ずばり勝負

対中国: 米国不信のアジアが日本に寄せる期待デベロッパー倒産、私募債・地方債のデフォルト、ヤマ場迎える中国経済~宮崎正弘氏

2014.04.25(金)  JBpress

台湾学生の勝利。中国は赤恥をかかされた

 台湾の学生が3月18日から約3週間、「中国とのサービス貿易協定」に反対して立法院(国会)の議場を占拠しました。

 学生たちが反対したのは、協定の中に監視メカニズムがないということで、これでは中国に好きなようにやられるんじゃないかと、だから監視システムを入れろという要求を出した。結果的に、「台湾ひまわり学運」の国会占拠はうまくいった、学生が勝ったと思います。

 今回の3週間の占拠で何が起きたかというと、台湾全土で学生たちへの支持が集まりました。カンパが集まり、毎日さまざまな差し入れが来た。テント村もできて、ボランティアで駆けつけた医師のチームもできました。

 私が一番驚いたのは、メディアセンターができて、外国語に堪能な学生たちが15カ国語に翻訳したニュースリリースを毎日世界に発信した。日本はもちろんですが、15カ国から台湾に取材が来ました。

 馬英九総統の支持率は8%程度です。国民党系のメディアで調査しても11%しかない。史上最低の不人気政権です。にもかかわらず、馬英九総統がなぜ中国との貿易協定を急ぐかというと、今年秋に開催が予定されている北京でのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に出席したいんです。

 そこで習近平さんと写真を撮って、平和的な話し合いをする。そうすると、もしかしたらノーベル平和賞をもらえるかもしれない。そのために馬英九さんは中華民国総統という肩書を捨てて、「台湾地区指導者」というバカにされたような肩書でも構わないというところまで譲歩している可能性があります。

 しかし、今回の学生運動で馬英九さんは顔をつぶされた。中国も赤恥をかかされた。だからAPECへの馬英九さんの出席は流れたと見ていいでしょう。
 

マット安川のずばり勝負」2014年4月18日放送

「マット安川のずばり勝負」マット安川/前田せいめい撮影

マット安川(本名:安川昌之)
(株)オフィスヤスカワ代表取締役。1973年1月10日生、神奈川県出身。O型。大学在学中から30種以上の仕事に携わり、のちに渡米。語学を学び、インターンシップ、のち現地法律事務所へ勤務、3年間マネジメントを担当する。帰国後、各界著名人のトレーナー兼マネジメントなどを手がけ、企業コンサルティング、事業マッチングのほか、TV・ラジオの番組DJ・企画制作など多方面に活躍中。

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