天皇、皇后両陛下は24日夜、国賓として来日したオバマ米大統領を歓迎する宮中晩餐(ばんさん)会を皇居・宮殿の豊明殿で開いた。安倍晋三首相ら三権の長や元大リーガーの野茂英雄さんら168人が出席し、平成に入り最大規模となった。

 天皇陛下は乾杯に先立ち、東日本大震災時に2万超の米国軍が参加した「トモダチ作戦」などの支援に謝意を表明し、「物のない厳しい環境にあった被災者にとり、大きな支えとなりました」と語った。

 また、太平洋戦争を踏まえ「両国民は、先の戦争による痛ましい断絶を乗り越え、緊密な協力関係を築きました」と述べ、「来し方を振り返り、互いの理解を一層深め、相携えて進んでいくことを願ってやみません」と話した。

 オバマ氏のスピーチは「コンバンハ」と日本語のあいさつで始まった。両国民があらゆる分野で協力している例として、日本人大リーガーの活躍や東日本大震災などを挙げ、「喜びの時にも、3年前のようなつらい時にも、私たちは共にいます」と語った。日米同盟について「壊れることは決してありません」と述べた。

 宮中晩餐会には、皇太子さまをはじめとする皇族方も出席した。招待客は、1999年に米・ハワイを公式訪問した両陛下の長女・黒田清子さん、建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞した建築家の坂茂・京都造形芸術大教授ら多彩な顔ぶれがそろった。

 米国大統領が国賓として来日したのは1996年のクリントン大統領(当時)以来18年ぶり、6人目。この日午前には、宮殿の東庭で歓迎行事があり、その後、両陛下とオバマ氏は宮殿竹の間で会見し、約30分間にわたり懇談した。(中田絢子、島康彦)