ソースはこちら
発行要項
償還期限:3年
金利条件:8.00%
発行総額:3800億円
社債額面:100万円
募集期間:平成26年4月1日~平成26年4月31日
格付け:なし
その他:一般担保付き、CAT付き(後述)
にほんげんしりょくけんきゅうかいはつきこう・・・最近原発関連の組織は増えすぎているので何の組織なのか分からない事が多いのですが、調べたところもんじゅを保有している独立行政法人だとか。
今回の社債は、もんじゅ再稼動に向けた保険料として資金使途が特定されています。また、CAT条項が設定されています。もんじゅ再稼動に保険料だけで3800億円もかかんのかよ・・・
・CAT付きとは?
CAT付き社債とは、カタストロフィー債と言い、カタストロフィー(大災害)の際に償還額が減額、またはパーになる社債のことです。免責条項がついており、大規模災害の時に自社の財務内容を守るための保険のような社債です。日本ではオリエンタルランドが機関投資家向けに発行したことで知られていますが、個人向けには日本初ではないでしょうか。
・今回の免責条項
今回のもんじゅ債(勝手に命名)の免責条項は、起債後、もんじゅが再稼動が閣議決定により認められた日の翌日以降において、国際原子力事象評価尺度でレベル4の事故が発生した時点で元金が50%カット、レベル5以上の事故が発生した時点で全額がカットされます。また、カットされる時点はIAEAが暫定レベルを付与した日の翌日を起算日とするそうです。償還日にIAEAがレベルを付与してもセーフだけど、1日前に付与されるとアウトです。
レベル4というと、東海村JCO臨界事故(バケツで核をいじってたやつ)、レベル5というとスリーマイル事故のレベルです。なお、福島原発事故はレベル7、汚染水漏れはレベル3らしいので、汚染水漏れ程度ならセーフ、バケツで臨界しちゃうと半分アウト、チャイナシンドロームに至ると完全にアウトと考えられるでしょう。
今回発売する証券会社は主要証券会社のほか、地方の証券会社でも一部扱う様子。目論見書を読むと、いかに自分達は安全にもんじゅを再稼動させてみせるかということが延々書いてあるのですが、正直もんじゅの件はグダグダ感が強く、失われた20年を象徴するようで信頼が置けません。
なお、投資判断は買い推奨とします。その理由は、この社債の契約条件にあります。CAT条項は、もんじゅ再稼動が、閣議決定で認められた、日の翌日以降でなければ発動しないため、現在の原発再稼動の申請状況から見るに、償還までにもんじゅの再稼動が認められるとは考えにくいためです。もちろん、再稼動していなくとも事故が起きる可能性はあるわけですが、再稼動が認められていなければ事故が起きても社債は減額されません。本社債に政府保証はついていませんが、独立行政法人で特に注目度が高いため、暗黙の政府保証があるものと考えられます。事実上の政府保証債でCAT発動のリスクが低い社債。落ちているお金は拾いに行きましょう。
なお、購入にあたっては期間、金利、発行総額等をこちらで十分確認の上、購入するようにしてください。投資は自己責任です。
- 関連記事
- 日本原子力研究開発機構が個人向け社債発行!
- 体調不良
- 新EDINETにまだ慣れません
- ワイ「あの~有給取りたいんですが」読者「今すぐ飛び降りろ」
- 愚痴とか