(一条楽)お前…マリーか?
(橘)楽様の前では絶対にこのしゃべり方はしないつもりでおりましたのに。
でもそのおかげで楽様に思い出していただけるなんてなんだか皮肉ですわね。
思い出してきた…。
確かに昔そんなしゃべり方の女の子と仲よくなったことがある。
確かその子も体が弱くて…。
(橘)はい…。
私が楽様と初めてお会いしたのは10年前の夏のことです。
(心の声)≪10年前の夏?≫≪やっぱり橘は小野寺や千棘と同じ…≫ふふっ。
(橘)私が楽様と初めてお会いしたのは10年前の夏のことです。
小さい頃の私は体が弱くて父に連れられ空気のきれいな山の療養所に来ていたんです。
(橘・回想)こほこほっ…
(橘)私はいつものように一人病室で退屈にしておりました。
そうしたら…。
ん?あっ…
(橘)ずっと体の弱かった私は昔からほかの子たちと外で遊ぶこともなかなかできなくて…。
ふ〜んお前万里花っていうのかお父様は「マリー」っち言うばってん…「ばってん」?じゃマリーな
(橘)それを知った楽様はそれから毎日のように私の病室に足を運び山で見つけたものなどをお土産にして私を楽しませてくれたんです。
≪そうだ…。
確かに昔そんなことが…≫私は楽様の優しさがうれしかった。
するとある日父が…。
(万里花の父)マリー…お前はあん男ば好いとっとか?そいならおいが結婚の約束ばしてやっけん本当ね!?あぁ…なあ…らっくんん?らっくんは…どがん女の子が好いとっと?はあ?女の子?ん〜よく分かんねぇけど…まあ女の子らしい人…とか例えば髪が長いとか…それからの私は頑張りました!今まで嫌がっていた習い事やお稽古も進んで受け…ふさわしい言葉遣いと教養を身に付け…。
楽様の求める理想の女性へとならんがために邁進したのです!ずっともう一度楽様に会うために…楽様と交わした約束だけが私の支えだったんです。
恩着せがましい物言いをお許しください。
ただどうしても私の思いを知っていただきたかったもので…。
あの写真は私たちのお別れのとき撮ってもらったんです。
大切な約束を忘れてしまわぬようにと…。
≪俺のために…そんなにまで俺のこと…≫≪俺にとってはなんでもなかったようなことがこの子にとってそんなにも大事なことだったなんて…俺は…≫まあそんなにお気になさらないでください。
私のことを覚えていてほしかったのはただのわがままと分かっていますから。
それにもう無理に私のことを思い出さなくても結構ですよ?えっ…あっいやそんなわけにゃ…。
ちょ…ちょっと待ってろ!今全神経を集中して…ぬぬぬ…。
お気持ちはうれしいのですが本当にいいんですよ。
えっ?
(橘)ただそのかわり今のこれからの私をたくさん覚えてほしいのです。
あなたのためにすてきになった私をもっと見てほしい。
見せつけてやると…そう決めたんです。
これからの私はもう忘れさせませんよ。
というわけでまずは…。
あっ楽様ほっぺにご飯粒が付いてますよ。
へっ?どこ…。
えっ…。
ふふっ。
忘れられない思い出一つ目です…。
それでは楽様また明日学校で!ごきげんよう!えっ…。
ええっ…ええ〜〜っ!?
(本田)あれ?お嬢様お薬は?いらない!元気になったから!
(小咲・千棘)えっ?私たちが10年前に会ってる?ああお前のおやじさんは確かにそう言ってた。
結構仲よさそうだったらしいけど…。
やっぱ覚えてねぇか?
(桐崎千棘)いや…。
(小野寺小咲)まったく…。
ところでなんであんた顔が赤いの?風邪?えっ!?いや別に…。
でも私確かに千棘ちゃんのことひと目見たときから不思議と仲よくなれそうだなって思ったよ?うそ!私も私も!っていうかなんでこんな大事な話今まで黙ってたのよ。
いやそれが…たまたまタイミングがな…。
それでこれが問題の鍵?まさか小咲ちゃんまでこんな鍵持ってるなんて思わなかったわ。
私も…どういうことなんだろう…。
みんな10年前にダーリンと会ってて何か約束してて鍵持ってて…。
何がどうなってんの?俺が知るかよ!俺だって約束したのは1人のはずで…。
そもそもその約束ってなんの約束なの?私どうしても思い出せなくて…。
私も…。
皆さんは約束の内容を覚えておられないのですか?えっ?お前覚えてんのか?だってそれはもちろん結婚の約束に決まっているではありませんか。
えっ?違うのですか?私はてっきり皆さんもそうなのかと…。
私は楽様との別れ際にその約束をしたんです。
覚えておられないかもしれませんが!ダーリン確か別れ際に約束したとか言ってなかった?その子なんじゃないの?その相手。
い…いやぁどうかな〜?まだまだ分かんないっつうか…。
≪結婚…。
もしかして私も一条君とそんな大胆な約束を?もしそうだったら…≫≪何か大事な約束だったとは思うけど…≫≪まさかね…≫それじゃなんで鍵は3本もあるんだ?お前は知ってるんだよな?この約束の真相っての…。
あっでも俺たちに教える気はないんだっけ。
よかったらヒントだけでも…。
そうですね…。
すみませんそれは私にも分かりません。
えっ?はあ?いや…だってお前あんな偉そうに答えを知ってるとか…。
はい…いえ大変申し訳ないのですが私も驚いているんです。
私のほかにも鍵を持っている人がいたなんて今初めて知ったことですから…。
確かに昔の楽様との会話の中でほかに一緒に遊んでいる誰かが登場したことはあった気がしますが…。
じゃあお前の言う真相って…。
それはもちろん…うふっ!私が楽様のことをどれだけ愛して約束したのかということに決まっているじゃありませんか!私が知っているのは私の約束のことだけですから。
それ以外のことは…。
う〜ん…。
じゃあこの鍵はどれかが本物でそのほかは偽物ってこと?だとしたら一条君のペンダントが修理から戻ってくるのを待つしかないね。
ふふふっ…。
まあ何がどうあれ楽様と結ばれるのは私ですよ!もうキスもすませてしまいましたし。
はあ!?キス!?って…ハン!もうだまされないわよそんなこと言ってまたどうせ…。
はあ!?ちょっ…したの!?違う違う違う違う違う!!突然だったんだ!不可抗力だったんだ!したのね!?最っ低!信じらんない。
このケダモノ!会って間もない女の子といきなりチューなんて…。
いやチューっつってもほっぺにちょっと触れたぐらいで…。
まあどちらが楽様にふさわしいかを考えれば当然かと。
くっ!あ〜ら人のダーリンに手を出しといてよく言うわね。
この泥棒猫さん。
あらゴリラよりかはかわいげがあるかと…。
ダーリンには私の方が!
(橘)いえ私の方が!小咲ちゃんはどっちだと思う!?小野寺さんはどう思います!?え…ええ〜っと…私はその…。
(橘)あっそうだその前にあなたは楽様のことをどう思ってらっしゃるのですか?えっ…。
もしかしたら昔楽様と結婚の約束をしたかもしれないもしやあなたも楽様を?確かに昔そんな約束をしたのかもしれないけど今は私はいい友達だと…。
そうですかそれなら仲よくしましょ。
ダメ!小咲ちゃんは私の友達です。
≪いい友達か…ちょっと残念だけど…≫≪私やっぱり昔一条君に会ってたんだ≫≪じゃあ…一条君が私の初恋の…≫≪でも一条君はもしかしたら千棘ちゃんのこと…≫≪この三人の誰かが俺の約束の女の子?≫≪でも俺が今好きなのは小野寺で…≫≪今の気持ちと昔の気持ち…か≫まあ本物の鍵は私のに決まってますけどね。
私と楽様は運命の赤い糸で結ばれて…。
まあダーリンはあんたのことまったく覚えてなかったけどね。
(橘)そいば言わんと!何?今の…。
さあなんのことですか?いやいやいや…。
ふふっ。
というわけで楽様明日父に会っていただけますか?はあ?
(橘)ですから一度は挨拶においでいただかないと。
結納の日取りなど決めなくてはなりませんし。
いやいやどういう訳だよ。
許嫁だって俺は知らなかったって説明したろ!?ええそれは存じておりますが…。
だからといって私と楽様の婚約が解消されたわけではありませんわ。
それに夫婦となって初めて互いのよさに気づくということもあるかもしれませんし。
俺まだ結婚できる年じゃ…。
バキッ!ちょっと橘さんさっきからずうずうしすぎるんじゃありません?人の恋人を前に…。
あらこれは気づきませんで桐崎さん主人がいつもお世話になっております。
(楽・千棘)誰が主人だ!だいたいダーリンはその婚約を了承してなかったんでしょ?だったらそんなもの無効よ!あらそんなことありませんわ。
昔から親の間でのみ婚約が交わされることなんてよくある話。
どうしても不服なら父に直接申し立ててもらうしか…。
あぁ〜あ…。
あんたどうするつもりなのよ!どうもこうもあんなふうに押し切られちゃ行かないわけには…。
ハン!相変わらず優柔不断なもやし男ね。
だってしかたねぇだろ…。
このまま家に行ったら式の日取りまで決めさせられて帰って来そうじゃない?な…何よ?いや最近のお前の演技って迫真だよな…。
な…何言ってんのよ!神懸かってるっていうか…。
いや…あんたに許嫁がいたなんて分かったらうちの連中が…。
わ…私は別にいいんだけどねうちの…。
だよなぁ〜バレたらあの眼鏡にどんな目に遭わされるか…。
ふふっ…ふふふっ。
いい?そのお父さんにビシッと言って許嫁の話を取り消してもらうのよ!?≪そんなうまくいくかよ…≫さあ楽様ここが私の家ですよ。
おおっ…。
このマンションの最上階の1フロアが私の家なんです。
≪1フロアって…≫ところで橘…。
(橘)まあ橘だなんて。
どうぞ万里花とお呼びください!あっ…橘のおやじさんってどんな人なんだ?確か警視総監なんだよな?やっぱ怖い人なのか?
(橘)とんでもありませんわ!父はとっても優しい方ですよ?私のことをいつも「マリー」と呼んでいつも私のことを心配してくださるんです。
きっと楽様も父を気に入ると思いますよ!ふふっ。
ピピッビーッ!
(開錠音)ポーン
(エレベーターの音)
(万里花の父)おう帰ったかマリー。
早かったな。
あらお父様ちょうど呼びに行こうと思っていたところです。
≪怖ぇ〜〜!おやじ顔怖っ!≫≪一瞬ヤクザかと思っちまった!つぅかむしろヤクザよりもすごみが…≫お父様!この方が私の許嫁の一条楽様ですわ。
すてきでしょ!?えっ…は…はい。
あの〜どうもはじめまして俺…いや僕は…。
(万里花の父)ほう…君があの一条のせがれか。
大きくなったな。
父親にだいぶ似てきたんじゃないか?まあ座りなさい。
ゆっくり話そう。
おやじさんは元気かい?は…はい。
この傷…。
え…ええ〜っと?カッコいいっすね!お仕事中に受けたんですか?名誉の負傷というか…。
うむ…こいつは昔君のおやじさんに付けられた傷でなぁ。
父親に似てきた君を見てるとついうずいてきてしまってね。
≪あ…あのおやじ何やってんだぁ〜!≫
(万里花の父)まあそのときに俺たちは互いの力を認め合って立場は違えど男の杯を交わす仲になったわけだが俺の夢は今でもあの野郎をムショにぶち込むことなんだよ。
≪こ…怖ぇ!怖すぎるこのおやじ≫≪うちのヤクザより全然ヤクザっぽいじゃねぇかよ!≫≪こんなん相手に婚約の取り消しなんてぜってぇ言えね〜〜!!≫
(万里花の父)まあそんなつまらん話はいいんだ。
早いもんだな万里花ももう結婚できる年になったか。
君も長いこと万里花のことを大切に思ってきてくれたと思うが…。
いえ…それはもう…。
楽様は私のことは忘れてしまわれていたそうですけど。
どぅほ〜!おいお前ちょっ…。
忘れとった!?おいそれはどがんいうことや!ああっ!?≪ひ…ひぃ〜〜!≫
(万里花の父)んん…なるほど。
それで君は婚約のことを知らされてなかったわけか。
あのクソ野郎…男と男の約束をよくも…。
今度会ったらタダじゃおかねぇ…。
しかしそうなると一つ気がかりが…。
君はまさか今ほかに好きな子などいるんじゃないだろうね。
えっ…いやそれは…。
彼女がいますわ。
どおぉ〜〜い!彼女?わいは彼女ばおる身でこげんとこ挨拶に来よっとか?わあ〜!待って待って待って!お父様落ち着いて。
楽様が悪いわけではありませんわ。
私はそれでもかまわないと思ってるんです。
私はその彼女から楽様を奪ってみせると決めたのです。
そうしなければ楽様と結ばれる資格などありませんわ。
ふん…。
お前がそう言うのならかまわんが。
ところで君はいつもそうやって娘とくっついているのかね?えっ!?いやこれは万里花さんが一方的に…。
ご…ご安心ください!僕らはとても清廉潔白な関係で…。
まあ!楽様ったら照れなくてもよろしいのに…。
せっかくキスもすませましたのに。
だからそういうことを〜!
(万里花の父)わいやぁそげんことはもう少しお互いば理解してからすっぺきなんじゃなかとか?おおっ!?うおぉ〜〜!あらいけませんわ。
私としたことがお茶も出さずに。
すぐご用意しますわ。
≪ええ〜〜っ!?このタイミングで!?≫≪ま…待ってくれ!一人にしないでくれ〜〜!≫
(万里花の父)んんっ…ごほん!≪や…やべぇどうしよう!≫≪状況は最悪…。
なんとかこの場だけでもしのがねぇと!≫≪何か…うまい言い訳は…≫
(万里花の父)あの子は万里花はね10年たった今でもたまに昔の君の自慢話をする。
えっ?やれこんなことがあったやれこんな話をしたと。
他愛もないことを今でもね。
昔君があの子の病室に置いていったガラクタも今でも大切に持っているんだ。
≪あのときのことを今でもそんなに…≫これからの私はもう忘れさせませんよまあ本人はそれで幸せそうなんだが。
すみませんお父さん俺…俺には今好きな女の子がいるんです。
万里花さんではなく…。
万里花さんが嫌なわけじゃないんです…。
ただ俺はその子のことをずっと…。
だから…本当にすみません…。
ふっ…よか。
ようやっと腹ば割りよったか。
あっ…。
(万里花の父)まだ若いとにそう割り切れるもんでもなかやろし。
そういう遠回りも今は必要なはずばい…。
その子がその彼女かね?えっ…いやそれが実は…。
ああ?そいじゃ何か?わいは女で遊びよっとか!?違います違います違います!これには大変複雑な事情が!ふん…。
まあよかわい。
しかし約束は約束。
いずれは娘ば幸せにしてもらうけんな。
覚悟ばしとけ。
マリーは手ごわか女ぞ。
≪やれやれこれでよかったんだろうか…≫・
(橘)どうでしたか?父と話してみて。
いいおやじさんだな。
お前のことがどれだけ大事か伝わってきた。
ちょっと怖ぇけど。
ふふっ!気に入ってくださったようでうれしいですわ。
いずれ楽様のお父様になるかもしれませんし。
ブッ!ほんとよくそんなグイグイ来れるな。
素直に感心するよ。
どうして俺なんかにそこまで…。
まあ!そんなの当然ではありませんか。
自分から動かないで手に入るものなどありません。
恋愛だって攻めあるのみです。
≪まるで自分のことを言われてるようだ…≫私にできるのは思いを伝える努力と変わる努力だけです。
楽様!改めて教えてください。
楽様は今どんな女の子が好きですか?えっ?私は楽様のためならどんなふうにも変われます!どうぞなんなりと。
いや…別に。
今のままで橘は十分かわいいと思うけど?えっ?橘がその…いろいろ頑張ってくれんのは素直にうれしいしすげぇと思う。
誰にでもできることじゃねぇ。
それに俺は髪の長いお前も短いお前も今のしゃべり方も昔のしゃべり方もどっちもかわいいと思うぞ。
(橘)あぁ…あっ…。
ん?
(橘)急にそがんこと言われたら困るばい…。
えっ?やっ…その…こ…こっち見んでくれんね!えっ…えっ?
(橘)見んでくれんね〜〜!!ええ〜!ちょっ…ちょっと!おま…急に別人に…。
もしかして照れてんのか?照れとらんけん!こっちば来んといて〜!ズズッズズー…
(ジュースを吸う音)
(クロード)お嬢どうかされたのですか?別に。
おかわり!もう…10杯目では?2014/04/20(日) 02:28〜02:58
MBS毎日放送
ニセコイ #15[字]
「サンボン」
詳細情報
お知らせ
【番組HP】
http://www.nisekoi.jp/
【Twitter】
https://twitter.com/nisekoi_k
番組内容
万里花の正体は、10年前に楽が仲良くなった少女・マリーだった。
楽の理想の女性を目指して努力を重ね、成長した万里花。しかし楽は幼い頃に彼女と交わした約束を思い出すことができない。
そんな楽に万里花は「これからの自分のことを忘れさせないように」と頬にキスをする!
その翌日、楽は鍵を持つ3人、千棘・小咲・万里花と共に10年前の記憶をたどろうとするが…。
出演者
【声の出演】
(一条 楽)内山昂輝
(桐崎千棘)東山奈央
(小野寺小咲)花澤香菜
(鶫誠士郎)小松未可子
(宮本るり)内山夕実
(橘万里花)阿澄佳奈
(舞妓集)梶裕貴
(クロード)子安武人
ほか
原作・脚本
【原作】
古味直志「ニセコイ」(集英社「週刊少年ジャンプ」連載中)
監督・演出
【総監督】
新房昭之
【シリーズ構成】
東冨耶子、新房昭之
【監督】
龍輪直征
【キャラクターデザイン】
杉山延寛
【総作画監督】
潮月一也
音楽
【オープニングテーマ】
ClariS「STEP」
【エンディングテーマ】
【音楽】
神前暁
制作
【アニメーション制作】シャフト
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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