旅客船沈没 バラスト水減らし過積載か4月25日 4時27分
韓国の旅客船沈没事故で、この船は安全が確保される貨物量の3倍余りを積載し、代わりに、船を安定させるために船底に積み込むべきバラスト水を減らしていた可能性があることが分かり、捜査当局はこの結果、傾いた船が元に戻ろうとする力が損なわれたおそれがあると見て事故原因の解明を進めています。
この事故は今月16日、高校生300人余りを含む乗客乗員476人を乗せて、韓国南部の沖合を航行中だった旅客船セウォル号が(6825トン)沈没したもので、これまでに高校生など180人の死亡が確認され、122人の安否が分かっていません。
この事故ではセウォル号が傾き出したあと元に戻らず、そのまま転覆していることから、「復原力」に問題があったと見られています。
韓国政府の当局者はNHKの取材に対して、船会社が行った増築で重心が高くなったため、検査を行った「韓国船級」が、船を安定させるために船底にバラスト水を常に最大限積み込むよう定めていたことを明らかにしました。
このため、積み込める貨物量は増築前の2400トン余りから987トンに大幅に減りましたが、事故当時はおよそ3600トン、安全が確保される貨物量のおよそ3.6倍を積載したうえ、その代わりにバラスト水を減らしていたと見られています。
捜査当局はこの結果、重心が高くなって「復原力」が弱まったことが、転覆の一因になったのではないかと見て、船会社や運航前の安全検査を担当した機関などから話を聞いて事故原因の解明を進めています。
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