<相模トラフ>M7級30年以内に70% 政府地震調査委
毎日新聞 4月25日(金)19時39分配信
政府の地震調査委員会は25日、首都直下地震につながる相模トラフ沿いの地震活動の長期評価を10年ぶりに見直し、新たな発生確率を公表した。マグニチュード(M)7級の地震が今後30年以内に起こる確率は70%程度と分析した。M8級は「ほぼ0〜5%」で、震源域の拡大に伴い最大規模はM8.6としている。基準日は今年1月1日時点。調査委の本蔵(ほんくら)義守委員長は「70%という数字は非常に高いと受け止めて、対策を進めてほしい。M8級も事態の重大性を考えれば確率が低いと捉えるべきではない」と語った。
【専門家に聞く】大地震「その時」のための対策は?
地震調査委は、東日本大震災を想定できなかった教訓から、昨年の南海トラフ巨大地震の長期評価に続いて評価手法を見直した。具体的には、地震はほぼ同じ領域で同じ規模や間隔で繰り返されるという考え方を改め、起こり得る最大規模を再検討。不確実さが残る情報も反映して計算した。
M8級について前回評価(2004年)では、関東大震災(1923年、M7.9)と元禄(げんろく)関東地震(1703年、M8.2)の二つの地震と同様の規模や震源域だけを想定。それに基づく発生確率(今年1月時点)はそれぞれ「ほぼ0〜2%」と「ほぼ0%」としていた。今回は、地形や地質の分析などから、相模トラフ沿いのプレート(岩板)境界全体が動く地震も起こり得ると判断。地震の規模はM7.9〜8.6と想定し、30年以内の発生確率を「ほぼ0〜5%」とした。ただし、元禄関東地震以上の確率は発生間隔が約2300年と分析し、「ほぼ0%」としている。
M7級では、前回評価で算定した地震の回数を、震源の深さが把握できるようになった1885年から関東大震災までの間の5回としていたが、今回は元禄関東地震にまでさかのぼって分析。220年間で8回発生し、平均間隔を27.5年と仮定するなどして発生確率を算出した。規模を前回(M6.7〜7.2)に比べ、今回はM6.7〜7.3にやや上方修正し、想定震源域のどこかで発生する確率は同じ70%程度だった。
中央防災会議の作業部会などは、昨年末に首都直下地震の被害想定をまとめ、M7級での死者は最大約2万3000人に上るとしている。【千葉紀和】
【ことば】相模トラフ
海底にある全長約300キロの深い溝(トラフ)で、相模湾北西部から房総半島南東沖を経て、日本海溝と伊豆・小笠原海溝の境界に至る。日本列島が位置するプレート(岩板)の下に南からフィリピン海プレートが沈み込む境界であるため、蓄積したひずみを解放してM8級の大地震が発生してきた。近年では1923年の関東大震災がこの境界で発生した。
最終更新:4月25日(金)23時31分
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