声明は、中国が昨年11月に設定した防空識別圏について「中国」という国名の名指しを注意深く避けながら「日米両国は、事前に調整することなく東シナ海における防空識別区の設定を表明するといった、東シナ海及び南シナ海において緊張を高めている最近の行動に対する強い懸念を共有する」と記した。
これらの記述には、米国の中国に対する警戒感がにじみ出ている。「日米両国は…中国との間で生産的かつ建設的な関係を築くことへの両国の関心を再確認する」という原則を踏まえつつも、しっかり中国をけん制している。
日米が力を入れる東南アジアほかとの関係強化
その点は、アジア太平洋の国々に言及した部分に大きなスペースが割かれたことからも読み取れる。声明本文はこう書いている。
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日米両国は、地域の安全と繁栄にとっての東南アジア諸国連合(ASEAN)の一体性及び中心性の重要性を認識し、外交上、経済上及び安全保障上のASEANとの協力を深化することに対するコミットメントを新たにする。
(中略)この文脈において、日米両国は、東アジア首脳会議(EAS)がこの地域における政治及び安全保障面の主要なフォーラムであると認識している。
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ここにある東アジア首脳会議(EAS)という枠組みが、まず1点だ。EASとは東南アジア諸国連合(ASEAN)10ヵ国に日米韓、それに中国、インド、ロシアなどを加えた18ヵ国から成る首脳間の地域的枠組みである。加えて、次の部分では具体的に韓国、豪州、インドという3つの国が挙げられた。
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