<米韓首脳会談>米大統領「慰安婦、重大な人権侵害」
毎日新聞 4月25日(金)21時36分配信
【ソウル西田進一郎】訪韓中のオバマ米大統領は25日、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と青瓦台(韓国大統領府)で会談した。オバマ大統領は会談後の共同記者会見で、旧日本軍の従軍慰安婦問題について「戦時中であっても、言語道断な人権侵害だ」と述べた。同時に「過去と共に未来を見つめ、過去の苦痛を拭い去る道を探ることが、日韓両国民の利益だ」として、過去にとらわれず両国関係を前進させることの重要性を指摘した。
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◇朴大統領に未来志向促す
オバマ大統領が従軍慰安婦問題について見解を示したのは初めて。オバマ大統領は「過去は誠実、公正に認識されなければならない。安倍(晋三)首相や日本国民も理解していると思う」と述べ、日本側に誠実な対応を求めた。
オバマ大統領は歴史認識問題で冷え込んだ日韓関係改善のため3月、オランダ・ハーグで日米韓3カ国首脳会談を主導。会談では、朴大統領が誠意ある対応を求めていることに同調したうえで、日韓双方に解決を促した。
また、両首脳は、4回目の核実験の実行を示唆する北朝鮮について、核実験などの挑発行為を容認しないことや朝鮮半島の非核化について協力することを改めて確認。北朝鮮の核・ミサイルによる脅威に対抗するため、日米韓3カ国による情報共有の重要性でも一致した。
また、2015年12月に米韓連合軍から韓国軍に移管されることになっている朝鮮半島有事の際の指揮権(戦時作戦統制権)について、延期を求める韓国政府の要請に基づき、時期を見直すことを決めた。
【ことば】戦時作戦統制権
朝鮮半島有事の際に部隊の作戦を指揮する権限。韓国軍の作戦統制権は平時は韓国側にある。だが、戦時になった場合、在韓米軍司令官を兼ねる米韓連合軍司令官が保持する。韓国は朝鮮戦争中の1950年に国連軍司令官に移譲して以来、戦時に自国軍を指揮できない状態になった。2006年に「自主国防」を掲げる盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領がブッシュ前大統領に提案し、12年4月の移管で合意したが、戦闘能力低下を懸念する声が高まり、15年末に延期。韓国側の要請で再度の延期も含め移管協議が続いていた。
最終更新:4月26日(土)0時16分
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