グレーテルのかまど・選「オードリー・ヘップバーンのチョコレートケーキ」 2014.04.25

20世紀を代表する女優…1961年公開の映画「ティファニーで朝食を」。
ニューヨークを舞台に自由奔放に生きる女性を描き世界中をとりこにしました。
そして女優としての地位を不動のものにしたオードリー。
しかし彼女の一番の望みは…。
やがてその夢がかない2人の息子を出産。
ハリウッドスターの座を捨てごく普通の母として生きる事を選びます。
そんなオードリーが子どもたちのために作ったスイーツが…息子ルカ・ドッティさんが母のチョコレートケーキへの思いを語ります。
今回はオードリー・ヘップバーンが手作りのチョコレートケーキに込めた思いそして母としての素顔に迫ります。
光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末えいが暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
「グレーテルのかまど」へようこそ。
うれしい時悲しい時もう一ふんばりしたい時一口頬張ると何だか元気が湧いてくるのがスイーツ。
そんな不思議なスイーツの物語を我が家のかまどで最高においしく焼き上げましょう。
ねえねえヘンゼル。
オードリー・ヘップバーンっていえばどんなイメージ持ってるか教えてちょうだい。
オードリー・ヘップバーン。
そうだね…完璧な感じだったり美しい。
女王様。
そんなイメージかな?そうよね。
20世紀最高の美女とかいわれておりますしね。
でもね私生活ってあんまり知らない事ない?ヘンゼル。
全然。
想像がつかない。
私生活っていう。
またね全然違った表情があるんですよ。
どんな表情なの?ではそれをひもときましょうか。
そうだね。
こよいひもとくのはオードリー・ヘップバーンのチョコレートケーキ。
イタリア・ローマ。
1970年代にオードリーが子どもたちと暮らした街。
今もこの街に住む次男のルカ・ドッティさん夫妻を訪ねました。
オードリーはどんなお母さんだったのでしょうか。
しつけには厳しくも優しい母。
そんなオードリーが子どもたちのために手作りしたスイーツがチョコレートケーキでした。
子どもの誕生日や友達が遊びに来た時にオードリーが腕を振るったチョコレートケーキ。
母である喜び子どもたちへの愛情をかみしめるひとときです。
オードリーのチョコレートケーキは今ルカさんの妻ドミティラさんに受け継がれています。
オードリーが大切に使っていたという湯せん用の鍋。
ちょっと変わった使い方をしていたそうです。
湯せんといっても上の鍋をお湯に直接つけず蒸気で溶かすやり方。
こうするとチョコレートの風味が生かされ焦げ付く事もない。
母はそう言っていつも丁寧に作ってくれたとルカさんは言います。
ルカさんが冷凍庫から取り出したのは泡立て器の先と生クリーム。
少しの間冷やしておく事でよりきめ細かい生クリームになるんですって。
オードリーはこんなこまやかな工夫をしていたんですね。
小麦粉を入れず甘さを抑えたピュアなチョコレートケーキ。
焼き上がったら粉砂糖を振りかけます。
オードリーのこのレシピはルカさんが今回初めて公開してくれたもの。
きめ細かく泡立てた生クリームをたっぷり添えて。
母の愛情がギュッと詰まったチョコレートケーキです。
ルカさんお味はいかがですか?う〜ん。
オードリーはさチョコレートケーキを丁寧にしかもこだわって作ってたんだね。
何かすごく手間ひまかけて愛情たっぷり込めて作ってたみたいね。
ちょっと姉ちゃんもねまたこんな事を言いだしてね…。
ちょっとこれ見て。
まあ大きな質問ですね。
愛の情けと書きますよ。
分かりますか?ヘンゼル君。
分かりますよ!だからね今日はオードリー流のチョコレートケーキでね俺の兄弟愛をね姉ちゃんに突きつけたいと思いますよ。
突きつけますか。
弟的にはちゅきつけていきますか。
では味わいのキメテをどうぞ。
はいな。
あのね小麦粉は入らないタイプのチョコがぎっしりの濃厚なケーキをいきます。
濃厚か!まず湯せんからいきますよ。
ではここでオキテ言ってちょうだい。
蒸気!これね蒸気って珍しいのよ。
だって今ボウルの底にお湯がついてないでしょ?全然ついてないよ。
絶対に蒸気でやるとチョコレートが焦げ付く事がないしお湯がチョコレートに入る事がない。
あそうだよね。
お湯入らないよね。
そこがオードリーたるゆえんよ。
この手間ひまというかね。
じんわりゆっくり…。
オードリーは1929年ベルギーのブリュッセルで裕福な家庭に生まれました。
しかし母親はしつけに厳しくオードリーは抱き締めてくれる人を探して屋敷の中を歩き回っていたと後に回想しています。
6歳の時両親は離婚。
父親は母とオードリーを置いて家を出ます。
オードリーはその寂しさを紛らわせるようにいつしか爪をかみチョコレートを食べるのが癖になったといいます。
10代半ばのオードリーに第2次世界大戦が襲います。
敵から逃れ地下室に身を潜める日々。
チューリップの球根を食べるほどの貧困を味わいます。
1945年終戦を迎え自由の身となった時連合軍の兵士が彼女にくれたのがチョコレートバーでした。
オードリーにとって幼い頃から心を癒やしてくれたチョコレートは生きる希望の象徴ともなったのです。
戦後進むべき道を模索していた彼女がたどりついたのが女優という仕事でした。
1953年公開の「ローマの休日」。
全く無名のオードリーはヒロインに抜てきされます。
王女と新聞記者の切ない恋の一日を描いたこの映画でアカデミー賞主演女優賞を受賞。
スターダムへの階段を駆け上りながらもずっと彼女が心に抱いていた事。
それは…。
女優として絶頂期を迎えていた…母になるという夢をかなえた瞬間です。
しかし一方で夫との家庭生活は長く続かず離婚。
そして1969年イタリア人医師アンドレア・ドッティと出会い…家族4人新たな生活をスタートさせました。
息子たちへの愛情の証し。
それがオードリー・ヘップバーンのチョコレートケーキだったのです。
おかまど。
50℃ですよ。
50℃になりましたか。
50℃だとねほかのものを加えた時にねすごく混ざりやすいんですよ。
だから50℃にしてもらいましたよ。
はいじゃあ加えていきますよいろいろ。
これもいっぺんに。
次は卵白を泡立てます。
そこでオキテ。
ネーヴェ?ネーヴェって何?教えねえべ。
…うそ。
もうホントごめんなさい。
ホントごめんなさい。
もう今のいい。
あの雪のような。
雪?雪っていう意味なの?雪っていう意味なのね。
雪のようなメレンゲっていうふうにオードリーがよく言ってたみたいなのよ。
こんなもんかな。
はいはい。
いいです。
あ〜まさしく!え?ネーヴェ。
ネーヴェ?ネーヴェ。
オッケー?オッケーですね。
出たネーヴェ。
これがネーヴェか。
ネーヴェだべ。
あ〜もうフワフワだ。
あらららもうホントに。
すごいわ。
うわ〜!すごいフワフワだよこれ。
なんと!すごいな。
その渦の中に入りたいね。
全部いっちゃって。
また何か変わった流し方だけどまあいいや。
え?これを…。
それを…。
オッケー。
イタリア・ローマ。
オードリーが女優ではなく普通の母として主婦として暮らした街です。
変装する事もなく素顔のままで買い物をし街の人々と気さくに会話をしていたといいます。
自宅近くに住んでいた人はオードリーの印象をこう言います。
人々から「シニョーラ」つまり「奥さん」と呼ばれ平凡な一人の主婦としてローマの街に溶け込んでいました。
街の中心にあるティールームが彼女のお気に入りでした。
創業100年を超えるクラシックなたたずまい。
店にはオードリーのサインが残っています。
ホットチョコレートを飲みながらどんな話をしていたのでしょうか。
子育ての事家庭の事。
しかし実は幸せなはずだった家庭に再び亀裂が生じていたのです。
結婚当初からの夫の度重なる女性問題。
オードリーの心は不安と猜疑心で揺れ動いていました。
そんな彼女の引き出しにはいつもチョコレートがいっぱいでした。
幼い頃に心の隙間を埋めてくれたチョコレートを思い出すかのように。
なんとか守ろうとした幸せな家庭。
2度目の夫との生活もやがて終わりを告げました。
しかし彼女のもとには愛する息子たちが残ったのです。
なるほど。
チョコレートはオードリーにとって特別なものだったんだね。
ねえ。
何だか…いい話というかしみじみとしますね。
(オーブンレンジの音)お。
そろそろ30分たったんじゃない?お!ふわっとしてるね。
ふわっとしてますか?ふわっとしてる。
それがねどんどんこう真ん中がちょっとくぼんできますよ。
いい香り。
よ〜し。
という事でチョコレートケーキ完成です!イエス。
イエス。
そしてオードリーって生クリームにこだわってたでしょう?そうだね。
何か冷凍庫に入れてたよね。
入れておきましたよ。
え?かまどが?うそ?ホントだ。
冷たいね。
いつの間に入れたのこれ?そこはそれほらかまどだから。
じゃあこれはドッキングさせて…。
ドッキング。
これね10分とか15分ぐらい前にね冷やしておくんだけど低い温度で泡立てる方が時間はかかるんだけれどもきめ細かくてしっとりとした生クリームになるのよ。
ふ〜ん。
そうなんだ。
オ〜。
止めちゃって止めちゃって。
いいの?オードリー流の生クリーム完成!
(チャイム)わっ!姉ちゃん帰ってきた。
姉ちゃんお帰り!オードリー・ヘップバーンが息子たちへの愛情を込めて手作りしたチョコレートケーキ。
チョコレートのピュアなおいしさに雪のようなメレンゲが加わって…。
優しくも濃厚な母の味です。
オードリーの自宅近くにあった花屋さん。
週に2度は訪れていたというこの店のご主人が取って置きの思い出を教えてくれました。
オードリーがプレゼントしてくれたという洋服を着た娘さんの写真です。
親になる喜びを人一倍知っている彼女ならではの優しさ。
オードリーが毎週のように買っていたという草花。
かれんでありながらも雑草のような強い生命力を持つ花をいつも家に飾っていました。
人生の困難に出合っても立ち直る力を持つ事。
それはオードリーの生き方そのものでした。
晩年のユニセフ親善大使としての活動は困難な境遇にある子どもたちへ生きる希望を与える事でした。
愛情に満ちた家庭を追い求め母になる事を望んだオードリー。
彼女は幾多の苦しみに遭遇しても決して生きる希望を失いませんでした。
オードリー・ヘップバーンのチョコレートケーキ。
それは息子たちそしてオードリー自身の幸せがしっかりと詰まったものだったのです。
今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?オードリーにとってのチョコレートはただのスイーツではなく人生の支えそして勇気を奮い立たせてくれるそんな特別な存在だったんですね。
だからこそ愛する息子たちのためにチョコレートケーキを作ってあげていたんですね。
ではまたこのキッチンでお目にかかりましょう。
じゃあちょっと失礼して。
頂きます!どうぞ〜。
このクリームを載せて頂こう。
オ〜?どう?どう?何かね…口の中ですぐ溶ける。
何だろう?ホントのチョコを食べてるみたいにス〜ッと溶けてね生クリームがまた砂糖入れなかったでしょ?甘くなくていいね。
ピュアなチョコレートケーキですから。
愛情というか温かみを感じるね。
姉ちゃんそんな事ひと言も言ってなかったけど。
あらら?そうなの?うん。
「愛情をちゅきつけてやる」って言ってたのにね。
言ってたのにね。
とりあえずねおいしい!よかった。
2014/04/25(金) 21:30〜21:55
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど・選「オードリー・ヘップバーンのチョコレートケーキ」[字][デ]

永遠のヒロイン、オードリー・ヘップバーン。今も世界中で愛される女優の母親としての素顔に迫る!息子に手作りしたチョコレートケーキの味とは?秘蔵レシピを公開します!

詳細情報
番組内容
数々の名作に出演して女優として揺るぎない地位を獲得したオードリー。しかし、幼い頃の夢は女優としての成功より、一人の平凡な母親になることだった。彼女は二人の息子を育て、思いを貫いた。根底には、どんな思いが秘められていたのか? 最愛の次男ルカ・ドッティさんが、母のチョコレートケーキのレシピを番組のために大公開! ルカさんの証言や親子で暮らしたローマの現地取材を交え、オードリーの母としての素顔に迫る。
出演者
【出演】瀬戸康史,オードリー・ヘップバーン子ども基金代表…ルカ・ドッティ,【語り】キムラ緑子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
バラエティ – 料理バラエティ

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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