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セウォル号の惨事、根本的な問題点を聞く…①ソウル大の教授(1)
2014年04月24日16時56分[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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キム・ホンジュン教授(43) |
キム教授はフランス社会科学高等研究院(EHESS)で博士学位を取得し、その間、社会学分野で主にダブー視されてきた人間の感情と心に注目してきた。メディア現象を通じて社会を眺めることに関心が多い。
--何がどこから誤ったのか。再発を防ぐためには何をするべきなのか。
「事件の原因と解決策を落ち着いて話すには、事件自体があまりにも重い。建国以来、最も凄惨な事件ではないかと思う。数百人の青少年が死んでいく場面を国民がテレビやSNSなど、ほとんど現場で眺めたのと同じだ。私たちはみんな珍島のパンモク港に出ていた。子どもたちは苦しみながら死んでいくのに、約4000万人の国民はどうすることもできず眺めていた。こうした事件について冷静な分析はできない。あまりにも衝撃的で…。時間が必要だと思う」
--では、もう少し具体的に尋ねたい。船長の職業倫理不在に対する批判が多いが。
「船長1人を一般化して韓国社会全体を話すことはできない。ただ、船長の行動はとうてい理解できない。もしかすると、船長の精神世界は文学だけが理解できる領域に入っているのかもしれない。そのようなアプローチでなければ、彼の行動を理解することはできない」
--船長のこうした行動を生んだ社会の責任はないのか。
「近代化の過程で私たちは自発的な倫理意識を持てなかった。成功した人たちの道徳的な正当性が異見なく認められたこともあまりないようだ。人間の生命や安全を扱う領域で必ず要請される厳重な責任意識について深い悩みがなかった。セウォル号の事件は大きな道徳的波紋を起こすだろう。私たちの社会が低信頼国家であることが改めて確認された。もう誰を信じてよいのか。不信の病がこじれたという感じがする」
セウォル号の惨事、根本的な問題点を聞く…①ソウル大の教授(2)
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