先どり きょうの健康「認知症をくい止めよう 生活スタイルで予防」 2014.04.25

(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康に役立つ確かな情報をお伝えします。
「きょうの健康」です。
今週のテーマはこちら。
「認知症をくい止めよう」という事で4日間予防やいち早く気づくには。
また悪化を防ぐポイントや運動などについてもお伝えしていきます。
早速今日のテーマはこちら。
これどれもこれも本当に気になる話題ですよね。
このシリーズ是非ご覧頂きたいと思いますが。
このシリーズも専門家をお迎えして分かりやすくお話を伺ってまいります。
ではご紹介致します。
神経内科特に認知症の診断・治療リハビリテーションがご専門です。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
認知症と聞きますとどうしても予防は難しい病気なんだろうなというイメージがあるんですが可能なんですか?残念ながら一生の間認知症にならないという予防法はありません。
ですが認知症になるのを遅らせるという意味での予防法はライフスタイルに気を付ける事で可能だという事がだんだん分かってきました。
ライフスタイルつまり日々の暮らしでどういう事を心掛ければいいかと。
そこが予防につながる事が分かってきている訳ですね。
さあそれではそのお話いろいろ伺ってまいりますがまずは認知症の基礎知識学んでおきましょうね。
久田さん。
ではこちらでご紹介しましょう。
認知症というのは実は病気の名前ではありません。
何らかの原因で脳がダメージを受ける事で記憶力や判断力などの認知機能が低下しその結果日常生活に支障が出る状態を指しています。
認知症を引き起こす原因となる病気がこちらです。
アルツハイマー病がおよそ7割。
そして脳血管障害がおよそ2割という事でこの2つが認知症を引き起こす原因の9割近くを占めます。
つまり認知症を予防するためには主にこの2つの病気を防ぐ事がポイントになります。
その中で認知症を引き起こす原因となる病気アルツハイマー病これが一番大きい訳ですよね。
これについてもう少し詳しくご説明を頂きましょう。
では人の脳の写真をご覧にいれます。
これは人の脳ですね。
顕微鏡で見たものなんですがアミロイドβというのを染め出す特殊な染色をしてます。
そうするとアミロイドβの塊が茶色い染みのように脳にたまっているのが分かりますね。
点々とありますね。
健康な方では見られない?全く出ません。
なるほど。
一方?もう一つタウというたんぱくがこちらは神経細胞の中にたまってきます。
神経細胞の形三角形をしてたまっているのが分かります。
たくさんの神経細胞にたまってきます。
こうなると神経細胞の働きが悪くなって神経細胞が死んでしまいます。
これはたまるとおっしゃいますが時間をかけて徐々にたまるというイメージでよろしいんでしょうか?はい。
実はアミロイドβの方は発症する20〜30年前から少しずつ脳にたまっていってだんだんたまってる範囲が広がっていくというふうに考えられています。
ちょっと待って下さい。
この物差しですね。
これはなんと20〜30年も前という時間軸なんですね。
ただたまってもこの辺ではまだ症状は出ません。
そしてβがたまって10年ぐらいすると今度はタウというたんぱくがたまり始めていきます。
そしていよいよ物忘れが始まってそして認知症が始まってくるというふうな流れになります。
これだけ長い時間をかけてたまるという事は今日のテーマ「予防」という事と関連づけますとどういう事になりますか?この間のライフスタイルがとても重要だという事になります。
この期間どういう生活をしていくかという事ですね。
具体的にはこのアルツハイマー病を防ぐために一体どうしていけばいいんでしょうか?アルツハイマー病で起こっている事を分かりやすくするために神経細胞をお城に例えてみました。
そうするとまず最初にお城の周りにアミロイドβがたくさんたまってきます。
これがお城の老朽化とともにという事なんですかね。
時間がたって…。
βがたくさんたまりますと今度は神経細胞の中にタウというたんぱくがたまってきます。
また時間とともにタウがだんだん増えていくんですが。
いっぱいなってきましたね。
そうするとついにお城神経細胞もダウンしてしまいます。
そうすると脳のネットワークが壊れて認知機能が低下して生活に支障が出てくるようになるという事ですね。
アミロイドβタウこうしたものがいっぱいたまる事によって脳神経がやられてしまうというイメージとてもよく分かったんですがこうしたいわば2種類のゴミは誰にでもたまってくるものなんだという事なんですか?例えばβたんぱくというアミロイドβのもとになるたんぱく質は誰の脳でも毎日作られています。
それが固まってくるのは早い方では40代からなんですがたまり始める年齢もまちまちで50代でたまる人70代でたまる方90代で…というふうにとても個人差が大きいという特徴があります。
なぜたまっていくのかという事は研究では分かってきているんですか?徐々に分かってきています。
知りたいですよね。
たまりやすくなる原因がこちらご覧下さい。
この5つなんですね。
あらら…何か悪そうな顔した人が。
ちょっと久田さんに似てる人もいる…いないかな。
失礼失礼。
似てません。
その中でもアミロイドβなんですがこれを持っている。
2人いますね。
これは主にアミロイドβをためるのに関わるものなんですね。
まず1つ目見ていきましょう。
こちらです。
この人は?生活習慣病なんですね。
糖尿病ですとか脂質異常症といった生活習慣病中心にこういった病態があるとアミロイドβが脳にたまりやすくなる事が分かっています。
このβというのは誰でも作られるんだという事ですが健康な状態だとうまく除去される…?壊されてしまうんです。
それがこうした病気があると…?壊す能力が落ちてくるという事ですね。
更にアミロイドβがたまるのを促進するものもう一つこちらです。
えっ!?寝不足睡眠と関係があるんですか?どういう事でしょうか?アミロイドβの分解も夜寝てる間によく起こる事が分かっていて寝不足だとアミロイドβがたまりやすいという事が動物実験ですとか人での研究でも分かってきています。
十分寝ている間にβは分解されて減っていくという事が分かっているんですね。
寝不足もよくないですね。
それでは次にアミロイドβとタウの両方をたまりやすくしてしまう。
これなんかますます一番悪そう。
それがこちら。
うわっストレスですか。
ストレスが加わると副腎皮質からコルチゾールというストレスに反応するホルモンが出てきます。
これが脳に働いてタウとβが両方とも脳にたまりやすくなってしまいます。
諸悪の根源という感じですよね。
では今度はゴミをたまりやすくするのではなく脳の神経細胞そのものつまり先ほどのお城ですねこれが壊れやすくなってしまうそんなものをご紹介しましょう。
こちら。
うわっ!ちょっと待って下さい。
今日は意外な展開が多いですね。
歯と脳の細胞何の関係があるんでしょうか?実は歯周病というのは高齢者の歯が抜ける最大の原因ですね。
歯が抜けてよくかめなくなると認知症になりやすくなるという研究があります。
この研究なんですが歯が20本以上ある方に比べると歯を全部失った方は5倍ほど認知症になりやすいという事を示した研究ですね。
20本以上十分ある方はここに1という数字があります。
5を超えてますね。
なるほど。
これはしかし拝見しますと歯は失っていきますからね。
失ってしまったよと既に…どうしたらいいんですかね?その場合は入れ歯を入れる。
しっかりかめるようにする事でリスクは下がってきます。
つまり十分かむ能力を維持していく事がとても大事なんだという事…。
かむ事で神経細胞が刺激されて機能が維持されます。
最後もこのお城をもろくしてしまうものもう一つご紹介しましょう。
こちらです。
視力・聴力の低下です。
またまたちょっと…何の関係があるのかという事ですが見たり聞いたりですね。
これはどういう事でしょうか?視力が保たれているという事でいろいろな情報が脳に入ってきます。
それからちゃんと聞こえるという事で会話も可能ですし交流していろいろな情報が脳に入ってきます。
ですので高齢になって例えば白内障が原因としては多いんですが視力が悪くなってきたら手術をするとかそれから聴力が悪ければ補聴器をつけるとかですね。
何らかの対策をする事が予防に有効だという事が分かってきています。
しっかりかむ能力を維持する。
そして視力も補ったり補聴器で補ったりという事大事なんですね。
さあそもそもそれではアミロイドβなどをたまりにくくしてくれる何かそれに役立つ強い味方はないんでしょうかね?アミロイドβをたまりにくくする因子いくつか分かっております。
それをお話しして頂きましょう。
3つ出てきましたが一つ一つ…。
今度は何か頼もしそうな。
私に似たような人も…。
えっそうですか?いませんか?…はい。
では1つ目を見ていきましょう。
アミロイドβを退治してくれるもの。
こちらです。
頼もしい。
運動。
ほほう〜!これはなぜでしょう?体動かすとアミロイドβを分解する力が増えてきます。
そして脳にたまりにくくなるという事が分かっています。
どんな運動なんですか?こまめに体動かせばよいと思います。
ですから例えば雑巾がけをするとかお掃除をするんですねほうきを使ったですね。
そうやって体を動かす事がとてもよいと思います。
何か特別なジムへ行って運動しなきゃいけない運動とは…。
日常生活の中でこまめに動かしていく事ですね。
続いてはアミロイドβとタウいずれも退治してくれるものがあります。
これはますます頼もしい。
何でしょう?それは食べ物。
あらっ…ちょっと答えとしてはいけない感じなんですがどういう事でしょうか?中でも野菜や果物が認知症の予防に有効だという事が分かっています。
そして野菜や果物の中にはポリフェノールがたくさん含まれているんですが。
この辺に含まれているポリフェノール。
その中でいくつかのポリフェノールがβやタウをたまりにくくするという作用がある事が分かっています代表は例えば赤ワインに含まれている成分とかナスのデルフィニジンというポリフェノールですとか。
紫の色の色素のとこにあるんでしょうね。
いくつかのポリフェノールはとても有効だという事が分かってきています。
いろんなものを耳にしますけどね。
ウコンはどうだとかさまざまなもの…。
いろんなポリフェノールがこうしたものに入っていると考えた方がいい訳ですね。
更にもう一ついいものがあります。
こちら魚です。
お魚。
これは?特に青魚ですね。
DHAのような不飽和脂肪酸をたくさん含んでいてこれがβをたまりにくくするというような作用神経細胞を保護するような作用がある事が分かっています。
日頃積極的にとりましょうと言われてるものばかりですよね。
さあそれでは最後に神経細胞を強化してくれるものという事でこちら。
おや…社会的接触コミュニケーションこれはどういう事でしょうか?社会的というのは家の中に閉じ籠もっていないで外に出ていろんな人とおつきあいをしましょうという事ですね。
そして家の中でもたくさんコミュニケーションをとる事で楽しく会話をする事が脳にはよい刺激になります。
やはりそうした社会的ないろんなおつきあいとか接触が多い事が脳への刺激になるという事なんですね。
さあいろんな要素が出ましたよこれね。
これちょっとまとめて頂きますと…。
危険な方の因子として生活習慣病ですとか寝不足ストレスそれから歯を大切にしてしっかりかむ事。
それから目や耳をちゃんと聞こえたり見えたりする事。
こちらですね。
それから予防として一番根拠がはっきりしている運動ですね。
それからポリフェノールなどを含んでいる野菜や果物。
そしてDHAを含んでいるお魚。
そしてたくさんいろんな方とコミュニケーションおつきあいをする事が有効だと分かっています。
どうもお話ありがとうございました。
ありがとうございました。
2014/04/25(金) 10:40〜10:55
NHK総合1・神戸
先どり きょうの健康「認知症をくい止めよう 生活スタイルで予防」[解][字]

認知症の発症を遅らせる生活スタイルがある。血糖値や脂質の値をコントロールする、寝不足にならない、ストレスをためない、歯周病を防ぐなど、認知症の予防策を紹介する。

詳細情報
番組内容
認知症の発症を遅らせる方法がある。血糖値や脂質の値をコントロールする、寝不足にならない、ストレスをためない、歯周病を防ぐなど認知症の予防策を紹介する。一方、科学的な研究で効果が高いのが適度な運動を続けること。特に有酸素運動のウオーキング、掃除や雑巾がけなど日常生活でこまめに体を動かすことが大切。食べ物では、野菜や果物、青魚などが勧められる。脳への刺激を活性化する他者とのコミュニケーションも大切。
出演者
【講師】群馬大学教授…山口晴保,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:22222(0x56CE)