あんな格好やこんな格好。
人々は目の前の何かと格闘していた。
そこには日本一の巨大な鉄塔。
全長634m。
都会のど真ん中にそびえ立つ。
一日延べ10万人。
訪れる人は何を思うんだろう。
ツリーから望む下界も格別だけどあえてのぼらず3日間。
下にいるからこそ見えるものについて考えてみよう。
展望台にのぼるエレベーター前の広場が今回の舞台。
早速やってます。
記念撮影。
はいポーズ。
あ〜危ない。
大事な人と一緒にツリーを写そうとみんな必死。
おっちゃんと写ってる。
(取材者)ありがとうございました。
どうもありがとうございます。
ここにも必死にツリーをフレームに収めようとする人たち。
どんなご関係?好奇心旺盛なお父さん。
長野から上京する度あっちこち歩き回るから息子さんがいつもおつきあいするんだって。
お父さんかつては電子部品の技術者だったという。
どうやらツリーの構造に興味津々の様子。
高いですもんね。
いろいろ見てきたはずだけどやっぱりこの大きさは別格みたい。
こちらは団体さん。
兵庫から来た中学校の先生。
えっ早期退職?仕事に家庭にずっと頑張ってきた。
ようやく娘さんが社会人になる事に決まってふと考えたんだって。
ありがとうございます。
新たな人生を歩みだす前に日本一の塔を見ておきたかったのかな。
今度はツリーの下で食事する人たち。
外国の人?イスラム教徒のインドネシア人家族。
日本に住む息子さんが結婚50年目を迎えた両親を東京見物に招待した。
初めて見るスカイツリーにお父さんご満悦。
こちらはお姉さん。
今回別の国から駆けつけたらしい。
なんとドイツで最先端のナノテクノロジーを研究しているそう。
彼も実は本国では弁護士。
更にこれから日本の大学で経済学を学ぼうとしている。
いずれ大学の教授になって留学に出してくれた両親に恩返ししたいんだって。
でもそうやって目標とか夢があるのはいい事ですもんね。
頑張って下さい。
カップルや家族連れが多い中たった一人で立ち尽くす若者。
就活に。
はい就活で。
面接試験が終わり帰りの新幹線までの空き時間に立ち寄った。
せっかく大阪から来たけど今日はのぼらないと言う。
頑張って下さいね。
はいありがとうございます。
ありがとうございました。
失礼します。
日が沈むと同時にスカイツリーはライトアップ。
夜景を撮ろうという人が続々と集まってきた。
何をするでもなくボ〜ッと上を見上げる4人組。
地元?ホントにスカイツリーの地元なんですか?つい先日この近くの高校を卒業したばかりという4人組。
いつも学校の窓から見てきたスカイツリーは彼らにとってありふれた存在らしい。
そうか。
そうですよね。
地元だからあんまりスカイツリーには思い入れがないのかも…。
食事の帰りにたまたま寄ったと言うけどなぜかここからなかなか離れようとしない。
来月からはみんな別々の大学。
見慣れた風景で過ごす時間もあと少し。
夜11時。
スカイツリーは消灯。
薄暗い中一人でやって来る人。
大手の建築会社に勤める彼。
去年取締役に昇進。
それまで勤務していた大阪の支社から東京本社に単身乗り込んだ。
スカイツリーですか?ちょうど50歳。
いつも何かの目標に挑み重圧や緊張の日々を送ってきた。
でも今はあえてそれを楽しもうとしている。
撮影2日目。
この日は朝から猛烈な風が吹いたりやんだり。
エレベーターに続く入り口の前で立ち尽くす外国人がいた。
何があったんだろう。
なんと突風のため展望台に上がれないらしい。
ドウモアリガトウ。
のぼれないとなるとますますのぼりたくなるのが人情だよね。
その後も事情を知らないお客さんが次々やって来る。
ガッカリするよりせめてもの記念撮影。
あおられちゃって全然仕事になんねえ。
すごい!すごい風。
このおひとり様用を知ってる人は結構カメラやってる人は分かります。
見た瞬間何も言わないでパシャパシャッと撮ってすぐ帰っちゃう。
深夜。
電車がなくなる頃ツリーのふもとにはなぜか若者たちが集まってきた。
NHKなんですけど…。
ほか行って下さい。
どうしてこんな時間に?中学からの仲間。
真夜中何となく盛り上がって車を走らせここに来たそう。
その後も若者たちが次々に何となくやって来る。
この3人はすごく仲いいっていうか昔から勝手知ったる仲で…。
何でも言えちゃう仲っすね。
…で機械の旋盤。
そして深夜3時半。
さんざん飲んだあと突然ここを目指す事にしたという大学4年生。
いつもつるんでふざけ合ってきた仲間だけどもうすぐ卒業らしい。
それぞれ就職が決まりこれから地方に散らばる。
アパートも引き払いいよいよカウントダウン。
急にすいません。
いえいえ。
明かりの消えたツリーの下。
掛けがえのない時間が過ぎていく。
風もやんだ撮影3日目。
仲の良さそうな親子と出会った。
こんにちは。
(2人)こんにちは。
末っ子の長男。
初めての1人暮らしにお母さん心配で一緒に上京してきたらしい。
突然の宣言。
お母さんもビックリ!確か理系の勉強してたと思うんですよ。
いつの間にか自分の道を歩み始めている子ども。
家族が一緒に過ごせる時間って長いようで短いのかな。
寝っ転がって何度も何度もスカイツリーを撮り続ける人がいた。
亡くなったのはお父さん。
葬儀を終えたばかりだという。
18で上京。
調理師や運転手などの仕事を転々とするもどれも長続きしなかった。
結局一度も安心させられないままの別れだった。
そして今日スカイツリーに初めてのぼった。
どうもありがとうございます。
すいませんです。
はいチーズ。
毎回このメンバーの中で何か起きたりするとここに来てお祈りするんです。
スカイツリーに向かって。
え〜就職お願いします。
これからもずっと来たいです。
来ます。
失礼します。
ありがとうございます。
2014/04/25(金) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
ドキュメント72時間「スカイツリーのふもとで」[字]
毎回ひとつの場所にカメラをすえる「72時間」。今回は東京スカイツリーのふもとで、その圧倒的な大きさにひきつけられた人びとを見つめ、それぞれの胸の内をのぞいた。
詳細情報
番組内容
2年前に開業した日本で最も高い建造物・東京スカイツリー。一日に10万人が訪れるというツリーのふもとでは、巨大な塔をカメラに収めようと人々がさまざまな体勢でシャッターを押している。「いつかはお金を貯めて登ってみたい」とツリーを見上げる苦学生、金婚式で日本を訪れたという外国人。そして夜になると、なぜか関東中から若者たちが集まって来る…。人々をひきつけてやまない東京の新名所、巨大電波塔のふもとの3日間。
出演者
【語り】比嘉愛未
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
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