安倍総理大臣はアメリカのオバマ大統領と会談しました。
この中でオバマ大統領は尖閣諸島について日米安保条約の適用対象だと明言しました。
しかし、最大の焦点だったＴＰＰ＝環太平洋パートナーシップ協定については基本合意に至りませんでした。
首脳会談を前に握手する安倍総理とアメリカのオバマ大統領。
会談が始まるとそろって日米同盟の重要性を強調した。
そして共同記者会見でオバマ大統領は、中国が領有権を主張している沖縄県の尖閣諸島についてアメリカの日本に対する防衛義務を定めた日米安保条約５条の適用対象だと、初めて明言した。
さらに安倍総理は日本が集団的自衛権の行使容認について検討していることを説明したのに対し、オバマ大統領から歓迎し、支持するという立場が示されたことを明らかにするなど会談の成果を強調した。
ある外務省幹部は、ぎくしゃくしていた日米関係が短期間でここまで回復したのは感無量だと語ったほか、安倍総理も、昨日の寿司店での夕食会に触れ、こう宣言した。
しかし、会見中に安倍総理の表情が緩んだように見えたのは、この場面だけ。
それには、ある理由があった。
実は、日米両政府は会見に合わせて共同声明を発表する予定だった。
しかし、ＴＰＰの文言をめぐって声明をまとめることができないまま時間だけが過ぎ予定より２５分遅れで会見を始めざるを得ないという異例の事態となった。
ＴＰＰ交渉で一体何があったのか。
昨日午後、ＴＰＰをめぐって日米の閣僚協議を終えた後、フロマン通商代表が向かったのは羽田空港。
到着したばかりのオバマ大統領の専用車にフロマン氏が乗り込む。
首脳会談を翌日に控え、時間切れが迫る中で日米の閣僚は慌ただしく動く。
昨日深夜から甘利ＴＰＰ担当大臣とフロマン氏は再び動き今日未明まで３時間あまりにわたって閣僚協議を続ける異例の展開となった。
最後まで残った焦点は豚肉で、アメリカ側は１ｋｇ当たり４００円台の関税を実質ゼロに近い水準まで下げるよう要求したのに対し日本側は反発。
閣僚レベルの協議では決着がつかなかった。
首脳同士の決断に委ねるという異例の展開の末に…日米両政府はＴＰＰについて首脳会談での基本合意を目指してきたが、先送りされ、閣僚レベルで協議を続けることになった。
抜本的な措置という言い方で共同会見の場でも日本側の譲歩を促すオバマ大統領。
さらに…オバマ大統領は日本の自動車市場などの閉鎖性を指摘。
さらに、公正性と透明性を担保しながら進めていきたいと述べ、日米間の根本的な認識のずれをうかがわせた。
日米共同会見を聞いた、自民党のＴＰＰ対策委員長の西川議員は…首脳会談を受けて午後再開された閣僚協議。
閣僚協議でも基本合意にまで至らず、さらに協議を続けることになった。
今日午後のＴＰＰ閣僚協議が始まる、およそ１時間前、オバマ大統領が面会したのは…拉致被害者家族会の横田滋さん・早紀江さん夫妻と飯塚繁雄代表の３人。
拉致被害者の家族がアメリカ大統領と面会するのは２００６年のブッシュ大統領以来のこと。
オバマ大統領が見ているのは横田めぐみさんの写真。
ほかにも、横田さんは孫のキム・ウンギョンさんの写真などを見せたと言う。
オバマ大統領はその後、日本科学未来館を見学。
また、明治神宮では流鏑馬の実演を鑑賞した。
精力的に日程をこなすオバマ大統領。
１８年ぶりの国賓として招かれたアメリカ大統領とあって厳戒態勢は昨夜からピークに。
昨夜、安倍総理との会食が行われた高級寿司店のある銀座では…銀座の街、ご覧のように交通規制によって大混乱に陥っています。
オバマ大統領が来る、こちら側には渡ってくることができないことになっています。
警視庁職員の３分の１に当たる１万６０００人が警備に当たった。
安倍総理とオバマ大統領はともにノーネクタイで臨み、会食は１時間半にわたった。
そして一夜明けた今朝…今、皇居前広場にオバマ大統領の車列が入ってきました。
今、オバマ大統領の姿が見えましたオバマ大統領は皇居で、歓迎式典に臨んだ。
今夜は宮中晩さん会に出席する予定。
速報です。
オバマ大統領が尖閣諸島が日米安全保障条約の適用対象に含まれるとしたことについて中国外務省は、中国の領土主権を侵すべきではないと批判しました。
また中国外務省は日米安保条約は冷戦時代の産物だなどとし、強く反発している。
総理官邸前には、政治部の岩田記者と経済部の菅野記者がいます。
まず岩田さんに聞きます、今回の首脳会談ですが日本側は成果があったと言えるんでしょうか？安倍総理は今回の会談を今後の政権運営の上でも非常に重要なものになると位置づけていました。
こちらをご覧いただきたいんですが、安全保障の問題、それからＴＰＰの問題、両方で成果を出すことで日米同盟の完全な復活を宣言しまして今後の地域への外交上の主導権を得ること、そして、今後の国会での集団的自衛権の議論でも主導権を握っていきたいという狙いがあったはずなんです。
しかし、ＴＰＰはまとめきれずに延長戦に入った状態で、明日、大統領が出発するまでに共同声明を出せるのか、残る焦点となります。
もう１つ、中国についてなんですが大統領は自分から尖閣諸島の問題に言及するなど連携して対処していくという強いメッセージを出したようにも見えるんですがこの点はどうお考えですか？私たちの取材では、準備されていた共同声明にも尖閣諸島という文字がはっきり書かれているということですので、その点はかなり踏み込んだと言えると思います。
ただ記者会見で気になったのは、オバマ大統領が中国への配慮も忘れなかったことです。
こちらをお聞きください。
オバマ大統領はほかにも、中国が平和的に台頭することをアメリカも支持していると語った。
アジアをとにかく安定させたいオバマ大統領と安全保障環境の変化を強調して防衛力の強化を進めたい安倍総理の違いが浮き彫りになった格好でそもそも日米同盟の目指すところが本当にずれていないか、改めて見つめ直す必要もありそうです。
一方で首脳会談でもその後の閣僚協議でも基本合意が見送られたＴＰＰ交渉ですが、交渉全体にはどのような影響があるのでしょうか？参加１２カ国のＧＤＰの９割以上を占める日米が首脳会談でもまとまらなかったことで交渉全体が漂流してしまうのではという危機感が広がりそうです。
というのも参加国は今回、日米がようやくまとまるという期待感から、来月１２日から首席交渉官会合、それに続いて閣僚会合を開き、５月の基本合意シナリオを水面下で画策していました。
しかし、明日までに日米がまとまらなければこのシナリオは崩れ、１１月に中間選挙を控えるアメリカにとってのＴＰＰの優先順位も下がるため交渉の漂流が心配されているのです。
一方、安倍政権としては甘利大臣が午後、自民党を訪れ豚肉の関税の大幅な引き下げなどアメリカ側との交渉状況を説明するなど、国内の地ならしも同時並行で進められていて明日までの基本合意をあきらめず、ギリギリの作業が続いている。
それでは今回、オバマ大統領に同行取材しているワシントン支局の山口支局長に来てもらいました。
今回のオバマ大統領の思惑というのはどんなものがありますか？まず尖閣防衛と集団的自衛権という点については日本側の要請に対して、オバマ大統領がほぼ満額で応えたと言えると思います。
ただこれについてアメリカ側の直接的な追加出費はありません。
要するに、安全保障分野で一銭も使わずに日本に恩を売ることに成功した形のオバマ大統領ですが、実利の伴うＴＰＰ交渉については強硬姿勢を貫いたと言えるんじゃないでしょうか。
オバマ大統領は今年秋最後の中間選挙を迎えるわけですが、今回の強硬姿勢と関係はあるんでしょうか？次の選挙も、もしかしたら上院まで野党に転落するのではないかという見通しもあります。
さらにシリア、ウクライナといった外交問題、それから国内の安全保障問題と、これといった強い成果を出せていないだけに今回のＴＰＰ日米交渉では具体的なアメリカ国民にアピールできる成果がどうしても欲しかったと言えるんじゃないでしょうか。
ですから、結果的には今後もＴＰＰ交渉を通じて、オバマ大統領は強行姿勢を貫くと見られています。
これに関連して、この前に日本の政府高官はもし、この首脳会談で基本合意ができなければ日米関係全体に非常に厳しい影響を与えるだろうという危惧をしていました。
今回の結果は、恐らくまとまるだろうという見立てが多かっただけに関係者に強い衝撃を与えていると思います。
日米関係の行方、ますます見通せなくなってきました。
北朝鮮が核実験の兆候の可能性もある動きを見せていることについて、韓国政府関係者は、核物質や計測装置などが既に坑道に運び込まれた上で封印も済んでいるとの見方を示しました。
韓国政府関係者は北東部プンゲリにある核実験場の坑道には既に核物質や起爆装置、計測装置などが搬入され封印された状態だと説明。
準備過程は終了したとの見方を示し、北朝鮮の核の脅威を強調している。
ただ、いつの時点で坑道が封印されたのかは明らかにしていない。
一方、韓国国防省は軍の創建記念日を明日に控える北朝鮮で軍事挑発を暗示する発言が繰り返されていると明らかにした。
ミサイル発射の動きは現在はとらえられていないとしているが核実験の代わりにミサイル発射に踏み切る可能性も十分あるとしている。
中国の裁判所が商船三井の輸送船を差し押さえた問題で、商船三井が中国側に供託金としておよそ４０億円を支払っていたことがわかりました。
商船三井の輸送船は中国の裁判所によって今月１９日日中戦争前後に起きた船舶の賃貸をめぐるトラブルの損害賠償として、中国・浙江省の港で差し押さえられていた。
これについて商船三井は中国側に対し、賠償金として求められていた２９億円に金利分を加えおよそ４０億円を供託金として支払ったとのこと。
差し押さえの長期化による事業への影響を懸念して支払いに踏み切ったと見られる。
これを受け、中国の裁判所は船の差し押さえを解除。
船は当初の目的地へと出港した。
斜面をゆったりと歩く３頭のクマ。
親グマのそばには子グマ２頭が寄り添っている。
クマが現れたのは札幌市南区の住宅街からおよそ５００ｍのところにある牧場で、今日午後１時半頃、近くの人が見つけ警察に通報した。
クマは住民の姿に気づき、そのまま裏山へ走り去ったとのことで札幌市が付近の住民に警戒を呼びかけている。
ＬＣＣ＝格安航空会社のピーチ・アビエーションが機長の人数を確保できず、５月から１０月にかけて２０８８便を欠航すると発表しました。
予約者数はおよそ２万６０００人に上り、ピーチは予約者へ順次連絡することにしている。
現在、在籍する機長５２人のうち８人が病気やケガで乗務できない上、新規採用も予定を下回ったとのこと。
パイロット不足による大規模な欠航は過去にスカイマークが起こしているがこちら中国マカオの高級ホテル。
金色に輝く壁をよじ登っていくのは世界中の高層ビルを登り、スパイダーマンの異名で知られるフランス人のアラン・ロベールさん５２歳。
今回は、映画「スパイダーマン」の新作の宣伝で、高さ１５０ｍ以上の壁に挑んだ。
普段は命綱を使わず素手で登ることで有名だが、今回は吸引措置と命綱を使い４６分で頂上に到達したとのこと。
工事現場といいますと、男の職場というイメージがありますよね。
女性は少ないイメージですよね。
今日、国土交通省が新たな取り組みを始めました。
建設業界に女性を増やすための行動計画をつくることになったんです。
その狙いと課題とは？現在、午前７時４５分です。
間もなく朝礼が行われます。
東京・秋葉原のビル建設現場では今年７月のオープンに向けて１２０人以上が作業に励んでいる。
しかし、女性は５人だけ。
建設業界では今、人手不足が問題となっている。
国交省によると、建設業に従事する人の数は１９９７年の６８５万人をピークに減少が続き２０１３年の時点では４９９万人。
民主党政権時代に公共工事が減ったことなどから多くの作業員が辞め、政権交代後の工事の増加に追いついていない。
被災地を中心に多発している入札不調の原因の１つといわれている人手不足。
その解消に、業界が期待を寄せているのが女性の進出。
先月、業界団体の日建連＝日本建設業連合会は９万人しかいない女性の技能労働者を５年以内に倍増させる計画を決め、国土交通省も、これを後押しする行動計画を策定することになった。
建物を建てる基準線を引く墨出しと呼ばれる作業を担当する押切せかいさん。
現場では苦労する場面もあると言う。
女性作業員たちの声に建設業界も更衣室を準備したり女性用のトイレを設けたりするなど環境を徐々に整えていると言う。
こうした現場は男性にとっても仕事しやすいと作業員たちは言う。
国土交通省は今年の夏をメドに2014/04/24(木) 17:50〜18:15
ＭＢＳ毎日放送
Ｎスタ[字]

取材経験豊富な記者・竹内明とＴＢＳアナウンサー・加藤シルビアらがお届けする大型報道番組。ニュースを速く、深く伝えると共に「Ｎトク」ではホットな話題を徹底取材。

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番組内容
きょうのニュースを速く深くわかりやすく。徹底取材したＶＴＲに加え、今さら人に聞けないニュースのポイントもわかりやすく解説。政治・経済・事件はもちろん、身近なニュースや生活情報もお伝えします。「Ｎトク」では全国各地で起きているホットな出来事を徹底的に掘り下げます。
出演者
【キャスター】
竹内明（ＴＢＳ記者）
【出演】
加藤シルビア（ＴＢＳアナウンサー）
藤森祥平（ＴＢＳアナウンサー）

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