インターネット検索大手のヤフーと中古本販売大手のブックオフコーポレーションは24日、資本・業務提携する、と発表した。利用者はブックオフが買い取った中古本の一部をヤフーのオークションサイト「ヤフオク!」で買えるようになる。ブックオフはヤフーから最大約100億円の出資も受ける。

 「ヤフオク!」での販売は、すでに試行が始まっていて、来年度から本格展開する。ヤフーは「ヤフオク!」で現在、年間約200万冊の中古本を取り扱っている。ブックオフと提携し、2016年度までに1千万冊に増やすことを目指す。ブックオフが扱うDVDやゲームソフトなど中古本以外の商品も「ヤフオク!」で販売していく。

 ヤフーの宮坂学社長は会見で、「日本でのリユース(再利用)経験がある人は約4割。オンラインだけでなく、オフラインも合わせて市場を大きくしたい」と語った。

 一方、ブックオフは全国に約1千店を持つが、それぞれの店は販売地域が限られ、売れ残りが課題となっていた。ネットに販路を広げて収益拡大をめざす。ブックオフの松下展千(のぶゆき)社長は「2017年3月期までに、利益を2倍にしたい」と話した。

 資本提携ではヤフーがブックオフが新たに発行する普通株式を買い取り、議決権ベースで約15%を出資し、筆頭株主になる。新株に転換できるブックオフ社債も買い取り、株式転換の権利を行使すると、ヤフーの出資比率は議決権ベースで最大約43%に高まる。

 ブックオフは増資で得た資金を使い、買い取った商品を保管・管理するための約1万5千坪の物流センターを来年度中に関東につくる。さらに7月からはこれまで買い取っていなかったブランド品や雑貨なども買い取り、「ヤフオク!」にも出品する。このための買い取り窓口を各店舗に作っていく。(篠健一郎、稲田清英)