日本経済新聞

4月25日(金曜日)

日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
  • ヘルプ

コンテンツ一覧

速報 > 企業 > 記事

サイト構築ソフトに欠陥 官公庁などサイバー攻撃の恐れ

2014/4/24 22:41
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
保存
印刷
リプリント
共有

 ウェブサイトを作成するために官公庁や銀行、企業などが広く利用しているソフト「ストラッツ1」にセキュリティー上の欠陥(脆弱性)があることが24日分かった。個人情報や機密情報を盗まれたりサイトが改ざんされたりするサイバー攻撃の恐れがある。同ソフトはサポートが終了しており、現在のところ修正プログラム(パッチ)は無い。すでに攻撃方法がインターネット上で公開されており、早急に対応が必要だ。

画像の拡大

 ストラッツ1はサイト作成や運用に利用するソフトで無償公開されている。2000年代初頭から企業や団体が採用、独立行政法人の情報処理推進機構によると現在も多くの省庁や企業などで使われているという。

 開発元である米非営利団体アパッチ・ソフトウエア財団は08年に最終版を出荷、13年4月にサポートを終了してパッチの提供を停止した。欠陥が見つかったのは08年以降で初めて。情報セキュリティー大手のラックが発見、24日に公表した。同社は今後も新たな欠陥が見つかる可能性があると見ている。

 欠陥を突いてサイバー攻撃を受けた場合、サイトを動かすシステムを乗っ取られる恐れがある。すべての操作をできるため情報を盗んだり、サイトを改ざん・停止できたりする。ウイルスを仕掛けることで、訪問者を感染させて次の攻撃につなげることも容易になる。

 官公庁などにストラッツ1を使ったシステムを多く納入するNTTデータがパッチを作る方針を打ち出している。だが、現状では「作成完了日は未定」という。

 企業など利用者の対策の一つは新たなソフトを使ってサイトを作り直すこと。もう一つは攻撃を一時的にかわす応急措置だ。システムを構築した開発者なら、攻撃のアクセスを特定できれば対応できる見通し。

 トレンドマイクロは攻撃アクセスを防ぐソフトの販売を始めており、これを使って一時的な対応も可能。シマンテックも同様の製品を出荷した。

 内閣官房情報セキュリティセンターは24日、各省庁に注意喚起し早期対応を呼びかけた。総務省は「政治資金関係申請・届出オンラインシステム」でストラッツ1を使っているとみられ、「運用を委託する富士ソフトを通じて確認中」(政治資金課)という。

 ネット上の不審な通信を監視している警察庁は、今回明らかになった欠陥を狙ったとみられる不審なアクセスは24日夕時点で把握していないとしている。ただ、トレンドマイクロによると、すでに攻撃方法がネット上に公開されており、今後、被害がまん延する可能性もあるという。

 ネット上では通信を暗号化するソフト「オープンSSL」の欠陥が引き金になって三菱UFJニコスが約900人の個人情報を盗み見られるなどの被害が世界的に発生したばかり。オープンSSLはパッチがあるが、今回は本格的な対策には時間がかかりそうだ。

小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
保存
印刷
リプリント
共有
関連キーワード

ストラッツ、トレンドマイクロ、サイバー攻撃、NTTデータ、富士ソフト、シマンテック、三菱UFJニコス

【PR】

【PR】

主要ジャンル速報

【PR】



主な市場指標

日経平均(円) 14,429.26 +24.27 25日 大引
NYダウ(ドル) 16,407.21 -94.44 25日 10:22
ドル/円 102.05 - .08 -0.34円高 25日 23:17
ユーロ/円 141.24 - .30 -0.38円高 25日 23:17
長期金利(%) 0.620 +0.010 25日 16:22

人気連載ランキング

4/25 更新

1位
わかりやすい時事解説
2位
わかる財務
3位
私の履歴書

保存記事ランキング

4/25 更新

1位
海外長期マネー 日本株に [有料会員限定]
2位
生保、外債・株式シフト [有料会員限定]
3位
(迫真)パナソニック 復活は本物... [有料会員限定]
学園投資マンガ インベスターZ 日経電子版で掲載開始
日経ウーマノミクスプロジェクト 女性が輝く社会へ 無料会員急増中
GlobalEnglish 日経版

モバイルやメール等で電子版を、より快適に!

各種サービスの説明をご覧ください。

TwitterやFacebookでも日経電子版をご活用ください。

[PR]

【PR】

ページの先頭へ

日本経済新聞 電子版について

日本経済新聞社について