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ニセ「医学博士」を聴取へ 10年にわたり講演活動、ラジオ司会も8年…

産経新聞 4月22日(火)15時25分配信

 医師免許を持たない神戸市西区の男性(55)が医学博士や医師と偽り、約10年間にわたって兵庫県内で講演活動を続け、FMラジオ局の番組でも約8年間司会を務めていたことが22日、産経新聞の取材で分かった。男性は、講演料として少なくとも過去3年間で200万円以上を得ていたといい、取材に対し「医学博士の肩書で人前で話すことが心地よかった」と経歴詐称を認めた。講演を依頼してきた同県三木市は同日の記者会見で、実態調査に乗り出し、近く男性から聴取する方針を明らかにした。男性が出演していたFM局も調査を進めている。

 男性や関係者の話によると、男性は平成16年ごろ、西区内のアパートに「総合医療研究所」と称した事務所を置き、“所長”に就任。隣接する三木市を中心に県内で、自治体や企業が主催するイベントに医学博士や医師として出席し、健康や医療をテーマに講演活動を始めた。

 男性は講演会の主催者などに履歴書を提出。ある履歴書には「1982年 東京大学医学部卒業」「1990年 米・ニューヨーク州立大学博士課程修了」と書かれ、「2003年 国立循環器病センター(大阪府)」などと複数の病院での勤務歴も記されていた。

 講演会は三木市や地元企業などの主催で、多いときには1カ月に数回、公民館など公共の施設や学校などで開催。会場の高齢者や女性らに「風邪予防にはお茶がいい」「生活習慣病予防に適度な運動を」などと呼び掛けていた。

 18年からは、三木市のコミュニティーFM局「エフエムみっきぃ」で、自ら司会を務める週1回のレギュラー番組(30分間)を持ち、健康や医療に関して話していた。講演料として1回あたり1万数千円〜約3万円を受け取り、番組は無報酬で出演していた。

 しかし約2年前から、番組や講演を聞いた医療関係者らから「医学に通じた人の話す内容とは思えない」との声があがるようになった。このためFM局側は男性に経歴を証明するよう求めたが、男性からの回答が得られず、今年3月末に番組を打ち切った。

 取材に対し、男性は自らの経歴について「米国カンザス州の大学院で基礎医学を学んだが、医学博士の肩書は持っていない」などと釈明。「在籍歴や勤務歴は知人のものを使った」と経歴詐称を認めた。さらに「講演会で知人の医師の代役を務めたのがきっかけ。その後も講演の依頼があり、知人の経歴を使い続けた」と話した。

 男性は昨年度までの過去約3年間で、講演料として少なくとも計200万円以上を得ており、「受け取った講演料は返したい」と謝罪。今後予定している講演も中止するという。

 三木市の北井信一郎副市長は22日の定例会見で「現在、調査を行っている。本人から聞き取りせざるを得ない」と説明。FM局の担当者も同日、取材に対し「現在調査中で、結果は検証番組で公表したい」と話した。

最終更新:4月22日(火)16時8分

産経新聞

 

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