バース・デイ【原辰徳監督▽亡き友に日本一を誓う】 2014.04.25

チームにげきを飛ばす
その実績はまさに名将と呼ぶにふさわしいものだ
今シーズン開幕に向け原は
行っていた
そしてそんな原の胸の奥底には
ある深い悲しみが刻まれていた
長年孤独な
監督11年目のシーズンを戦う
原辰徳の熱き日々を追った
今年球団創設80周年を迎えた球界の盟主・読売巨人軍その監督を10年以上務めたのはこれまでに4人しかいません昨年10年目のシーズンをセ・リーグ連覇で飾った現監督・原辰徳もその1人です今シーズン日本一奪回を目指す原監督がキャンプ前に選手に伝えた言葉それは…そこには原監督のどんな思いが込められているのでしょうかその真意に迫ります
都内のある店に巨人のコーチ陣が続々と集まってきた
斎藤こっち来い
彼らを招いたのは
どこに座ろうか今日はよろしくお願いします原ですどうもこんにちはよろしくお願いします
巨人の監督になって11年
開幕前の恒例行事として
毎年この食事会を行っているという
ご唱和よろしくお願いします乾杯
(一同)乾杯どうも
(拍手)
待ち受ける戦いを前に心を1つにする
目指すはセ・リーグの3連覇
そして日本一奪回
去年の悔しさを晴らす
そして原の胸には
志半ばでこの世を去ったある男への思いが
刻まれていた
2013年原巨人は圧倒的な強さを見せつけ
セ・リーグ2連覇を果たした
しかし東北楽天との日本シリーズでは
王手をかけながら日本一になることができなかった
そして
原はキャンプ直前選手全員を集めたミーティングで
ある方針を告げた
その瞬間選手達に衝撃が走ったという
その内容を今回我々のインタビューで明かしてくれた
それはあまりに驚くべき方針だった
リーグ2連覇を果たし強さを見せつけたチームを
何とゼロから立て直す
そこにはある理由が隠されていた
一度止まったものを再起動させるのは
簡単なことではない
原は全員にその難しさを自覚させたかった
そしてキャンプが始まった
そこには原の言葉「ゼロからのスタート」を
強く意識した選手達がいた
若手中堅ベテラン
すべての選手がレギュラーの座を勝ち取ろうと
猛アピール
ナイスボール
そこに今シーズンから加入した新戦力が加わり
競争が激化
実績名前にこだわらない
ただ実力だけを問うしれつな戦いが
グラウンドでもブルペンでも繰り広げられた
勢いが止まったチームを再び動かす
そのためのエネルギーがこうして着々と
生み出されていた
そんな原の思いが象徴的に表れたのが外野の一角
原はこの競争に熱い視線を注いでいた
候補はかつてゴールデングラブ賞を獲得した
右の長距離砲として期待される
そしてバットコントロールがうまい左の巧打者
原はこの3人を刺激し続けた
紅白戦で結果が出なかった松本を2軍に落とし
オープン戦は大田と橋本で争わせた
実力至上主義を改めてチームに意識させた
この日は2番センターで橋本を起用
その第1打席どんな形でも塁に出ることが期待される
ところが
空振り三振
続く第2打席はノーアウト2・3塁
外野フライでも1点が入る大チャンス
橋本のバッティングに原が注目する
だが
またしても空振り三振
試合はまだ3回だったが
原は橋本をベンチに下げた
そして試合後報道陣にこうコメントした
原はマンツーマンで橋本を指導した
ここがお前の踏ん張りどころ
そんな思いを伝えたかった
橋本のさらなる飛躍のために
原は時間を惜しまずバッティングを教え続けた
そしてその後の試合で橋本は見違えた
ヒットを量産し監督の思いに応えた
(インタビュアー)橋本選手なんですけども
新たなチームをつくり始めた原辰徳
そんな原の胸には
突然訪れたある深い悲しみが刻まれていた
キャンプ地沖縄のグラウンドで
1人手を合わせたたずむ原の姿があった
このとき原は1人の男と
共に戦い続けることを誓っていた
その1ヵ月前
原は深い悲しみの中にいた
5年間苦楽を共にし
自分を支えてくれた男がこの世を去った
水沢はかつて
しかし現役時代は活躍できず
その後コーチなど歴任し
原の身の回りのサポートを任されていた
その業務は常に原と行動を共にし
分刻みのスケジュール調整からファンサービスへの対応
細かな雑用まで
原が監督業に専念できる環境を整えることだ
原のそばにはいつも陰でその栄光を支える
水沢がいた
原にとって水沢はマネージャーであるにとどまらず
心を許せる友人でもあった
しかし
巨人が日本一に輝いた直後
そして1年間の闘病生活の末
原は告別式で弔辞を読んだ
練習が始まる前原がたった一人
グラウンドでたたずんでいたのには理由があった
亡くなる直前水沢は
もう一度沖縄に行きたいと言っていた
それを知った原は水沢の遺骨の一部を譲り受け
このグラウンドにまいていたのだ
これからも水沢と共に戦っていく
そんな覚悟を心に刻みつけるために
かけがえのない男水沢への思いを
原が語った
(スタッフ)今年日本一とられたりしたら水沢さんの墓前に行かれて報告…それは言うでしょう
そして3月28日
今年も長いペナントレースが始まった
原が選手達に戦う心を吹き込む
さあいこう
(一同)オー!
(拍手)
スタメンに名を連ねたのは
激しい競争を勝ち抜いた選手達
開幕投手はエース内海ではなく
2年目の菅野
そしてセンターには橋本を起用
プロ入り初の開幕スタメンだ
試合が動いたのは3回
先発・菅野が阪神に一気に4点を奪われ
厳しい展開を強いられる
しかしそこから猛反撃
原の「ゼロからのスタート」という言葉を
胸に刻んだ選手達が怒とうの攻撃を見せ
あっという間に大逆転
勝ち越しタイムリーを放ったのは
原が刺激を与え続けたあの橋本だった
結局大量12点を奪った巨人は阪神を下し
開幕戦を勝利で飾った
(インタビュアー)競争を勝ち抜いた橋本にも1本出ましたそうですね
球団創設80周年を
かつてない栄光の年にしたい
原監督の強いチームをつくるというあくなき執念が
歴史にどんな1ページを加えるのか
長いペナントレースはまだ始まったばかりだ
2014/04/25(金) 01:09〜01:39
MBS毎日放送
バース・デイ[字]【原辰徳監督▽亡き友に日本一を誓う】

プロ野球読売巨人軍・原辰徳監督の2つの思い。実力至上主義を掲げ、ジャイアンツの日本一奪還を目指す。そして、友人であり戦友だった亡き友に誓った約束。

詳細情報
お知らせ
この番組は2014年4月15日に関東地方で放送されたものです。
番組内容
番組の最後に、必ず物語の主人公達は、何らかの結果と向き合う。それは、勝利とはかぎらない、敗北、希望、挫折… しかし、その瞬間、彼らは新しい自分を発見するはずだ。
出演者
【語り】
東山紀之

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – スポーツ
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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