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(うめき声)
(叫び声)
(悲鳴)
(奥村澪)王手。
王手!聞こえないふりして逃げ切ろうとしやがって。
(片岡悠介)うるせえなあ。
おいリモコン出せリモコン。
さっきこの辺に…あった。
はい。
ボリューム上げろボリューム。
偉そうに。
(テレビ)「中野区で発生した誘拐事件が無事解決しました」「警察は身代金受け渡し現場に指定された公園内に張り込み今朝犯人が身代金を取りに来たところを逮捕した模様です」「誘拐された秀樹君は犯人の隠れ家と思われる廃屋から無事救出され家族の元に帰されました」赤ん坊や子供を誘拐してよ身代金せしめようなんてお前本当許せねえな。
本当信じられない。
無事に救出されても捕らわれた子供の心には深い傷が残るんですよ。
親にもだよ。
あの身代金どうやって用立てたのかしら。
意外にお金持ちなのねあのお宅。
…なんてお前陰口に悩まされる事になるんだよ。
抵抗出来ない子供を毒牙にかけるなんて誘拐犯は最低で卑劣な奴らです。
よし!誘拐に関する未解決事件を徹底的に調べ上げ卑劣な犯人を根こそぎ逮捕してやろうじゃねえか。
よっしゃ。
やりましょう!ところで王手なんですけど。
馬鹿野郎!俺に王手かけてどうすんだよ。
お前逃げ回ってる犯人に王手かけるのが俺たち再捜査刑事の仕事だろうが!
(くしゃみ)もう…またこれだ。
(うめき声)
(倉田典子)た…す…けて…。
(榎本香織)大丈夫ですか?ビョ…。
え?ビョ…ケイコ…ミエ…。
「ビョケイコミエ」?どういう事です?急いで!大丈夫ですか!?しっかりして!たった今息を引き取りました。
(本田勇蔵)そうか。
マルガイは倉田典子35歳。
このクラブのオーナーママだ。
凶器は?恐らくこれだろう。
(本田)血痕が付着してるし。
ああ…。
薔薇の花…。
うん…薔薇の花と1本だけ黒百合。
黒百合…。
(西園寺)黒百合なんて店に飾ってません。
ゆうべは薔薇だけでした。
じゃあ犯人が持ち込んだものか…。
営業時間は午後の11時まででしたね?はい。
最後のお客様が退けたのが11時ちょい前で…。
(西園寺の声)ホステスさんを先に帰し私とボーイたちは店内の掃除をして…。
ママ。
昨日開店したお寿司屋さん行ってみません?私はいいわ。
家で食べるから。
そうですか。
じゃあお先に。
お疲れさま。
(西園寺の声)でボーイたちと一緒に店を出たのが11時20分。
とするとそのあとに来客があったわけですね。
心当たりは?さあ…。
普通はママ私たちと一緒に帰るんですがね。
う〜ん…。
念のためにあなたその時間どこで何を?ママを誘った寿司屋で一人寂しく一杯やってましたよ。
警察から連絡があったついさっきまで。
死因は脳挫傷。
背後から鈍器で後頭部を一撃した撲殺です。
凶器は店にあった灰皿。
採取した指紋は全部で16個。
マルガイと従業員のものを除くと人物が特定出来ないものが9個。
いずれも客が触ったものと思われますが犯人のものが付着している可能性もある。
倉田典子は石川県金沢市の出身。
10年前に上京し銀座のクラブで働き始めた。
裕福な客や有名人に取り入る技に長け瞬く間にナンバーワンになり3年前に独立。
それが犯行現場になったclubFolding。
臨終間際マルガイは私に…。
ビョ…ケイコ…ミエ…。
…というダイイングメッセージを残した。
最初は意味がよくわからなかったんですが…。
そういや横山先生の奥さんの名前ケイコだったな…。
横山先生?はい。
お店の上得意のお医者さん。
高輪で病院やってるんですけどお金目当てでママが誘惑したんです。
そしたら奥さんが乗り込んできて…。
(横山恵子)ママの倉田典子って!?私ですけど。
ちょっとあなた調子に乗るんじゃないわよ!
(典子)何すんのよ!たぶらかしてくれたわね!ちょっとあんたやりすぎだって!それから毎晩「殺す!」って電話がかかってくるってママが。
その女性が横山恵子…?ええ。
ミエって女もいますね。
え?柏木美絵。
(西園寺の声)美容院チェーンのオーナー。
ママと仲がよかったんだけど…。
倉田典子が持ちかけた投資話で大損をし金を返す返さないでかなり揉めていたと。
つまりケイコは病院長夫人の横山恵子。
ミエは美容院オーナーの柏木美絵。
最初の言葉のビョは病院のビョか美容院のビョ。
病院の恵子美容院の美絵いずれもあり得るがマルガイはケイコミエと両方を呟いた。
ホステスたちに聞き込みをしたところマルガイには同棲中の恋人がいた。
出して。
田上圭一32歳。
彼もビョ。
病院の検査技師。
典子は田上の事をケイ君ケイ君と呼んでいた。
ケイ君がケイコに聞こえた可能性もある。
ふうん。
意外って言っちゃなんですけど略取誘拐事件の検挙率って高いんですね。
うん。
身代金目的の誘拐となると…。
ん?なんと100パーセントが9年間も続いてる時期があるな。
発生件数も殺人事件に比べると大幅に少ない。
そりゃお前…。
お前?あ…いやそりゃあの…奥村君。
身代金目的の誘拐事件は犯人はどんな危険を冒してでも金を受け取らなきゃならない。
その時が絶好の逮捕のチャンスなんだよ。
おまけに誘拐対象を連れているために身動きが自由にならない。
まあ割に合わない犯罪なんだよ。
だから誘拐してすぐに殺しちゃうような凶悪犯が出てくるんだ。
ああ…許せねえ!そういう奴は全く許せねえ!よし!根こそぎ逮捕してやろうじゃねえか誘拐犯。

(松島雪子)ただいま。
あ…いらっしゃいませ。
あの…失礼ですけど…。
あ!先生!片岡先生!片岡美知恵先生でいらっしゃいますよね?
(片岡美知恵)ええそうですけど…。
あっあなた雪子さんじゃない!はい!松島雪子です。
どうもご無沙汰致しまして。
まあお懐かしい。
何十年ぶりかしら?えっと私が高校卒業してからですから…。
あなた私が教師になってすぐの生徒だからえっと…。
ちょっと!やめましょ。
お互い歳がわかっちゃうわ。
(雪子)ウフフ本当。
アハハ…。
(美知恵)フフフ。
ねえここ雪子さんのお店なの?いえ。
雇われ店長させてもらってるんです私。
ねえねえねえ…。
ねえ都合がついたらうちいらっしゃらない?積もる話もあるし。
(美知恵)それで金沢へ?ええ。
先生の指導と助言のおかげでせっかく石川美大に入れたっていうのに卒業もせずに結婚でしょ。
なんだか私先生に合わせる顔がなくて。
いいじゃないの。
幸せになったんだから。
それが姑とうまくいかなくて3年ほどで別れてしまったんです。
あらあら。
子供さんは?1人。
でも夫に親権を取られてしまって…。
で仕方なく東京に戻ってきたんです。
苦労したのね…。
再婚は?ううん。
いざとなるとやはり残してきた子供の事が忘れられなくて。
そう。
無理もないわね。
私もね息子が1人いるの。
あなたと同じで一度結婚したんだけどねうまくいかなくて。
今は独り者。
あら。
じゃあやっぱり嫁姑の…。
あ…すみません。
あっ帰ってきた!珍しく早いわね。
お母さんただいま戻りました。
あ…お客さんでしたか。
玄関に私のじゃない草履があったでしょ?それでもあなた…。
いやいやいや…。
あのこうね住み慣れた家だとついつい注意散漫になっちゃってね。
悠介こちらね松島雪子さん。
私の昔の教え子。
松島です。
美知恵先生にはさんざんお世話になりました。
ああもうお母さんが担任だったんじゃ大変だったでしょうよ。
もうやたらこう口うるさくて。
本当に。
あ…ごめんなさい。
フフフ…。
(チャイム)
(田上圭一)はい。
あ…どうも田上さん。
どうも。
まだ聞きたい事あるんですか?そうなんですよ。
ちょっといいですか?ああ…どうぞ。
失礼しますよ。
こうやって掛けてるとまだ死んだ気がしなくて。
お付き合いして3年でしたよね?ええ。
結婚を前提に?きちんと話し合ったわけじゃないけどまあなんとなく。
知り合ったのは検査技師と患者としてでしたね?ええ。
彼女が心療内科に通院してた時に。
これも典子さんの趣味ですか?
(田上)休みの日なんか飽きもせずに丸一日いじってましたね。
へえ〜。
きれいにしていらっしゃいますね。
ところで田上さん。
事件当夜はどこで何していらっしゃいましたか?この部屋で1人でいましたよ。
ブイヤベース作って待ってるって言ったんだけどなあ。
(本田)倉田典子はケイ君こと田上圭一手作りの西洋のごった煮を食べるために寿司屋に寄らずに帰るつもりだったのかなあ。
ブイヤベース。
ああ。
ビョケイコ。
(香織の声)病院長の夫を誘惑された横山恵子も…。
(恵子)そんな時間寝ていましたよ。
でも典子さんはいつも深夜にあなたから嫌がらせの電話がかかってくると言ってたそうなんですよ。
あの夜は睡眠薬を飲んで早寝したの。
(香織の声)アリバイらしいアリバイはない。
典子とトラブってた美容師の柏木美絵にも…。
(柏木美絵)投資額?500万円。
ああ…。
だけどね刑事さん。
それっぽっちで人を殺したら割に合わないわよ。
私美容院8軒持ってるんだから。
そうですよね。
で…事件当夜は何を?部屋で1人で飲んでた。
アリバイらしいアリバイはない。
でも犯人はどうして殺害現場に黒百合を残していったのか。
黒百合には恨みっていう意味があるらしいな。
ええ。
佐々成政の黒百合伝説からきているそうです。
ほお。
それにしてもあの時典子はどこを指差し何を伝えようとしていたのか。
(美知恵)悠介!酒はまだか〜?はいはいはいはい!ただいまー!んー…教え子と四十数年ぶりの再会ねうん。
あら?これ酒足りるかな?これ。
先生は若くて美しくって男子が放っとかなかったですよね。
自分をアピールしようとしてもう色んな悪さ仕掛けて。
今から考えるとたわいないイタズラだったんだけどショックでねえ。
校庭の隅行っちゃポロポロ泣いてたわ。
へえ〜お母さんがいじめられたなんて信じられませんねえ。
スカートでもこうめくられましたか?悠介!痛い痛い…。
あ…どうぞどうぞ…。
まあすみません。
ちょっとお母さんお客さん優先。
あら!やだもうこんな時間。
私そろそろ失礼しないと。
まだいいじゃない。
明日着物の着付け教室があるんです。
私若い娘さんに着付け教えてるんですよ。
残念ね…。
じゃまたやりましょうね女子会。
ね。
でも美知恵先生お元気そうで本当によかった。
悠介さんの再婚の事しきりに心配なさってらっしゃいましたよ。
すいませんもう余計な事を…。
女親というのはいくつになっても子供の事が心配なもんなんです。
フフフ。
どなたかいらっしゃらないんですか?ハハハ…全然全然。
親の心子知らずかもしれませんがいつまでもガキじゃないんだしもう親もいい加減子離れしてくれないと。
あ…すいません。
またもや余計な事を。
いえいえ…。
私ね美知恵先生がおっしゃった言葉で忘れられない一言があるんです。
人生忘れ物をした事に後悔する時がきっとある。
この歳になるとあの言葉がすごく実感出来るんです。
ああ…。
人生忘れ物をした事に後悔する時がきっとある。
あ…あのもうここらで。
今日は本当にごちそうさまでした。
あ…また懲りずにいらしてください。
じゃあ…。
失礼します。
人生忘れ物をした事に後悔する時がきっとあるか…。
片岡さんどの事件に絞り込みます?いざとなるとなんか色々難しいもんだなあ。
(ノック)片岡。
俺当分捜査本部詰めになるんで頼みたい事があるんだ。
え?俺のポン友がもうすぐ石川県警を定年退職するんだが手がけた事件が未解決で辞めるに辞められないって電話があったんだ。
なんとか力になってくれないかな?いくらなんでも石川県じゃね管轄が…。
誘拐事件なんだけどね。
誘拐事件!?アリバイが成立した!?
(矢杉刑事)はい。
まず病院長夫人の横山恵子ですが寝しなに睡眠薬を飲んだせいか本人はうろ覚えだったんですけども午前0時ちょうどに友人から家の固定電話に電話がかかっています。
(電話)
(恵子)はい…。
着信記録が残っていたし三鷹の横山宅から犯行現場の銀座まで車を飛ばして40分。
恵子の犯行は物理的に不可能です。
(村西刑事)美容師の柏木美絵も…。
(チャイム)
(美絵)ピザ屋さん遅いよ〜。
(村西の声)午前0時5分に注文した宅配ピザが届いています。
って事は唯一アリバイが立証出来ていないのは典子の同棲相手ケイ君こと田上圭一1人だけ。
ついに来ちゃいましたねえ。
ああ来ちゃったなあ。
でも一課長よく休暇を許可してくれましたね。
ああ。
何年も休んでねえとかってよさんざん脅したからな。
あの…警視庁捜査一課特命対策室の…?片岡悠介です。
奥村です。
間もなく石川県警を退職する竹下です。
わざわざご足労願いまして…。
あのポン友の本田さんの…。
あ…ああ。
どうぞこちらへ。
(竹下の声)事件は12年前の5月初め能登半島加能岬の沖合いで女の子の溺死体があがった事が発端でした。
死体は両腕が縛られ両足にも縛られた痕が残っていました。
身元がわからず弱っていたところ金沢市片町で旅館加賀菱を営む大女将の宮坂澄乃から孫娘の茜が帰宅していないとの申し出があり一人息子で社長の宮坂勇勇の妻で若女将の宮坂藍との3人が死体を確認したところ…。
(宮坂澄乃)うう…。
(宮坂藍)茜…。
うう…茜…。
(竹下の声)宮坂茜である事が確認されました。
それで経緯を聞いてみたら…。
誘拐?それじゃあ茜ちゃんは誘拐されていたというんですか?
(宮坂勇)はい。
なぜ警察に届けなかったんです?犯人が電話で警察に連絡したら命がないと言うもんですから。
しかし…。
私が止めたんです。
茜は大切な跡継ぎで将来は加賀菱の女将になる事を約束されてる身です。
もしもの事があったらいけないと思って…。
普通はもしもの事がないようにと警察に届け出るもんですが。
旅館業は客商売です。
茜は女の子だし変な噂を立てられたりスキャンダルになると困るんです。
誘拐されたのはいつです?誘拐事件のあと若女将の藍は宮坂勇と離婚して旧姓の嶋村藍に戻り亡くなった父親の仕事を継いで加賀友禅の作家になっとります。
あっあそこです。
藍さん。
警察の方がお話があると。
おつらい事を思い出させるようで申し訳ないんですが…。
事件が起きた日の朝茜がなかなか起きてこなかったので8時少し前に部屋をのぞくと…。
茜まだ寝ているの?
(藍)入るわよ。
(藍の声)茜の姿が見えなくて何やら人が争ったような跡が。
(藍の声)それで義母に報告しどうしようかと相談しているところへ…。
(電話)もしもし…。
(ボイスチェンジャーの声)「宮坂さんだね?」はい。
「茜ちゃんは預かった」「警察に届け出たら命は保証しない」「返してほしければ5000万円を用意し次の連絡を待て」え…あの…もしもし!もしもし!?
(不通音)その時ご主人の勇さんは?前の夜から留守にしていて…。
携帯は電源を切っていたらしく通じなくて。
私と義母は2人で対策を考えました。
警察に届けるのは私が許しません!でもお義母様…!うちは「金沢に加賀菱あり」とまで言われた老舗旅館。
銀行には私が話をして5000万円夕方までには揃えてみせます。
義母は銀行に走り私は犯人からの次の連絡を待ちました。
すると午後2時少し前に…。
(電話)もしもし。
(ボイスチェンジャーの声)「5000万円は用意出来たか?」夕方までには…。
(ボイスチェンジャーの声)「よろしい。
では午後6時尾山神社の境内にある金谷神社の横の椎の大木の根元に…」
(藍の声)私は犯人が指定したとおりの場所に義母が用立てた5000万円を置き家に戻りました。
夜の10時過ぎに帰宅した主人と私たちは…。

(藍の声)夜を徹して犯人からの連絡を待ったのですが…。
それっきり連絡はなかった?はい。
すいません。
茜さんのお写真などありましたらお借りしたいんですが。
(竹下)私たちはすぐさま犯人の割り出しを急いだんですが誘拐発生時に届け出がなかったばかりに捜査は苦労の連続でした。
母親の藍の供述どおり茜の部屋には争ったような痕跡がありました。
寝込んでいたところを襲われそのまま裏廊下から裏口へと運ばれ表に止めてあった車で運ばれたものと思われた。
(竹下の声)一方茜が転落死した能登半島の加能岬周辺を徹底的に捜査したところ岬から300メーターほどの林の中に今は使われなくなった営林署職員用の作業小屋があり遺留品があった事から誘拐後茜はその廃屋に監禁されていたと断定された。
容疑者は出たんですか?動機的に1人。
加賀菱の仲居で宮坂勇社長の愛人だった女がね。
愛人ですか?宮坂勇は絵に描いたようなボンボンで…。
あなたねわかんないと思ったのかもしれないけどお前が使い込んだんでしょ?いや…。
お金が入り用なら私に言いなさいよ!
(竹下)加賀菱の経営は大女将の澄乃が仕切っていたし…。
高齢者のお客様が多いので…。
(竹下)若女将の藍が客受けもスタッフ受けもよく勇は単なるお飾りの社長に過ぎなかった。
でほとんど実権がない勇は手近な仲居に手を付け愛人にしたと…。
誘拐当日出張に出かけていたというのも嘘でした。
本当はその愛人と富山へ越中八尾の曳山祭を見に行っとったんです。
そんな…。
携帯電話が切ってあったのもそのせいです。
もっとも誘拐事件のあとさすがに気まずくなって愛人とは別れたようですがね。
愛人の父親は植木職人をしていたが投機の失敗で3000万円近くの借金を抱えていた。
勇は自由になる金が少なく愛人手当てもろくろくもらえない。
そこで宮坂家の内情に詳しい愛人が犯行に走ったと考えたわけですが…。
愛人にはアリバイがあった。
越中八尾に勇と一緒に出かけていたというね。
あちこちで目撃証言があり犯行はとても無理だという結論に至ったわけです。
皮肉な事に彼女のアリバイを勇が証明する事になってしまったわけです。
その愛人だった女の名前は?倉田典子。
倉敷の倉に田んぼの田。
倉田…典子…。
倉田典子?片岡さん!この間殺された銀座のクラブのママ!確かに倉田典子は金沢の出身だけどそんな過去があったとはね…。
一応昇進ホヤホヤの警部補殿にご報告をと思いましてね。
いやいや悪いね。
こっちはもうね「ビョケイコミエ」の言葉の意味を探るだけでめいっぱいなのよ。
「ビョケイコミエ」?マルガイのダイイングメッセージ。
私が直接聞いたの。
ふーん。
「ビョケイコミエ」…。
とにかくありがとうね。
アリバイの面で次々と容疑者が消えていったとこだったの。
マルガイの過去にさかのぼって捜査してみるわ。
じゃあね。
お願いします。
あっ!片岡。
はい。
これはねマスコミには一切シャットアウトなんだけど事件現場に黒百合の花が1輪落ちてたの。
黒百合の花?知ってる?黒百合。
高山植物。
石川県の郷土の花。
なんか思いついたらねいつでも聞かせてくれたまえ。
はい。
(雪子)さんざんお世話になったんですから精いっぱいお勉強させて頂きます。
(美知恵)そうはいかない。
生徒に買収されるわけにはいかないわ。
買収?
(美知恵)うん。
あとでテストの点数に下駄履かせろなんて…。
やだ先生。
私もう生徒じゃないんですよ。
ねえこれ本当に似合う?お世辞じゃない?お世辞だなんて…。
そう?じゃあこれ頂くわ。
清水の舞台から飛び降りたつもりでへそくりはたいちゃおう!ありがとうございます。
おばあちゃん。
これがいい。
そう。
お義母様本当によろしいんですの?ええええ。
7歳のお誕生日祝いにね。
ありがとうおばあちゃん!あ〜あ。
私はいつになったら孫が抱けるのかしら?どうも。
藍さんなぜここに?あなたはもう旅館の女将じゃないんだし女将さん大会には関係ないでしょ。
いえわたくしはこちらの青峰閣さんに新しい調度品の発注を受けたのでその打ち合わせに。
それにしてもお義母様お久しぶりですわね。
わたくしが離縁を申し渡された時からですから11年ぶりになるのかしら?離縁を申し渡されたなんて…人聞きの悪い。
だってそうじゃないですか。
違いますか?そういえばもうすぐ茜の命日ですわね。
わたくし月命日にはお墓参りを欠かしませんがお義母様や勇さんはここのところお見えにならないとご住職様が。
旅館の事が忙しくてねつい…。
色々と大変なのでしょう?聞いておりますわ。
金沢でも指折りの老舗ともなると人の口に戸は立てられなくて。
あら売却先を探してらっしゃるというのは単なる噂かしら?あなたなんて事を!負債額もだいぶかさんでらっしゃるんでしょう?ごめんなさいね。
先に行ってらしてくださる?今回勇さんはご一緒ですか?そうだけど?お出かけ?金策にお忙しいのかしら。
あなたいい加減に…。
あら銀行回りからお帰りになったようですよ。
藍…。
ご無沙汰しております。
再婚は?まだですの?うん…。
再婚なさるならわたくしみたいに気が強い女は避けた方がよろしくてよ。
お義母様の言いつけをなんでも守るような方がよろしいわ。
藍さん!余計な口挟まないで!そういえばこの間殺された銀座のママって仲居をやっていたあの典子さんなんでしょ?知らん!あの女と別れてからもう10年以上経つんだ。
わたくしと別れた方が先?典子さんと別れた方が先?お義母様。
不出来で追い出された嫁にはなんにも出来ませんけれどどうか頑張って加賀菱を守っていってくださいましね。

(携帯電話)もしもし。
よかった。
携帯の番号変わってなかったんだ。
会えないかな?ちょっと相談したい事があるんだけど。
じゃああとで…。
勇!入るわよ。
勇…。
勇?勇…。
(悲鳴)
(浅野直樹)お待ちしてました。
おう浅野。
ありがとうさん。
いえいえ。
こちらです。
お疲れさん。
お疲れさまです。
よし。
(浅野)47都道府県持ち回りで開かれている女将さん大会が今日から2日間この青峰閣で開かれています。
宮坂澄乃が夜6時からの懇親会に一緒に出ようと勇の部屋に行ったところ…。
お疲れさまです。
ご覧のような有り様でした。
勇の死因は硫化ヒ素による毒殺。
硫化ヒ素?雄黄または石黄と呼ばれる鉱物に含有されている毒物らしいんです。
毒物はテーブルの上に置かれていた急須の中のお茶に混入されていました。
茶筒からも硫化ヒ素が検出されており犯人はあらかじめ茶筒に毒物を入れておいたものと見られます。
片岡さん。
これ黒百合じゃないですか?女将さん大会の女将たちの話によると夕方ここで久々に顔を合わせたらしいかつての嫁藍と澄乃勇がやり合っていたというんです。
藍です。
あの女が勇を殺したに違いない。
藍が毒を盛ったんだ!しかしなぜ藍さんが勇さんを?宮坂の家を出た藍さんとあなた方の関係はギクシャクしていたかもしれませんが10年以上の時を経て藍さんが勇さんを手にかけるにはよほどの理由がないと…。
何か心当たりがあるんじゃないですか?藍だ…。
勇を殺したのは藍だ…。
ああ…。
これで加賀菱も終わりだ。
跡取りはもう誰もいなくなった…。
黒百合。
勇さんが殺害された現場に落ちていた黒百合に何か心当たりはありますか?ありません!どうでしょう?12年前の誘拐事件との関連考えられますかね?あの誘拐事件では宮坂澄乃は孫を藍と勇は娘を失ってる。
いわば3人ともに事件の被害者って事でしょ。
いくら夕方言い争ってたとしてもうーん…嶋村藍が元夫の勇を殺害する理由にはならないんじゃないかな。
ねえ片岡さん。
うん…。
でも倉田典子は?倉田典子は勇の愛人だった女なんでしょ?誘拐事件が起きた時勇は彼女と一緒に不倫旅行を楽しんでいた。
勇がきちんと在宅していれば警察に届けるなという澄乃の命令に従わなくて済んだかもしれない。
子供を失った女性の恨みは12年経っても薄まる事はないんじゃないでしょうか。
浅野。
嶋村藍は今は?金沢に帰ったそうです。
(登喜子)久しぶりにゆっくり話そうと思っていたのに夕方急に帰るって言い出して。
嶋村藍は急遽宿泊をキャンセルし7時前に金沢に帰った。
藍です。
あの女が勇を殺したに違いない。
12年前の誘拐事件…。

(ため息)奥村。
はい。
これ嶋村藍に借りた茜ちゃんの部屋の写真なんだけどこの一輪挿し黒百合じゃねえか?そうです。
恨みの花…。
ええ?これって一体…。
銀座ママ殺人事件に関してはマルガイの倉田典子の同棲相手田上圭一のアリバイは依然として立証出来ていない。
しかし犯人だと断定する物証もない。
凶器の灰皿には田上の指紋は付着していなかった。
また現場に落ちていた犯人が持ち込んだと思われる黒百合の購入先もいまだ判明していない。
撲殺と毒殺手口は異なるけれど第1の被害者倉田典子は第2の被害者宮坂勇のかつての愛人だった。
そして両方の現場に黒百合の花。
黒百合が恨みという復讐伝説に例えられている事を考え合わせると12年前に金沢で起きた11歳の宮坂茜ちゃん誘拐事件がなんらかの形で関係していると思われる。
そこでその誘拐事件の再捜査をしている特命捜査対策室の片岡刑事奥村刑事そして青梅東署の浅野刑事にも捜査本部に加わってもらう事になった。
よろしく。
(澪・浅野)よろしくお願いします。
じゃあ片岡刑事。
はい。
あっいやいやいや…。
片岡は人前で喋ると話があっちゃこっちゃいってわかりにくいから代わりに奥村刑事報告を。
はい。
12年前の誘拐事件の詳細はお手元にお配りした資料のとおりです。
肝心なのはまず1。
いまだに犯人逮捕に至っていない。
その2。
加能岬における宮坂茜の転落死が逃亡しようとした本人が足を滑らせて転落したものなのか犯人が突き落としたものなのかいまだに断定出来てません。
(拍手)
(せき払い)倉田典子は当時の捜査本部で容疑者として挙がっていた。
ただアリバイが成立してあくまで参考人のままでした。
片岡はどう考える?片岡さんの答えは私には代弁出来ません。
全く見当がつきません。
なあ?奥村。
よし。
ちょっと片岡さん!何?何?金沢への出張願。
もう捜査本部っていうのはね手続きが面倒でいけねえんだよ。
いやあ…。
ねえ警部補。
この間は休暇で自前だったけど今度は出張費出ますよね?もう1回行くの?うん行くよ。
ハンコ押してください。
ハンコ。
いやあ…。
活気ないなあ。
まるで火が消えたようですね。
やはり経営が苦しいっていうのは本当なんだな。
昔仲居頭を務めてた女性が今加賀友禅伝統産業会館にいるそうです。
行ってみましょう。
あっちです。

(女性)明代さん!
(山田明代)ちょっと失礼します。
加賀菱は大女将の澄乃さんが気位ばかり高くて一見のお客様はお断りでしたから一時経営が傾いたんです。
そこで藍さんが若女将として客の前に出た。
ようこそいらっしゃいませ。
(明代の声)藍さんはもともと加賀友禅作家さんの一人娘で伝統工芸に詳しい。
そこで加賀や能登の職人の手業を体験するツアーを企画したらこれがえらい評判を呼んでシルバー世代が好んで加賀菱を利用するようになって経営は持ち直した。
お客様が加賀菱でお過ごしになるひと時を加賀金沢の文化と出会う時間と考えて皆さん心を砕いてくださいね。
(明代の声)ところがそれが気に入らなかったのが澄乃さんで…。
(澄乃)藍さん。
近頃周囲におだてられていい気になってるのと違いますか?いえわたくしはそんな…。
まだ女将の座を譲った覚えはありませんよ。
もし出すぎた真似をしたようならば申し訳ございませんでした。
上辺だけ取り繕っても困ります。
今では勇もすっかりあなたの尻に敷かれて情けないったらありゃしない。
そもそも私は勇とあなたの結婚には反対だった。
少しぐらい業績が上向いたからって女将面するんじゃありません!それでも藍さんは耐えて懸命に経営再建の努力をなさった。
そんなさなか茜ちゃんの誘拐事件が起きてしまって…。
え…あの…もしもし!もしもし!?ギクシャクしていた家族関係が一気に崩れてしまった。
難産の末に産んだ一人娘を亡くした藍さんは仕事にも身が入らなくなり一日中泣いておられるようになって…。
お客様をいつまでお待たせするつもり?すみません。
今すぐ…。
茜はかわいそうな事したけどそもそもあの子が誘拐されたのは藍さんあなたのせいよ。
わたくしの…?若女将若女将とちやほやされて茜から目を離し母親としての役目をないがしろにしたからあの子はあんな目に遭ったんです!
(明代)あまりといえばあまりのののしり方でした。
勇社長は間に入ってオロオロするばかり。
家庭内の不和はたちまち従業員の雰囲気にも影響し次第にお客様の足も遠ざかるようになって…。
それで離婚沙汰に?それを機会に澄乃さんがまた采配し始めた。
けど若女将の人気で盛り返したんだからジリ貧でね。
加賀菱はもう倒れるしかないという噂ですわ…。
藍さん。
出て行くんなら裏口から出てください。
(澄乃)あなたはもう若女将でもなんでもないんですから。
あの…茜の遺骨の事…。
何回言ったらわかるんです!分骨は絶対にしません!ダメだと言ったらダメだ!藍慰謝料はないよ。
今後加賀菱とは関係を絶ってくれ。
長い間お世話になりました。
どうかお体をお大切に…。
澄乃さんは茜ちゃんがあんな目に遭ったのは藍さんが監督不行届きだったからだとあえて思い込もうとしたんです。
誰かの責任だと思わなやり切れん気持ちだったんでしょうね。
話を聞いた印象からすると藍はかなり澄乃と勇を恨んでたのかもしれませんよね。
実の娘を失った悲しい気持ちは誰よりも強いものなのに誘拐されたのはお前のせいだとまで言われていびり出されるように離縁された。
ねえ片岡さん。
もし藍が誘拐したのはやはり勇の愛人倉田典子だと考えてたとしたら?それでまず実行犯の倉田典子を撲殺し…。
次にその典子と一緒に不倫旅行をしてた勇を毒殺した?うん。
調べてみたら倉田典子が殺害された日にも嶋村藍は東京に出かけてるんですよね。
その場合よぉ奥村。
嶋村藍はどんなきっかけで典子が犯人だと考えるようになったんだ?それは…まだ…。
倉田典子宮坂勇…。
相次いで殺害された2人はかつての愛人同士。
誘拐事件の時には一緒に不倫旅行…。
(チャイム)あっすいません。
田上さん話があるってなんでしょうか?
(田上)どうぞ。
あの…この記事見てほしいんですけど…。
(田上)殺された宮坂勇さんって人俺見た事あるんです。
えっ…どこで?いつですか?1度目は…。
(田上の声)半年ほど前この部屋から出て行くのを見たんで…。
ねえ今の男誰?気になる?昔の彼氏なの。
お金返してくれって。
借りてるの?借りてないわよ。
じゃあなんで?もらった事はあるの。
でも正当な報酬だから返す必要ない。
正当な報酬?どういう事だ?さあ…。
聞いても典子はぐらかすばかりで。
2度目はひと月ほど前…。
(勇)銀座でクラブのママになるなんて成功してるじゃないか。
全部じゃなくていい。
半分でいいから返してくれ。
でないと旅館が潰れちまう。
(典子)しつこいわねえ。
二度と来ないで!
(勇)典子!開け…。
穏やかじゃないね。
今度来たら警察呼べば?ダメ…!警察は絶対ダメ!どういう事?失礼します。
刑事さん私疑われているという事ですか?勇さんの毒殺に用いられたのは硫化ヒ素入りの雄黄でした。
雄黄は日本画の岩絵具に使われています。
若い頃から日本画を描かれていたあなたには雄黄を手に入れる機会があったのではと…。
フッ…。
娘を誘拐した犯人がわかったらこの手で殺してやりたい。
大概の母親ならそう思い詰めるものだと思います。
でも勇さんの愛人だった典子さんは茜を誘拐した犯人ではなかった。
そう断定したのは…あなたたち警察じゃないですか!まして勇さんは茜の父親です。
茜を誘拐なんてするわけがない。
そうでしょ?それならば私があの2人を手にかける理由がない。
離婚を承諾させられ加賀菱を追い出されたというだけで私が勇さんを殺すとお思いですか?しかも12年も経ってから。
警察って時間とお金が豊富にあるんですねえ。
私に会いにわざわざ2度も金沢まで出張していらっしゃるなんて。
そんなお暇があるのなら茜の誘拐犯を一日でも早く逮捕して頂きたいものだわ。
私が犯人を見つけて殺してしまう前に。
だからあなたは12年間もずーっと誘拐犯を捜してらっしゃるんですね。
当たり前です!でも警察にも見つけられないものを素人の私が見つけられるわけがない。
その事が悔しくて…。
(藍)確かに典子さんが殺された日も勇さんが殺された日も私は東京に行っておりました。
典子さんが殺害された時間はホテルの部屋で1人で絵の下描きをしておりましたし勇さんの時は新幹線の車中でしたので私のアリバイを証明してくださる方は一人もいません。
でもその程度の事で私犯人に仕立て上げられたりしませんわよね?黒百合は茜が大好きだったお花です。
いつもお部屋に一輪挿しを飾っておりました。
よく黒百合は「恨みの花」などと言われますけれど石川県の郷土の花。
とても可憐な花なんです。
はあ…。
その黒百合の花もやはり加賀友禅の着物に使われるんですか?いえこの生地を染めて衣桁屏風に使います。
いこうびょうぶ?ええ。
お着物を掛ける衣桁ってございますでしょ。
このように衣桁に生地を施し装飾用に美しく縫い合わせたものを衣桁屏風と言います。
ほう〜。
『陰翳礼賛』という著作の中で谷崎潤一郎は外の光が届かない暗がりの中にある襖や屏風の美しさを褒めたたえています。
例えば舞子さんの京紅の色って蛍光灯の下ではきつく見えますがそもそもあれはロウソクの下でこそ美しく映えるようにと工夫されたお化粧方法なんです。
屏風の本当の美しさは蛍光灯の下では見えないロウソクの明かりでこそ映えるもの。
日本の文化は光と影の巧妙なバランスで彩られているんです。
(藍)金沢には加賀友禅や様々な調度品を娘の嫁入りの時に持たせる習慣があります。
有名な花嫁のれんもその一つです。
青梅の青峰閣の女将は金沢出身で私の同級生。
嫁ぐ娘さんのためにと彼女に依頼されて新しい衣桁屏風をこさえているんです。
その打ち合わせで勇さんが殺害された日青峰閣にいらしてたんですね。
ええ。
まさかあの日に女将さん大会があそこで開かれているなんて思いもよりませんでした。
でもなぜ急に宿泊をキャンセルして金沢に戻られたんですか?
(藍)お話というのは?
(勇)うん…。
なあ部屋でゆっくり話さないか?ダメなの?早くお話を。
加賀菱どうにも立ちゆかないんだ。
少し融通してもらえないかな?それがダメなら女将として戻ってきてくれないか?よしてください!今後一切加賀菱とは関係を絶ってくれと言ったのあなたじゃないの!俺は…。
ああいたいた。
ねえどうしたのよ?金沢に帰るって…。
お喋りしようって楽しみにしてたのに…。
ごめんなさい。
衣桁屏風が出来上がったらゆっくり…ね。
さっきどこかで会ったら言ってやろうって考えてた事すんなりお義母さんと勇さんに言えちゃった。
気遣い満点の藍がねえ…。
ちょっと驚いたわよ。
でも…。
でも…なんか悲しいな。
藍…。
あの時は急に衣桁屏風の図案が頭に浮かんできてそれでここに戻ってきたんです。
でも普段はスケッチ用具持ち歩かれてるんですよね?倉田典子さんが殺害された時にも東京のホテルで絵の下描きをされてたのになぜあの日は急に…。
珍しい事ではありません。
心のときめきがないといいものは描けませんから。
仕事を続けたいので申し訳ありませんがそろそろお引き取りください。
う〜ん…。
どうしたんですか?衣桁屏風…。
屏風…。
屏風の本当の美しさは蛍光灯の下では見えない。
びょ…びょ…。
びょ?ビョケイコミエ?マルガイのダイイングメッセージ。
私が直接聞いたの。
ビョケイコミエ…。
ん?片岡さん!うーんもったいない!おい榎本!なんなのよ?急に呼び出して。
どこ?どこ?どこなの?何が?倉田典子が息を引き取った場所だよ。
あのほらあの…担架の上で指差した場所だよおい!ちょっと…警部補に質問する時は言葉に気をつけてね。
随分上から目線だねおい。
あっじゃああの…どどこなんですか?警部補殿。
こっちよ。
はいはい…。
あのね…この辺この辺…。
この辺で頭はこっち頭こっち。
頭こっち?でこんな感じ?そうそんな感じそんな感じ。
よしわかった!担架!担架持ってこい!
(浅野)はい!はい。
これどの辺に置けばいいですか?おしっ!この辺この辺…。
警部補警部補ちょっと持ってて。
下げて下げて下げて下げて…。
それで頭が…。
乗るの?頭こっち頭こっち…。
それでこんな感じ?そうそんな感じそんな感じ。
上げますよ。
よいしょ!ああー重っ!いやぁもうちょっとこっちかな…。
下げて下げて下げて…。
下げんの?危ないよお前!ごめんなさいごめんなさい…。
上げて上げて上げて…。
こんな感じこんな感じ…。
うんわかった。
こんな感じで…。
それでこう指差すんだろ?指差した。
どこを?真っすぐ真っすぐ真っすぐ真っすぐこう。
こっち…この先。
ちょっとちょっと…。
ん?ちょっと奥村ちょっとどけ!どけ!ビョケイコミエ?ん?clubFolding?Folding…Folding…。
あっ…。
典子が死に際に言いたかったのはあれだ!店の名前「Folding」だ。
(3人)はぁ?ん?浅野「Folding」の意味!ええー…。
ああ…いいや。
奥村お前アメリカ研修でお前3か月行ってたんだろ。
「Folding」の意味。
折りたたむとか…。
折り重ねるとか?だろ?俺のつたない英語知識で言えばよ「Folding」に「Screen」この単語を足せばえーっと…。
屏風?それだよ屏風。
倉田典子は最後にこの屏風っていう意味を言いたかったんじゃねえかなあ。
屏風?屏風に意味?屏風屏風屏風…。
う〜ん…なんか思い当たんねえかなあ…。
ああ〜よくわかんないなあ。
こっちはね田上圭一が気になる供述したの。
お金返してくれって。
借りてるの?借りてないわよ。
じゃあなんで?もらった事はあるの。
でも正当な報酬だから返す必要ない。
その正当な報酬っていうのが何を意味するのか…。
茜ちゃんを誘拐した事に対する報酬じゃねえのか?え?え?片岡さんでも…。
愛人にはアリバイがあった。
越中八尾に勇と一緒に出かけていたというね。
皮肉な事に彼女のアリバイを勇が証明する事になってしまったわけです。
…って竹下刑事が言ったんでしょう?ならば…。
倉田典子のアリバイを逐一検証し直してみようじゃねえか。
典子の供述調書を読みますね。
1つ目の記述。
誘拐当日の午前9時半高岡市内のタバコ屋で1人でタバコを買ってます。
ここだよ。
ああここですね。
次が午前11時半頃。
富山空港近くのドライブインで勇と一緒に食事をしています。
富山空港?富山空港…。
あっここですね。
次が午後4時半頃富山県八尾の町内で曳山祭を勇と一緒に見物しています。
八尾…ああここですね。
おかしいじゃねえかよ。
穴があるなあ。
あちこちに時間的な穴がある。
まず母親の藍が茜ちゃんがいなくなった事に気づいたのは朝の8時少し前。
だがその時間帯…いや前の夜からの典子のアリバイは証明されていない。
つまり…。
そっかぁ…。
倉田典子が深夜茜ちゃんを部屋から連れ出す事は時間的に可能だった。
そういうこった。
さらに…。
クロロホルムか何かを使って眠らせた茜ちゃんを加能岬近くの廃屋に監禁する事も十分に可能だ。
でもでも誘拐を知らせる犯人からの最初の電話は朝の9時半頃にかかってきた。
その時には彼女は高岡市内のタバコ屋にいた。
犯人からの電話は2回とも金沢市内の電話ボックスからかけられてるんですよ。
誘拐の実行犯は典子だが宮坂家に電話をかけたのは彼女じゃない。
えっ…。
倉田典子には共犯者がいたという事ですか?いやしかし少なくとも午前11時半以降は典子は富山で宮坂勇と行動をともにしています。
勇の目をかすめて午後2時に金沢に舞い戻り2度目の脅迫電話をかける事はとても不可能ですよ。
お前まだわかんねえのかよ。
典子と勇はグルだったんだよ。
えっ!?茜ちゃんの誘拐は2人が仕組んだ誘拐だったって言ってんだよ。
それだったらほら可能だろうが。
茜ちゃんは預かった。
勇なら午前9時半と午後2時過ぎに金沢市内から宮坂家に身代金要求の電話をかける事が出来る。
2人が目撃されたのは午前11時半と午後4時半なんだよ。
でもしかし…しかしでも実の父親がそんな…。
父親が我が子を誘拐するはずはない。
そんな常識にとらわれていたからお宮入りになったんだよ。
もっとこうなんか新しいな視点を持たなきゃ…な再捜査の意味はねえだろうが。
すいません。
宮坂勇は経営の実権を母親の澄乃に握られ妻で若女将の藍の尻にも敷かれていた。
だから自由になる金は少ない。
一方…。
愛人の父親は植木職人をしていたが投機の失敗で3000万円近くの借金を抱えていた。
勇と典子の利害は見事一致するじゃねえか。
つまりあの誘拐は澄乃が管理していたお金を吐き出させるための誘拐劇だったんだ。
そう考えれば全て辻褄が合うだろ。
孫の命かわいさに澄乃は警察には届け出はしないだろうと勇は読んでいた。
で実際そのとおりになった。
指定された場所に藍が置いた身代金は…。
夜富山の温泉旅館で夕食を食べたあと金沢に舞い戻った勇と典子が手にした。
あとは翌日もう一度能登に出向き監禁した茜ちゃんを解放するだけだった。
だが2人が予想もしなかった出来事が起きてしまった。
茜ちゃんが自力で縄を解き逃走を図り…。
(宮坂茜の悲鳴)勇と典子は茜ちゃんの命を奪うつもりなど毛頭なかった。
身代金を山分けし茜ちゃんを解放して口を拭って生きていくつもりだった。
だが…だが…縛られている茜ちゃんのこの写真を最初に見た時から何か違和感があったんだ。
浅野これ持って科捜研へ行き一二三に調べてもらえ。
はい。
(一二三祐希)1回こう回すじゃない…。
(浅野)優しくお願いしますよ。
(祐希)優しくしたら検証になんないでしょう。
(浅野)痛い痛い痛い痛い…!すごい縛ってる。
(祐希)えっでも…あっここだここ。
(浅野)そんなきつくやる必要ないでしょ。
(祐希)おかしいじゃねえかよこれ!一二三さん最近片岡さんに似てきましたよね。
えっ…そう?なんでそんな嬉しそうにしてんですか?嬉しそうにしてませんけど。
痛い痛い痛い痛い…!あっ…屏風!屏風!ねえちょっと屏風!ほら。
(チャイム)はい。
すいません榎本です。
ちょっ…ちょっとお邪魔しますね。
これこれ…。
これって典子さんの衣桁屏風ですよね?
(田上)ええ。
金沢から持ってきたものだそうです。
嫁入りの時のためにと親が買ってくれた大切なものだって。
片岡!フォ…フォル…Folding!屏風!屏風だ。
じゃあちょっと…失礼。
じゃあちょっとすいませんよすいませんよ。
そっとね。
はいはいはい…すいません。
はいすいません。
そっとね。
衣桁屏風ちょっと失礼しますよ…。
よいしょ。
すごいねえ。
う〜ん…。
あれ〜?ん?『陰翳礼賛』…。
(藍の声)屏風の本当の美しさは蛍光灯の下では見えないロウソクの明かりでこそ映えるもの。
日本の文化は光と影の巧妙なバランスで彩られているんです。
屏風の本当の美しさは蛍光灯の下では見えない。
う〜ん…。
屏風…。
蛍光灯…。
見えない…。
びょ…。
けいこう…。
みえ…。
片岡…それ!ビョ…ケイコ…ミエ…。
榎本カーテン閉めろ!ほら!本田さん閉めて!はい。
奥村ロウソク火つけて!はい。
榎本!電気消せ!本田さん消して!
(本田)はい。
電気電気…。
(本田)電気消すよ。
早く!奥村そのロウソク持って衣桁屏風の周り歩け。
はい。
奥村…奥村もう少しロウソク近づけて。
はい。
あっ…片岡なんか入ってる!これ糸をほどいて取り出してみます。
ああ…。
田上さんお願いします。
(田上)あっ…はい。
(本田)ほどいて。
暗くて見えねえなあ。
本田さんつけて。
(本田)はい。
えっ…。
浅野君急いで!ちょっと待ってください。
ちょっと…。
(祐希)片岡さん!調べがつきました…。
どうだった?宮坂茜の両手の縛り方だけどご指摘のとおり独特な縛り方だという事がわかった。
これは縄掛け結びという特殊な結び方で竹垣を造る時なんかに使う結び方なの。
普通マスターしてる人はあんまりいないけど専門の植木職人なら誰にでも出来る。
植木職人?倉田典子は植木職人の娘…。
一二三!
(祐希)はいはい。
これって何結び?
(祐希)え?
(祐希)ああ…これ縄掛け結び。
田上さんあれって典子さんが結んだんですよね?ええ。
倉田典子はさすがに茜ちゃんをきつく縛るのを躊躇して足の縛り方を緩めた。
その結果茜ちゃんが逃げ出す原因に。
あとは衣桁屏風の中に隠されていた倉田典子の告白文の裏づけだが…。
その前に田上さん確かめたい事があるんですけど。
はい。
じゃあこの部屋に出入り自由だった。
ええ。
典子すっかり信頼して合鍵を渡してましたから。
という事は衣桁屏風の中にあったこの告白文に気づき取り出して読む機会があった。
(祐希)この端の縫い糸…片岡さんたちが解く前に最近ほどかれて別の糸で補修したようね。
読んだんじゃねえか?やはり衣桁屏風の中の便箋に気づき書かれた事を読んだんだと思う。
その事を倉田典子に知られないために便箋もう一度戻し別の糸で補修しておいた。
そして12年前の誘拐事件の真相を知り実行犯の倉田典子と計画を立てた宮坂勇を殺害した。
「美というものは常に生活の実際から発達するもので暗い部屋に住む事を余儀なくされた我々の先祖はいつしか陰翳のうちに美を発見しやがては美の目的に添うように陰翳を利用するに至った」谷崎潤一郎?ええ。
前にお母さんに薦められたんだけどそのまま放りっぱなしで…。
あっ…これ昔学校の教材で使われたんですよね?そうだけど…。
今日は宮坂茜ちゃんの命日…。
雪子さんやはりお墓参りにいらっしゃったんですね。
お店に伺ったら休暇を取られたという事だったので。
雪子さん銀座で働いていた倉田典子さんはあなたのお店の顧客でしたよね?すっかりあなたを信用するようになった典子さんは…。
御所解文様の?いや〜欲しいわあ。
買う買う。
お店に伺えないし今夜ケイ君いないから私の部屋に届けておいてくれます?あなたに合鍵を渡すような関係になった。
そして半月ほど前あなたは…。
何かしら?
(片岡の声)「私の身に何か起こった時のためにこの告白文を書いておきます」「宮坂茜ちゃんを誘拐したのは私です」「でも計画を考えたのは私ではありません」「茜ちゃんの父親宮坂勇です」以下誘拐拉致監禁に至る経過が記されてます。
12年前の茜ちゃん誘拐事件の犯人は父親の勇さんと愛人の倉田典子さんでした。
誘拐の目的は身代金の5000万。
2人は自分が自由になるお金がどうしても欲しかった。
だが不幸な事に自力で縄をほどいた茜ちゃんは脱出を図り…。
無残な事に加能岬の断崖から日本海に転落し溺死してしまった。
(悲鳴)ああ…。
それは誘拐を仕組んだ2人にとっても計算外だった。
事件後2人は良心の呵責に耐えられず澄乃さんに全てを告白した。
信じてください。
翌日私が営林署の廃屋に行った時には茜ちゃんはもう…。
(典子)許してください。
かわいがっていた孫を失った澄乃さんは激怒したが最終的には…。
こんな事が世間様に知れたら加賀菱はもう終わりです。
あんたたちこの事は死ぬまで胸に秘めとくのよ!典子!典子!身代金は手切れ金と口止め料にあんたにあげる!なっ!2人ともあんたたち!墓場までこの事は持っていくのよ!歴史ある加賀菱を守るために澄乃さんは苦渋の決断をした。
その事は澄乃さんが心情を告白されました。
勇の犯したとんでもない間違いのために…。
あんないい嫁に責任かぶせて追い出すような真似してしまった…。
不肖の息子を叱責もせずほおかぶりして世間様を欺こうとした。
勇を失ったのも…その報いです。
自業自得です…。
(泣き声)
(藍)それで…それでどうしたんです?片岡さんこの方は一体誰なんです?勇さんと典子さんは罪の意識にさいなまれて愛人関係を解消した。
その後東京に出た典子さんはやがて銀座にお店を出すようになった。
ところが半年前とうとう旅館の経営が苦しくなった勇さんが突然彼女の前に姿を現しお金の無心を始めた。
さらに1か月前には…。
半分でいいから返してくれ。
でないと旅館が潰れちまう。
(典子)しつこいわねえ。
二度と来ないで!このままでは切羽詰まった勇さんから危害を加えられるかもしれない。
そう考えた典子さんは…。
事件の概要を記した告白文を嫁入り道具の衣桁屏風の中に隠した。
そして今わの際に…。
ビョ…ケイコ…ミエ…。
屏風の中に告白文があるという事と屏風の本当の美しさは蛍光灯の下では見えないというダイイングメッセージを残した。
雪子さんあなたは我々と同じように衣桁屏風の中の告白文を見つけた。
手紙に残されていた指紋と部屋に置かれていたあなたが勤めているかづさ屋呉服店の包みに残されていた指紋が一致しました。
それだけではない。
典子さんを撲殺した凶器の灰皿からも指紋が…。
あの便箋に書かれている事が本当かどうか確かめたくて…。
あの晩典子さんのお店を訪ねたんです。
読んだ?衣桁屏風の中の便箋を…。
どうして人のもの勝手に読んだのよ!どうするつもり?脅迫?お金が欲しいの?いいえ。
警察に自首して頂きたいの。
自首?冗談よしてよ。
大体あなたに関係ないでしょ!なんでそんなお節介焼くのよ。
正義感?やだ…そんなのはやらない。
ねえ雪子さんあの便箋の中身私の創作なのフィクション。
これでも私昔小説を書こうと思ってた時期があって…。
典子さんそんな言い逃れはやめてください。
典子さんお願いお願いだから警察に自首してください。
茜ちゃんの母親の藍さんは茜ちゃんをあんな目に遭わせた犯人がわかったら自分の手で殺してやりたい。
もう12年間ずーっとそう思い詰めてきたの。
その藍さんを救うためにも…。
藍さんを救う?ねえあなた一体藍さんとどういう関係なの?もし私が自首しなかったらあなた警察に密告するつもり?好きにすればいいわよ。
物証なんて何もないんだから。
捜査本部だって証拠がないから私を逮捕出来なかったんだから。
帰って!帰ってちょうだい!お願い自首してちょうだい。
ねえお願い。
帰って!茜ちゃんは事故だったのよ。
事故で死んだの。
誘拐なんて知らない。
あの子が馬鹿だったのよ!茜ちゃんは馬鹿な子じゃない!ねえお願い藍を苦しめないで。
藍をこれ以上苦しめないで!藍さん?私には関係ない。
関係ない…。
許せない…!ああーっ!
(雪子)えいっ!あの日私典子さんに茜ちゃんの事を思い出させて自首してもらいたいと思って茜ちゃんが好きだった黒百合の花を持ってたんです。
そしてその花を…。
因果は巡ると言いますが勇さんのお金の無心に耐えかねた典子さんは勇さんが主犯だという真相の自分が書いた告白文のために命を落としてしまったんですね。
典子さんを殺めてしまったあなたは主犯の勇さんを放ってはおけないと女将さん大会でごった返している青梅の青峰閣に出かけた。
迷っていました。
毒の入った雄黄を持っていったものの…。
曲がりなりにも勇さんは藍が…。
藍さんが一度は愛した人です。
殺めるべきかどうか迷っていました。
ところが…。
よしてくだい!
(藍)今後一切加賀菱とは関係を絶ってくれと言ったのあなたじゃないの!
(勇)俺は…。
このまま勇さんに付きまとわれたら藍さんの一生は台無しになる。
(雪子の声)そう考えて私は…。

(浅野)硫化ヒ素が入った雄黄を茶筒の中に混入したんですね。
あなたは石川美大に学び結婚。
そして離婚したあと東京に戻り呉服屋に入店し今は自分で着物の絵柄も描いている。
勇さんを毒殺するための雄黄を手に入れる事も可能でした。
しかし…雪子さん。
あなたはやはり人を殺すべきではなかった。
勇さんと典子さんが犯した誘拐という犯罪を警察に訴えるべきでした。
(藍)でも…でもなんでこの方が茜を誘拐した2人を殺さなければならなかったんですか?ママが寝ちゃうかな?ダメ…。
(藍)じゃあママコーヒー飲もうかな。
茜はジュース。
あなたはもしかして…。
いやそんな…そんな…。
藍さんあなたはおばあちゃん子だったそうですね。
友禅作家だった両親が別れたあとおばあさんにかわいがられて育てられた。
おばあさんはあなたのお母さんの事をどうしても受け入れる事が出来なかった。
そしてお父さんが家を継ぐ事を選びお母さんはあなたに心を残しながらも嶋村の家を出た。
人生忘れ物をした事に後悔する時がきっとある。
そんな…そんな…。
それじゃああなたは私のお母さんって事…。
いいえ違います。
藍さん私はあなたの母親なんかじゃない。
あなたの本当の母親は人殺しをするような人じゃないわ。
私は祖母に「あんたを捨てた母親の事なんて一切考えるな」「死んだと思え」と言われ続けて育ちました。
そう…そうよね。
私には母などいないのですわ。

(雪子)片岡さんおっしゃるとおりの犯行を重ねてきました。
お供致します。

(浅野)では…。
藍…。
あなたを茜ちゃんを…一生に一度でいいこの手で強く強く抱きしめたかった…。
(泣き声)片岡さん…。
私が話した言葉…「屏風の本当の美しさは蛍光灯の下では見えない」と言った一言があの人の…母の犯罪を暴き出してしまったんでしょうか?お母さん…。
あなたはずっと…私と茜を見守っていてくださったんですね。
海より深き母の愛。
深すぎて罪を犯す事もある。
はいこれ。
ありがとう。
あら悠介これな〜に?金沢土産のゴリの佃煮。
あらあなた金沢行ったの?はい。
金沢といえば…ねえ悠介。
雪子さん呼んで女子会やりたいんだけどダメかしら?お母さん親不孝の息子をお許しください。
雪子さんを交えての女子会は当分…いや永遠に開けそうもないんです。
悠介…。
その代わりこのゴリの佃煮で僕も一杯付き合わさせてもらいます。
えっ下戸のあなたが?今夜はお酒でも飲まなければとても寝つけそうもないんです。
2014/04/19(土) 12:00〜14:10
ABCテレビ1
再捜査刑事・片岡悠介