しまして死亡予定者リストにあなたの名が記されてしまいました。
(黒川)「明日の朝目覚めたら黒川弘樹部長が死んでいる」「原因不明」この時計の余命時間がゼロになるまでに書いた本人が死の記述を消さない限り明日…あなたは亡くなります。
何を言ってるんだ。
バカバカしい。
この死亡予定者リストに記された3名がおたくの保険に加入してすぐに亡くなりましたよね?お前が取ってきた契約加入者3人揃いも揃って亡くなったんだよ。
まあ…そういう偶然もあります…。
山本大輔さんは島孝一さんの知り合いの父親でして。
じゃあさっき島が私に見せたのは…。
彼が契約を取れたのも契約者が次々に死んだのもこの手帳の力です。
まさか島が…?俺を殺したいほど恨んでいたのか?私としましてはその恨みを和らげて頂きたいんです。
本来死ぬ予定にないあなたが死ねば天界としても大変な不祥事になるわけでして。
一度島に会わせてくれ。
直接話がしたいんだ。
望みがあるなら出来るだけの事をする。
頼む…。
今死ぬわけにはいかないんだ…。
助けてくれ。
もちろん全力でお手伝いさせて頂きます。
(アナウンサー)「警察は殺人事件として捜査中です」「俺を殺して何になるんだよ!」「病気事故災害でも同額保障します」「だからあなたの杖。
大黒生命です」
(黒川)まさかあの時の後輩が受験してくるとはな。
いいか?島。
保険っていうのはまさかの時の杖なんだ。
私の父が亡くなった時うちの家族は生命保険で救われた。
だから私はこの仕事に誇りを持ってる。
はい。
(黒川)野球部ではベンチにも入れない補欠だったかもしれんが社会人になったら営業マンとしてエースになれ。
採用だ。
俺についてこい。
ビシビシ鍛えてやる。
はい!ビックリした…。
あっお前…!勝手に入ってくるんじゃねえよ!ですが予定外の死人を出したくないもので。
(舌打ち)だからその話は断っただろ。
つきまとわないでほしいなあ。
そう言わずにもう少し話しましょうよ。
話す事なんて何もないんだよ!大声出さないほうがいいと思いますよ。
えっ?あの人誰と話してるの?見ちゃダメ!迷惑なんだよ。
私の立場もわかってくださいよ。
死神手帳落とすのは人間に例えるなら顧客名簿を流出させるような大問題なんですよ。
カスだクソだとどれほど上司に罵倒された事か。
そうか。
あんた死神の落ちこぼれか。
落ちこぼれ?初めて聞く言葉ですが。
俺みたいな生きてても仕方ないダメ人間の事だ。
そのくせ死ぬ度胸もなくてだらだらだらだら生かされてる。
死ぬ度胸なんて迷惑ですよ。
勝手な自殺を止めるのも私の仕事でして。
生きるってそんな面倒な事なんですか?実は私人間は死んだほうが幸せだと教えられてこの仕事を始めたんですが。
しかし死にたくない人間もたくさんいるようで…。
生きてりゃいい事あるって幻想がさ町中にばらまかれてるんだよ。
全部まやかしだよ!もういいよ俺は…。
面倒くせえ。
でもいいじゃないですか。
人間はいつかは死ねるんですから。
死神は死ねないのか?逃げ道のある人間がうらやましい限りですよ。
ちょっと飲むか?えっ?なんかあんたとは友達になれそうな気がしてさ。
それは光栄です。
なんせ私には友達もいませんから。
俺だっていないよ。
初めてですが頂いてみます。
乾杯。
乾杯。
プ〜ッ!ハハハハハ!きくねえこれ。
ねえ!孝一これ!ねえ!もう1本ちょうだい孝一ねっ!死神ってのは酒癖が悪いんだな。
ほら。
いいじゃないですか。
友達が出来たんですよ。
友達なら頼みも聞いてくれるんですよね?なんだよ?これ消してください。
嫌だね。
でも困るんですよ。
天界へ送る魂の数は規則で決まっていて黒川部長が死んだら代わりに死亡予定者の誰かを救わなきゃならない。
その選定手続きがいかに面倒か。
だったら健太の父ちゃん助けてやれないのか?無理ですよ。
私ごときが口出せる問題ではないんです。
なんの力もないんだなあ。
すいません…。
まあ類は友を呼ぶってやつか。
ですから黒川部長の事は…。
もういいよその話は。
わかってるんですか?あなたがやってる事は殺人ですよ。
はあ?何が殺人だ…。
俺は…手帳に名前書いただけだろ…。
死ぬならあんたの手帳のせいだ。
俺のせいじゃない。
友達としてあえて言わせて頂きますがそうやってなんでも人のせいにするのは感心しないな。
黒川部長は上司に頼み込んであなたを入社させあなたが何かしでかす度に何度も頭を下げてきた方ですよね。
父親を早くに亡くして苦労したあなたを気にかけていたからでしょう。
あの人も同じ境遇だったから。
まあいきすぎはあったにしてもあなたに厳しく当たるのはあなた自身が招いた事なんじゃないんですか?黒川部長はあなたと話したがっています。
望みがあるなら出来る限りの事はするとも言ってくれてます。
望みなんて何もない。
だけど健太くんにはこう言いましたよね。
元気出せよ。
そのうちきっといい事もある。
ホント?健太くんだってあなたの言葉に期待してたんじゃないですか?応えてあげたいんじゃないんですか?いい加減にしろよ。
俺に説教する気か?思った事を正直に言い合えるのが友達なんでしょう?「友達友達」うるさいなお前。
それ以上言うなら友達やめるぞ。
えっ…?
(舌打ち)うんざりだよ。
帰ってくれ。
だけどこれだけは忘れないでくださいよ。
健太くんのお父さんは明日天に旅立ちます。

(ドアの開閉音)
(黒川)島…。
入院中まで仕事ですか?俺はもう長くないらしいからな。
こっちもハンコお願いしますよ。
(黒川)添付した診断書は偽造だろ?山本ってハンコはお前が用意したものだな?いいから押せよ!望みは叶えてくれるんですよね?これはダメだよ。
明日死ぬとわかってる人間の契約を認めるわけにはいかない。
死ぬのを知ってたなんて誰が信じるんだよ?俺は残された健太って子供のために…。
気持ちはわかるがこれはルール違反だ。
これ以上会社に損害を出させるわけにはいかない。
あんた助かりたいんじゃないのかよ?助かりたいさ。
謝って済むならいくらでも詫びる。
お前に対して感情的になりすぎたのかもしれないな。
お前を一人前にする事が俺の役目だと思ってたから…。
もういいよ俺の話は。
全部俺が悪いなんてわかってますよ。
あんたの恩も十分感じてる反省もしてる。
だから早く!だったら!これ以上甘えるのはよせ。
わかってんのか?あんた押さなかったら死ぬんだぞ?フッ…どうかな?俺はお前が人を殺せる人間だとは思ってない。
その子の事はお前の責任でお前がなんとかしろ。
それがまともな人間のやり方だ。
うっ…ああ…!
(警告音)すみません部長。
今の俺にはなんの力もないんです。
こんなやり方しか出来ないダメな人間なんです。
(黒川)島…。
安心してください。
部長のせいにはしませんから。
契約さえ成立すれば俺のせいだって正直に話しますから。
(ナースコールの呼び出し音)これからはまともな人間になります。
だから最後の…最後のわがままを許してください。

(看護師)先生お願いします!どうかしたんですか?
(医師)ご主人が急変して非常に危険な状態です。
全部見てたんだよな?はい。
最低だと思ってるんだろ?思ってませんよ。
人間界のルールやお金の事はよくわかりませんし死神がとやかく言う事でもありません。
なあ明日の朝までは死なないんだよな?もちろん手帳の記述は絶対です。
消して頂けますよね?ああ望みは果たしたからな。
(心電図モニターの警告音)
(看護師)先生戻りません…。
(心電図モニターの警告音)ああ…ああ…。
(心電図モニターの警告音)
(心電図モニターの警告音)先生!
(心電図モニターの警告音)あなた!パパ!うう…ああ…。
夢を見ていて…。
よかった…よかった…!奇跡としか言いようがありません。
夢の中で死神に会ったんだ。
よっぽど疲れてたんだな…。
その夢の中で島が俺に詫びたんだ。
まともな人間に生まれ変わるって…。
フフ…なんだか嬉しかったな…。
殺さなくてよかったよ。
私も助かりました〜。
なあ友達として頼むんだけど健太の父ちゃんこれは消せないのか?それは出来ない決まりです。
私にはその力もありません。
なんだよ…。
頼りにならない友達だよ。
お互いさまです…。

(泣き声)
(チャイム)何しに来た?こういう時ってお線香あげるんだっけ?今までごめんな。
知らなかったんだ。
お前がずっと父ちゃんの看病続けてたなんて…。
どうしてそれを?あの人が教えてくれた。
いいか?ちゃんとごめんなって謝るんだぞ。
わかった?
(男の子)わかった。
よし。
おう。
孝ちゃん…。
なあ健太今度一緒に野球しないか?うん。
(男の子)野球だ野球。
(美紀の泣き声)
(泣き声)お母さん…。
せっかく友達が出来たのにここを出て行かなきゃいけないと思うと健太が不憫で…。
家賃の事ならなんとかなるはずです。
これ…。
これは?ご主人が加入していた保険です。
それなりのお金が支払われますので今までどおりここで暮らせますよ。
(美紀)あの人いつの間に…。
ありがとう。
私ではなく友達がやった事です。
これで安心して旅立てるよ。
はい。

(切る音)また死亡予定者に死後の結果を見せたな。
規則違反だ!かたい事言うなよ。
手帳の件もなんとか収まったんだし。
次の仕事はドジ踏むなよな。
(ため息)せっかく一人の命を助けたと思ったらまた死者が出るんだな。
じゃなきゃ人間が増えすぎて地球からはみ出すぞ!手帳開けよ。
もう次の仕事始まってんだぞ。
よし来い!よいしょ!おっ!結構いい球投げるんじゃねえか。
ほい。
おっ!孝ちゃんもね。
バカ俺は元高校球児だぞ。
補欠の補欠だったけどな。
健太来いよ!一緒にやろうぜ!
(健太)うん!なんでいるんだよ?友達としてあなたにお伝えしたい事があります。
新たな死亡予定者が決まりました。
まさか…。
健太が死ぬのか…?手帳によるとなんらかの事故に巻き込まれるようです。
ふざけんなよ…。
なんなんだよそれ!健太やっと友達出来たんだぞ!?冗談じゃねえよ!あいつはなこれから父ちゃんの分まで幸せに生きていかなきゃなんねえんだよ!なんで…お前だってそれを望んでたんじゃなかったのかよ?なんでだよ…。
なんで健太なんだよ…。
運命としか申し上げようがございません。
(男の子)よしおりゃあ!
(健太)よいしょ!健太は絶対死なせねえ。
ちょっとインチキだけどさこれは俺の責任だから。
魂の数の帳尻が合えばいいんだろ?勘弁してくださいよ。
どんだけ叱られる事か…。
お前がドジだからだろ。
悪いがこれは絶対消さないからな。
意志は固いようですね。
健太のおかげでさ俺なんか取り戻せた気がするんだよ。
これで死ねるなら最高だよ!友達にも見送ってもらえるしな。
一応マニュアルでは死亡予定者にやり残した事をやっておくよう勧める事になっているんですが…。
やってるよ今。
おい俺も交ぜろ!
(健太)うん!やったー!孝ちゃんも入るの?俺はな元高校球児…。
ふざけんなよカス!あれだけ言っといて結局死神手帳を悪用されて死亡予定者入れ替えられてんじゃねえか!けどまあ身代わりに誰を死なせないか選定する手間は省けたわけだしさ。
あのさあ手間ひまの問題じゃないわけ。
これは死神として最悪の失態。
マジで私の査定にも響くの。
けどあそこで健太くんを選ぶなんてあんまりだろ。
私が選んだわけじゃない。
運命に選ばれただけだ。
大体さあ死神が死を悼んでどうすんの?死ぬのがかわいそう〜!みたいな言い方してたら仕事務まんなくね?そうかもしれない。
(雷鳴)うわっ来ちゃったよ…。
主任のお出ましだ。
主任?あんたも頑張りなよ。
えっ?この人が…?
(主任)まずい事になりましたねえ。
でも天界に送られる魂の数は帳尻を合わせたし…。
二次災害が発生しました。
二次災害?死神No.413。
君がなくした死神手帳を捜してる間に厄介な輩が人間界に侵入したよ。
えっ?うわああぁ〜!マジかよやばすぎるよ!あいつが動き出したら天界の秩序がめちゃめちゃになる〜!
(男)何かお悩みですか?
(桐嶋譲二)なんだ?お前。
(主任)君たちのせいですよ。
責任もって退治しておいてください。
(舌打ち)あの…その厄介な輩というのは…?神に仕える者としてあなたの悩みを解決するお手伝いをさせて頂きたいのです。
願いがあれば言ってみてください。
(主任)人間の弱みにつけ込むゲス野郎ですよ。
そして無理やり魂を奪おうとする。
魂を奪う?
(主任)一般的には悪魔と呼ばれているようですがね。
(悪魔)ご満足頂けると思いますよ。
悪魔…?
(雷鳴)お前が悪魔なのか?
(悪魔)3つ目の願いを叶え僕に魂を売り渡すのも時間の問題です。
お取り込み中申し訳ありません。
(西園寺瞳)死神さん協力してくれるよね?2014/04/26(土) 00:24〜01:24
ABCテレビ1
死神くん #2[字]

大事な仕事道具である死神手帳を紛失してしまった死神No.413(大野智)。手帳の力を悪用されれば、予定外の死を招いてしまう恐れが…。慌てて人間界へ手帳探しに!

詳細情報
◇番組内容
大事な仕事道具である死神手帳を紛失してしまった死神No.413(大野智)。手帳の力を悪用されれば、予定外の死を招いてしまう恐れが…。慌てて人間界へ手帳探しに!
◇出演者
大野智、桐谷美玲、菅田将暉、松重豊
【ゲスト】林遣都、神保悟志、田中奏生、森下能幸、舟木幸
◇原作
えんどコイチ『死神くん』(集英社文庫<コミック版>)
◇脚本
橋本裕志
◇監督
常廣丈太(テレビ朝日)
◇主題歌
嵐『誰も知らない』(ジェイ・ストーム)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】内山聖子(テレビ朝日)
【プロデューサー】飯田爽(テレビ朝日)、西河喜美子(テレビ朝日)、下山潤(ジャンゴフィルム)
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/shinigamikun/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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