<大震災3年>被災直後の遺体…腕時計の持ち主分かった
毎日新聞 4月24日(木)19時2分配信
宮城県警は24日、同県女川町の漁港で震災直後の2011年5月に見つかった遺体の身元が同町鷲神浜(わしのかみはま)、アルバイト、木村義勝さん(当時69歳)と判明したと発表した。特定のきっかけとなったのは、遺体に付いていた腕時計の裏蓋(ぶた)に書かれていた日付とイニシャルのメモだった。
【メモ書きもはっきり 裏蓋の写真】
遺体はがれき撤去作業中の自衛隊員が海中から発見。県警は似顔絵を作成し、衣服や時計を昨春に公開したが、身元は特定できなかった。昨年5月、捜査員が手がかりを求めて腕時計を分解しようとしたところ、裏蓋に「H20 1 19 TS売り」とのメモ書きを発見。「時計店が電池交換の日付をメモしたのでは」と考えた捜査員が昨年11月、石巻市内で開かれた行方不明者の情報交換会でメモの内容を説明したところ、女川町民から「女川に時計店は2軒しかない」との情報が寄せられ、TSのイニシャルから時計店主と店を特定した。
ところが、この時計店主は震災後に避難所で既に死去していた。店に駐車場が無かったため、捜査員は「客は近所の人に違いない」と考え、近隣の行方不明者約80人をリストアップ。縁者にDNA型の提供を依頼し照合を続け、木村さんと判明した。
県警は11年11月に身元不明・行方不明者捜査班を設置。発足時約550あった身元不明遺体は、24日現在で26まで減少した。8人の専従捜査班を統括する金野(こんの)芳弘検視官は「地道な捜査で一体ずつ身元を判明させていきたい」と話す。【伊藤直孝】
最終更新:4月24日(木)22時1分
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