(テーマ音楽)山あいに建つ不思議な建造物には人々の固い絆が今も息づいています。
中国南東部の福建省。
山間部の村にドーナツ型をした巨大な建造物群があります。
その正体は土楼と呼ばれる集合住宅。
建物は3〜5階。
厚い土壁と木で造られています。
住んでいるのは同じ姓を持つ一族の人々。
大きな土楼には50世帯近くが入っています。
住人は互いを支え合い昔ながらの親密な暮らしが続けられています。
こうした土楼が大小3万以上もあるといわれています。
この地で土楼が造られたのは13世紀ごろから。
北方の黄河流域から来た客家と呼ばれる人々によって多くが建てられました。
客家とはよそから来た人々という意味です。
相次ぐ戦乱や飢饉を避けこの地にたどりつきました。
客家の人々は農業や出稼ぎで身を立て蓄えた富を一族で分け合いました。
土楼は客家の固い絆の象徴でもあるのです。
戦乱の時代を乗り越えてきた土楼には砦としての機能も備わっていました。
丸い形は周囲を監視しやすくし死角を作りません。
敵を迎え撃つ銃眼もありました。
厚さ1.5mにもなる土楼の土壁は銃撃にも耐えたといいます。
伝統的な建築技法を見てみましょう。
型に土を盛り間に補強のための竹の棒を並べていきます。
その上に土を盛り棒で突き固めて強度を高めます。
これを乾燥させると数百年たってもびくともしない頑丈な土壁が出来上がるのです。
ある土楼でお祝いの準備が始まりました。
古くからの道具を持ち出し4人の女性が息を合わせてもちをつきます。
つきたてのもちを変わった形にそろえていきます。
何か意味があるんでしょうか?
(女性)どういう意味かですって?2人が結婚するからくっつけてるんですよ。
もちは新たに夫婦となる新郎新婦を表していました。
明くる日よその町から新しく一族に加わる新婦がやって来ました。
土楼は100人を超す一族で大にぎわいです。
テーブルには手作りの料理が並び新郎が親戚一人一人に新婦を紹介して回ります。
数世代にわたり受け継がれてきた福建の土楼。
人々の絆もまた受け継がれていきます。
2014/04/24(木) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「福建省の土楼群〜中国〜」[字]
一族が暮らす巨大住宅 ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
一族が暮らす巨大住宅 ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】松平定知
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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