(おじゃる丸)おじゃタナカそれは何かの?
(電ボ)古い物を売るタナカヨシコの店の社長タナカヨシコ様いつにもましてふしぎな品物を手にしておられます。
そのぼうはいったいなんでございましょう?
(タナカヨシコ)見てのとおりさ。
見てのとおりと言われてもの…。
見てのとおりのフライパンだよ。
(カズマ)えっ?これが?タナカこれのどこがフライパンなのじゃ?フライパンであればぼうの先にほれこういう丸いものがついておるであろ?その丸いのがないフライパンだよ。
フライパンってどっちかと言うとその丸いほうが大事なんじゃないかな〜と思うんですけど…。
つまりこれはフライパンのえにございますね。
「え」だか「お」だか知らぬがのこんなただのぼうで商売しようとはさすがはタナカじゃの〜。
こんなものを買う客などおるのかの?ぼうだけではなんの役にも立たぬであろ。
役に立たないかね。
立たぬであろ。
ただのフライパンだったらね。
ただのフライパンじゃないんですか?よく聞いてくれたね。
そこらのフライパンといっしょにしてもらっちゃこまる。
これはおてがらのフライパンのかたわれなのさ。
「モテガラ」とは何かの?おてがらだよおじゃる。
人の役に立つ活やくをしたってことだよ。
おじゃ。
あの〜タナカのおばあちゃん…じゃない社長さんそのおてがらのフライパンってなんですか?聞きたいかい?じゃあちょいと長くなるけど話すとするかね。
遠い遠い昔のこと遠い遠いある国に力じまんの料理人がいてね。
それはまたずいぶんと遠いのじゃの。
いいからお聞き。
その料理人はねそれはそれはおいしいフライパンケーキを作る名人だった。
うまい!うますぎる!うますぎてなけてわらえてワ〜ハハハハハッ!こんなうまいものを作るおれは天才だ〜!これをフライパンケーキと名づけよう!おじゃフライパンケーキとな?それはどのようなケーキにございましょう?粉にお砂糖と牛乳とたまごをまぜてフライパンで外はこんがり中はふんわりやき上げるケーキのことさ。
それってパンケーキじゃない?遠い遠い国の力じまんの料理人は来る日も来る日もおいしいフライパンケーキをやきつづけた。
ひっくり返す時にフライパンケーキを空中にとばすのが料理人のとくぎだった。
・「空とぶフライパンケーキフライパンケーキ」・「空とぶ」
(タナカ)フライパンケーキは日に日に空中高くとぶようになりとうとうある日のこと…。
・「フライパンケーキフラ…」うわっ〜とびすぎた〜!待て〜!お〜い帰ってこ〜い!おれのフライパンケーキ!フライパンの丸いほうはじまんのフライパンケーキをのせたままどこか遠くへとんでいっちまった。
そのバカヂカラの料理人がふり回しておったぼうがそれというわけじゃの?そのとおり!これが空をとんでいったおてがらのフライパンのかたわれさ。
でもどこがおてがらのフライパンなんですか?そういえばフライパンの丸いほう様とんでいったっきりにございますね。
話を最後までお聞き。
これからがいいとこなんだ。
おじゃまだつづくのかの…。
だからちょいと長くなるって言ったろ。
さてフライパンケーキをのせたフライパンの丸いほうが落っこちたそこはおしろだった。
おしろにはわがままなお姫様がいていつものようにおつきの者たちに当たりちらしていた。
もう〜どうしてわたしのきらいなものばっかり出すの〜!毎日毎日同じこと言わせないで〜!何これ?おいしい〜!やればできるじゃない!これよこれ!これをこれからも作ってちょうだい!それ以来おいしいフライパンケーキを毎日食べられるようになったお姫様はおなかがすいてもイライラすることもなくなり野菜をまぜたフライパンケーキを食べるうちにすききらいもなくなりおつきの者に当たりちらすこともなくなった。
そうしておしろにも国にも平和がおとずれたのさ。
めでたしめでたし。
おじゃようやく終わったの。
なるほど。
それはたしかにおてがらのフライパンですね。
だろ?これがそのおてがらのフライパン様のかたわれ様にございますね。
そういうこと。
どうだい?ほしくなったろ?いえべつにほしくはありませんけど…。
めったに出ないほり出し物だよ。
そのぼうはいらぬがおなかはすいたの〜。
そんなにフライパンケーキっておいしいんですか?ああ。
なにせわがままなお姫様をだまらせてごきげんにしてしまうぐらいだからね。
おじゃプリンもよいがフライパンケーキとやらも食べてみたいの。
外はこんがり中はふんわり。
あ〜ボクもおなかがすいてきちゃった。
おじゃる様もカズマ様も食いしんぼうでいらっしゃる。
(おなかが鳴る音)失礼いたしました〜!おじゃ電ボソチがいちばん食べたそうじゃの。
はあ…。
おはずかしゅうございます。
しかしそのとび切りおいしいフライパンケーキ様を作るのはフライパンの丸いほう様でございますよね。
そうだね。
フライパンのえだけじゃフライパンケーキは作れないんだ。
おじゃやはり役に立たぬの。
ああ…。
これがフライパンの丸いほう様でしたら。
そのおしいところがいいんだよ。
負けおしみじゃのタナカ。
(客)わ〜もうがまんできない!おじゃ?さっきから話を聞いていたら頭の中がこんがりふわふわのフライパンケーキでいっぱいだ。
なんでもいいからフライパン1つください。
あっいいよ!これなんてどうだい?
(客)はいそれをください。
よ〜しこれでフライパンケーキを作るぞ!ウヒョ〜ッ!ほらね役に立ったろ?これがあるとただのフライパンがよく売れるのさ。
おじゃタナカ商売上手じゃの…。
(オープニングテーマ)2014/04/24(木) 18:00〜18:10
NHKEテレ1大阪
アニメ おじゃる丸「タナカ えをうりこむ」[字]
千年前のヘイアンチョウから月光町にやってきたおじゃる丸。小学生の男の子カズマや町の人々、あとを追ってきた子オニたちとゆかいな騒動(そうどう)をまきおこします。
詳細情報
番組内容
古いものを売るタナカヨシコの店に来たおじゃる丸たち。社長のタナカヨシコが1本の棒(ぼう)をとりだした。それは古いフライパンの「柄(え)」。なんと、りっぱな売りものだという。遠いむかし、とても人の役(やく)に立ったフライパンだったからだ。タナカヨシコは、それをつかってパンケーキをやいた職人(しょくにん)の物語(ものがたり)を話しはじめる。おじゃる丸たちは聞いているうちにすっかりおなかがすいてしまう。
出演者
【声】西村ちなみ,渕崎ゆり子,佐藤なる美,一条和矢,うえだゆうじ,南央美,上田敏也,こおろぎさとみ,小村哲生,三石琴乃,生駒治美,沼田祐介,仲尾あづさ,さとうあい,西村知道,高橋広司,齋藤彩夏ほか
原作・脚本
【原作】犬丸りん,【脚本】今井雅子
監督・演出
【監督】大地丙太郎
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
趣味/教育 – 幼児・小学生
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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