2014-04-25
サンキューユッキと姫川友紀の描いた軌跡
これだけ勢いのあるシリーズが、人気絶頂のまま無事完結を迎えるってかなり久しぶりのような。
というかそもそも、ここまで盛り上がったシリーズ自体が歴代でもごくわずかじゃないかという気もしますが。
一話辺りの再生時間が短くてリピートしやすいとはいえ、毎回当たり前のように3万再生オーバーしてるってとんでもない状態でしょうw
最終回の一つ手前の回が、ユッキと實松Pが坪井あるあるネタで盛り上がるという特別な布石だの繋ぎだの何も無いごく普通の日常回。
前々から告知していたとはいえ、作中の話だけ追っていると唐突な終了に見えるかもしれない。
それでも今回が堂々のフィナーレとして成立するのは、このシリーズがオリジナルでストーリーを積み上げるだけでなく、
プロ野球界の動向やシンデレラガールズの公式展開といった現実の物語を反映させながら進んでいく作りだったからですよね。
そしてCDデビューというのはモバマスアイドルのシンデレラストーリーにおいて最も大きな価値を持つ瞬間だから、姫川友紀の物語を綴る上でもある種のピークといえる瞬間だったんじゃないかなと。
この先もソロのCDリリースとか、中の人がライブに出演とか、もしかしたらアニメやOFAに登場したり総選挙でトップ獲ったりなんて風に輝かしい出来事はまだまだ訪れるかもしれませんが、それでもそれらにCDデビュー以上の強い意味合いを持たせるのは難しいんじゃないかと言う風に感じます。
……え? 第9話で既にユッキは「闘魂こめて」のカバーをリリースしてたはずだって?
その頃はたぶんまだ設定が固まってなかったんや! 忘れよう!
このタイミングでシリーズに幕を下ろすことにしたのは、もちろん上述のようなリアルモバマス事情的にピークのタイミングだったというのが大きいでしょうが、
それ以外に、サンキューユッキというシリーズがあまりに大きくなりすぎたというのがあるんじゃないかなーとか邪推してたり。
人気が過熱するとどうしても文化が内部だけに収まりきらなくなるというか、
パワプロの実況動画を見ているとBGM関連でサンユキを意識したネタコメントがついてたり、姫川友紀を扱う他の動画だのスレだのでサンユキの話題が繰り広げられたりと、外に持ち出される光景を度々見かけます。
それはまあニコマスだとよくあることですが、サンユキの場合はそれだけでなく公式界隈への影響力が強すぎるんでないかなあと。
二次創作でのネタや独自のキャラ付けが大きく広がって公式にも届いたり……というのはこれまで765プロ勢なんかでも見かけましたけど、あの子たちの場合は元々の公式情報量が多いから、まだあくまでその中の一部程度に止まっている気がします。
それに対してモバマス・姫川友紀はまだ公式の情報量もそんなに多くなく、それが届いている範囲もそこまで広くないはずだから、相対的にサンキューユッキという大人気二次創作シリーズの姫川友紀における比重がかなり大きくなっているのではないでしょうか。
今の友紀とサンユキは、アイマス・ニコマス史において一番キャラクターと特定二次創作との距離が近いが強いと言っても過言じゃないくらいなのでは。*1
だから、「姫川友紀と言えば『サンキューユッキ』」なんて風に結びつけてる人は決して少なくないんじゃないか、と。あんまりモバマス方面にアンテナ伸びてないので妄想レベルの話ですが。
しかもサンキューユッキの畜生が如き偶像ユッキ*2とシンデレラガールズの姫川友紀は、巨人小笠原と巨人の小笠原選手のような関係なわけですから。
公式の姫川友紀は好きだけどサンユキの友紀は苦手・嫌いという人からしたら、サンユキの話題をそこかしこに持ち出されたり、公式に反映されたりしたらやっぱり気分はよくないでしょう。実際そういう意見をちょくちょく見かけたことありますし。
僕自身も二次創作の苦手なネタを公式が嬉々として拾い出すとガッカリしちゃうタイプなので、この辺に関しては頷けるものがありますね。
後、サンユキの場合なんJが大きく絡んでるので、
なんJが嫌いな人とか、逆にアニメに絡められたり外に持ち出されたりするのを嫌う風潮のあるなんJ民とかでもアレコレあるかもしれません。
そして極め付けには、B.B.ロワイヤルの一件で公式側がサンユキ意識してますよというサインを出しちゃったわけで……。
声が付いた子はその後の展開もしやすくなるだろうから、きっとこの先にもユッキにはいろんな活躍の機会があることでしょう。
その中でまたサンユキがネタを被せていって、熱狂と同時にヘイトもまた積み重なっていく。
姫川友紀の周辺で、サンユキを巡って余計な論争が繰り広げられてしまう。
そういう状況が広がる前に、フュージョンPは身を引くことにしたんじゃないとかなーとか。
まあこれあくまで僕が勝手に考えてるだけのことなんで、実際は全然関係ないかもしれませんが。
と、何かネガティブな話をやたら長く書いちゃいましたけど、
作品が広がりすぎてそういう風になっちゃったというわけで、別に作者が悪いというわけではないでしょう。
僕も、自分の苦手な二次創作ネタを生みだした人たちに対して全く恨みがない……とまでは言い切れませんけど、別に彼らが何か悪いことをしたとは思ってないですよ。結果的にそうなっちゃったんだから仕方ないね、と。*3
というか、ニコマスという広大な二次創作界隈を持つアイマスにおいて、
モバマスという二次創作の可能性の宝庫みたいな素材が出てきたとき、
僕はサンユキみたいな「キャラに対して影響力を持ちすぎるニコマス作品」がもっと出てくるもんだと思ってたくらいで。
結果的に僕の観測範囲内でそこまで言えるほどの作品は今のところサンユキしか出てきてませんが、しかしサンユキと姫川友紀の描く軌跡は僕の想像を超えるほどのものでした。
「サンキューユッキのおかげで姫川友紀はCDデビューできた!」なんて言うと友紀Pの中には気分良くない人もいるでしょうし、フュージョンPもたぶん複雑でしょうけど、
でもやっぱり、自分が見てきた限りではこのシリーズが姫川友紀に与えた影響は相当大きいように感じられたのよね。
モバマスのリアル事情をネタにして、
姫川友紀のシンデレラストーリーを後押ししつつ、作品自身も美しく最終回を飾ることが出来た。
サンキューユッキというシリーズの軌跡はモバマスの二次創作だからこそ描き得たものであり、
そのリアル事情を織り交ぜたエンターテイメントとしての形は、ニコマス史上にも類がないほど新鮮で極上のものでした。
ユッキの総選挙順位を見て、サンユキ最終回が来て、
もちろん寂しい気持ちもありましたが、それ以上に自分は今物凄い光景を見ているんじゃないかという気持ちが湧きあがってきて、何だかとっても楽しくなっちゃいましたね。
ユッキのCDデビューとシリーズの完結おめでとうございます。そして楽しい時間をありがとうございました。
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