今回は究極の反発力対決。
まずはこちらをご覧頂こう。
がれき撤去や建設現場での実用化に向け開発が進む…人間の小さな力をより大きなものに変える夢の技術。
そこに欠かせない2つの素材がある。
農作業の重労働を補助する装置。
その背中には上半身を支えるための板状のバネ。
一方リハビリ支援のための人工筋肉にはチューブ状のゴム。
ゴムが伸縮し腕の運動を助ける。
超高齢化社会を迎える日本。
人を助ける究極のゴムとバネが求められている。
究極の反発力を手にする時未来は劇的に変わる。
今回それぞれが生み出す反発力を比べるために用意されたのは懐かしの遊具ホッピング。
その動力として究極のバネと究極のゴムが取り付けられる。
究極のゴムを作るのはあの輪ゴムで人々の暮らしを長く支えてきた男たち。
対して究極のバネを作るのは緻密な設計と正確無比のワザが自慢のバネメーカー。
極め付きの難題にプライドを懸けて挑む男たちのドラマ!ゴムか?それともバネか?より高く舞うのはどっちだ!?「超絶凄ワザ!」MCの千原ジュニアです。
この番組はある道を極めた2組の技術者そして職人に互いの凄ワザを競い合って頂きます。
そしてそこから日本のものづくりの奥深さに迫っていこうというものです。
今回は…おもろいですね。
ゾクゾクしますねあのオープニングのVTR。
いいですよね。
あのVTRもろて帰ろうかなホンマ。
今回はゴムとバネという事で。
それぞれ違うものですからどう対決するのかというのがなかなか難しいと思いますけどね。
なんと身近に最適なものがありました。
それがホッピング。
今回使用するのはアメリカで若者たちに人気の最新型ホッピング。
カバーの中には8本の太いゴムが取り付けられている。
着地の際ペダルを踏み込むとゴムは伸びる。
そして元に戻ろうとする反発力を利用して高く跳ね上がる仕組みだ。
では究極の反発力に挑んで頂く技術者の皆さんご紹介します。
1組目こちらの方々です。
まずは国内シェアナンバーワンの…創業から90年大阪の下町に本社を構えるゴムメーカー共和。
年間に生産する輪ゴムはなんと100億本!人々の暮らしを支えてきた。
この会社が送り込んだのは研究熱心さと豊かな発想力で入社5年目ながら製品開発を一人任される脇野章!そして長年培われた経験と知識で工場を仕切る渡壁秀人!この道30年のベテランと期待の若手が未知の領域に挑む。
(2人)シャ〜!輪ゴムの力に刮目せよ!続いてはこちらの方々です。
対するは…創業から70年手作りにこだわり続ける東海バネ工業。
東京スカイツリー最上部に取り付けられた揺れを抑える装置。
この会社が作った巨大なバネが使われている。
満を持してこの会社から送り込まれたのがデータを駆使してどんな要求にも応える設計部の頭脳小谷健二!そしてバネ職人歴23年戸田哲也!僅か11人しかいない業界最高の栄誉を手にした男が最強のバネ作りに挑む。
(2人)オ〜。
バネの力に驚嘆せよ!よくぞこの対決受けて下さいました。
ホントにありがとうございます。
どうですか?対戦相手を見て。
すごい強敵ですね。
強敵ですよ!匠のワザを…。
匠のワザを手作りで作られてる訳ですから非常に手ごわいかと思いますけど。
僕たちの方も強敵と思ってますしゴムとバネどんな成果が出るか結果が楽しみです。
究極の反発力を戦わせる舞台後ろにご用意しました。
こちらです!今回の舞台は…え〜棒高跳びですね。
言ってしまえばそうなんです。
この仕組みよりカメラの台数の方が引きあると思うんですよ。
このカメラも含めてジャンピング・マトリックス。
含めてね。
それなら分かりました。
競技ルールは高跳びと同じだ。
周りに設置された22台のカメラで記録し公平なジャッジを行う。
そして両者のホッピングを使って跳ぶのはこの男。
実際に跳んで頂きます。
うわ〜。
4つのギネス記録を持つキングオブホッピング。
究極の反発力を持つのはゴムか?バネか?この男のジャンプで決まる!実際にこのホッピングを使ってフレッドさんは1m40cmを越えた事があるそうです。
これで!?ちょっとやらせてもらっていいですか?おお〜おお〜すげえ!これで1m40cmはすごいですね。
跳べるとは言ってもやっぱり重みもありますか?ありますあります。
という事で究極の反発力をどちらが生み出せるのかそれぞれの製作過程に密着しました。
じゃあいきます。
2月下旬ゴムチームのもとに市販のホッピングが届けられた。
「輪ゴムにこだわれ」と言う社長の指令を受けまずは自社製品を取り付けてみる。
1か所につき20本束ね合計160本の輪ゴムを使う。
自分たちの輪ゴムがどんな跳躍を見せるのか。
恐るべし輪ゴムパワー!しかしジャンプしながら徐々に高く跳び上がるホッピング。
ここに大きな課題があった。
輪ゴムは一たび伸ばすと完全には元の大きさには戻らない。
そのためエネルギーをロスしてジャンプする度に反発力が弱くなってしまうのだ。
ゴムチームの目標は定まった!一方バネチーム。
まず取りかかったのは市販のホッピングに取り付けてあったゴムの実力調査だ。
限界まで引っ張り力を調べる。
分かったのはエネルギーロスがあるゴムに対してバネはロスがないという事。
引っ張った力と同じ力で戻るバネの反発力を生かせば勝負を有利にできる。
設計担当の小谷はそう考えた。
バネの力は材料や太さ巻き方などを調整する事で自在にコントロールできる。
ゴムと違って設計どおりの力を出せるのもバネの強みだ。
しかし大きな課題が存在する。
バネを取り付けるスペースだ。
ホッピングの構造上許されるバネの大きさは直径22mm。
大きなパワーを生み出す大きなバネは収まらないのだ。
小さくても強い力を生むバネを目指せ!ウルトラスプリングチーム!完全に元の大きさに戻る輪ゴムを目指すゴムチーム。
開発担当の脇野は配合剤に注目した。
輪ゴムは天然ゴムの塊に配合剤と呼ばれるさまざまな化学薬品を練り込んで作る。
この配合剤の組み合わせによりゴムは硬くもなれば軟らかくもなる。
配合剤は実に数百種類。
元の大きさに戻る輪ゴムを作るには伸びにくい硬いゴムが求められる。
しかし硬いゴムは切れやすくなる可能性もある。
しなやかで硬い。
この難題に脇野は一人挑み始めた。
脇野には片ときも離さずいつも持ち歩いているノートがある。
命の次に大切だというノート。
「ワキノート」だ!5年間の研究成果や思いつきを書き留めたワキノート。
実験でつまずいた時このノートを見返しては困難を打開してきた。
脇野の試作は佳境を迎えた。
無限にある配合剤の組み合わせからワキノートなどを基にある組み合わせを選んだ。
加える配合剤の量を変えて5種類のゴムを作ってみる事にした。
ゴムはバネと違い実際に作ってみないと性能が分からない。
出来上がった5種類のゴムを脇野は一つずつ引っ張る試験を始めた。
計測器でゴムを伸ばした時の力と元に戻る力を測定する。
その結果最もエネルギーロスが少ない4番のゴムが選ばれた。
そのころバネチームの設計担当の小谷は材料選びを始めていた。
ホッピングの構造上許されるバネの直径は22mm。
この限られたスペースで力を発揮する強力な材料が必要だ。
小谷が選んだのはピアノ線。
細くても高い強度が特徴だ。
ついに究極のバネの設計図が出来上がった。
この日を待ちわびた男がいた。
いよいよバネ職人戸田の出番。
バネは芯金と呼ばれる棒を回転させて材料を巻きつけて作る。
一見簡単そうに見えるが硬い材料を手で押さえつけながらなおかつ隙間を作らずに均等に巻くのは至難の業だ。
ひと巻きでも力の入れ具合が変わってしまうとそのバネは使い物にならない。
巻いている間戸田は決してまばたきをしない。
圧倒的な集中力。
人呼んで戸田にらみだ!巻いただけではバネ作りは終わらない。
巻き終えたバネを放すと僅かに膨らむスプリングバックという現象だ。
職人はこれも計算しなくてはいけない。
測ってみると巻きの前後で2mmほど膨らみ目標としていた22mmから0.2mmオーバーした。
しかしこれは戸田の想定内だ。
バネは熱を加えて冷ます事でより強力な反発力が生まれる。
それと同時に今度は僅かに縮む。
戸田はそれを計算していたのだ。
350度の熱で焼く事20分。
果たしてバネの直径は?スプリングバックや熱処理を読み切り直径22mm以内に入れてきた。
美しい光沢を放つバネ。
均等な並びはまさに芸術品だ。
職人戸田と設計小谷の自信作のバネが完成した。
対するゴムチームも究極の輪ゴム作りに取りかかっていた。
巨大なローラーで天然ゴムと配合剤を練り込んでいく。
脇野が実験室で試作した究極のゴムを工場で作るにはある男のワザがいる。
ベテラン職人渡壁だ!練り込んだゴムは押し出し機と呼ばれる機械に流し込む。
チューブ状になったゴムに熱処理を加える。
硬さを決める重要な工程だ。
通常よりはるかに多い配合剤。
どれだけ熱を加えるか頼りは渡壁の経験と勘だけだ。
切断され出来上がった輪ゴム。
これが究極の輪ゴムなのか?渡壁と脇野は早速その実力を試す事にした。
ゴムを伸ばして元の長さに復元するのか調べる。
まずは元の大きさを測る。
次に引っ張る。
前回はこれで6mm伸びた。
結果は84mm。
僅か1mmの伸びに抑えた。
すごい!今回どちらもここまで順調ですね。
それぞれの強さがバチバチと火花が散っていますけど。
ワキノートVS.戸田にらみの戦いでもありますよね。
(笑い声)手でバネを巻いている戸田さんやっぱり機械で作るより手でやった方が微調整は効くんですね。
すごい計算されて作られているのがすごいなと。
バネの製作工程を見る機会なかなかないですもんね。
(脇野)初めてですね。
逆にどうですか?ゴム作りご覧になって。
何よりワキノートがすばらしい。
多分今日の事もいろいろ書かれるんでしょうね。
「あいつの司会の回しは駄目だ」とかね。
対決の2週間前。
ゴムチームが完成した試作品を手にある男のもとを訪ねた。
プロホッピングプレーヤーポゴ・フレッド。
ゴムとバネ両チームの仕上がり具合を調べるためフレッド本人によるテストジャンプが行われる。
徐々に高さを上げ1mを越えたフレッド。
その姿にただ驚くしかない渡壁と脇野。
「さあこれから!」という時…。
突然フレッドがジャンプをやめた。
中を開けてみると無残にも10本以上の輪ゴムがちぎれていた。
フレッドのジャンプと脇野のジャンプ。
比較すると踏み込みの違いは一目瞭然。
プロの力に耐えるゴムを作らなければならない。
ゴムチームが帰ったあとバネチームの番。
すぐに高さは1mを越えた。
しかし妙な金属音が鳴り響いた。
急いで中を確認する。
自信作のバネは完全に伸びきって使い物にならなくなってしまった。
フレッドの強力な踏み込みでペダルが想定以上に下がってしまったためだ。
予想外の再設計を迫られたゴムチームとバネチーム。
次週いよいよ決着!夢の2m越えは実現するのか!?これだけは言わせて下さい。
来週絶対見よう!2014/04/24(木) 11:05〜11:30
NHK総合1・神戸
超絶 凄(すご)ワザ!「究極の反発力を目指せ」(前編)[字][再]
究極の反発力を求めて、手作りにこだわるバネメーカーとあの輪ゴムメーカーが対決!反発力を判定するためにアメリカから世界記録保持者が緊急来日!?司会:千原ジュニア
詳細情報
番組内容
究極の反発力対決に参戦するのは…。創業から90年、国内で圧倒的なシェアを誇る輪ゴムメーカー。入社5年目で設計を取り仕切る若者と製造30年のベテランがタッグを組む。対するは東京スカイツリーの耐震バネも任された手作りバネメーカー。年間100種類のバネを設計するエース設計士と業界最高栄誉を手にした職人が手を組む。それぞれ自信の試作一号ができたが、思いもよらない問題が…【司会】千原ジュニア・池田伸子
出演者
【司会】千原ジュニア,池田伸子,【語り】福島泰樹
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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