超絶 凄(すご)ワザ!「究極の反発力を目指せ」(後編) 2014.04.24

今回は究極の反発力対決。
まずはこちらをご覧頂こう。
がれき撤去や建設現場での実用化に向け開発が進む…人間の小さな力をより大きなものに変える夢の技術。
そこに欠かせない2つの素材がある。
農作業の重労働を補助する装置。
その背中には上半身を支えるための板状のバネ。
一方リハビリ支援のための人工筋肉にはチューブ状のゴム。
ゴムが伸縮し腕の運動を助ける。
超高齢化社会を迎える日本。
人を助けるゴムとバネが求められている。
究極の反発力を手にする時未来は劇的に変わる。
最強のゴムとバネによる頂上決戦。
今宵決着。
今週も始まりました「超絶凄ワザ!」でございます。
この番組はある道を極めた2組の技術者そして職人に互いの凄ワザを競い合って頂きます。
そこから日本のものづくりの奥深さそして底力に迫ります。
今週先週に引き続いて…究極の反発力に挑むのは国内シェアナンバーワンの輪ゴムメーカーと手作りにこだわるバネメーカー。
対決に用いるのはアメリカ製の最新型ホッピング。
カバーの中には8本の太いゴムが取り付けられている。
着地の際ペダルを踏み込むとゴムは伸びる。
そして元に戻ろうとする反発力を利用して高く跳ね上がる仕組みだ。
ゴムチームは前回伸ばしても元の大きさに戻る輪ゴムを作った。
一方バネチームは狭いスペースでも力を発揮するバネを開発。
順調な滑り出しに見えた。
しかしある男が彼らの前に立ちはだかった。
今回の対決で両者のホッピングを使って極限のジャンプに挑戦する男だ。
対決の2週間前試作品のテストジャンプが行われた。
想像を超える衝撃に耐えきれず自慢の輪ゴムは無残にもちぎれた。
一方のバネチーム。
軽快なジャンプを続けていたものの…。
自慢のバネは完全に伸びきった。
いや〜お互い1号機を作られてやっぱりまだまだ改善点がありましたがあそこまで踏み込むと思いませんもんね。
予想以上に荷重がかかってるんだなと。
それを克服していかなければならんかなって。
まさか一番下まで行くと思ってませんでしたのでもっと強くしないといけないなと思いましたね。
人の力でどれだけ大きな反発力を生み出せるのか。
ゴムなのかバネなのか両チームの挑戦ご覧下さい。
愛知県にある中京大学スポーツ科学部。
自慢のゴムとバネはなぜ壊れてしまったのか。
まずは湯浅教授の指導の下ホッピングが地面についた時にどれだけの力がかかるかを測った。
フレッドも準備いいですか?実験の結果ゴムとバネ両方とも最大でおよそ500kgの力がかかる事が分かった。
更にバネチームのホッピングにはもう一つの問題も判明した。
バネにかかる力の時間変化を示したグラフ。
ホッピングのカバーに直径22mmのバネがこすれている可能性が高い事が分かった。
設計担当の小谷はバネの構造を一から見直す事にした。
より小さくより強いバネ。
この超難問も小谷は前向きに捉える。
これまでも顧客の無理難題に応えてきた。
そのプライドを懸け小谷はある決断を下した。
バネの直径をこれまでより1mm小さく21mmに。
その上前より太い素材を使うというものだ。
計算ではこれまでの倍以上の力を生み出せる。
しかし問題は作るのが極めて難しい事。
翌朝小谷は新しい設計図を持ってある人物のもとを訪ねた。
熟練のバネ職人戸田だ。
材料として使うのはオイルテンパー線。
車のサスペンションに使われる頑丈な素材だ。
前回のピアノ線よりも太くて硬い。
これを前回よりも小さく巻かなければならない。
800kgの力を生み出す究極のバネ。
実現するかどうか戸田の腕に託された。
一方のゴムチーム。
本来は500kgの力に耐えられるはずだったこの輪ゴム。
なぜ切れたのか?輪ゴムが均等にかかっていない事が切れた原因だと考えた開発担当の脇野。
幅の広い輪ゴムを重ねる事を提案した。
早速脇野はゴム職人渡壁のもとを訪ねた。
輪ゴムをたるみなく重ねるためには複数のサイズを正確に作らなくてはいけない。
脇野の高い要求に頭を抱える渡壁。
しかし…。
こうして究極の輪ゴム作りの最終章は渡壁に託された。
なるほど。
やっぱり輪ゴム屋さんなんで輪ゴムにこだわってどこまでも輪ゴムでって事なんですね。
それを渡壁さん「分かった」と。
「俺に任せとけ」という事ですね。
はい。
対するバネチームです。
同じ決められたスペースの中でいかに強い荷重を出すかという条件も変わりませんので…。
太くするのはいいんですけどスペースは限られている。
これまた作るのが非常に困難になると。
バネが強すぎても踏み込めない。
という事は跳べないという事ですもんね。
ええ感じのところをつかないとっていう。
そうですね。
どうでしょう?この改良の様子を見て。
お互い苦労しているなと。
ねえ!全く同じで。
ゴムの方が積層させるという事ですごい変わったアイデアだなと思って。
こんだけ大の大人が集まってやってる事はホッピングですからね。
すごい戦いですよこれホントに。
それではいよいよ究極のバネ究極のゴムを目指して製作過程最終段階に入ります。
まずはバネチーム。
硬くて太いオイルテンパー線を巻く作業が始まった。
前回の直径22mmより更に1mm小さくしなければいけない。
ベテランの戸田にとってもオイルテンパー線を手で巻くのは初めて。
まず材料を巻きつける芯金を慎重に選ぶ。
戸田が選んだのは僅か13mmの芯金。
かなり細い。
強い力で押さえ込みかつ微妙に調整をしないと究極のバネはできない。
巻き終わったあとバネは独特な動きをする。
バネにかかっていた力が放たれ僅かに膨らむ。
スプリングバックと呼ばれる現象だ。
そのあと熱処理を行うと逆にバネは縮む。
素材ごとに異なる伸び縮みを予測しなくてはいけない。
設計上許される誤差はプラスマイナス0.3mm。
許容範囲ではあるが戸田のプライドが許さない。
バネを作り続けて23年。
いつも設計士が期待する以上のバネを作ろうと心掛けてきた。
初めての難しい素材に再挑戦する。
狙うは直径21mm。
果たして!?その差0.1mm。
素材の特徴を読み切った凄ワザだ!同じ頃ゴムチームでも究極の輪ゴム作りが始まった。
工場を取りしきる渡壁。
目指すのは幅が広く2mmずつ直径が異なる輪ゴム。
大量生産を行う工場で微妙な調整を行うのは極めて難しい。
用意した材料には限りがある。
時間との勝負だ。
輪ゴムを作るには練り込んだゴムの中に空気を送りチューブ状にする。
押し出し機という機械でゴムを押し出しながら空気を中に送り込む。
その圧力を変える事でサイズの異なる輪ゴムを作る。
特別に配合された通常とは異なるゴム。
いつどれだけ空気圧を加えるのか。
全て渡壁の判断に委ねられている。
しかしゴムは職人渡壁の予想どおりには膨らまない。
73mm。
目指していた84mmよりも10mm以上足りない。
悩む間にも材料はどんどん減っていく。
渡壁はチューブに送り込む空気の圧力を一気に上げるよう指示を出した。
空気圧を上げ始めて15分後。
ついに輪ゴムの大きさが84mmに達した。
ゴムの特徴をつかんだ渡壁。
このあとも的確な指示を出していく。
作業開始から4時間。
2mmずつ小さな輪ゴムが出来上がった。
渡壁と脇野が求めていた究極の輪ゴムだ。
3つの輪ゴムを重ねると見事たるみのないきれいな円が生まれる。
輪ゴムへの情熱がなせる凄ワザだ!さあいよいよゴムチームバネチームそれぞれの究極の反発力を持ったホッピング仕上がりをここで見せて頂きましょう。
はい。
それではまずはゴムチームからお願いします!渡壁さん変わりましたねこのゴムが。
コンピューターとかでやるのかなと思たらホントに感覚で…。
勘でやってます。
ピタリとホントにしっかり積層されてますね。
では一方のバネチームどんな仕上がりでしょうか。
お願いします!うわ〜こっちはこっちで…。
かっこいいですね。
あの1mmが大きいという事でもう一回やり直しなんですね。
なぜその1mmにこだわられたんですか?やっぱり設計図どおり真ん中に持っていきたいという思いが…。
さあこのホッピングでどれぐらい跳びましょう?2mは。
2m!それぐらい跳んでほしい。
すごいですね〜。
さあバネチームは?上回る2m50cmくらいを。
えっ?2m50cm?言うたもん勝ちですね。
ほんなら俺もう3mにしますわ。
ホッピングを跳ぶのはこの男ポゴ・フレッド。
4つのギネス記録を持つキングオブホッピングだ。
対決の舞台となるのはこちら…バーを跳び越える姿を周りに置かれた22台のカメラで捉え判定する。
それではまずはバネチームから挑戦となります。
どうですか?今の心境としては。
ちょっと緊張します。
何か正直休憩の間戻ってきたらえらい緊張感あるから。
ねえ?それではバネチームお願いします。
力強い踏み切りでスタートです。
さあ越えられるか?お〜成功で〜す。
(拍手)バネチーム1m40cmを軽々クリアー。
今余裕でしたよ。
一気に20cmぐらいいけるん違います?いやタウンページ1冊分ぐらいありましたよ。
いかがですか?めちゃめちゃほっとしました。
ねえ!ちゃんと作ったかいがありました。
さあ対しますゴムチーム。
不安になってきましたけど。
さあまいりましょう。
軽やかにスタートしました。
余裕でした。
(拍手)続いて20cmアップの1m60cm。
これも両チームクリアー。
しかしここでフレッドがバネチームのホッピングの異変を訴えた。
壊れましたか?ちょっと嫌な音がしましたけども。
果たして中では何が起きているのか?あ〜!1つ。
1本のバネが転がり落ちた。
留めてた部分が割れてるんですね。
踏み込んだ時の衝撃に耐えきれず留め具のネジが完全に破壊されていた。
これはどうされますか?まあ我々としてはまだ諦めたくないのでこの1本無くなった状態で。
7本で挑戦続けるという事で?はい。
はいお願いします!バーの高さは1m70cm。
果たして7本のバネで越える事ができるのか?うわ〜すげ〜!成功です。
1m70cm成功です。
(拍手)1m70cmいくってすごいな〜!越えました。
小谷さん大きく息をつきましたけれども。
いかがですか?跳べてホントよかったんですけど。
このあとゴムチームは1m70cmをパス。
1m80cmに挑む。
余裕の跳躍でした。
(拍手)一方バネチームも意地を見せる。
成功です!すげ〜え!
(拍手)究極の反発力を目指した戦い。
ついにバーの高さは1m90cmに。
この高さ越えられるでしょうか?それでは皆さんよろしいでしょうか?まいります。
あ〜!残念。
1m90cm失敗でした。
という事で。
バネチームの記録は…すごいですよそれでも。
いかがでしたか?Dialogue:0,0:22:382014/04/24(木) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
超絶 凄(すご)ワザ!「究極の反発力を目指せ」(後編)[字]

ゴム対バネ。究極の反発力を求める対決、ついに決着がつく!特製バネと特性ゴムを取り付けたホッピング、より高く跳ぶのはどっちだ!夢の2m越えは?司会:千原ジュニア

詳細情報
番組内容
超絶の技をもつ者どうしが、ガチンコ対決をする「凄ワザ」。今回は究極の反発力を求める「しにせ輪ゴムメーカー」と「手作りバネメーカー」の対決。前編では、ホッピングの世界記録保持者が、両チームの試作第1号機を跳んだ。その結果、ゴムは切れ、バネは伸びきった。限られた時間の中で、それぞれの大きな課題を乗り越えることはできるのか?そして、ホッピングで夢の2m越えは可能なのか?【司会】千原ジュニア、池田伸子
出演者
【司会】千原ジュニア,池田伸子,【語り】福島泰樹

ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:21674(0x54AA)