ふるさと再生 日本の昔ばなし 2014.04.20

昔むかし陸奥は鹿角の里に人が住み始めたころのお話です。
この辺りの土地はやせていて畑を作っても作物がよく育たず人々はひもじい思いをしていました。
そんな村に追い打ちをかける出来事が起こったのです。
ある夜尾去沢の大森山の山頂が光り火の鳥が現れたのです。
火の鳥は頭が大蛇胴体は牛左右の翼が巨大な怪鳥でした。
川や湖の上を飛べば水は煮えたぎり畑や森は焼き尽くされてしまいました。
村では守り神である獅子王様にお供えをして火の鳥退治をお願いし祈りを始めたのです。
長い祈りが続きました。
するとある夜大森山から火の手が上がり火の鳥の甲高い悲鳴が聞こえてきました。
獅子王と火の鳥が戦っていたのです。
大地は震え村人はちりぢりに逃げ惑うのが精いっぱいでした。
あまりにも長い戦いが続き火の鳥と獅子王は共に力つきそして互いに落下し火の鳥は大森山へ獅子王は鹿角へ深く暗い地の底で眠りにつくことになったのです。
再び静けさが戻ってきました。
それから数年が経った鹿角の地で新たに生活を始めた村人は懸命に働き生きていました。
しかし村は以前にも増して苦しい状態が続いています。
村人は豊作と火の鳥の恐怖をぬぐうため再び獅子王に願いを込めたのです。
その祈りは大地深く響きわたっていきました。
やがてその祈りは眠れる獅子王を目覚めさせたのです。
二度と村が焼かれぬように。
鹿角の地がまるで村人の声に応えるかのように揺れ動きました。
実は村では火の鳥の眠る大森山への立ち入りを禁じていました。
火の鳥の恐ろしさを知っている老人たちの知恵だったのです。
(うなり声)そのころ静けさを保つ大森山に聞こえてきたのは足音と風の音だけでした。
一人の若者が貧しさに耐えかねて掟を破ってしまいました。
若者たちは大森山の木を伐採し狩りを始めそれらの収穫に沸いていました。
火の鳥など恐れる必要はない。
若者は老人たちの忠告を無視しどんどん木を伐採し狩りを続けました。
その時…地の底に変化が起きました。
キエ〜!若者たちの行動が火の鳥の怒りに触れついに火の鳥は鹿角を焼きつくしました。
村長は村人たちをいさめ再び獅子王に火の鳥退治をお願いするよう言いました。
若者たちは自分の犯した罪の大きさを知り一緒に祈りました。
(うなり声)うなりとともに獅子王も飛び出しました。
獅子王は山をかけ谷を飛び越え火の鳥に向かっていきました。
火の鳥は知っていました。
己の欲望を満たすためなら自らの体を武器にして戦わざるをえないことを。
すれ違いざま獅子王は火に包まれました。
しかし不思議なことに一瞬にして火は体から消え去りました。
獅子王は鉱山を守る岩の神だったのです。
火の鳥と獅子王の戦いは七日七晩続きました。
かなりの深手を負った獅子王と火の鳥。
戦いは鹿角の森や田畑を焼きつくし村はすべてを失いましたがついにそれも終わりました。
戦いに敗れた火の鳥は魂となって空へのぼっていきました。
その腹からはまぶしいほどに光輝くものが落ち続けていきます。
金銀を食べて生きてきた火の鳥は姿を消し鉱山の豊かさは元へ戻りました。
この獅子王を頼らなくなったとき村人たちに真の幸福が待っているのかもしれません。
昔むかしある村に一人の若者が住んでいました。
死んだ両親が残してくれたわずかな土地を耕して暮らしていました。
若者は生活に苦しんでいました。
働いても働いてもいっこうに暮らしは楽にならなかったのです。
思いつめた若者は川岸にある両親のお墓へ向かいました。
おとうおかあもう食っていけねえだ。
おらもそっちへ行くだ。
許してけろ。
川へ飛び込んでしばらくしてから浮き上がった若者に流れてきた古木がゴツンとぶつかりました。
我に返った若者は古木にしがみつき流されながらようやく岸へたどり着きました。
死ぬこともできねえだか。
ん?そうだ!!若者は古木を家に持ち帰りノミをとって木を彫り始めました。
〜若者は食うものも食わずに彫り続け1体の木仏を彫り上げ死ぬのはやめて生きようと決心しました。
仏様不出来かもしれんがおらにはこれが精いっぱいだ。
勘弁してくだせえ。
仏壇も線香もない仏様でしたが若者は食事を供え拝んでから下げていただきました。
毎日朝晩木仏を拝んでいる若者の信心深さはたちまち村の評判になりやがて長者の知るところとなりました。
どけどけどけ〜っ!お前の仏ってのはそのヒョロヒョロの木仏か?フフ…フフフアハハハ!それでも仏のつもりか!わしの立派な金仏のところには大勢の村人がやってくるんだぞ。
それに引き換えお前の木仏のなんとみすぼらしいこと。
うぅ…。
お前の木仏とわしの金仏に相撲をとらせよう。
10回が10回…。
いや100回が100回わしの金仏が勝つわい。
もしもわしの金仏が負けるようなことがあればわしの持っている財産を全部お前にやってもいいわい。
アハハハハハ!仏様を悪く言うのはやめてくれ。
木で出来ていても仏様は仏様だ。
その夜のこと…。
これこれ起きなさい。
これ!ん?わっ…わわ!仏様!よく聞け。
長者の家の金仏に話をつけてきた。
私と金仏はあすの夜中丑三つ時長者の庭で相撲をとることになった。
もし私が負けたらお前は一生長者の家の下男になる。
反対に私が勝てば長者の屋敷と財産のすべてがお前のものだ。
仏様おらはあなた様さえいてくれれば不足はねえ。
私はお前のような人を助けてやりたい。
言うとおりにしなさい。
何!?わしの金仏と本気で相撲をとるだと?バカバカしい!わしの仏は金だぞ。
お前の仏像なんて木の根っこだ…ガハハハハ。
なんて罰当たりなことを言うだ。
とにかく夜になればわかる!その夜丑三つ時…。
金仏殿約束だ。
勝負してくれ。
フン…金が木に負けるものか。
わしの金仏の勝ちだ。
わっ!あっ…。
お待たせした。
いくぞ!いざ!〜そこだ!もうひと押し!よ〜しいいぞ!もうひと押しだ!あ〜っ!やれ〜っ!ぐう〜っ!やあ〜っ!うわ〜!木仏様大丈夫ですか?大丈夫だ。
これで長者の財産は全部お前のものだ。
わしは知らんぞ!誰がお前たちにやるものか!わしの財産がなんであんな男のものになるんだ。
私に恥をかかせる気か。
あっ!お前は私が相撲に負けたら財産を全部あの男にやると約束したではないか。
あれはウソだというのか?め…めっそうもございません。
ウソをついたら閻魔大王に舌を抜かれ火の海で永久に焼かれるぞ。
それでもよいのか?おそれいりました。
だどもどうして金仏様はそんな立派な体なのに木仏に負けなすっただ?木仏殿は朝晩お供えをもらって拝んでもらった。
だから仏の力がついた。
私はどうじゃ?お前は金でできている私を見せびらかしてカネ儲けしただけでただの一度もお供えもなく拝みもしなかった。
だから仏の力が生まれなかったのじゃ。
へへぇ。
というわけで若者は長者になって木仏と金仏を大事にしながら村人と暮らしました。
朝日が輝いています。
トボトボ歩く長者。
今度は落ちぶれた長者が人生のやり直しです。
江戸の昔とある長屋の夜明け前のこと。
お前さんさぁ起きとくれよ。
仕事に行くんだろ?まだ暗えじゃねえかよ。
早いとこ河岸へ行かないとさ魚がなくなっちまうよ。
わかったよ〜うるせえなぁほんとによ〜。
この男町内で評判の魚屋。
魚を見る目は確かだし包丁さばきも天下一品。
だけど人一倍お酒が大好きときている。
ほ〜れ見ろまだ河岸だって開いてねえや。
しゃあねえ顔でも洗って待つとするか。
あ〜!あなご?さ…財布だ!よっと!おっとととと!おっとととと!お前さんなんだやけに早いじゃないか。
今日は仕事はやめだ!休み休み!おっかあ酒出してくれ!何言ってんのさ朝っぱらから。
いいから早く持ってこい!あ〜うめえ!そうだおい!八と熊呼んできてくれや!
(笑い声)好きなだけ飲んでくれおめえたち。
(熊)テヘありがてえ。
(八)ゴチになりや〜すと!おっと空だぜ!
(笑い声)いいご身分だね昼間っから。
よっぽどいいことがあったんだね魚屋さんたら。
おい酒だ!酒買ってこい!
(いびき)お前さんちゃんと布団で寝ておくれよ。
明日も仕事だろ?仕事なんざ当分休みだって。
何言ってんだい。
そんなことしたらおまんまの食いあげだよ。
心配すんねえ!今おめえにすげえもん見せてやっから。
今朝俺が河岸の浜でよツラ洗ったときにな拾ったのよ。
拾ったって何をさ?ヘヘ大枚入った財布をよこの神棚にのっけ…。
え?あっ…。
おいお前財布知らねえか?知らないよ財布なんて。
そんなはずはねえ。
確かに俺が今朝…。
あん中にゃ小判がきっかり50両…。
バカバカしい。
そんなものありゃしないよ。
お前さん夢でも見たんじゃないのかい?夢?そんなはずはねえやな。
おめえどっかに隠したんじゃねえのか?ん?隠すもんかね!いつだって飲む銭飲む銭ってばっかり言ってるからそんな夢まで見るんだよ。
おまけに私を疑うとはあきれたもんだ。
情けないね坊や。
こんなおとっつぁんとは暮らせないよ。
もう別れてもらおうね。
ちょっちょっと待て!お前何もそこまでよぉ…。
ねぇ見たんだろ?夢。
そうか夢か…。
ありゃ夢だったのか。
すまねえ俺が悪かった。
確かにおめえの言うとおりだ。
もう酒は飲まねえ。
約束する!信じてくれもう酒は飲まねえ。
坊主父ちゃん心を入れ替えっからよ。
よかったね。
それからというもの男は約束どおりピタリと酒をやめて仕事に精を出した。
ん〜いい匂い。
いやいや。
もともと腕のいい魚屋。
お得意様も増え稼ぎもよくなってくる。
やがて小さいながらも店を持つことができた。
ちゃんおかえり。
よぉ坊主いい子にしてたか?うん。
じゃあ今夜は父ちゃんと風呂へ入るか?わぁ〜嬉しいな。
いいもんだなぁ自分の家ってのは。
お前さん。
おぉ坊主はもう寝たか?ちょっとこっちへ来ておくれな。
なんでえ改まって。
お前さんに話があるんだ。
おいおいよせよおめえ今さら別れたいだなんてのは。
誰がそんなこと言うのさ。
働きもんのこんないい亭主をつかまえて。
むしろ私の話を聞けばあんたのほうから別れを切り出されたっておかしくないんだ。
あ?これを。
財布?はて?どこかで見たような…。
あっ!いつか夢に出てきた財布だ!夢じゃなかったのさ。
なんだって?実はねあん時…。
(いびき)神棚の上の財布を見つけちまったんだよ。
お前さんの財布じゃなしまさか盗んだんじゃないか…。
いやいやお前さんはそんなことする人じゃないきっと拾ったんだろうって。
大家さんに相談したら拾った銭だろうと手をつけりゃ罪人だ。
「これは俺がお上に届けるから夢だと言いくるめろ」ってそう言われて…。
私お前さんにウソをついたのさ。
そうだったのか。
バカにハッキリした夢だとは思ったがでもこの財布…。
結局落とし主は現れずでしばらくしてお下げ渡しになったんだよ。
でも大家さんが「すぐにお前さんに渡しちゃダメだぞ」って。
ごめんよお前さんずっと黙ってて。
そうだったのか。
ありがとうよ。
へ?おめえのそのウソのおかげでこうして店も持てたんじゃねえか。
みんなおめえのおかげだ。
礼を言わなきゃなんねえのは俺のほうだぜ。
お前さんねぇ1本つけようか?あ?いいだろ少しだけなら。
そうかそれじゃあ。
そうそう財布の中のお金はちゃんと私が預かってるからご心配なくね。
おいおい。
ん〜久しぶりだなぁこの香り。
さぁお飲みよ。
うん。
いややっぱりやめとこう。
どうしてさ?また夢になるといけねえ。
まっ。
ハハハ!お前さんたらもう。
いややっぱり1杯。
2014/04/20(日) 09:00〜09:30
テレビ大阪1
ふるさと再生 日本の昔ばなし[字][デ]

「火の鳥」
「木仏金仏」
「芝浜」
の3本です。お楽しみに!!

詳細情報
番組内容
私たちの現在ある生活・文化は、昔から代々人々が築き上げてきたものの進化の上にあります。日本・ふるさと再生へ私たちが一歩を踏みだそうというこの時にこそ、日本を築いた原点に一度立ち返ってみることは、日本再生への新たなヒントになるのではないでしょうか。
この番組は、日本各地に伝わる民話、祭事の由来や、神話・伝説など、庶民の文化を底辺で支えてきたお話を楽しく伝えます。
語り手
 柄本明
 松金よね子
テーマ曲
『一人のキミが生まれたとさ』
 作詞・作曲:大倉智之(INSPi)
 編曲:吉田圭介(INSPi)、貞国公洋
 歌:中川翔子
 コーラス:INSPi(Sony Music Records)
監督・演出
【企画】沼田かずみ
【監修】中田実紀雄
【監督】湯浅康生
制作
【アニメーション制作】トマソン
ホームページ

http://ani.tv/mukashibanashi

ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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