カチカチカチカチ
(パソコンの操作音)カチッ
(クリックの音)
(桑野信介)「13件」?うん?パシャン!カチッ「40になってやっと結婚できました」。
嫌みか。
ていうか「おてあらい」ってなんだよ。
はぁ〜。
ここさ米松はるようになってるよね。
(棟梁)ああ。
ちゃんと指示どおりやってるよ。
よし。
あれ?これ…なんだ?これ。
(英治)こんなの設計にないですよ。
当たり前だよ。
ちょっとこれどういうつもり?
(棟梁)このほうがカッコいいと思ってよ。
はい?うそだよ。
ははっからかっただけだよ。
な〜んだ棟梁。
おちゃめなんだから。
あのさそんな暇があんだったらちゃんと仕事しろよ。
ユーモアだよユーモア。
何がユーモアだ。
手抜きばっかりしやがって。
手抜きとユーモアは関係ねぇだろ。
この野郎!
(英治)やめてください!ちょっと。
危ない!危ないから。
ズリッ!
(手が滑る音)
(英治)あっ痛て。
痛てっ。
おい大丈夫か?
(棟梁)てめえこの野郎!
(山下)「ワールドハウジング」の担当者はぜひあなたにきていただきたいとおっしゃってます。
私を評価していただけるのは光栄なんですが。
大手の住宅メーカーが新しいプロジェクトの幹部として迎えたいなんてそうそうある話じゃないですよ。
大きな仕事ができるし給料も大幅アップです。
もちろんこんなにいいお話はないと思います。
でも今抱えてる仕事がいろいろありまして。
(山下)まぁできるだけ早いうちに結論を出していただければと。
(摩耶)検討してお返事させていただきます。
(着信音)ちょっとすみません。
はい。
あぁ英治君。
どうしたの?ええっまた?わかりました。
すぐ行きます。
申し訳ありません。
現場でトラブルが発生したみたいで。
前向きに検討していただけますね?はい。
また連絡します。
すいませんでした。
(摩耶)なんとか棟梁なだめたから。
すぐ現場再開してくれるって。
すいませんいつも。
(摩耶)桑野さんは?
(英治)あぁ聞こえないふりして仕事してます。
まぁいいんじゃない。
立花様の打ち合わせあしたの3時って言っといてね。
それじゃ。
もういっつも沢崎さんに迷惑ばっか掛けて。
あのな家を作るってのは共同作業なんだよ。
あいつがトラブルを処理しておれが設計に専念する。
これを分業体制っていうんだ。
すごい理屈。
じゃあもし沢崎さんいなくなったらどうするんすか?そういう仮定の質問に答えても意味がないだろ。
はぁ〜。
・フフフフ〜フフフ〜申し訳ありませんでした。
(棟梁)あんたも苦労するねぇ。
よしやるよ。
ういっす。
(沙織)あのどうして沢崎さんが桑野さんの代わりに頭を下げなきゃなんないんですか?トラブルを解決するのも私の給料のうちなの。
(沙織)う〜ん。
でもな〜んだか甘やかしすぎのような気がするんですよね〜。
桑野さんて沢崎さんが転職でもしたらどうすんだろ。
あれ?どうしました?あぁもうだめ。
黙ってんの疲れた。
あなたにだけ言うわ。
なんですか?ほかの人に言ってはだめよ。
特に桑野さんには。
ええっ引き抜き?まだないしょね。
特に桑野さんには。
平気平気。
もう帰ったから。
でもさ引き抜きってどこの会社からよ。
うん。
え〜っすごいじゃん。
やっぱ優秀な人には引き抜き話ってくるもんなんだな。
引き抜きって?うわっ!ちょっとメモリー忘れたから。
誰が引き抜かれたって?いやあの…。
えっ?引き抜き?だめだろそんなの。
(みちる)う〜っ。
(早坂夏美)あ〜っ!仕事のあとのビールってなんでこんなおいしいんだろう。
(摩耶)きょうはトラブルを1件解決したあとだからよけいにおいしい。
トラブルってやっぱり桑野さんがらみですか?まあね。
沢崎さんて8年も桑野さんと一緒に仕事してておかしくなりませんか?まあ仕事はできる人だから少しは我慢のしがいもあるっていうか。
あれで仕事がだめなら救いようがないわね。
それにこれだけ長年やってると表情見ただけである程度考えてることがわかるから二人が想像するよりスムーズにいってますよ。
表情でわかるといいますと?うふっ唇の端をゆがめるとき何か言いたいことを我慢してるんですよね。
う〜んなるほどね。
ん〜その知識なんの役に立つんですか?べつに。
(摩耶)そういえば早坂さんお見合いしたんですって?えっ?まあ…。
いいじゃないですかそんな話。
聞いても全然教えてくれないんですよ。
ちょっと魔が差しただけ。
桑野さんてお見合いしたことないのかな〜。
ないでしょ。
でもあの人の写真とプロフィールだけ見たらだまされてお見合いしたいって人いそうですよね。
会ってからどひゃ〜って感じですけど。
はぁ〜。
あっ。
ここ空いてるよね。
(みちる)きょうは女だけで飲む会なんですけど。
(摩耶)なんでここがわかったの?お前の部下に聞いた。
(摩耶)沙織ちゃん。
いいかげん名前覚えてあげて。
引き抜きの話も。
えっ?はぁ〜言うなって言ったのに。
引き抜きってよその会社に?どこの会社ですか?「ワールドハウジング」。
お前まさかほんとに?
(みちる)「ワールドハウジング」ってすごいじゃないですか。
実力が認められたんですね。
(みちる)いいなぁ〜。
私そういうの一生縁なさそう。
お祝いしましょうか。
はい!すみません中ジョッキ3つ。
(摩耶)まだ考え中なの。
決めたわけじゃないから。
で桑野さんは何しに?だからおれはだな。
(サンバの演奏)It’sashowtime!またか。
で?あのな…。
おれはだな…。
あぁ〜。
・不思議なことがあるよ・きれいなことがあるよ・夏の匂い・青む風がぼくを・通り抜ける・夢うたう日々があるよ・とまどう日々もあるよ・君の匂い・滲む空に・こころ流れつけば・奥にかさばった・遠い日の想い・今なら晒せるだろう・かなわずも・失くすことのない・あの日おぼえた・小さなざわめきも・ゆらめいて輝き増すように・日々を泳いだ・もうすぐ君に・逢いにゆくからどうされました?ちょっと立ちくらみがしましてね。
成人病で立ちくらみが出ることもありますし。
血圧測りますね。
真理ちゃん血圧。
あっはい。
桑野さん。
沢崎さんに転職してほしくないんですか?えっ?結局こないだ何も言わずに帰っちゃって。
あ〜これか。
はい?あなたが何か言いたいのを我慢してるときは唇の端がゆがむからわかるそうです。
さっさと沢崎さんに言えばいいじゃないですか。
ずっと一緒に仕事がしたいとか。
ふふっふっふっふっ。
そんなんじゃありませんよ。
あいつがいないとトラブルの処理に困るからです。
えっ?おれが設計の仕事に専念できなくなるからですよ。
なんですか?それ。
そんなことであの人の進路に口出しするなんて。
口なんか出してませんけど。
サンバが来なきゃ出したでしょ。
(和美)早坂先生検査項目のチェックお願いします。
はい。
自分の都合じゃなくて転職することが沢崎さんにとってほんとにいいかどうか考えてあげるべきでしょ。
また説教か。
トラブルの処理ぐらい自分でできないんですか?べつに1人でもできますよ。
ただ…。
ただやらないだけですか?そうです。
設計の仕事に専念するために分業体制を敷いてるだけです。
トラブルの処理ぐらいやろうと思えば僕にもできますよ。
あぁそうですか〜。
和美ちゃん。
(和美)はい。
(真理)えっと血圧上が142下が90です。
高いですね。
あなたが上げてるんだ。
(みちる)うわっすごい。
(千鶴)どうしたの?
(みちる)桑野さんの名前で検索したら3000件もヒットした。
(千鶴)どうして桑野さんなんかで検索するの?出来心っていうかきのう桑野さんが仕事はできる人だって話聞いたから。
金田更新してるじゃないか。
ええっ?「ボウリング」?アベレージいくつだよ。
(英治)こちらです。
立花様お連れしました。
あっ。
どうも。
(正志)はじめまして。
よろしくお願いします。
(英治)どうぞ奥へ。
(英治)えっ沢崎さんは?もう来るんじゃないかな。
(英治)ちょっと。
ちょちょちょ…。
なんだ?あのご夫婦…コレですよ。
なんで?
(英治)ご主人が家を新築するのを機に仕事を辞めて家事に専念してほしいと奥さんに言ったらしいんですよ。
でも奥さん仕事続けたいらしくて完全に冷戦状態。
ちっ。
仲直りしてから来いよ。
まぁ沢崎さんが来たらなんとかしてくれるでしょ。
コーヒーいれますね。
・・はい。
どうした?お前遅刻だぞ。
ごめん。
実はね私の祖母が亡くなったのよ。
えっ?これから行かなきゃいけないの。
悪いけど打ち合わせ私抜きでお願いできる?ああわかった。
あっあ…お大事にな。
もう死んだ。
あっあの…このたびはなんていうかお気の毒な感じで。
無理してなんか言おうとしなくていい。
98で大往生だからみんなサバサバしたもんよ。
また連絡するから。
それじゃ。
ああっ…ちょっと待って。
何?引き抜きの話受けたきゃ受けろよ。
えっ?何よ急に。
いやいやおれのことはいいからさ。
それじゃな。
うん。
(英治)どうぞ。
いやぁまぁ奥さんそうカッカしないで。
(道代)べつにカッカしてません。
あぁそうですか。
(正志)わかった。
お前がどうしてもって言うなら仕事続けたっていいよ。
あはっ。
ほら解決した。
(道代)全然解決してません。
仕事続けること認めて私に貸しでもつくるつもり?ははっ。
そんなわけないだろ。
すぐ人をバカにした態度。
そんなふうに見えます?いや普通ですよ。
まぁ話を聞いたところでは奥さんの思い過ごしというかご主人はあなたを必要としてるわけだし。
あなたに家にいてほしいんですよ。
今の職場でこんなに求めてくれる人がいますか?必要とされるところにいたほうがいいでしょう。
いてもいなくても同じようなところにいるよりは。
私が能なしだって言うんですか?家事でもしてろって言うんですか?いやそんなことは言ってない。
うっ…。
あれっ。
(正志)おいちょっと待てよ!ほらぁ。
もう沢崎さんなしにこういう問題を処理しようっていうのが無理なんですよ。
まだばん回するチャンスはあるだろ。
あるかな〜。
いや沢崎さんにフォロー頼むしかないな。
(圭子)お母さん老人ホーム入るつもりなの知ってた?あぁなんか言ってたな。
(圭子)えっ黙って聞いてたの?おれんとこ来ないかとか言ってあげなかったの?言えるかよ。
(圭子)自分の親でしょ。
まぁお義母さんの意志もあるんだし。
ゆみ。
ゆみはおばあちゃん好きよね?
(ゆみ)うん。
お小遣いいっぱいくれるもん。
ねぇやっぱりお母さんをここへ呼んであげない?う〜ん。
あっそういえば御手洗からメール来てたな結婚したって。
(みちる)こんばんは〜。
(育代)こんばんは。
あら〜っかわいい。
ふふっ。
あんたのお名前なんての?ケンっていうんです。
えっケンちゃん。
目がかわいい。
ふふっ。
誰かに似てる。
はぁ〜遅いわね〜。
(みちる)誰か待ってらっしゃるんですか?息子にちょっと届け物しに来ただけなんですけどね。
じゃあ私預かりましょうか?何号室ですか?502号室です。
えっ息子って…。
あら雨。
ザーーーー
(雨音)
(育代)そうですか。
信介と親しくしていただいてるんですか。
いえべつに親しくは。
(育代)なかなかお嫁さんにきてくれる人がいなくてね。
ご心配ですね〜。
早坂さんとおっしゃる女医さんがいてどうかと思ってるんですけど。
夏美さんならよく知ってますけど無理だと思います。
あぁやっぱりそう。
夏美さんこないだもほかの人とお見合いしてましたし。
あぁ〜。
失礼ですけどあなたおいくつ?えっ?ご結婚の予定とかおありなの?
(みちる)あっいえあの…あっそうだ!桑野さんにちょうどいい人がいます。
あっどなた?桑野さんのお仕事の相手で沢崎さんという人がいるんです。
ご存じですか?いいえ。
あの子なんにも言いませんもの。
(みちる)長年一緒に仕事しててすごく信頼し合ってるみたいですよ。
仕事だけの間柄ってもったいないくらい。
あら〜。
え〜っとその方ちょっとお名前なんとおっしゃったかしら?沢崎さんです。
サワザキさん?おいくつぐらいの方?あれっぬれてんな。
うん?・
(みちる)雨やんだみたいですよ。
・
(育代)あらほんと。
はぁ〜。
まったくこの年になって息子の嫁探ししてるなんて思ってもいませんでしたよ。
(みちる)お母さんも大変ですね。
ちちょっとそこ。
あらっ。
何やってんだよ!
(育代)あっそうそうちょっと待って。
ええっ?
(みちる)雨が降りだしたからちょっと雨宿りしてもらってただけです。
(育代)これねもらい物のシャンパン。
あなたにちょうどいいと思って。
はい。
ちょっと届かないよ。
あぁだめ。
怖い。
ったく!油断もすきもあったもんじゃない。
(育代)ケンちゃんとやらあぁちょっとごめんなさいね。
(育代)いいこと教えてくれてありがとう。
あぁいえ。
ちょっと何教えたんだ?もう少し詳しいこと聞いていい?はい。
ケンちゃん行くよ。
あっ…。
・バタッ
(戸の音)
(摩耶)わざわざありがとうございました。
いいえ。
ご葬儀には伺えないのでせめてお通夜に。
(みちる)大丈夫?きのう桑野が引き抜きの話受けろなんて言ったんですよ。
そうですか。
あいつなりに私のこと考えてくれてるのかなぁ。
沢崎さんまだ迷ってらっしゃるみたいですね。
桑野さんがいいって言ってくれたのに。
どうもそうみたいです。
あいつ本音ではどう思ってんだろ。
でも最後にはご自身で決めることでしょう?桑野さんがなんて言おうと。
そうですね。
なんか気になって。
引き抜きの話オッケーすることにしたって言ってみたらどうですか?でそのリアクションを見てみるとか。
(摩耶)あ…いいですねそれ。
(みちる)そうだ。
私沢崎さんに話さなきゃいけないことがあって。
何か?きのう桑野さんのお母さんと会ったんですよ。
えっ?それで?なんか私桑野さんのお嫁さん候補にされそうだったんで思わず沢崎さんのこと推薦しちゃいました。
えっ?すいません。
べつに謝ることじゃ。
でもあのお母さん最初は夏美さん狙ってたみたいですね。
あっそうなんですか。
ふふっ。
(みちる)でもよく考えると桑野さんのこといちばん理解してるのは沢崎さんだし私の推薦ってそう外れでもないような気もしたりして。
そうねそうかも。
あ…いやそんな。
なんだそこにいたのか。
(摩耶)どうだった?立花様の打ち合わせ。
えっ?いや…特に問題なし。
よかった。
あの奥さん最初に会ったときからちょっと不安定な感じで。
心配だったのよね。
やっぱりそうなんだ。
うん?いやいや。
えっ今何話してたの?あっじゃあ私たちはこれで。
そうね行きましょうか。
あぁちょっと。
前失礼。
あの…。
きのうオフクロに何を教えたの?じゃあ。
えっ?さよなら。
きょうはありがとうございました。
えっちょ…。
変なやつら。
ねっ。
お焼香済んだ?あっ済んだ。
あのこのたびはなんて言ったらいいか…。
ありがとう。
あっどうも。
おれも帰るわ。
車で送ろうか。
いやいいよ。
いいのよ少しぐらい抜けたって。
喪主じゃないんだから。
な〜んか突然二人で車に乗ると変な感じ。
緊張するっていうか…。
だから嫌だったんだ。
ポーン
(カーナビの音)
(カーナビの音声)この先200メートルを右折してください。
右折?違うだろ。
まっすぐだろ。
えっ!?本当?この先に新しい道が出来たんだ。
ふっ。
こいつはまだ知らないらしい。
ポーン
(カーナビの音声)この先100メートルを右折してください。
うそつき。
新しい道なんか出来たんだ。
この間の現場この近くだったろ。
私電車で来てたから知らない。
ポーン
(カーナビの音声)この先50メートルを右折してください。
機械とおれとどっちを信用するんだ?わかった。
(カーナビの音声)まもなく右折です。
(カーナビの音声)ルートが変わりました。
次の信号を右折してください。
ほざいてろ。
(カーナビの音声)ルートが変わりました。
道まだ出来てないなぁ。
ふぅ〜不思議ねぇ。
どうしてこんなときあなたに腹が立たないんだろう。
えっ?ねぇ休憩しない?ああ〜っ。
きょうはありがとね。
あぁいや。
おばあちゃんね私が友達を連れていくといつもうれしそうだった。
私ね引き抜きの話受けようかと思って。
えっ?あぁそう。
いや…ほらあれだ。
お前の自由だしいいんじゃないか。
ジュース買ってくる。
ジーーッウィーーンジーーッウィーーーンちっ。
ちくしょうアイロンかけときゃよかった。
ジーーッウィーーンちっあぁ…。
・ジーーーーーーーーーッ・そうよなんで知らなかったの?
(金田)全然知らなかった。
・また。
ふふっ。
(金田)時代後れかなぁもう。
・そうねぇ。
いらっしゃいませ。
あっどうも。
どうも。
いつもの。
ねえ私こう見えてもボウリングってけっこう好きなの。
(金田)偶然ですね〜。
おれも最近はまってんだよ。
ふふっそうなの?
(金田)うん。
今度一緒に行こうか。
う〜んいいけど私って自分より下手な男の人嫌いなのよね。
自慢じゃないけどおれは200は出せるよ。
ほんとに?うん。
じゃあ行く?うん。
うふっ。
ちょっと失礼。
(金田)はぁ〜。
彼女がボウリング好きだってひとから聞いてさ。
この日のためにどれだけ練習してきたか。
ふっ。
さすがですね。
なぜそこまで。
スプーンいりませんよね?いりません。
ポイントカードはお持ちじゃないですよね。
ああ…ありません。
1120円になります。
(店員)いらっしゃいませ。
(英治)ああおはようございます。
ああおはよう。
こないだ来た立花さんのご主人からさっき電話ありました。
当分仲直りできそうにないみたいなんで新築話はいったんペンディングにしたいそうです。
あぁそう。
あぁやっぱ沢崎さんに頼むしかないなぁ。
きのうお通夜行って話してくれたんですよね?んんっ。
うわぁ言ってないんだ。
うるさいなもう仕事しようよ。
仕事なんかありませんよ!立花さんのためにスケジュール空けてあったんですから。
はぁ〜沢崎さんほかの会社いっちゃうのかなぁ。
条件もいいみたいだししょうがないか。
でもあの人なしでやっていけんのかなぁ。
どうせ代わりの人間がすぐくるよ。
どこにいるんですか!いたら紹介してくださいよ!確かに。
・はい。
ああ沢崎さん。
きのうはありがとうございました。
いいえ。
あなたの言ったとおり引き抜き受けるつもりだって言ってやりました。
ああ…どうでした?相当動揺してました。
そうですか。
で…どうするんですか?どうって…受けようと思ってますこの話。
そうなんですか。
やっぱりすごくいい話だし自分にとってプラスになると思うしそれに仕事じゃなくてもあいつのそばにいてやることできるから。
ああ…。
そういうかたちもあるかなぁと思って。
そうですね。
(店内のBGM)あれおいしそ〜。
別のにしましょう。
そうね。
また立ちくらみですか?いや食事してたらなんか気持ち悪くなって。
吐いたんですか?吐く寸前でした。
ん〜どうしたんでしょうね。
風邪でおう吐を伴うことありますけど。
口開けて。
口。
ふぅ〜。
どうしたんですか?あなたが自分の都合じゃなくてあいつの立場で考えろとかトラブルの処理ぐらい自分でしろとか言うからだ。
沢崎さんに引き抜きの話オッケーしろって言ったそうですね。
言いました。
でもおれが人から喜ばれる家を作り続けるためにはおれの仕事にはあいつが必要なんです。
ならいかないでくれって言えばいいじゃないですか。
いまさら言えるかよ。
ならしょうがないでしょう。
いってほしくなければちゃんと自分の口でいかないでくれって言う。
どっちかでしょう。
冷たいな。
はあ?ああっもしかして私から沢崎さんになんとか言ってくれとかそういうこと期待してます?けっこうです。
・バタン!
(ドアの音)仕事だけですか?えっ?もし沢崎さんが転職しても仕事以外でかかわりを持つことはできるじゃないですか。
仕事以外って具体的になんですか?ふふん。
しゅ…趣味とか?さようなら。
ああちょっと気分悪いなぁ。
たぶんあの人はあなたのことを好きなんじゃないかと思います。
えっ!?はははっ何ばかなことを。
最近になって突然なのかずっと自分の気持ちに気づかないふりをしてきたのかそれはわかりません。
でも…。
ちょっと待ってくださいよ。
あの人あなたの気持ちを確かめたくて転職の話オッケーするって言ったんですよ。
なんでそんなことわかるんですか?私がそうしたらって言ったからです。
よけいなことばっかり。
このままじゃあの人転職しちゃいますよ。
自分のことは自分で決着つけてください。
こんな話するだけでも大サービスなんです。
何言ってんだ。
はい。
ああ山下さん。
(山下)そろそろ結論を出していただけますでしょうか。
「ワールドハウジング」の専務もぜひあなたにお会いしたいそうです。
じゃああした。
はい10時半に「珈琲亭」で。
(英治)えっ桑野さんと沢崎さん?
(みちる)そう。
意外といい組み合わせじゃない?
(英治)ないなそれは。
(千鶴)あんまり近いとこにいるとかえってね。
(英治)いやそういう次元じゃなくて。
(みちる)ん!そういえばあなたたちも一応職場恋愛よね。
(英治)ああそうなるか。
まっデートの都合もつけやすいし便利だよな。
(沙織)うん。
浮気のチェックもしやすいしね。
でも職場恋愛のよくないところって別れたあとも顔合わせなきゃいけないところよね。
職場恋愛は職場結婚に発展しないかぎり悲劇に終わるわけだ。
(千鶴)ひとのことより自分の心配しようね。
(みちる)わかってるよ〜。
ああなんか地引き網みたいにごそっと釣り上げてからゆっくりより取り見取りみたいなそういう男選びの方法ってないのかな。
ありません。
冗談よ。
そんなツンケンしなくても。
(沙織)なんか私たちの飲み会ってみちるさんに男の人ができるかどうかっていう話が多くない?
(英治)まあなんか頼りないからつい心配しちゃうんだよな。
私ってそんなに頼りない?わかった。
もうみんなに頼らない。
これまでごめんね。
幸せになりたいだけなのに。
ハッハッハッケンは私に愛想尽かしたりしないよね。
あれっ?ケンちゃん!あぁ〜。
ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッああっ!あなたたちやっぱり。
なんだ?もういい!どいつもこいつも。
あああれっ?やれやれ。
はい。
どうした?あの今沙織から聞いたんですけど沢崎さんあした10時半に「珈琲亭」でヘッドハントの人と会うらしいです。
で?
(英治)いやなんて返事すんのかなぁと思って。
知るかよ。
はぁ〜。
(クラッシック音楽)違うな。
はぁ〜。
はぁはぁ。
はぁっはぁっはぁっ…。
(山下)結論出していただけましたでしょうか?ええ。
お聞きしましょう。
私いろいろ考えまして結論として…。
何か?今何かこっちを見てた人が。
なんでしょうね。
(店内のBGM)はぁ〜すいません。
少しお待ちいただけますか?どうぞ。
なぁに?何よ。
いくな。
えっ?いかないでくれ。
どういうこと?「どういうこと」って…。
すごくいい条件なの。
給料も待遇もいいし大きい仕事もできる。
それでもいくなって言うの?だって…あれだよ。
せっかくいいパートナーになったんじゃないか。
「パートナー」。
いやその…お前はその…優秀だし。
優秀な人ならいくらでもいるでしょ。
おれの設計とお前の調整能力っていうか…。
そのコラボレーションがその…相乗効果的にクリエイティブな力になってさ。
意味わかんない。
わかりやすく言うとだなおれが起こしたトラブルを文句もなしに処理してくれるのお前しかいないんだよ。
ベタベタしたりメソメソしたりしないしさ男とか女とか意識しないで仕事だけでつきあえる。
そういうさ便利で都合のいいやつはお前しかいないんだよ。
そういうこと。
いやだからその…。
もうわかった。
ばかばかしい。
要するに今までどおりずっと仕事のパートナーでいればいいんでしょ?あの…お前がどうしてもそうしたいって言うなら。
確かに私はあなたの作る家が好きだしよそにいけばあなたの作る家ともお別れ。
しょうがない。
あなたのどうしようもない性格に我慢してあげてもいいわ。
ただし仕事上のつきあいだけよ。
いいわね?そっちが…そう言うんなら。
これからもいい仲間でいましょうね〜。
おう。
そうしよう。
じゃああの人待たせたままだから。
よしっ。
あっ。
どうせきょうは断るつもりだったんだけどね。
えっ?ふふっ。
そうですか。
まっそこまで言われたら突き放すわけにもいかないしいろんな意味で。
いろんな意味でね。
あなたにはそのことお伝えしたくて。
それじゃまた。
・トントン
(ノックの音)はい。
失礼いたします。
こんにちは。
こんにちは。
おかげんでも?いえ。
きょうは早坂先生にお聞きしたいことがありまして。
なんでしょう?え〜っとあのサワザキさんっていう人ご存じですか?ええ。
どんな方なんですか?あの…。
沢崎さんは桑野さんとは結婚されないと思います。
えっ?桑野さんとは仕事だけって決めたみたいです。
はぁ…そうなんですか。
(正志)ではよろしくお願いします。
すてきな家にしてくださいね。
(摩耶)桑野のお尻をたたいて必ずご期待にお応えします。
楽しみにしててください。
(正志)私たちこれから結婚記念日の旅行に行ってきます。
(摩耶)あらいいですね〜。
(道代)それじゃ。
(道代)失礼します。
(英治)はぁ〜。
しかしあの夫婦どうやって仲直りさせたんですか?奥さんに話を聞いたらねご主人があしたが結婚記念日だっていうのを忘れてるのに腹を立ててたの。
でご主人にそのことをこっそり耳打ちしてあげただけ。
さすがです。
(摩耶)女心を理解するのもいい家を作るためには必要よ〜。
ふん。
分業体制だ。
それは任せるよ。
(英治)女心を理解するのを放棄したんじゃ当分結婚できないなぁ。
当分じゃないわ。
永遠によ。
2014/04/24(木) 15:53〜16:48
関西テレビ1
結婚できない男 #10[再][字]【信介(阿部寛)はサンバガールの羽根が苦手です!】
「女心がわからない!」
阿部寛 夏川結衣 国仲涼子 塚本高史 三浦理恵子 草笛光子 高島礼子ほか
詳細情報
番組内容
ある日のこと、現場でまた棟梁(不破万作)とつかみ合いになった信介。しかしいつものように摩耶(高島礼子)が棟梁をなだめて事なきを得る。そんな中、摩耶に引き抜き話が浮上した。それを知った信介は、夏美(夏川結衣)とみちる(国仲涼子)とビアガーデンにいた摩耶の元に姿を現すが、お祝いムード女性陣を前に、結局何も言えず終い。
夏美は信介が摩耶を引き止めたい理由が、
番組内容2
設計に専念するためのトラブル処理と知り、呆れるが、信介は「仕事に専念するために分業体制を敷いているんです。トラブル処理くらいやろうと思えば出来るんです」と豪語。だが、摩耶の祖母が亡くなったことから摩耶抜きで行った打ち合わせは、信介の一言が原因で保留になってしまう。
摩耶の祖母の通夜の席で、夏美は信介の本音が知りたい摩耶に「OKすることにしたって言ってみたらどうですか」と助言する。
番組内容3
その後、摩耶に車で送ってもらうことになった信介。そこで摩耶は「引き抜きの話、受けようと思うの」と持ちかける。しかしそれを聞いた信介は「お前の自由だし・・・」と言いながらも動揺が隠せない。はたして信介の本心とは・・・?
出演者
阿部寛
夏川結衣
国仲涼子
塚本高史
尾美としのり
三浦理恵子
さくら
高知東生
SHEILA
草笛光子(特別出演)
高島礼子
原作・脚本
【脚本】
尾崎将也
監督・演出
【演出】
三宅喜重(関西テレビ)
小松隆志(MMJ)
植田尚(MMJ)
【プロデューサー】
安藤和久(関西テレビ)
東城祐司(MMJ)
伊藤達哉(MMJ)
音楽
仲西匡
【主題歌】
「スイミー」Every Little Thing
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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