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【社会】

学園に給与支払い命令 適応障害診断の准教授に

 娘の自殺のショックで適応障害と診断された名古屋経済大短期大学部准教授の高橋典子さん(56)が、病気を考慮しない異動で勤務できなかったとして、同大を運営する学校法人「市邨学園」に未払い給与約1730万円の支払いを求めた訴訟で、名古屋地裁の田辺浩典裁判長は23日、請求をほぼ全面的に認め、学園側に1690万円の支払いを命じた。

 判決によると、高橋さんは2004年に学園から解雇通知を受け、解雇不当で訴えた裁判で勝訴し自宅待機中だった06年、高校2年の長女美桜子さん=当時(16)=を自殺で亡くした。学園側は09年になり大学の資格支援講座担当への異動を指示。高橋さんは娘の自殺による適応障害、抑うつ状態を考慮して勤務時間を減らすよう求めたが、応じてもらえず業務に就かなかった。

 田辺裁判長は「学園側が原告の体調面や異動先の受け入れに配慮したとは認められない」と指摘した上、異動指示が「真に復職させる意図だったか疑わしい」と述べた。

 美桜子さんは市邨学園が運営する中学に通っていた。高橋さんは、美桜子さんが自殺したのは中学時代のいじめが原因として、学園を提訴。名古屋高裁は12年、いじめと自殺の関係は否定したが学園側のいじめの放置を認め、約610万円の賠償を命じ、判決が確定している。

 判決後の会見で高橋さんは「異動は雇用問題や自殺をめぐる裁判への嫌がらせだったと思う。主張が認められ、ほっとしている」と述べた。市邨学園は「判決文を見ていないのでコメントできない」としている。

(中日新聞)

 

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