(テーマ音楽)私たち山の民は先祖代々の暮らしの技を今も受け継いでいます。
牛も自由に扱えねば生きてはいけません。
ここはモンテネグロ北部。
320に及ぶ国立公園が世界遺産です。
アルプス造山活動当時の地層やかつてヨーロッパを覆っていた原生林が残っています。
私が住むポドゴラ村は一部が世界遺産の中にあって150人ほどが暮らしています。
おっと申し遅れました私の名はヨーレ・ポポビッチ。
山の木の伐採にはもちろん国の許可をもらっています。
薪を運ぶのは私の息子。
みんなで働かねば山の暮らしは成り立ちません。
チーズを作るのは妻の仕事。
毎日こうやって作ってるんですよ。
自家製のチーズやハムは近所の人に売ったりもします。
それが唯一の現金収入。
そのお金が薬代や子供の教科書代になるんです。
暮らしには薪が欠かせません。
暖房も調理も薪が頼り。
電気は来てるんですが停電が多いんです。
これは子牛の肉で作ったハム。
何もかも自給自足の暮らしです。
村には仕事はなく人口は減る一方です。
でも私はこの村が大好き。
何たって大きな自然があるからです。
氷河が削り取った谷が61kmも続いています。
谷底までの深さは1,300mもあるそうです。
珍しい動植物も多く絶滅しそうな動物の最後の避難所とも言われています。
これは氷河がつくった湖です。
ドゥルミトルとはルーマニア語で「眠るもの」。
やって来た古代ローマ軍が山の穏やかさに感動してそう呼んだそうです。
私たちの伝統的な音色をお聞かせしましょう。
グスレという民族楽器で1本の弦を指で弾きます。
歌詞はこんなふうです。
「おお髪を結っているドゥルミトル山の妖精よ。
彼女は髪をとかし終えると夏草の露を飲み山の竜を呼ぶのだ」。
先日村ではあるパーティーを開きました。
新聞記者や旅行業者を呼んで地元の料理を振る舞ったんです。
観光客が来れば仕事が生まれるかもしれません。
過疎化を食い止めたいんです。
私自身が観光業を営むことは難しいことですが自家製の料理なら提供できます。
観光客の皆さんにごちそうしてお望みなら売って差し上げます。
この荷車の車輪も丸太で作りました。
大自然に囲まれた伝統の暮らしがこれからも続いてほしいと願っています。
2014/04/25(金) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「ドゥルミトル国立公園〜モンテネグロ〜」[字]
秘境に生きる ▽自然遺産 ▽アルプス造山活動当時の地層や、かつてヨーロッパを覆った原生林が残る。珍しい動植物も多く絶滅しそうな動物の最後の避難所とも言われる。
詳細情報
番組内容
ドゥルミトルとは、ルーマニア語で「眠るもの」。古代ローマ軍が、山の穏やかさに感動して、そう呼んだという。アルプス造山活動当時の地層や、かつてヨーロッパを覆っていた原生林が今も残る。珍しい動植物も多く、絶滅しそうな動物の最後の避難所ともいわれている。人々はここで牛を飼い、チーズやハムを作って現金収入を得ている。また原生林は、マキとして貴重な燃料になり、暮らしを支えている。
出演者
【語り】松平定知
音楽
【音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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