金曜プレステージ・出張鑑定人・宝来伝吉 2014.04.25

骨董屋を営む宝来伝吉は世間でも評判の美術鑑定士である
ある日悪徳美術商が殺される事件が発生
凶器に使われた骨董茶わんの鑑定額は何と1億円
警察から証拠品の鑑定を依頼された伝吉
前代未聞の殺人事件の捜査に乗り出していく
共に事件を追うのは伝吉を慕う骨董好きの刑事小金井雪夫と伝吉の孫娘宝来あかり
この2人実は伝吉に内緒で付き合っているのだ
(あかり)絶対手柄を立ててね。
(小金井)よし。
伝吉小金井あかりの…
(宝来)君は380円だ。
この後すぐ!

(矢崎)うっ!
(矢崎)あっ。
(矢崎)ちゃ茶わんが…。

(パトカーのサイレン)
(黒岩)おうお疲れ。
現場は?
(黒岩)おう小金井行くぞ。
(小金井)はい。
おっす。
(松本)黒岩さん向こうです。
(黒岩)行くぞ。
でガイ者の身元は?
(松本)矢崎明文56歳…。
うわっ!
(黒岩)ど…どうした?嘘だろ…!?
(多恵子)嘘でしょ!冗談じゃないわよ。
(宝来)嘘ではありません。
(宝来)偽物です。
そうですね?1,000円くらいでしょうか。
(あかり)すみません1,000円です。
あんたこんな皿に120万円も払ってやっぱりだまされたんじゃない。
(昭介)118万だよ。
同じでしょ!前にも偽物のつぼ70万で買わされて…。
(昭介)あれは68万。
このバカ。
(昭介)あ痛っ。
カモにされてんの分かんないの?ねえ?偽物ばっかりつかまされて!
(あかり)ああねっ。
や…やめてくださいねっ。
おじいちゃんも止めてよ。
仕方ないだろ。
そもそもご主人は筋が悪い。
ものを見る目がないんだから。
はっ?見る目がない?そうでしょ。
あっ…。
じゃああの人が私と結婚したのも見る目がなかったってこと!?ああ…失礼しちゃうわあんた帰るわよ。
包みなさい。
藍染めですか?
(多恵子)えっ?藍染めの着物を仕立て直して洋服にされたんですね。
分かるの?とてもいいセンスだ。
いや陶磁器ではありませんがねとてもいい景色です。
そうかしら。
ありがとうございました。
(多恵子)どうも。
(あかり)ハァ…。
見る目がない旦那さんとかかあ天下か。
あんな夫婦にはなりたくないな。
安心しろ。
お前の結婚相手は私が責任を持って鑑定してやるからさ。
はいはい。
天国のママとパパに約束したんでしょ。
(戸の開く音)宝来さん!大変ですすぐに来てください。
断る。
いやまだ何も言ってませんが。
どうせ美術品絡みの事件なんだろ。
いやお願いします。
美術商が殺されたんです。
その凶器がですよ何とものすごい高い黒い茶わんなんですよ。
あれは絶対800万はします。
骨董好きの警部補少しは目が利くようになったか?そんな意地悪なこと言わないでくださいよ。
僕が目筋が悪いこと知ってるくせに。
事件に関わると面倒で疲れるんだよ。
それはおじいちゃんが面倒な人だからでしょ。
散歩行ってくる。
あ〜あ今夜の夕飯はご飯と梅干しだけか。
美術品を高値で買い取ってもほとんどもうけを取らずに売っちゃうし。
今日は1円のもうけもなかったし。
ねえおじいちゃん捜査に協力すると警察から鑑定料が出るでしょ。
お願いせめて生活費くらい稼いできて。
う〜ん。
コート。
はい!ありがとうございます!
(あかり)はい。
はい。
あっ。
付いてた?
(あかり)うん。
フフッ。
(あかり)あ…あっ小金井さん何かほこりだらけ。
ほこりごめんあの…。
(あかり)何だろうこれ。
あっあれなかったっけ?あの…コロコロするやつ。
ああコロコロするやつね。
あるある。
あるぞ。
(あかり・小金井)えっ?はい。
いやいやいや!大丈夫ですよ自分でやりますから。
いやいやじっとしてなさいって。
いいですあの…。
刑事っていうのはあの少しぐらい汚れてる方がちょうどいいんですよ。
宝来さん現場行きましょうねっ。
そうね。
はい。
(小金井)お願いします。
あれが殺害の凶器になった黒い茶わんです。
おいおい誰だよ?関係者以外立ち入り禁止だろうよ。
国選鑑定人の宝来伝吉さんです。
えっ?
(小金井)警察や裁判所で美術品絡みの証拠を鑑定士に依頼をしてるんです。
うちではだいたい宝来さんに鑑定してもらってます。
おいじかに触んなよ!手袋させろよ!手袋はしません。
えっ?美術鑑定士は素手で質感と量感を感じます。
何だとおい。
(小金井)ああすいません。
うん。
黒楽茶碗黒富士だ。
黒楽茶碗黒富士ってあの有名な!?ああ豊臣秀吉が政権を握っていた天正時代あの千利休が京都の陶芸家長三郎に作らせた本物だ。
見てごらん。
すすけていてつやがないだろ。
それとこのまだら模様。
あの時代まだ窯で焼く技術が進んでいなかったからわらを使ったんだ。
その高温でいぶされた灰が茶わんに付着しているんだな。
なるほど。
うん。
はいはいもううんちくはいいからさ。
だからどうなの?これ。
そうですね。
値段にしたら1億円は下らないでしょう。
1億!?800万どころじゃなかったんだ。
ハハハこんな茶わんが1億なはずねえでしょうよ。
アホらしい。
宝来さんあっちも見てもらえますか。
うん。
うん。
どれも本物のようだがあの一角にあるものは偽物だ。
(小金井)偽物?うん。
それより小金井君。
この凶器に使われた黒富士なんだがね…。

(松本)係長!
(松本)奥の部屋で手帳が落ちていました。
邪魔なんだよ。
(小金井)ああっ大丈夫ですか?ああ。
あの…この茶わんなんですがね。
いやもう結構ですよ。
あの後はプロにお任せください。
早くお見送りしろよ。
はい。
ほうそうですか。
すいませんでした。
来たばかりの上司なので宝来さんに失礼なことばかりして。
いや気にするな。
ありがとうございます。
ああ。

(黒岩)矢崎明文の死因はこの黒楽茶碗で後頭部を殴打され転倒。
机の角に頭部を強打したことによる脳挫傷です。
死亡推定時刻は昨夜の午後7時から9時半ごろです。
(野島)凶器に指紋は?
(鑑識)凶器の茶わんですが不特定多数の指紋が重なって採取されており鑑定は難航しています。
(野島)現場の状況は?
(鑑識)事務所のドアには鍵が掛かってませんでした。
現場からは複数の指紋や足跡が採取されており現在鑑定中です。
(野島)第一発見者は?陶芸家の千葉順平43歳。
本日午前9時ごろ矢崎と会う約束をしていた千葉が訪ねてきたところ殺害されている矢崎を発見したということです。
(野島)矢崎と千葉との関係は?
(松本)矢崎は若手の陶芸家に目をかけており千葉もその1人でした。
(野島)千葉のアリバイは?
(松本)矢崎が殺害された時間工房で仕事をしていたようです。
近所の住人が工房に明かりがついていたのを目撃していました。
他には?
(小金井)はい。
矢崎の事務所には偽物の美術品が多くあったことから美術品を巡り詐欺まがいの取引をしていた可能性があります。
そのことで恨みを持った人物に殺された可能性もあります。
可能性か臆測はいいよ。
他には?あの現場で見つかった手帳どうなってる?はい。
指紋から身元が割れました。
香川栄二65歳職業金融業。
香川には銃刀法違反の前科があります。
どうぞ。
(香川)ああ…。
いい匂いだ〜。
(松本)香川栄二さんですね?何だよお前ら。
美術商の矢崎さん殺害事件についてお聞きしたいことがあります。
署までご同行願えますか?
(香川)ごめんだね。
用があるんだよおい邪魔するなよ。
(松本)おい。
(香川)なれなれしく触るんじゃねえよ。
俺はな女性以外に触られるとじんましんが出るんだよ!待て!な…なっ!?あ痛っ!15時28分香川栄二公務執行妨害で現行犯逮捕する!
(香川)ええっ!
(あかり)いや〜それにしてもすてきなスタンドですね。
さすがはガレの作品。
被せガラスのグラデーションが美しいです。
(磯山)いつまで待たせるんだ!ホントにこのスタンド500万で買ってくれるのか?もちろんです。
すいませんもう少しお待ち願えますかね?すぐにでも金が必要なのに…。
他を当たるからもういい!
(あかり)すみません…。
まったく香川のやつは何をやってるんだか。
500万すぐに持ってくるって言ったのに。
うん。
・あっ。
・はい骨董・徒然です。
あっ小金井さん。
うん。
いるけど。
えっ香川さんが!?香川がどうした?
(あかり)美術商殺しの容疑で逮捕されたって。
貸しなさい。
小金井君私だ。
今からそっちへ行くから香川に会わせてほしい。
いやいくら宝来さんの頼みでもそれはできませんよ。
あのまだ面会禁止なんですよ。
そうかそれじゃ君ともさようならだな。
えっいやそんな…。
あ…あの分かりました分かりました。
あのお待ちしております。
ハァ…。
(松本)そろそろ白状したらどうだ。
だから俺は殺しちゃいねえよ。
貸した金を取り立てるために昼すぎに矢崎の事務所に行っただけだよ。
お前と矢崎がもめ合ってるのを美術品を売りに来た矢崎の客が目撃してるんだよ。
確かにちょっと小突いた。
あの野郎がよ金返さねえから。
《ない袖は振れない》《金が無いんだから仕方ないでしょう》《おい開き直る気かよ》《金は返さないって言ってないっすよ》《こっちだって忙しいんだ。
また今度》
(香川)《てめえふざけんなこの野郎!》
(香川)でも殺しちゃいねえよ。
お前6年前に銃刀法違反で捕まってるよな。
刀持ち歩いてたんだろ?ずいぶん気性荒いんだなお前。
あれはよ借金のかたに客から刀もらって帰る途中に職質かけられてさ。
矢崎のこととは関係ねえだろ。
昨夜の7時から9時半ごろまでお前どこにいたんだよ?どこにいたんだよ?言えよほら。
大丈夫?宝来さんちょっ…ちょっと隠れてください。
なぜコソコソするんですか?いやあのここは警察官以外入っちゃいけないんです。
ああそうなんだ。
「ああそうなんだ」じゃない。
はいここですよ。
待って!駄目です。
じゃああの僕が係長をおびき寄せますから宝来さんその間に。
めんどくさいなもう。
(今田)何やってる!部外者は立ち入り禁止だろ。
(小金井)すいませんちょっと事情がありまして。
宝来さん。
やあ野島さん久しぶりですね。
その節はお世話になりました。
お知り合いですか?国選鑑定人の宝来さんだ。
以前美術品絡みの事件でご一緒したんだ。
宝来さんのおかげで被疑者逮捕にこぎ着けられた。
ところでここで何を?はい。
逮捕された香川とは知り合いなんですよ。
会いに来たんですが…。
勝手なことして申し訳ありません。
特別に5分だけなら。
すいませんね。
ねえ5分だけ。
開けて。

(ノック)
(黒岩)はい。
おい。
あっその節は色々。
宝来の親父。
おい500万はどこだ。
知らねえよ。
今500万持ってけばあのスタンドが手に入るかもしれないんだよ。
えっ?ガレのスタンドだぞ。
絵付けがとってもいい品なんだよ。
そんなこと知るかよざまあ見ろだ。
あっ。
ほう俺より金か。
そうかい親父まで俺を疑ってるんだな。
あれ?腕ツルツルじゃないか桃子ちゃんか?うるせえ!黙ってろこのくそ親父。
邪魔したな。
おいもう帰んのかよ。
うん。
香川さんに会いたいってもしかして500万円のこと言いに来たんですか?そうだよ。
あっ。
手足の毛を奇麗にしてくれるとこって何ていうんだ?えっ?あっ脱毛エステのことですか?あっ。
香川のアリバイなんだがなその脱毛エステとやらを当たってみるといい。
桃子さんという店員がいる店だ。
あいつの庭は錦糸町だよ。
すいませんあのこちらに桃子さんという方いらっしゃいますよね?
(苗子)ええちょっとお待ちください。
桃ちゃんお客さん。
えっ…。
あのあなたが桃ちゃんですか?
(桃子)はい桃子です。
桃ちゃん刑事さんだって。
私悪いことしてないです。
いやいやあのそうじゃないんです。
おとといの夜ここにこの人来ましたか?
(桃子)オ〜香川さん。
(ロシア語)
(小金井)ちょちょっと待って!できれば日本語で。
(苗子)香川さんなら確かに来ていましたよ。
(小金井)それは何時ごろですか?
(苗子)夜の7時から9時まで。
腕の脱毛お試しコースを受けられていました。
ねっ桃ちゃん。
香川さんいい人!大好きでーす。
この子こういうこと誰にでも言っちゃうからお客さんみんな勘違いしちゃうの。
ねっ桃ちゃん。
(桃子)はい!私大好きでーす。
(小金井)ああそうなんですか。
刑事さんもどう?
(小金井)えっ?今ならすね毛脱毛コースが20%オフで6,800円。
刑事さんなら5,000円でいいわ。
そんなに安くなる…。
いや僕は脱毛なんかいたしません。
刑事ですから。
余計なことしやがって。
親父のせいで俺が怪しいやつだって桃子さんにバレちゃっただろ!じゃもう一度留置場に戻るか?桃子さんに嫌われるぐらいなら臭い飯食ってた方がマシだよ!俺はもう65だ。
桃子さんとは最後の恋をしたかった。
向こうは何とも思ってませんでしたよ。
来月ロシアに帰って脱毛エステ始めるみたいですし。
恋人と一緒に。
(香川)えっそうなの?よかったじゃない傷が浅いうちで。
うん。
腕の毛もそのうち生えてくるさ。
(香川)チクショー。
あ〜飲まずにはいられねえよ!あ〜!!宝来さん香川さんが犯人じゃないって分かっていたんですね。
香川という男は金に細かくて女にだらしない。
1億の茶わんを持ち逃げしたってんなら話は分かるが1億もする茶わんで人は殺さん。
とにかく香川さんの疑いが晴れてよかったじゃない。
なあ小金井君矢崎の事務所で刑事から話を聞かれてた男がいただろ。
あれ誰だ?第一発見者で陶芸家の千葉順平さんです。
その陶芸家殺害に使われた黒富士について何か言ってたか?いえ別に何も。
彼に会わせてくれ。
(あかり)お…おじいちゃん?あのこれ覆面パトカーなんですけど。
いいから運転して。
はい。
ここですね。
この工房の上で一緒にカフェやってるみたいです。
へぇ。
(あかり)わ〜すてきなお店ね。
(マミ)いらっしゃいませ。
千葉順平さんいらっしゃいますか?買い物に出掛けてますが何か?おとといの夜殺害された美術商の矢崎明文さんについて千葉さんに話を聞きに来たんですが。
順平さんが疑われてるんですか?いえそういうわけでは。
こちらの方は?宝来といいます。
孫のあかりです。
宝来さん。
それじゃまた出直しましょうか僕まだ仕事ありますし。
コーヒーでいいですね?粘るんですか?コーヒー2つと紅茶1つお願いします。
(マミ)はい。
落ち着いた色合いね。
ペアカップだね。
買っちゃおっかな。
(小金井)いいね。
おい。
えっ?ペアカップだと。
孫とじいちゃんの?ちょっと恥ずかしいだろ。
そうだねフフフ。
(マミ)どうぞ。
(小金井)すいません。
いやなかなかのもんですね。
全て順平さんの作品なんです。
奥さんですか?いえ順平さんは義理の兄です。
私は青山マミといいます。
義理のお兄さんということは…。
順平さんは亡くなった姉の夫だったんです。
このお店は?姉がやっていたんです。
2年前に病気で姉が亡くなった後私が継いでいます。
ああそうでしたか。
宝来さんってあの有名な美術鑑定士さんですよね?はい。
変わり者で有名な鑑定士です。
どうして順平さんの作品は評価されないんでしょうか?・
(順平)ただいま。
(マミ)順平さん美術鑑定士の宝来さんが聞きたいことがあるって。
あの矢崎さんが殺害された事務所であなた凶器に使われた茶わんを見てましたよね。
あの茶わんがどういうものかは知ってました?
(順平)黒楽茶碗黒富士。
1億近い値段が付いてると聞いたことがあります。
そのことをなぜ警察には言わなかったんでしょうか?別に。
刑事さんに聞かれなかったので。
もういいですか?やりかけの作業があるんで。
あっお時間とらせました。
すみません愛想がなくって。
どうぞ。
(あかり)あれ?クッキーだ。
ドリンクには手作りのクッキーをお付けしているんです。
ああありがとうございますいただきます。
じゃいただきます。
うん。
おいしい。
(小金井)うん。
うまいね。
ありがとうございます。
(あかり)とっても香ばしいけど何が入ってるんですか?いろんな木の実が入ってるんです。
ほう木の実。
どれ。
うん。
確かに。
(あかり)はい骨董・徒然です。
あっそうですが。
あっ少々お待ちください。
お客さんがどうしてもおじいちゃんにって。
はい代わりました。
宝来です。
ええ。
えっ黒富士を?黒富士?は…はい分かりました。
明日伺います。
黒富士がどうかしたの?小金井君明日の朝10時迎えに来てくれ。
車はあれで構わんぞ。
あっあの…。

(朋子)どうぞお座りください。
(小金井・あかり)失礼します。
(朋子)私が長女の朋子です。
これが長男で弟の賢一です。
それから次男の伸也です。
電話を下さったのは寺尾朋子さんですよね。
ええもうニュース見てびっくり!まさか死んだ父の黒富士が殺人事件に使われていたなんて。
慌てて弟の賢一に聞いたら美術商の矢崎に黒富士やら父の骨董品を売ったって言うじゃない。
(小金井)黒富士売ったのは賢一さんなんですね?そう父さんの遺品を勝手に。
しかも矢崎にレプリカだと鑑定されて安く買いたたかれたのよね賢一!レプリカ…本物ではないってことですよね。
だまされたんですか?
(賢一)はい。
《全部まとめて300万ってとこですかね》《えっ300万?》《もう少し何とかなりませんかね?》《どれも本物に似せて作られたレプリカ》《本物じゃないんでね》《300万でもいいとこだと思いますよ》
(賢一)その300万も父の葬式代に消えましたがね。
(朋子)ホント賢一にはあきれるわ!何だよ姉さんなんかさっさとこの家出てったくせに。
父さんだって俺がみとった。
父さんが生きていたころにはろくに顔も出さなかったくせに勝手なこと言うなよ!
(朋子)何言ってんのよあんた!何だよ!
(朋子)何!?
(伸也)落ち着けよ。
あ…あちらが鑑定依頼の品ですよね?
(朋子)矢崎が置いていったものなので大した金にはならないと思いますけどね。
(賢一)あっうちは代々呉服屋をやっていたんですが父は骨董品の収集が趣味だったんです。
(小金井)どなたが跡を継いでいるんですか?
(賢一)私が継いだんですが不景気のあおりを受けて廃業しました。
(小金井)今は何を?
(賢一)タクシーの運転手です。
(朋子)お願いします。
あっ!いっ…。
(あかり)えっ?ちょっ。
小金井さんちょっとしっかりしてよ!
(朋子)大丈夫?正座に慣れてないものですいません。
なるほどね。
宝来さんこの傷って…。
(あかり)はい。
その皿は景徳鎮っぽいけどせいぜい5,000円ってとこでしょ。
はい。
(朋子)天目茶碗の偽物2,000円かな。
(あかり)焼き物に詳しいんですね。
ええ陶芸家ですから。
えー合計8点総額にするとそうですね3万7,000円といったところでしょうか。
そんなに安いんですか!?
(伸也)そんなもんだろ。
(朋子)ほら見なさい!あの黒富士だけでも残ってたら高級マンションが買えたのよ!朋子さんは黒富士の価値については知っていたのですか?もちろん陶芸家ですから。
(賢一)何が陶芸家だよ。
どうせ趣味に毛が生えたようなもんだろ。
バカにしないでよ!
(賢一)だったら姉さんは黒富士が高価なものだと知ってて何で黙ってた?姉さんの方こそ内緒で売ろうとしてたんだろ!
(伸也)もうよせって!みっともない。
話す前にあんたが勝手に売っちゃったんじゃない。
しかも矢崎なんかに安く買いたたかれて。
あんな嫌なやつを信用するからいけないのよ。
嫌なやつ?矢崎さんのことご存じだったんですか?確か矢崎さんは若手陶芸家たちに目をかけていましたよね。
あなたもそうだったんですか?何年か前にそういう話を聞いたから私の作品を持ち込んだのそうしたら…。
《陶芸は趣味にしておいた方がいいでしょう》《えっ?》《これで陶芸家を名乗るなんてずいぶん面の皮が厚いね!》
(朋子)矢崎のやつ思い出しても腹が立つ!賢一さんはニュースで黒富士のことが出るまで黒富士にそこまで価値があるとは知らなかったのですか?知りませんよ知っていたら取り返してましたよ。
矢崎さんが殺害された夜皆さんどちらにいらっしゃいましたか?私たちのことを疑ってるの!?
(小金井)いいえ。
そういうわけではありません。
(伸也)俺は店に出ていました。
中野の居酒屋で働いてるんです。
(小金井)矢崎殺害の凶器となった1億円の黒富士を矢崎に売った人物が判明しました。
名前は寺尾賢一44歳。
寺尾賢一は父親の遺品である黒富士や美術品を矢崎に偽物だと言われ安く買いたたかれていました。
賢一はその後1億円の黒富士を矢崎にだまし取られたことに気付いていたのか?本人は殺害された後にニュースで知ったと言ってますが嘘かもしれません。
だまし取られたと気付いていたら殺害動機はありますね。
だって1億円の茶わん取られてるわけですからね。
だが黒富士の価値を知っていたとしたら1億円の茶わんで殺さないだろ。
ごもっともです。
(小金井)あっ。
それと賢一の姉寺尾朋子なんですが46歳陶芸家で矢崎とは面識がありました。
えー朋子が自作の陶芸品を持ち込んだものの矢崎に侮辱をされ腹を立てていたようです。
陶芸家として侮辱された恨みがあったか。
フッ女の恨みは怖いからな。
殺人の動機にはなるな。
ですが朋子黒富士の価値を知っていました。
うんうん…。
それじゃシロだな。
茶わんの価値を知らないやつが茶わんで殺しをしたと考えるのが普通だな。
かっとなって衝動的に殺したとも考えられます。
なるほど。
いずれにせよ古美術の世界は金絡みのきな臭いにおいがするな。
(野島)2人のアリバイは?
(小金井)あっはい。
寺尾賢一はタクシー運転手で勤務中でしたがその時間1時間ほど巣鴨駅近くで休憩をとってることが分かってます。
巣鴨から矢崎の事務所まで近いな。
姉の朋子は墨田区押上の工房で1人でいたとのことです。
だがアリバイはありません。
2人には事件当夜のアリバイがない。
しかも矢崎殺害の動機がある。
(黒岩)特に黒富士を矢崎からだまし取られた賢一は気になりますね。
2人をもう一度洗い直してくれ。
(4人)はい。
(あかり)事件進展したかな。
小金井さん早く犯人捕まえられるといいね。
この事件は謎が多い。
小金井君の手には負えんだろ。
そんなことないわよ!まあ抜けてるところもあるけれど。
真面目だし一生懸命でしょ。
何むきになってる。
あ…私はただ小金井さんなら事件を解決できると思っただけ。
ねっ!・
(戸の開閉音)
(あかり)ああ小金井さん!宝来さん全然駄目なんですよ。
(あかり)えっ?手に負えません。
何がだ。
捜査本部では寺尾賢一と朋子をマークし始めたんですが何か引っ掛かるんですよね。
殺害の凶器になった黒富士についても意見が堂々巡りで。
1億円の黒富士が殺人の凶器に使われたなんてもともとの持ち主だった寺尾さんのお父さまも天国で驚いてるでしょうね。
それなんだがな黒富士は鳳流茶道家元である鳳玄風が所有しているはずなんだよ。
(小金井)えっ!?ちょっと…。
何でそれをもっと早く言ってくれないんですか!言おうとしたら君の上司に追い返されたんだろ。
すみません。
しかも黒楽茶碗の黒富士と赤楽茶碗の赤富士を一双でな。
(あかり)はあ…。
一双って何?2つでセットってこと。
(小金井)セットで?黒富士と赤富士それぞれでもすごい価値なのにセットだったらさらに価値が上がるんじゃない?2つ揃えば2億ほどだろうか。
でも矢崎の殺害凶器は1億円の黒富士。
本物だった。
鳳玄風が持っている黒富士が盗まれているのか。
それとも偽物とすり替えられているのか。
これ確認した方がよさそうだな。
じゃあ私も行く!うん?どうしてあかりも行くんだ?うん?ああだってもし黒富士があったとしたら鑑定した方がいいでしょ。
あっならば私も行こう。
ああいいの!私が行く。
おじいちゃんほら何だか…疲れてそうだから。
そうでもないぞ。
ああ疲れてるの!ねっ?だからあしたはおうちでゆっくり休んで。
まっそこまで言うのなら。
(あかり)うん。
(あかり)何だかデートみたいでうれしいな。
ああいや駄目だって今は仕事中なんだし。
それにさ宝来さんに見られでもしたらまずいだろ。
いいじゃない!雪夫君忙しくてなかなかデートできないんだし。
ねえあかりちゃんさ俺たちのこと宝来さん気付いてないかな。
(あかり)大丈夫。
おじいちゃんは気になったら突き詰めないと気が済まないからバレてないわよ。
(小金井)そっか。
ねえ私たちの関係おじいちゃんにそろそろ言った方がいいんじゃない?ああそれは無理!絶対に無理!
(あかり)どうして!?いや俺さ宝来さんに鑑定される自信ないんだよね。
私と雪夫君が年が離れてるから?それとも刑事としてまだ未熟だから?それは分からないけどとにかく宝来さんに鑑定されて…。
《ほう…うんうん》《あれ?》《君は380円だ》俺もうそんなの立ち直れないよ。
(あかり)ああっもうだらしないな!だったらおじいちゃんにいいところ見せて認めてもらわないと!雪夫君絶対手柄を立ててね。
おじいちゃんのお眼鏡にかなってもらわないと困るんだから。
はい。
(小金井)失礼します。
黒富士あるね。
(あかり)うん。
(玄風)どこぞの素人鑑定士が矢崎殺害の凶器の黒富士が本物だと言ったそうだがそんなことを真に受けるようでは警察もろくなもんではないな。
(小金井)宝来さんは素晴らしい鑑定人です。
鑑定に間違いはありません。
(玄風)ほうならば私の黒富士が偽物とでも言いたいのかな。
(小金井)いやそれは…。
(あかり)素晴らしいですね。
よくできてる見ほれちゃいます。
お嬢さんはなかなかの目利きだ。
どこか美術商のところで奉公でもしてるのかな?いやその…独学なんです。
あっ赤楽茶碗の赤富士もよかったら見せていただけませんか?ああ見てゆくがいい。
拝見させていただきます。
すてき!目の保養になります。
そうだろう。
でもどういうことでしょうか。
(玄風)うん?この赤富士は本物ですがこちらの黒富士は偽物なんです。
何!?何を言うんだお前。
さっき素晴らしいと言っただろうが。
偽物にしては素晴らしくよくできているなと思っただけです。
この小娘が…帰れ!あっ…お邪魔しました。
(玄風)帰れ!
(小金井)はい。
あ〜びっくりした!あかりちゃんでかしたよ。
鳳玄風の黒富士は偽物赤富士は本物。
となると…どういうことだ?あっおなかすかない?ねえランチでもしようよ。
(小金井)そうだね。
(康之)いってえ!痛えな何だあいつ。
誰かな?
(康之)あっ何だよ。
開けろよ。
俺だよ!チッ親父開けろ!玄風の息子じゃないか?
(康之)開けろよ。
おう。
(女性)旦那さまが帰ってくれと言っております。
(康之)あっ?ふざけんな部屋にある服取りに来ただけだよ。
ちょっとどいてくれ。
(女性)すいません旦那さまから康之さんをお入れするなと言われておりますので。
あっ?おいおいおいちょっと待て。
おい!ふざけんじゃねえよ!このくそ親父!親子関係うまくいってないみたいだね。
あかりちゃんごめんなさいランチまた今度ね。
えっちょっと雪夫君!もう!ハァ…。
(マミ)どうしたんですか?もう頭にきちゃうの。
彼がねランチすっぽかしたんですよ!彼って…。
あっもしかしてこの間宝来さんといらした刑事さん?あの優しそうな。
(あかり)よく分かりましたね。
バレバレでした?何となくいい雰囲気だなと思って。
そうなんです。
とーっても優しくて。
しらす干しが食べられないんです。
しらすと目が合うとかわいそうだからって。
じゃあ切り身のお魚しか食べないの?はい。
でもいい雰囲気ってことはおじいちゃんにバレてないかな。
宝来さん2人のこと知らないの?あっ彼は刑事だし年も20歳近く違うし。
おじいちゃんに反対されるかもしれないから。
そっか難しいわね。
コーヒー頼むよ。
(マミ)うん。
おにぎりもちょうどできたからね。
(順平)ああ。
(あかり)あっカワイイおにぎり順平さんのお昼ご飯ですか?ええ工房にこもってると食事も面倒みたいで。
だから一口で食べられるおにぎりをね。
へぇ子供みたい。
このお皿も色合いがすてき。
順平さんが作ったんですか?はい。
そうだねっ順平さん今度宝来さんとあかりさんに協力してもらって個展を開きましょうよ。
ねっどう?あかりさん。
(あかり)いいですね!
(順平)いや遠慮しとくよ。
どうして?順平さんせっかく才能があるのにもったいないよ。
このまま一生売れない陶芸家でいいの?大きなお世話だ。
君の姉さんはそんなこと言わなかったよ。
あっねえ聞いて聞いておじいちゃん。
何だ?鳳玄風のことなんだけどね。
ちょっと待って今卵をね…。
う〜んおいしいよ。
(花代)そう?いつも以上においしいです。
アハッ。
(香川)何々この雰囲気。
ほら口。
ああはいありがとうありがとう。
もう…あら。
(香川)まさか。
じゃもう一本。
はい待っててね。
はい!ハハハ。
おいお前のじいさんあれでいいのか?大してかわいくないぞあいつ。
おじいちゃん一流の鑑定士なのになぜか女性を見る目だけないの。
何ですか?でどうだったんだ?鳳玄風の黒富士は偽物だったのか?
(あかり)うん。
あっでも赤富士は本物だった。
なあ玄風の家にあった黒富士の偽物いつどんな形で誰にすり替えられたんだろうな。
うーん…それにあの偽物をどこから手に入れたのかも気になる。
偽物ってのは昔から作られてたからな。

(戸の開く音)ああやっぱりここでしたか。
おいこの店は刑事は立ち入り禁止だぞ。
入ってくんな!
(小金井)いやそんな…。
じゃあ花代さんおあいそ。
はい。
もう帰んのかよ?ああ。
あかりうちで飲み直そう。
はい。
「はい」って君も来るの?はい。
2人で飲みましょう香川さん。
ごめんだねお前みたいなブスとはよ。
何てこと言うんだ。
こんな奇麗な人に向かって。
ねえ?やだ!
(小金井)鳳玄風の息子康之は3カ月ほど前から急に金回り良くなって銀座で豪遊してるようです。
急に金回りが良くなったってことは悪さしてる証拠だよ。
それじゃ鳳玄風の持っていた黒富士を偽物と交換したの息子の康之なんじゃない?それをまだ生きていた寺尾の父親に高く売って金をもうけた。
その黒富士を今度は矢崎が偽物だと嘘をつき寺尾家から二束三文で買い取った。
もし寺尾賢一が矢崎にだまされたことを後で知ったとしたら賢一がカッときて矢崎殺したんじゃねえか。
私は玄風の息子の康之だと思うな。
康之が黒富士を偽物とすり替えたことを何らかの形で矢崎に知られて「親父の玄風に言うぞ!」とか脅されて殺したのかも。
そんな単純な動機だろうか。
(小金井)えっ!?犯人は1億円もの価値のある美術品を凶器にした。
そこに何か意味があるような気がするんだ。
おじいちゃんは犯人はあえて1億円の茶わんを矢崎殺害の凶器にしたと考えてるのね?ああ。
だとしたら黒富士の価値が1億円だと知ってる寺尾朋子や鳳玄風の線もあるってとこだな。
(司会者)さあいよいよ始まりました。
「お宝掘出し鑑定会」今日は3人の有名鑑定士の皆さんに来ていただいております。
(拍手)
(司会者)これからたくさんのお宝が…。
香川さんどうしたの?掘り出し物が出てきて金が必要になったときのためにね。
ちゃっかりしてるわね。
(司会者)さあそれでは参りましょう。
1人目の方どうぞ!
(拍手)
(司会者)これまた高そうなお人形ですね?
(悦子)10年ほど前主人の海外赴任でイギリスに住んでおりましたころに名門貴族の友人から頂きましたの。
何でも100年以上前のものだそうでございます。
なるほど。
では早速鑑定していただきましょう。
しかし名門貴族からのプレゼントとはセレブな感じですね?
(悦子)そんなことございませんけどその友人は1,000万円の価値があるって言うんですの。
アハハハ1,000万円。
来週からはフランス人の友人とルーヴル美術館オルセー美術館あとはバチカン美術館に行きますの。
オホホホ。
オホホホ…。
さあ鑑定が終わったようです。
それでは鑑定結果を!
(一同)えー!?これは大量生産された偽物です。
何ですって!?絵付けは雑。
年代を見せるために時代づけの汚しをかけただけです。
このような偽物を見ると目が曇りますね。
何て失礼…。

(玄風)茶番はやめろ!偽者鑑定士が!
(司会者)何ですか?あなた方は。
(玄風)うるさい!黙ってろ!殺人に使われたと言われる黒楽茶碗黒富士。
あれは偽物だ。
私が持ってる黒富士こそ本物。
40年の鑑定歴を誇るこの春日肇氏のお墨付きももらってある。
(春日)間違いなく。
こちら鳳流家元鳳玄風殿の所有する黒富士こそ本物だと鑑定いたしました。
私の黒富士を偽物と言わんばかりの嘘の鑑定をしおってそろそろ引退したらどうだ?あの野郎。
許せねえ!
(あかり)やめてよ。
このいんちき鑑定士が!何とか言ってみろ!お話は以上ですかな?茶道家である鳳玄風殿のおもてなし精神。
しかと拝見させていただきました。
貴様!あー!少しは落ち着いたか?全然!まだ頭にきてる。
鳳玄風何様のつもりよ!
(香川)俺だってよせっかく大金持ってきたのにさあいつのせいで誰にも貸し付けできなかったよ。
アハハハ。
おじいちゃん玄風にあれだけ言われて悔しくないの?玄風はきっと追い込まれてるんだろうな。
えっ?彼足が悪いようだったよ。
あれでは正座することはできんだろうな。
玄風ほどの茶道家となると正座ができないと困るだろうよ。
(あかり)おっ!その情報頂き!私用事があるから先に帰るね。
マミさんごちそうさま。
(マミ)ありがとうございました。
(香川)ホホホ。
パッと怒ってパッと行っちまったよ。
アハハハ。
おっいいね。
懐かしい味だね。
何か木の実が入ってるんだってさ。
へぇ。
うん。
おっ。
なかなかのものを揃えてますね。
下の工房で作ってるんですよ。
へぇ。
そうか。
親父はあかりちゃんとこんなカワイイ店に来てたのか。
フフッ。
何言ってんだ?あんただって桃ちゃん連れてきてやりゃいいじゃないか。
あっ。
駄目だったんだっけ?桃ちゃん。
あっマミちゃんこのコーヒーカップペアで頂こうかな?
(マミ)あっありがとうございます。
新しい彼女へのプレゼント用にかわいく包んでね。
はい。
見えっ張りが。
あっよかったら工房ご覧になりませんか?いいのかい?ちょっとお邪魔しますよ。
順平さんは陶芸を始めてからどのくらいたつんですか?高校を卒業してすぐですから25年でしょうか。
はぁー。
そうですか。
(香川)何だい?マミちゃんと陶芸家夫婦じゃねえのか?いいえ違いますよ。
まっ時々言われるんですけど。
フフッ。
でもお姉さんは安心してるだろうね?妹さんが店を継いで順平君を支えてくれてるんだからな。
私の姉は順平さんに陶芸家として成功してもらうのが夢でしたから。
でもその夢をかなえられずに病気で亡くなった。
私は姉の思いを継いで順平さんに陶芸家として成功してもらえるようにお手伝いをしているだけです。
(あかり)で玄風のことを調べてくれた?
(小金井)宝来さんの言ったとおりだったよ。
鳳玄風は足が悪くて正座ができず内緒で病院に通ってるらしいんだ。
(あかり)正座ができなくなって茶道家をやめる人もいるって聞いたことがある。
(小金井)玄風も廃業危機に陥っていたようだ。
玄風は気性が激しくて弟子も育たなかったらしい。
(あかり)えーそれじゃ弟子たちからの上納金もほとんどなさそうね。
(小金井)いやその上ね一時期株に手を出して借金背負ったらしく金にも困っていたようだ。
(あかり)借金まで!?これで少しつながったよ。
あっちょうど捜査本部でも玄風について調べ始めたところだったんだ。
矢崎が玄風のところにたびたび出入りしてるっていう情報があって。
そうなの?玄風は廃業危機を知った矢崎に脅されて骨董品や茶道具を安く売るように迫られてた可能性があるな。
黒富士と赤富士。
(小金井)うん?
(あかり)あっ。
矢崎は本物の黒富士を玄風は本物の赤富士をそれぞれ持っていた。
黒富士と赤富士がセットで揃えば茶わんの価値はさらに上がるわ。
なあもしかしたら玄風は矢崎から赤富士を売るように迫られていたのかもしれないな。
(矢崎)《500万でどうです?》《バカにするな!》《黒富士と赤富士両方で3億。
それ以上は譲れん》《フフッ。
バカにしてるのは家元でしょう》《こんな偽物の黒富士を私が買うとでも思いましたか?》《偽物だと!?》《なぜだ?》《廃業危機に借金まみれ》《この赤富士を売れば少しは生活の足しになるでしょう》
(あかり)玄風は矢崎に言われて自分の所有する黒富士が偽物だと気付いていたとしたら?
(小金井)矢崎はたびたび玄風の元を訪ねていた。
玄風は矢崎が本物の黒富士を盗み偽物とすり替えたと考えたのかも。
玄風にも矢崎を殺害する明確な動機があったってことね。
で玄風はアリバイあったの?矢崎が殺害された夜自宅にいたそうだ。
だがそれを証明する人はいない。
おじいちゃんをいんちき鑑定士だなんて言ったのも自分の黒富士を本物だとアピールするためだったのかしら?
(玄風)分かってる。
宝来が言うんだから私の黒富士は偽物だろう。
だがいいんだ。
私の力で偽物が本物に変わるんだ。
美術品なんてそんなものだ。
ハハハハ。
ハハハハ。

(悲鳴)赤富士…。
赤楽茶碗赤富士。
本物だ。
赤富士だけでも5,000万の価値はあったろう。
(小金井)黒富士の次は赤富士が凶器。
どうなってるんでしょう?美術商の矢崎。
今回の玄風。
殺害に使われたのはどちらも美術的に価値のある高級茶わんだ。
こんな偶然はない。
何らかの意図があるな。
ほう。
ちょっとすいません。
(黒岩)な…何よ?
(小金井)どうしました?
(黒岩)何?うん?いや遺体のそばにドングリが。
(黒岩)ただのドングリじゃん。
えっ?どっから落ちてきたんだよ?こんなもの。
いや他にも落ちてないしドングリがなる木はない。
(小金井)ありませんね。
おおっ鑑識さん。
(鑑識)はい。
このドングリ一応調べておいてくれ。
(鑑識)はい。
でその第一発見者どこにいる?
(刑事)あちらです。
おっさっさと案内しろ。
あの人しょっちゅう怒ってるみたいだな。
すいません。
なあ小金井君。
玄風が持っていたという黒富士一応見せてくれるか?はい。
宝来さん箱書きどうですか?本物ですかね?ここに利休所持と書いてありますが。
筆跡も利休に間違いないな。
さて黒富士だが…。
フフッ。
鑑定するまでもない。
偽物だな。
ということは誰かが中身の黒富士だけ偽物とすり替えたということですね?うん。
しかも比較的新しい。
最近作ったものだろう。
黒富士がすり替えられたのも最近ということでしょうか?
(黒岩)えー被害者は鳳流茶道家家元鳳玄風63歳。
死亡推定時刻は昨夜の10時から12時の間です。
死因は赤楽茶碗赤富士で何度も殴打されたことによる脳挫傷です。
(野島)他には?
(小金井)はい。
昨夜9時ごろ近所の主婦が鳳玄風の息子康之が自宅前で玄風に怒鳴られているのを目撃しています。
(野島)息子は同居してるのか?
(小金井)いえ。
康之は鳳玄風と折り合いが悪く3カ月ほど前から家を出ています。
そのころから急に羽振りが良くなったことも判明しています。
鳳康之を任意で引っ張りましょう。
引っ張るんですか?いや物証はまだ何もありません。
逃亡されたらどうすんだよ?鳳康之を任意で引っ張れ。
はい。
(康之)何だよ?
(黒岩)昨夜実家の前でお前父親に怒鳴られていたそうじゃないか?
(康之)チッ。
ハァ…。
(康之)実家に置きっ放しのものを取りに帰っても入れてもらえねえからこっそり忍び込んだだけだよ。
そこを親父に見つかったんだよ。
その後はどうした?タクシーで帰って家で飲んでただけだ。
それを証明してくれる人は?
(康之)いねえよ!お前な3カ月ほど前からずいぶんと羽振りが良くなったようだな?あっ?父親が持っていた本物の黒富士を偽物とすり替えて本物を高く売ってがっぷりもうけた。
それが父親にバレて言い争いになって殺したんじゃないのか!
(あかり)おじいちゃんおじいちゃんおじいちゃん!小金井さんがね鳳玄風を殺害した犯人を捕まえたんだって!ねっ!すごいと思わない?誰を捕まえたんだ?鳳康之。
ほら玄風の息子。
あーあ。
またやらかしたか。
(黒岩)どうなんだよ!お前がやったんだろうがよ!確かに茶わんのすり替えはやったよ。
黒富士すり替えたのはお前なんだな?でも親父殺したのは俺じゃねえよ。
そんな嘘が通用すると思ってるのか?
(康之)ホントに殺してねえよ!・
(警察官)あーちょっとここは関係者以外立ち入り禁止なんで。
何度も来てますからね。
(警察官)ちょっと待ってください。
生活安全課で。
ホントにお願いします。
2階が刑事課ですね。
関係者以外立ち入り禁止なので。
宝来さん!宝来さんどうしたんですか?こんなところで。
寺尾朋子のところに案内してくれ。
えっ?そうか。
玄風の息子は否認してるのか。
父親の玄風が所有していた黒富士を偽物とすり替えたことは認めました。
父親への腹いせだそうです。
《子供のころから親父にかわいがられた記憶がなかった》《フフッあいつは家元の地位と名誉》《それに骨董品にしか興味がなかったから》
(小金井)《偽物はどこで手に入れたんだ?》《ネットの裏サイトだよ》インターネットの裏サイトは消滅していたので捜査支援分析センターへ回して復元はしてもらってます。
あっでもできるかどうか。
本物の黒富士が寺尾家に渡ったいきさつというのは分かったの?いやその後は一切口を割らずなぜ寺尾家に黒富士が渡ったのか分からないんです。
何らかの形で寺尾家は玄風か康之とつながっていたのかも。
寺尾家の長女朋子がその辺のことは知ってるかもしれんぞ。
どうしてですか?いや朋子のな正座から立ち上がるときの姿あれは鳳流の作法だったよ。
宝来さんそれで朋子のところへ?小金井君美術鑑定士というのは美術品を見るのが仕事だ。
はい。
一つの美術品からそれを作ったのは誰か?作られた時代背景歴史。
さらには現在の政治経済の状況を踏まえて鑑定する。
ハハハ。
若いころには偽物をつかまされたこともあってね。
そのときなぜ偽物と見抜けなかったのか?本物と偽物の違いは何だったのか?とにかく気になったことはとことん突き詰めて見る目を養ったんだよ。
刑事も同じですね。
あっこれに乗っていこう。
あっ駄目です!これは勘弁してください。
あっそう。
はい。
ふん。
(朋子)分かっちゃったのね。
そうよ。
私と康之さんが玄風の黒富士をすり替えたの。
亡くなった父が呉服屋をしていた関係で20年ぐらい前までは家元と交流があったの。
うちの父は康之さんをふびんに思ってたみたいでとってもかわいがってあげてたわ。
そのころ朋子さんは鳳玄風の元で茶道を習っていたんですよね?康之さんも一緒にね。
そのころはあの子も家元に叱られながらも茶道をやっていたから。
でもなぜすり替えなんかを?もともと黒富士は父が所有していたのよ。
それなのに玄風の口車に乗せられて二束三文で買い取られてしまったの。
父はとっても悔しがってたわ。
半年前父が病気になったとき呼び出されたの。
「玄風に奪われたあの黒富士だけが心残りだ」って。
それを康之さんに話したら協力してくれた。
(朋子)父が幾らかお礼にってあげたみたいだけど。
(小金井)偽物の黒富士はどこで手に入れたんですか?康之さんに頼んだから知らないわ。
ホントですか?帰ろう。
えっ?お邪魔しました。
時価1億円の黒楽茶碗で美術商の矢崎が殺された
黒楽茶碗黒富士だ。
第一発見者は陶芸家の千葉順平
容疑者として浮かんだのは茶わんをだまし取られ恨みを持っていた寺尾きょうだい
そんな中茶道家鳳玄風が赤楽茶碗で殺された
本物だ。
警察は玄風の息子康之と寺尾家の長女朋子に狙いを付けたのだが…
あの技術では黒富士の偽物は作れないな。
えっ?今回の殺人事件の犯人でもなさそうだ。
なぜですか?小金井君私はずっとドングリが気になってる。
(小金井)鳳玄風の殺害現場に落ちていたドングリですね?ああ。
織部釉の陶器の場合なんだがトチ渋といってねドングリのヘタの成分から抽出したものを皿の曇りを取るために使うことがあるんだ。
だが朋子の皿は曇ってた。
ドングリのトチ渋は使ってない。
つまり現場にあったドングリは朋子が落としたものではないということですよね?どうも景色が晴れないんだよな。
あっちょっと携帯電話貸してくれる?はい。
はい。
どうぞ。
えー。
うん?こうか。
えっ?あれ?あっちょっとあかりに電話したいんだけどさ。
あのう僕がやります。
あっそう。
番号はね…。
あっ番号分かります。
えっ?知ってるの?はい。
教えたかな?何言ってるんですか?前宝来さんもしものためにって教えていただいたじゃないですか。
あーそうだった?おじいちゃん?何で洗い物してるの?うん。
花代さんがくしゃみしちゃってさ。
風邪でもひいたら大変だろ?伝吉さんったらとっても優しいのよ。
へぇ。
だったら今度うちでもやってね。
うちではやらなーい。
買ってきてくれた?
(あかり)うん。
はい。
マミさんのお店のお皿とクッキー。
はいありがとう。
うん。
あーこれこれ。
はい。
お一つどうぞ。
(花代)フフッ。
おいしい。
よかった。
フフフ。
ハハハ。
何?花代さんに食べさせるためにわざわざ買いに行かせたの?何か問題あるか?問題あるわよ!あかりさんお疲れさま。

(戸の開く音)いらっしゃい。
おっブス。
ブスって誰のこと言ってるんだ?またむきになって。
親父はなホントに一流の鑑定士だって認めるけどさ女の鑑定だけは三流だよ。
そうかな?そうなの。
あかりさん首でも凝ってるの?はいとっても。
(花代)あらかわいそう。
おいビール。
おい?何しに来たんだ?今日客からすごい情報仕入れちまった。
この話を聞いたら酒の一杯もおごりたくなるぜ。
何?その情報って。
(香川)ヘヘヘ。
何だよ?もったいぶらずに言いなさい。
藤岡という腕のいい贋作師がいるらしいんだ。
贋作師!?陶芸家だが裏で贋作を作っているらしい。
おおっ!それで!?それだけだ。
何だ。
もったいぶってそれだけかよ。
その贋作師がどこにいるのかも知らないの?
(香川)うーん。
ねえ香川さん調べてみて!事件解決の手掛かりになるかもしれない。
(香川)何だよ!刑事みてえに。
あかりちゃんが手柄立てても一文にもならねえだろ。
得するのは小金井だけだよ。
あっ。
あっ何でもいいから事件を解決させたいの。
あっそうだ。
(花代)帰るの?ちょっと用事がありまして。
あっ一緒に行こうか?いい。
そう。
(香川)おいビール。
おいはやめろ。
(花代)はーい。
康之でもない。
朋子でもない。
康之…。
嘘?宝来さん?おう。
どうかしました?科捜研はどこ?えっ?
(マミ)いらっしゃいませ。
(香川)マミちゃんコーヒーね。
(マミ)はーい。
(あかり)もう遅いよ。
(香川)ハァ…疲れたよ。
(あかり)ねえ藤岡っていう贋作師のこと分かったんでしょ?
(香川)もう驚いたの何のってよ贋作師の藤岡は美術商の矢崎に頼まれて偽物を作ってたこともあるらしいんだよ。
それホント!?
(香川)おう。
その贋作師今はどこにいるの?
(香川)ああ。
奥多摩の川中峠だとよ。
(あかり)奥多摩の川中峠って詳しい住所分からなかったの?いやねこれしかねえ情報つかめなかったんだよ。
(あかり)ハァ…。
おっ順平君陶芸頑張ってますか?
(あかり)奥多摩ってここからどれぐらい?2時間半ぐらいか。
いや俺もよすぐにでも奥多摩に行きてえところなんだがこれからお客さんとこにお金持ってかなきゃなんねえんだよ。
ふーん。
私行ってくる。
あかりちゃん一人で大丈夫か?だっておじいちゃん出張鑑定だし小金井さんも忙しいみたいだから今から行けば夜には帰ってこられるでしょ?
(香川)おう。
(あかり)はい。
(香川)何?ごちそうしてくれるの?
(あかり)情報料。

(あかり)すみません。
(女性)はい。
(あかり)この写真の人が。
すみません。
どなたかいらっしゃいませんか?あっ。
宝来さんお待たせしました。
例の件調べた結果です。
おう。
こちらです。
ははー。
やはりそうか。
(小金井)ちょっと失礼します。
はい。
もしもし?
(あかり)雪夫君大変。
すごいことが分かったの。
それがね意外な人が…。
(あかり)キャー!何するの!
(通話の切れる音)もしもし!もしもしあかりちゃん!どうした?あかりさんに何かあったみたいです。
何?・
(戸の開く音)贋作師のことであかりちゃんから連絡来たか?何のことだ?何か知っているんですか?あのほら例の贋作師が奥多摩にいるって教えたらそのまま奥多摩行っちまったからよ。
奥多摩のどこですか?
(香川)奥多摩の川中峠。
もうそんなんじゃ分からないでしょ!何だよ?怒鳴ることねえだろうが!いやあかりに何かあったらしいんだ。
ホントかよ?うん。
小金井君奥多摩行こう。
香川。
(香川)はい。
店番頼むよ。
俺店番?
(小金井)はい分かりました。
あかりさんの携帯電話の位置が分かりました。
どこだ?
(小金井)あかりさん?
(小金井)ハァ…おかしいな。

(物音)
(小金井)おい!おい待て!待て!
(小金井)そこまでだ!
(小金井)そこまでだ!やはり君か。
あかりさんはどこだ!黒富士の偽物を作ったのは順平さんあなたですね?あなた右利きですよね?にもかかわらず窯から茶わんを出したときには左手で金ばさみをつまんでいました。
黒富士を作った長三郎は左利きです。
長三郎の茶わんは左側に付いた金ばさみの跡が特徴です。
たぶんあなたは長三郎の偽物を作るために左手ではさみを使ったんでしょう。
そのうち日常でもその癖がついてしまった。
違うかな?
(小金井)警察の調べで美術商の矢崎が贋作を請け負うインターネットの裏サイトを作っていたことが判明しました。
矢崎は藤岡に贋作を作らせていた。
でもそのうち藤岡の弟子だったあなたに目を付けた。
あなたも矢崎に贋作作りをさせられていたんですよね?妻の病気を治すためにどうしてもお金が必要だったんです。
そんなとき矢崎から金と引き換えに贋作を作るよう言われたんですね?
(順平)私は一度きりの約束で贋作作りを請け負いました。
でも…。
(小金井)矢崎から次々と贋作を依頼された。
でもついに目標としていた陶芸展に出展するための作品が出来上がったんです。
(小金井)これを機に贋作作りをやめようと決心し矢崎に伝えました。
《手が器用なだけで創造性もセンスもない》《フッ。
お前は贋作だけ作ってりゃいいんだよ》
(順平)矢崎は私に贋作を続けさせるばかりか贋作を作っていることをバラすと脅すようになりました。
それで矢崎を殺したのか?すいません。
一連の殺人事件の犯人は私です。
僕は偽物作りをするうちにいつしか値段が高く評価された茶わんのレプリカを作ることで自分が一流の陶芸家になったと思うようになりました。
その思いはエスカレートしついには本物を壊すことで自分の作ったレプリカを本物にしようと企てた。
人殺しまでして僕は強欲で薄汚い人間なんです。
・違う!順平さんはそんな人じゃない!
(小金井)あかりさん!
(マミ)矢崎を…。
矢崎を殺したのは私なの。
やはりマミさんでしたか。
順平さんが贋作作りをしているのは知っていました。
そして贋作作りをやめたいことも。
(マミ)でも帰ってきた順平さんを見て矢崎が贋作作りをやめることを許していないことが分かりました。
《お願いです。
これ以上順平さんに贋作作りをさせないでください!》
(矢崎)《千葉の作った偽物のおかげで偶然にも本物の黒富士を手に入れることができたよ》《金のなる木を手放すわけにはいかない》《あいつには一生偽物作りをしてもらう》《仕事が残ってるんだ。
さっさと帰れ》
(マミ)矢崎がいるかぎり順平さんの夢を邪魔される。
そう思って…。
《順平さんはあなたのものじゃない!》
(矢崎)《うっ!》矢崎がいなくなると今度は鳳玄風がお二人の前に現れた。
玄風殺害の現場にねマミさんドングリが落ちてたんですよ。
鑑識で調べてもらったところマテバシイというドングリの種類でした。
被害者の周りでドングリを使う可能性があるのは陶芸家である朋子さんと順平さんです。
しかし朋子さんの皿は曇っていた。
ドングリは使われていません。
ところが順平さんの作った織部釉の皿の曇りはドングリのトチ渋で奇麗に取られていましたよ。
ですが順平さんの皿調べたところドングリの種類は玄風の殺害現場にあったものとは違いました。
マミさん手作りのクッキーにはドングリが入ってますよね?調べたところマミさんが使っていたドングリの種類はマテバシイ。
鳳玄風の殺害現場にあったドングリと同じです。
鳳玄風を殺害したのもマミさんあなたですね?玄風は矢崎が死んだ後順平さんが贋作を作っていたことを嗅ぎつけ脅してきた。
《もう一度言う》《この偽物を作る気にはならないか?》《作りません》《そうか。
残念だな》《それじゃ仕方ない》《お前が贋作作りの陶芸家だと悪評を広めるしかないか》《偽物を使って私をもうけさせるか》《陶芸の表世界から抹殺されるか。
どちらか選べ》
(順平)《くそっ!》《俺はどうすりゃいいんだ!》
(マミ)今度は玄風が順平さんの夢を奪い食い物にしようとしている。
我慢できませんでした。
私は玄風に会いに行き順平さんが赤富士の偽物作りを承諾したと嘘をつきました。
(玄風)《これと同じものを頼む》
(マミ)《参考のためにこの茶わんを預からせてもらいます》
(玄風)《ああ》
(マミ)《順平さんに偽物なんか作らせない!》《何だと?》《この茶わんを割られたくなければ順平さんから手を引いてください》
(玄風)《千葉は義理の妹に養ってもらってると聞いたがあんたか?》
(玄風)《かわいそうな女だ》《千葉順平はお前のことなど愛してはいない!》《お前は死んだ姉の偽物》《そうレプリカなんだよ!》《私は…》《レプリカなんかじゃない!》
(玄風)《あー!》
(マミ)順平さんに陶芸家として活躍してもらいたかった。
順平さんの夢を壊す人は許せなかった!それだけですか?本物さえなければ偽物なんか作ることはなかった。
あなたは自分自身と偽物の茶わんを重ね合わせてしまった。
だからあなたは本物の黒富士とそして赤富士を凶器にしたのではありませんか?私がこんなに順平さんを愛しても順平さんは死んだお姉ちゃんのことを愛し続けていた。
お姉ちゃんは本物。
私は偽物。
だから本物の愛情をもらうことができなかった。
でもどうしても順平さんと一緒に幸せになりたいんです!お願い。
私と順平さんを見逃して。
この事実はあなたたちしか知らない。
もし見逃してくれるならあかりさんを助けます。
でも見逃してくれないならあかりさんを殺して私も死にます!
(順平)マミやめるんだ!
(小金井)マミさん落ち着いて!
(マミ)お願い見逃して!私の人生レプリカで終わりたくないの!ずっとお姉ちゃんの偽物なんかじゃ嫌なの!人間に偽物も本物もない。
姉さんは姉さん。
あなたはあなただ。
(あかり)そうよ。
マミさんはレプリカなんかじゃない!順平さんのおにぎり作ってたマミさん。
優しい笑顔で幸せそうだった。
マミさんあのとき自分がレプリカだと思いながらおにぎり作ってた?そうじゃないでしょ?順平さんへのあなたの愛は本物。
その思いは順平さんにも届いていましたよ。
あかりを拉致したのは順平さんです。
そしてそれは少しでも時間を稼いでマミさんが自らの意志で出頭してほしかったから。
順平さんですよね?こんなことしか俺にはできないから。
順平さん。
愛する女性に愛してるってどうして言ってあげなかったんだよ!?もっと早く自分の気持ち伝えてあげれば…。
マミ。
ごめんな俺不器用で。
陶芸家としても全然芽が出ないし君の姉さんのことも忘れられなくて。
でも…。
でもマミを大切に思う気持ちは本物だった。
順平さん。
マミ待ってるから。
・いいかげん嫁に出さんとな。
(あかり)そうね。
早く嫁に出さないともらい手がなくなっちゃう。
嫁に出す?フゥー。
僕が嫁にもらいます!小金井さん!おっいいのか?はい!責任を持って。
金はあるのか?そこそこあります。
うん。
分かった。
小金井君に嫁に出そう。
ホントですか!?ホントに嫁にもらっていいんですか!?実はな嫁には出したかったんだがもらい手がなかったんだよ。
そんなことありません!あかりさんはカワイイですし物おじしません。
それに料理だってお上手です。
何の話だ?あかりさんを嫁に出してもいいんですね?出すはずないだろう。
えっ!?ウフッこのつぼのことを言ってるの。
このつぼね先月売ったばかりなんだけどまたうちに戻ってきちゃったの。
うん。
売ったつぼが回り回って戻ってくることを嫁に行かないって言うんだよ。
(小金井)ハァ…。
何だそうだったんですか。
僕はてっきりあかりさんのことだと。
あかりがどうしたんだよ?えっ?実は…。
うん。
実はですね…。
うん。
仕事を思い出しました。
帰ります。
いってらっしゃい。
えっ!?ちょっ…ちょっと!もう!おい?つぼはどうするんだ?つぼ。
あっ。
つぼじゃないのか?2014/04/25(金) 21:00〜22:52
関西テレビ1
金曜プレステージ・出張鑑定人・宝来伝吉[字][多]

凶器は時価1億円?砕け散った国宝級の黒茶碗が招く愛と欲望の連続殺人!!伊東四朗が扮する天才鑑定士が真犯人を暴く新シリーズ!〜その殺人事件、鑑定します〜

詳細情報
番組内容
 宝来伝吉(伊東四朗)は国選鑑定人である美術鑑定士。孫のあかり(福田沙紀)とあまりもうからない骨董屋を営んでいる。ある日、警視庁捜査一課の小金井雪夫(東幹久)が駆け込んできた。美術商が殺される事件が起き、凶器に使われた黒い茶碗が高価なものだと思われるので、鑑定してほしいと伝吉に依頼する。
 殺された美術商・矢崎明文(浅見小四郎)の事務所では第一発見者である若手陶芸家の千葉順平(松田賢二)が
番組内容2
事情聴取を受けていた。一方、伝吉は新任の捜査一課係長の黒岩(今井雅之)に邪険に扱われながらも、凶器となった黒茶碗を鑑定する。しかし、黒岩はその結果よりも奥の部屋に落ちていた手帳に飛びつき、伝吉を現場から追い出してしまう。
 手帳に付着していた指紋から、金融業を営む香川栄二(佐藤B作)が逮捕される。香川は取り立てに行ったが矢崎が返済しないため、ちょっとしたもみ合いにはなったが殺してはいないと犯行を
番組内容3
否認する。伝吉は買付金の用立てを頼んでいた香川が逮捕されたと知り、面会に行き、香川のアリバイに関して小金井に助言。聞き込み捜査によって香川のアリバイは証明される。
 第一発見者の千葉が気にかかった伝吉は小金井に案内され、千葉の工房に隣接するカフェに出かけるが、肝心の千葉は留守。千葉の亡くなった妻の妹の青山マミ(奥山佳恵)にもてなされる。
 やがて第二の殺人が起き、今度は赤い茶碗が凶器に使われた。
出演者
宝来伝吉: 伊東四朗 

小金井雪夫: 東幹久 
宝来あかり: 福田沙紀 
香川栄二: 佐藤B作 
黒岩勝: 今井雅之 

青山マミ: 奥山佳恵 
千葉順平: 松田賢二 

鳳玄風: 佐渡稔 
鳳康之: 伊東孝明 

寺尾朋子: 宮地雅子 
寺尾賢一: 志村東吾 
寺尾伸也: 大橋智和
スタッフ
【脚本】
末安正子 

【編成企画】
細貝康介 

【プロデューサー】
菊池誠 
水岸康晴 

【演出】
山本大輔 

【制作】
フジテレビ 

【制作著作】
アズバーズ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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