チーム・バチスタ第2弾 ナイチンゲールの沈黙【『ケルベロスの肖像』公開記念】 2014.04.19

(小夜)嫌ーっ!
(牧村)おとなしくしてろ!嫌っ!あーっ!嫌っ!
(牧村)ああっ!?うっ!うう…。

(西園寺)バイポーラ。
(看護師)はい。
(西園寺)腫瘍の皮膜だな。
(三浦)そうですね。
脳ベラ下さい。
(看護師)はい。
(西園寺)摘出を始める。
マイクロシザース。
(看護師)はい。

(麻酔医)麻酔をオフにします。
(西園寺)巧君?聞こえるかな?巧君。
目を覚まして。
巧君?
(西園寺)指1本出せるかな?
(西園寺)はいいいよ。
チョキできるかな?
(西園寺)OK。
今度手開いて。
(西園寺)握って。
(西園寺)よし。
OKだ。
(貴美子)西園寺先生。
(西園寺)腫瘍は取りきりました。
意識の方も明日の朝には完全に戻ります。
(貴美子)手術うまくいったんですね?巧大丈夫なんですね?もちろん。
手術は成功です。
(三浦)巧君。
もう少しだけ眠ろうか。
(高階)どうぞ。

(田口)失礼します。
(田口)おはようございます。
病院長。
わざわざすいませんね。
田口先生どうぞ。
(田口)あのうご用件は?早速ですが脳神経外科の西園寺先生ご存じですか?それはまあ…。
訴えられるかもしれません。
はっ?目覚めないんですよ患者さんが。
手術は成功したのに3日たっても意識が戻らない。
患者の保護者でもある叔母夫婦が訴訟の準備を始めたそうです。
訴訟?
(高階)バチスタ事件から9カ月。
今も世間の東城医大を見る目は厳しいですからね。
調べていただけませんか?いや…。
勘弁してください。
僕にはもうああいう調査は。
でも彼一人に調べさせたら大変なことに。
彼?田口先生一応助手ってことになっていましたし。
まさかあの人がまた東城医大に?やめてください。
絶対に。
それだけは阻止してください!それがもう遅いんです。
えっ?まさか…。
冗談じゃない。
何で僕がまたあんな人の相手を。
(白鳥)いやあやっぱり藤原さんのコーヒーは最高ですね。
あっ。
ちょちょっと。
おおグッチー久しぶり。
(真琴)おはようございます。
田口先生。
グッチー何かちょっと大きくなったんじゃない?いやあでっかくなってるよ。
5mmぐらいかな?ヘヘヘ…。
そっちもさらにでかくなってますよね態度が。
バチスタスキャンダルに続いて東城医大でまたまた事件発生って聞いて思わず飛んできちゃったよ。
いや聞いてないし。
あのですね事件って決め付けないでください。
それと僕まだ調査に協力するとは言ってませんから。
ここの診療があるんで。
さてと。
そろそろ行こうかグッチー。
聞きましょうよ人の話も。
行ってらっしゃいませ田口先生。
藤原さんまで?脳神経外科か。
難しそうな事件だね今回も。
はい…。

(三浦)患者は牧村瑞人14歳男性。
MRIで視神経膠腫と診断されました。

(ノック)失礼しますよ。
西園寺先生はいらっしゃいますか?白鳥さんカンファ中ですよ。
(三浦)何ですか?あなた方。
あっすいません。
あーわたし厚生労働省医療過誤死関連中立的第三者機関設置推進準備室室長の白鳥圭輔でございます。
あっ。
あなたが西園寺先生。
…じゃないね。
あなた天才脳外科医って顔してないもんね。
あーこっちの人だ。
でしょ?
(西園寺)三浦先生続けて。
すいません。
出直します。
行きましょう。
ちょっとほら!ほらって何だよ?ほらって。
いいから。
態度だけでかくなったね。
(西園寺)噂の最悪コンビか。
チーム・バチスタをつぶした最悪の二人組。
だろ?最高のコンビって呼んでほしいよね?グッチー。
次の標的はわたしか。
僕らがつぶすまでもなく西園寺先生は訴訟を起こされそうで大変だって聞きましたけど。
(三浦)われわれに落ち度はありません。
君に聞いてないんだけど。
君誰?
(三浦)助手の三浦です。
オペは成功でした。
根拠は?オペ中に何かあったなら直後に撮ったMRIで異常が分かる。
おい見せてやれ。
(三浦)オペ直後のMRIです。
まったく異常なし。
オペ室で一度意識が覚醒しているのを確認しています。
(西園寺)ところが翌日になっても目覚めなかった。
で…朝9時にもう一度MRIを撮ってみた。
脳幹部に血腫ができてるね。
これ原因は?分かりません。
この20時間の間に原因不明の出血が起こったようで血腫ができた。
このせいで意識や両手足が動かなくなりいわゆる植物状態に。
オペの後に出血したってことはオペ中の止血がちゃんとできてなかったってことじゃないの?
(三浦)あり得ませんそんなイージーミス。
ミスじゃなきゃわざとか。
白鳥さん。
(三浦)どういう意味ですか?だから誰かがオペ中にわざと後で出血するように何か細工したんじゃないのって言ってんの。
脳の世界は心臓とは違う。
チームで取り組む心臓のオペと違ってこっちは完全な個人プレーだ。
優秀な脳外科医が一人いればほかは誰でもいい。
へぇー。
つまりあれだ。
天才西園寺大先生さえいれば後はもう誰でも何でもいいと。
そう。
チーム・バチスタとはそこがまったく違う。
じゃ患者に何かできるとしたら西園寺先生あなただけだってことじゃない。
フッ。
最高のゲームなんだよオペは。
難易度が上がれば上がるほど燃えるタイプでね。
せっかくの楽しいゲームを自分でつぶすなんて。
フフッ。
もったいなくて。
じゃあどうしてこんなことが起きたんですか?脳はまだまだ未知の領域だ。
予想できないことも起こる。
巧君は単に不運だった。
何なんだ?あの言い方。
ゲームって。
それでもあの人はほかの病院が断るような難しいオペを次々と成功させてきてるからね。
それはそうですけど。
その天才が成功だったって断言してるのに原因不明の出血があった。
これが単に不運って言われても納得できないよな。
まさか今回もオペ中の犯罪だなんて思ってるんじゃないですよね?それはまだ分からない。
でも何かあるよ。
その巧君って子が目を覚まさない本当の理由がね。
(看護師)ストレッチャー入ります。
(三浦)面白い本見つけたよ。
世界中の飛行機が載ってるんだ。
巧君絶対好きだと思うな。
(小夜)よかったね巧君。
(三浦)こんなとこまで何しに来たんですか?君は?ICUの人?いえ。
小児科ですが。
田口先生と厚労省の白鳥さん。
巧君の件を調べてるんだって。
田口です。
簡単な聞き取り調査だけですので。
すいません。
もう病棟に戻らないと。
(三浦)いいかげんにしてくださいよ。
ICUにまで来るなんて。
用事が済んだら出ていくって。
巧君?三浦先生意識が。
目だけは開きますが呼び掛けても反応はないし体の動きもありません。
ホントにオペは完ぺきだったのかな?三浦先生も西園寺先生と同じお考えですか?巧君は単なる不運だったと。
巧君の腫瘍は難しい場所にありましたから。
だから?腫瘍を取りきろうとしてホントは傷つけちゃいけないとこまで切っちゃったってそういう可能性もあるってこと?天才だってミスするよね?
(幸一)ありがとうございます。
(貴美子)500円でございます。
すいません。
500円のお返しです。
ありがとうございました。
(幸一)ありがとうございました。
またどうぞ。
(幸一・貴美子)いらっしゃいませ。
(貴美子)巧の両親は5年前に亡くなりました。
それ以来わたしたち夫婦が育ててきたんです。
訴訟の準備を始められていると伺いましたが。
(貴美子)オペは成功したと言われました。
なのに意識が戻らない。
説明を求めても後は三浦先生に聞いてってそればっかり。
三浦先生も原因不明としか言ってくれないし。
これで納得できるわけないでしょう?で…結局西園寺先生からの説明はなかったと?ええ。
何にも。
わたしたちは本当のことが知りたいだけです。
もうアツシ君。
ちょっと待ちなさい。
待って。
ホントに西園寺先生の医療ミスだと思ってるんですか?まあまずは関係者を一とおり当たってみようか。
うわっ!大丈夫?
(アツシ)気を付けろよな。
ごめん。
(小夜)アツシ君。
ごめんなさい。
おお。
また会いましたね。
すいません。
お薬飲ませないと。
行こうアツシ君。
はい。
(アツシ)あの薬苦いであります。
(小夜)我慢するであります。
(アツシ)ヤダー。
(小夜)もうちょっともうちょっと。
せーの。
失礼します。
(アツシ)またあいつらですよ小夜ちゃん。
そんな嫌な顔しないでよ小夜ちゃん。
何かご用でしょうか?岡部巧君ってこの部屋だったんですよね?
(アツシ)巧兄ちゃんに用なの?まあそんなとこ。
(秀正)巧兄ちゃんなら手術に成功して今ICUだよ。
ねっ?瑞人兄ちゃん。
(瑞人)いつこっちに戻ってくんの?うん。
あと少しかかるかな。
瑞人君は巧君と年一緒ぐらいだよね?どう?仲は良かった?はっ?何でお前にそんなこと答えなきゃなんないの?
(小夜)瑞人君。
ハハハ…。
(小夜)ちょっと。
子供たちに変なこと聞くのはやめてください。
巧君が目覚めてないことはまだ誰も知らないんですから。
すいません。
いや。
今巧君の関係者に話を聞いてるところなんだけどね。
あっそうだ。
小夜ちゃんもよかったらっていうかよくなくても話を聞かせてくれるかな?あれ?何でそんな困った顔になっちゃうわけ?
(猫田)そりゃあ迷惑だもんあなたたち。
小児病棟看護師長の猫田です。
初めまして。
心療内科医の…。
(猫田)特別愁訴外来のグッチー先生。
でしょ?はあ。
(猫田)お2人の評判は東城医大のスタッフなら誰でも知ってますもん。
逃げたくもなりますって普通。
やましいことのある人間は特にね。
(猫田)あなただってやましいことの一つや二つあるでしょう?白鳥圭輔さん。
いや。
僕は一つもありませんけど。
バチスタ事件のときオペのビデオ盗んだくせに。
しゃべったのはその口か?まさか。
自作自演で怪文書まで書いたとか。
がー。
口まで軽いか。
しゃべってませんって!調査に協力しないとは申しません。
ですがわたしのスタッフや患者さんたちを攻撃することはやめていただきます。
行っていいわよ。
失礼します。
お出掛けですか?
(西園寺)君らみたいに暇じゃないんでね。
三浦先生は西園寺先生のかばん持ちって呼ばれてるって聞いたけどホントに持たされてるとは。
ハハハ。
驚きました。
脳のオペは肉眼ではほとんど見えない直径50マイクロの糸と顕微鏡を使って行うミクロの世界だ。
指先の小さなブレも許されない。
だから指に負担をかけないように重いものは一切持たない。
自分の子も抱き上げたことがないよ。
何か偉そうに言ってますけど三浦先生だって脳神経外科医なのにねぇ。
腹立つでしょう?こんなふうにじゃんけんに負けた小学生みたいにかばん持たされて。
あーでも西園寺先生が失脚すれば三浦先生の時代が来るかもしれない。
はあ?とか思って西園寺先生が術野から目をそらしたすきにこっそり巧君の脳幹部にぷちっと何か刺しちゃいました?
(西園寺)フフッ。
彼がオペ中にわたしの目を盗んで患者に危害を加えるなんて不可能だ。
まあそもそもそんな度胸ないよな?三浦先生。
内山先生は小児科で巧君の主治医をされてるんですよね?
(内山)ええ。
巧君の治療に関してはどんなふうに決められたんでしょうか?外科的なことは脳外科の西園寺先生にお任せしています。
(内山)すいません。
はい。
また?取りあえず座薬をして様子を見て。
内山先生は巧君のオペはご覧になりました?いいえ。
ICUにも顔を出してないみたいだし自分の患者さんなのに気になりませんか?行ってもできることはあまりありませんから。
うわ冷たいなあ。
冷たいよね?グッチーねえ?あっいや。
はい。
えっ?ええ分かった。
すぐ行く。
こういう状況なんです。
とにかく人手は足らない。
子供はすぐ泣きわめく。
親はパニくる。
オペの見学なんかしてる暇があるわけないでしょ。
それだけ忙しいとミスも増えたりしますよね?失礼します。
来た早々みんなにケンカ売るのやめてくださいよ。
本音を引き出すには怒らせるのが一番だってこともう忘れちゃったの?グッチー。
(猫田)あのう瑞人君見ませんでした?どうしたんですか?今警察から連絡があって。
警察?
(大家)家賃をずっと滞納してましてね催促のお伺いをしましたら死んでまして…。
・瑞人君。
みんな捜してるんだよ。
落ち着いて聞いてね。
お父さんが亡くなったらしい。
へぇ。
今警察から連絡があって部屋で倒れてたって。
そうなんだ。
瑞人君。
お父さんだよ君の。
だから?
(瑞人)めんどくせえな。
葬式とかやんなきゃいけないのかな?瑞人君。

(青木)君のお父さんは部屋にあった置き時計で殴られて亡くなったようなんだ。
死後数日たっていたらしいんだけど詳しいことは解剖してから…。
(瑞人)いいよ。
無理して犯人捜さなくても。
殺されて当然だから。
あんなやつ。
(内山)瑞人君はけいれん発作を起こして運ばれてきたんです。
視神経膠腫で入院後も発作を繰り返してICUと病棟を行ったり来たり。
早急なオペが必要です。
視神経膠腫。
…ってことは執刀医は?
(内山)脳神経外科の西園寺先生です。
瑞人君のオペもあの西園寺大先生か。
(内山)オペの予定はまったくたってませんけどね。
どうして?父親が反対してたんです。
お金が無いからって。
わたしたちが助成制度のこととか何度説明しても駄目で。
そんな。
オペ受けなくて大丈夫なんですか?失明の可能性も。
ううん。
命も危険です。
だけど未成年だから保護者の承諾がなければオペは無理。
瑞人君お母さんは?亡くなってます。
親戚付き合いもないらしいし。
そんなだからか本人の性格にも問題ありで。
あの子が来てからいろんなものがなくなってるんですよ。
スタッフのペンとか時計とか。

(看護師)内山先生。
お願いします。
(内山)はい。
失礼します。
(アツシ)ママ!ママ!うるせえぞアツシ。
どうした?アツシ君。
寂しくなっちゃった?そっか。
寂しくなっちゃったか。
・「輝く星に心の夢を」・「祈ればいつか叶うでしょう」・「きらきら星は不思議な力」・「あなたの夢を満たすでしょう」・「人は誰もひとり」・「悲しい夜を過ごしてる」・「星に祈れば淋しい日々を」・「光り照らしてくれるでしょう」「岡部巧君」「9月22日火曜日オペ後出血昏睡。
植物状態」「牧村瑞人君」「巧君と同室」・解剖の結果出たってさ。
グッチー。
コーヒー入れて。
自分でやってくださいよ。
瑞人君の父親が殺されたのは5日前。
月曜日の午後10時前後。
あっ。
コーヒー濃いめでね。
同じ夜犯行現場付近から不審な二人組をタクシーに乗せたっていう証言があるらしい。
「不審な」って?2人とも中学生ぐらいの少年だったってさ。
えっ。
少年の1人が具合悪そうでもう1人が慌てて言ったらしいよ。
「急いで東城医大病院まで」って。
巧君は同じ夜に容体が急変。
翌朝オペを受けてます。
まさかその2人巧君と瑞人君?
(小夜)瑞人君また警察の人に呼ばれたみたいです。
そうですか。
大変よね。
親が殺されちゃったなんて。
まああのお父さんならいろんな人に憎まれてそうだけど。
(小夜)内山先生。
(内山)だってひどい人じゃない。
今までだって瑞人君に満足に食事も与えないネグレクト状態だったんでしょ?
(小夜)それは…。
最近ろくなことがないよねここの病棟。
保護者が殺されちゃうわ手術に成功したはずの巧君は目覚めないわ。
(瑞人)何それ?
(小夜)瑞人君。
巧が目覚めないって。
何だよそれ?あの。
あのね瑞人君。
あいつは大丈夫なんじゃなかったのかよ!
(内山)まあ瑞人君。
今は巧君のことより自分の心配しないと。
こういう事情だから後見人を立ててあなたの手術の手続き始め…。
(瑞人)しない。
(内山)えっ?
(瑞人)しねえよ手術なんて。
でも君の病気はできるだけ早く…。
俺は手術なんかしない!絶対に。
(猫田)何であれほどオペを嫌がるのかしらね?瑞人君。
ちょっと相談してみましょうか。
(小夜)誰に?わたしの師匠。
(由紀)何でわたしたちまで来なきゃならないんですか?気楽にさ愚痴聞かしてくれればいいから。
(由紀)愚痴って。
病気治るんならしゃべるけど。
ねえ?
(3人)ねえー。
(小夜)アツシ君走らない。
(アツシ)ブーン!秀正君。
お菓子は1人2個までよ。
ちょっとちょっとちょっと。
いつから小児病棟になったんですか?ここ。
(真琴)子供たちの愚痴も引き受けてくれないかって猫田師長に頼まれましてね。
猫田?はい。
わたしの愛弟子です。
ああ。
藤原さんでしたか。
僕の情報を漏らしてたのは。
はい?さあみんな。
のど渇いたでしょ?口だけは軽いか。
(アツシ)うわあー!おっ。
アツシ君。
その怪獣何て名前?
(アツシ)M57星雲から来たシトロン星人であります。
強くてカッコイイのであります。
(秀正)弱えよ。
バッカスに勝てないじゃん。
えっ?バッカス?ハイパーマンバッカス。
ハイパー一族の兄弟ナンバーセブンティーン。
すごいな。
ハイパー一族って17人もいるんだ。
兄弟だけで17人。
一族はもっと多いに決まってんじゃん。
おっさんバカ?おっさん!?ホントに何にも入ってないんだねこん中。
ハイパー一族ってのはもともと地球上では2分50秒しか変身してられなかったの。
そんな中体質改善をして活動時間を延ばしたのがわれらが辺見タケシことハイパーマンバッカスなんだよな。
何でそんな知識まで?お子ちゃまからご老人まで幅広い教養がないと戦えないでしょ?じゃあ問題。
バッカスの秘密兵器ドランクスラッガーで最初にやっつけられた怪物は何だ?ゲラドラス。
弱点は耳の後ろのえら。
そこをふさがれると鼻水光線が発射できなくなるなんて常識じゃね?すげえ!好きなだけ尊敬していいから。
田口先生。
ものすごく悔しいってお顔になっちゃってますよ。
別に僕は…。
瑞人君。
ちょっと外行こうか。
ああー。
やっぱり外は気持ちいいね。
不思議だな瑞人君って。
お父さんが亡くなったって聞いても平気だったのに巧君が目覚めないって聞いたらあんなに動揺してた。
すごく心配してるように見えた。
友達なんだよね?君と巧君は。
それも特別な。
盗んだんだ。
これ巧から。
えっ?
(内山)《何してるの?これ巧君のものよね?》
(巧)《違います。
さっき瑞人君にあげたんだ。
ねえ》
(内山)《ならいいけど。
巧君。
午後の検査忘れないでね》
(巧)《困るよもらってくれないと》《僕内山先生に嘘ついたことになっちゃう》《はい》そっか。
お父さんが亡くなった夜タクシーの運転手さんが君と巧君らしい2人を東城医大まで乗せたって証言してるのは聞いた?2人で病院を抜け出したの?オペのこと頼みに行ったのかな?そのこと警察の人にはちゃんと説明した?どうせ信じねえし。
俺の話なんて。
信じるよ僕は。
あの夜何があったの?死んでた。
えっ?巧が着いたときにはもう死んでたんだ。
どういうこと?月曜日の夜見つからないように別々に病院を抜け出してアパート前で待ち合わせてた。
(瑞人)《悪い。
遅くなって》《死んでる。
瑞人の父さん死んでる》
(巧)《僕が着いたとき中からケンカする声が聞こえてきて…》《犯人見たのか?》《見た》
(瑞人)《知ってるやつ?》《誰?》《あっ!?うっ…》
(瑞人)《おいどうした?おい巧!大丈夫か?巧。
しっかりしろ!おい巧。
どうした?おい巧。
しっかりしろって》
(瑞人)そのまま病院に戻ってオペになって犯人は誰だか聞いてない。
それで君がオペを拒否してるのはなぜ?できるだけ早く治療した方がいいのは分かってるよね?俺のせいだから。
えっ?巧がああなったのは。
だから俺は手術なんて受けられない。
いや。
それは違うよ。
そうなんだよ!俺だけ治るわけにはいかねえんだよ!というわけで瑞人君は自分が巧君を連れ出したせいでこうなったと自分を責めているようです。
(猫田)そのせいでオペを拒否してるってことですか?たぶん。
(西園寺)メンタル面のケアは小児科にお任せします。
時間がないんでこれで。
話はこれからですよ西園寺先生。
フッ。
いやつまりね困る人間がいるわけですよ。
巧君に目を覚まされると。
瑞人君の父親を殺した犯人は自分の顔を見られちゃってますからね。
だからそいつは脳出血を起こさせて巧君を植物状態にした。
(猫田)んっ。
ちょっと待ってください。
そんなことができる人間って医療関係者しか…。
しかいませんよね。
医療関係者しか。
それも東城医大の。
この2つの事件つながってほしくないのにつながってきちゃうんだよな。
で…そうなるといるってことになっちゃうんですよね。
この中に。
真実を知っている人間が。

(三浦)白鳥って人むちゃくちゃですね。
ああすいません。
あの人ああ見えて悪意はないんですけど。
あっ。
いやあるか。
むしろ悪意だらけ。
まあ当たってますけどね。
白鳥さんの言ったことも。
えっ?嫌いですから僕。
西園寺先生のこと。
でも離れられない。
すごいんですよあの人。
外科医としての腕だけは。
絶対に勝てない。
あんな人に出会わなきゃよかった。
そしたら僕も自分の腕に自信を持てたでしょうから。
三浦先生。
でも患者を傷つけたりはしない。
巧君飛行機が好きで整備士になりたいんです。
いつか自分の整備した飛行機に叔母さんたちを乗せたいって。
この子たちの未来を奪うなんてできるわけがない。
(西園寺)本気か?誰かが口封じに脳出血を起こさせたなんて。
殺さずに植物状態にして口封じできる人間なんてホント言うと西園寺先生あなたしか思い浮かばないんですけどね。
オペは完ぺきだった。
だとしたら巧君が攻撃されたのはICUでの20時間の間ってことになる。
(西園寺)ICUは常に10人以上のスタッフが24時間体制で働いてる。
その目を盗んで危害を加えるなんて不可能だ。
ICUのスタッフが全員ぐるだったら?ふざけてんのか?フフッ。
ICUにもどっか死角があるんじゃないかな?あり得ないね。
じゃあ何で血腫ができたんですかね?さあな。
あなたは巧君が不運なだけだって言った。
でも殺人事件の犯人を目撃した少年がその直後に植物状態に陥るなんてこれ運命というには出来過ぎてませんかね?犯人にとって都合よく。
運命か?過失か?それとも犯罪かな?誰かがICUでの20時間の間に巧君の脳を傷つけた。
これが一番納得できる説明だと思いませんか?西園寺先生。

(小夜)みんな!巧君がICUから戻ってきたよ。
(秀正・アツシ)えっ?やった!やった!わーい!行こう。
巧君きっと会いたがってるよ。
(三浦)脳に刺激を与えるといいんだ。
話し掛けてみて。
友達の声なら目を覚ますかも?ねっ。
(アツシ)巧兄ちゃん。
アツシであります。
(秀正)聞いてよ。
アツシのやつ昨日おねしょしたの。
(アツシ)してないであります。
(秀正)してたじゃん。
(アツシ)した。
してないしてないしてない…。
(秀正)今したって言ったじゃん。
(アツシ)してないしてない…。
(秀正)してたしてた。
(アツシ)絶対してないよ!
(秀正)絶対してた!
(アツシ)してない!
(秀正)してたじゃん。
(アツシ)そっちだってしてた…。
(秀正)自分だってしてたじゃん。
(アツシ)してないってば!
(秀正)あっ!巧兄ちゃんいた。
(アツシ)いたいた!
(秀正)巧兄ちゃん聞こえる?
(アツシ)ねえ?巧兄ちゃん。
(アツシ)今日も全然聞こえてないであります。
僕らの声。
まだ分からないよ。
脳は未知の領域だから巧君が良くなる可能性はまだいくらでも。
これ巧君からもらったものだよね?何で返したの?
(瑞人)俺にはもらう資格なんかないから。
(小夜)・「輝く星に心の夢を」・「祈ればいつか叶うでしょう」・「きらきら星は不思議な力」・「あなたの夢を満たすでしょう」巧君?田口先生。
見てください巧君が。
泣いてる。
fMRIは脳内の酸素の代謝を視覚化するもので巧君の脳に機能している部分があれば赤や黄色で示されるはずだ。
(技師)今のところ酸素代謝はほとんどなしですね。
意識がありませんからね。
でも泣いたんです。
小夜さんの歌で。
巧君の脳は生きてる。
意識は残ってるってことじゃないんですか?反射作用で涙が出ることもありますから。
もう一度歌っていただけませんか?・「輝く星に心の夢を」・「祈ればいつか叶うでしょう」・「きらきら星は不思議な力」これは…。
赤くなってる。
どういうことですか?生きてるんだ。
巧君の脳はちゃんと生きてる。
小夜さんの歌声を聞いて反応してるんです。
ロックトインシンドロームか。
ええ。
脳幹部の血腫のせいで全身はまひしているが意識は保たれてる。
動かない体に閉じ込められた意識という意味でロックトイン。
閉じ込め症候群と呼ばれる極めてまれな症例だよ。
(西園寺)スタンバイ。
(看護師)はい。
お願いします。
(西園寺)腫瘍鑷子。
(看護師)はい。
(西園寺)巧君ロックトインだって?
(三浦)はい。
(西園寺)そうか。
生きていたのか。
あの子の脳は。
ロックトインシンドロームは通常目だけは動かせる場合が多いんです。
まばたきだけで意思の疎通を図り本を1冊書いた人もいるそうです。
(貴美子)巧聞こえる?目開けられる?まだ意識が混濁してるんでしょうね。
でも状態が安定すればまばたきで会話できるようになるかもしれません。
そうなれば殺人事件の犯人も巧君の身に何が起こったのかも全部分かるかもしれない。
失礼します。
西園寺先生。
(西園寺)もう一度オペさせていただけませんか?
(貴美子)はっ?
(西園寺)血腫を取り除くんです。
取り除くって?できるんですか?そんなこと。
(西園寺)血腫は脳幹部という生命維持をつかさどる重要な部分にある。
そこを傷つけずに血腫を取り除くのは至難の業だ。
危険を冒して取り除いても脳の大半が死んでいれば意識は戻らない。
だから最初からあきらめていた。
でもそうじゃなかった。
ああ。
彼の意識は閉じ込められているだけだった。
血腫を取り除けばロック状態を外せるかもしれない。
(貴美子)三浦先生。
先生のご意見は?
(三浦)とても危険なオペだとしか。
(西園寺)それでもトライするだけの価値は…。
(貴美子)お断りします。
血腫ができた原因はまだ分からないんですよね?
(西園寺)ええ。
(貴美子)それが分からないかぎり西園寺先生。
あなたを信頼できません。
危険なオペならなおさらです。
巧はほかの病院に移してほかの先生に手術していただきます。
(西園寺)フフッ。
(貴美子)何がおかしいんですか?
(西園寺)別に。
ただいないと思いますよ。
このオペを引き受ける医者なんて。
脳幹部はわれわれ脳外科医にとって神の領域。
生命維持に直接かかわる場所ですから。
あえてそこにトライする医者なんていませんよ。
わたし以外は誰もね。
巧君おはよう。
僕の言葉分かる?もし分かるならまばたきしてみてくれない?
(青木)瑞人君のお父さんにこれを届けられたのは内山先生あなたですよね?
(内山)これが何か?
(青木)亡くなった牧村さんの部屋からこの書類が。
冷たいこと言ってたけど瑞人君のためにちゃんとやることやってたんじゃない。
うん?
(青木)牧村さんを訪ねたのはいつのことでしたか?そんなふうに黙ってると警察の人に疑われちゃいますよ。
答えた方がいいんじゃない。
瑞人君のお父さんの所に行ったのはいつだったのか。
知りません。
はい?苦手だから。
瑞人君のお父さんみたいなタイプ。
わたし忙しいし。
だから代わりに行ってもらったんです。
誰に?ナースの浜田小夜さんです。
今日はいい天気だよ。
奇麗な青空。
僕の言ってること分かるかな?見ました?見ましたよね?はい。
巧君。
わたしが誰か分かる?じゃあもしイエスなら1回。
ノーなら2回まばたきをしてみて。
この人は主治医の内山先生かな?じゃあ小夜さん?ハハッ。
田口先生!ホントに分かってるんですよ。
巧君。
よかった。
巧君本当によかった。
うん。
白鳥さん。
巧君今まばたきで。
浜田さん。
瑞人君のお父さんを1人で訪問したってホント?オペの同意書を届けたのは小夜ちゃんだったんだってね。
(猫田)浜田さん。
牧村さんを訪ねたのはいつのこと?月曜日夜勤明けで。
家に寄ったのはお昼ぐらいでした。
牧村さんが殺されたのはその日の夜だよね。
(青木)月曜の昼ごろ牧村さんの隣の部屋の人が女性の悲鳴を聞いたそうです。
浜田さん。
何があったの?
(小夜)《お願いします。
すぐにオペしないと大変なことに》
(小夜)《嫌ーっ!》
(牧村)《おとなしくしてろ!》《嫌っ!あーっ!嫌っ!》
(牧村)《ああ!?うっ!うう…》ただそれだけです。
それだけでじゅうぶん腹立つよね。
だから夜になったらもう一度行って時計でがーんとやっちゃいましたか。
白鳥さん!それを巧君に見られたから彼が目を覚まさないように何か細工した?違います!じゃあ事件のあった夜どこで何をしてましたか?家にいました。
それを証明してくれる人は?いません。
一人暮らしですから。
うーん。
巧君。
君は瑞人君のお父さんを殺した人を見たんだよね?それは小夜さんなの?じゃあ誰?東城医大の人?巧君は小夜ちゃんをかばってるのかもしれないね。
でも小夜さんは違うってちゃんとまばたきで。
病気の子供だって嘘をつきたくなるときあるんじゃないの。
まあ小夜ちゃん子供たちに人気あるからね。
そんな。
じゃあほかに誰かいるかね?巧君がかばおうとする相手なんて。
アリバイは証明されてない。
動機だってある。
今のところ彼女は殺人事件の第一容疑者だ。
彼女だったらICUに自由に出入りできるしほかのスタッフの目を盗んで何かすることも可能かもしれない。
いや。
小夜さんあんなに喜んでたんですよ。
巧君がまばたきで答えてくれたとき。
あれ?グッチー小夜ちゃんのことかばうんだね。
いや。
僕はただ…。
(周蔵)おっ!白鳥さん。
久しぶりじゃないの。
おおおじいちゃん。
意外だな。
まだ生きてたんだ。
(茜)ご飯できたよ。
(翠)白鳥さんこっちこっち。
(茜)お兄ちゃんも早く。
(周蔵)おお!肉だ肉!いやあ白鳥さんいつも悪いね。
じいちゃん!肉ぐらいではしゃぐなよ!
(翠)白鳥さんのお箸と茶わんちゃんと取っといたんですよ。
うわっ。
うれしいな。
ありがとう。
捨てろ!そんなもん。
(茜)白鳥さんが来なくなってお兄ちゃんさみしがってたんですよ。
やっぱりねー。
嘘を言うな!嘘を。
お兄ちゃんの人生特別さみしいからね。
(笑い声)焼け!早く焼け!食べよ食べよっ!巧君。
これ見える?まず僕が「あかさたな」って指さしていくからストップしたいときにまばたきをして。
例えばさ行ならここでまばたき。
次にここから下にゆっくり「さしすせそ」っていくからまたストップしたいときにまばたき。
分かる?これで君が伝えたい言葉が分かる。
ホントはあの夜誰を見たのか教えてほしいんだけど。
分かった。
それは聞かない。
君が言いたい言葉を考えて。
ゆっくりやってみよう。
言いたい言葉考えた?じゃあいくよ。
ま行か。
うん。
じゃあ今度は下に進むね。
(西園寺)巧君の検査予定入れといてくれ。
(三浦)えっ?ですが。
どうせオペはうちですることになる。
あの子を救えるのはわたしだけだ。
ホントに救おうとしてんのかな?逆に今度こそ完ぺきに口封じしようとしてたりして。
…って疑われても無理ないですよね。
今や巧君はその気になればいつでも犯人の名前を伝えられるんだから。
興味ないね。
殺人事件の犯人なんて。
オペはさせないよ。
巧君がロックトインになった原因が分からないかぎりあんたにオペをさせるわけにはいかない。
どんな手を使ってでも阻止してみせるから。
「め」「みすとこめ」・
(ドアの開く音)ああ。
こんにちは。
(貴美子)巧と会話を?はい。
疲れないようにやっていけば。
(貴美子)ハァー。
岡部さん?西園寺先生の言ってたとおりでした。
巧の手術を引き受けてくれる病院はどこにもありません。
「そんな危険なオペ常識では考えられない」って。

(三浦)今日はこれ持ってきたよ。
分かる?
(三浦)ほら。
これ巧君が好きって言ってた飛行機だろ。
こっちがね最新鋭のジャンボジェットだって。
見える?頑張ろうな。
きっと良くなるから。
ねえ?巧君。
君がかばってるのは小夜さんなのかな?ノーか。
でも君が誰を見たのか言ってくれないと小夜さんはどんどん苦しい立場になってくよ。
君がかばうってことは相手はきっといい人なんだよね。
でもいい人なら余計にその人は今苦しんでるんじゃないかな。
悪いことをしてそれを隠し続けるのってすごくつらいことだから。
君がかばい続けることでその人は余計に苦しんでるかもしれない。
教えて。
あの夜君は誰を見たの?
(西園寺)牧村瑞人。
この子はいつになったらオペできるんだ?すいません。
オペの同意がまだ。

(ノック)ああいたいた。
(西園寺)また君らか。
忙しいんだ。
付き合ってる暇ない。
巧君がようやく教えてくれたみたいですよ。
瑞人君の父親が殺された夜誰を見たのかを。
巧君が小夜さん以外にかばいたくなる人って誰なんだろうって考えてみたんです。
小児科のほかのナースには全員アリバイがありました。
主治医の内山先生も人と会っていた。
西園寺先生は巧君とはほとんど面識ありませんよね?ああ。
でも三浦先生はオペ前から巧君と何度も会ってたんですよね?小児病棟に何度も足を運んで巧君の将来の夢まで知っていた。
そして巧君も三浦先生のことを慕っていた。
ハァ。
そっか。
巧君伝えたんですね僕の名前。
そうですか。
それぐらい巧君の意識がはっきり戻ったってことですよね。
よかった。
三浦先生。
どうして瑞人君のお父さんを?
(三浦)最低の父親ですよあいつは。
いつまでたってもオペに同意しない。
小夜ちゃんじゃ話にならないっていうから僕が行ったんです。
(牧村)《手術なんか必要ねえ》
(三浦)《分かってるんですか?このままだと瑞人君は…》《いっそこのまま俺も瑞人も死んだ方が楽かもな》《何てこと言うんですか!》《瑞人君はあなたしか頼る人いないんですよ!》《説教はやめてくんねえか》《保護責任者遺棄罪で訴えますよ》《生意気なこと言ってんじゃねえ!》
(三浦)《うわあっ!うっ…》
(牧村)《おらー!何さまだお前!おい!ふざけんなおら!》
(三浦)《あっ…》《訴えるだと?こら。
そっちがその気ならなてめえなんか二度と歩けねえようにしてやるよ。
おい!》
(三浦)《ああっああっ…》《怖いか?おい怖いか?おい。
怖いか?おい》
(三浦)《あっ…あっ…》
(牧村)《死ねー!》
(三浦)《うわー!》
(三浦)《うっ…》
(三浦)僕は患者を救いたかっただけなんだ。
脳出血もあなたが?違う。
口封じのためにあんたがやったんじゃないの?三浦先生。
違う!ほかにいないんだけどね。
信じてくれ田口先生。
僕は患者を傷つけたりしない。
本当です。
脳出血を起こさせたのは僕じゃない。
本気で巧君を救いたいなら全部認めなよ。
真実が分かれば巧君の叔母さんたちだって西園寺先生にオペを頼む気になるかもしれない。
巧君を傷つけたのは三浦先生あなたですか?いいえ僕じゃない。

(ドアの開く音)僕は患者を傷つけたりしない!
(青木)さあ三浦さん。
巧君には何もしてない!
(青木)三浦さん。
本当です!三浦先生嘘は言ってないと思います。
グッチーの勘を信じると巧君を傷つけたのは別の誰かってことになるね。
ええ。
殺人事件と巧君の事件は別物。
殺人の方は解決したけど巧君の件は振り出しに戻ったってことですね。
(秀正)巧兄ちゃん。
(アツシ)巧兄ちゃん。
(アツシ)あかさたな。
はまやらわ。
ちゃんと聞いて。
あかさたな。
巧君。
瑞人君とも話したいと思うけどな。
(アツシ)はまやらわ。
アツシ君。
あれ?今上にいたよね?シトロン星人は瞬間移動ができるのであります。
はい忘れ物。
あっ。
ありがとう。
巧兄ちゃんの所に戻るであります。
小児科病棟って何か特別な絆みたいなものが生まれるのかもしれません。
学校の友達とは全然違うっていうか。
(真琴)みんな重い病気を抱えている子たちですからね。
痛みみたいなものを分かち合えるっていうか。
巧君が元気にならないかぎり瑞人君もオペを拒み続ける気がします。
でも巧君のオペができるのは西園寺先生しかいない。
でも巧君の血腫の原因が分からないかぎりその西園寺先生もオペはできないでしょうね。
ええ。
巧君の脳に何が起こったのかそれを解明しないことには巧君も瑞人君も救えない。
うーん。
しょうがない。
合コンといきますか。
合コン?やりたくないんですけどね。
グッチーも来る?ああいえ。
僕は僕でもう一度あの日を調べ直してみます。
ふーん。
(看護師)看護記録ですか?ええ。
岡部巧君の記録を拝見したいんです。
(看護師)何度も言いますが異常の記録は何も…。
分かってます。
ですが自分の目で確かめたいんです。
(一同)乾杯!もう飲んじゃって飲んじゃって。
癒やされちゃって解放されちゃって。
だって大変だもんねICUは24時間気を抜けないから。
(看護師)そうなんですよ。
小さなミス一つでも即命にかかわりますからね。
だよねだよね。
あっそういえばさ先週の火曜日ICUで何かあった?先週の火曜って…。
あっ。
巧君のオペがあった日ですか?そうそう。
その日。
(看護師)ああ。
あの日の夜は色々大変だったからね。
ふーん。
(看護師)急患が多くて1人は重い脳挫傷だったし。
(看護師)その上心電図が誤作動しちゃって。
ふーん。
で…西園寺先生はその夜ICUに来た?もちろん西園寺先生も三浦先生もいらっしゃいましたよ。
あの。
小児科の小夜ちゃんは?
(看護師)いました。
あっ。
そういえばあの日巧君のアラームも鳴ったんだよね。
(看護師)うん。
えっ?
(三浦)《呼吸も問題ありません》
(西園寺)《バイタルもう一度測定して》
(看護師)《はい》
(呼吸器のアラーム音)《わたしが行きます》
(三浦)《巧君だよね?何かあったらすぐ呼んで》《はい》
(看護師)結局巧君のアラームも誤作動だったって。
ハハッ。
あっそう。
誤作動だったんだ。
ハハ…。
火曜夜。
巧君の状態に変化なし。
この看護記録は小夜さんが?
(看護師)うちでは小児科の患者さんは病棟と兼任することになっていますから。
もうよろしいですか?これお願い。
(看護師)はい。
あっ。
ほかに巧君の状態を常にチェックしていた人は?いません。
状態が安定していましたから。
看護記録は異常なし。
記載者は小夜さんでした。
あの夜ICUで心電図の誤作動があったらしい。
もしかするとそれは誰かがわざとやったことかもしれない。
周りを混乱させるためだよ。
そんな中巧君のアラームも鳴った。
でもスタッフはみんなそれも誤作動だと思い込んだ。
でも巧君のアラームだけは本物だった。
そのとき巧君の脳の中で何か出血が起きるようなトラブルがあったんだ。
白鳥さん。
ICUのモニターの記録データ室に行けば見れると思うんですけど。
よし。
行こうかグッチー。
おおっ西園寺先生。
データ室に何か用?別に。
これですね。
ああ。
先を越されちゃったみたいだね西園寺先生に。
あの日のデータだけがなくなってる。
ハァー。
でもちょっと見えてきたよねグッチー。
だから地球防衛軍の設立母体は第三セクターの産業再生機構なんだよ。
つまりタケシ隊員が地球防衛軍をリストラされたのもまあぶっちゃけ予算の問題?税金はちゃんと納めましょうというメッセージだな。
うん。
(真琴)どうしたの?ぼーっとしちゃって。
ああ…いえ。
じゃあ後でみんなを迎えに来ます。
(アツシ)白鳥さん。
僕絵を描いたであります。
ああ。
おお結構上手じゃん。
ああ。
ハハハ。
あれ?ちょっと待てよアツシ。
これ。
何だこれ?シトロン星人であります。
いやシトロン星人は分かってるんだよ。
それよりここどこだ?白鳥さん?この部屋。
シトロン星人とお前はどこにいるんだ?
(西園寺)ちょっと来い。
(西園寺)これは何だ?血圧がほんの一瞬上昇している。
これはあのアラームのときか?
(呼吸器のアラーム音)《わたしが行きます》
(三浦)《巧君だよね?何かあったらすぐ呼んで》《はい》
(西園寺)なぜ看護記録にこの記載がない?あのとき巧君に何が起きたんだ?答えろ!わたしのミスです。
わたしが巧君の呼吸器を誤って操作してしまいました。
ほんの一瞬ですが酸素が減って低酸素状態に。
それで血圧が上がったんだと思います。
それはおかしいよね?それはおかしいよね?小夜ちゃんがそんなイージーミスするわけないでしょ。
ホントは何があったんですか?あの夜は色々重なって混乱してて。
そのせいで考えられないミスを…。
申し訳ありませんでした。
あなたは嘘をついてる。
ホントは知ってるんですよね?あの夜なぜアラームの誤作動が続いたのか。
知りません!誰がそれを起こしたのか。
知らないって言ってるじゃない。
(西園寺)どういうことだ?ICUで巧君に危害を加えることができるとしたらあの空間を熟知した人間しかいない。
だから医療スタッフしか疑わなかった。
でもね西園寺先生。
ああいや…。
ホントに申し訳ありませんでした。
でもいたんですほかにも。
ICUの中をよく知っている人間が。
アツシっていうちっちゃいのがいるでしょう小夜ちゃん。
あいつあの年にしちゃあ絵がうまいよね。
《これICUだよね?この「ひみつのドア」ってスタッフだけが使う奥のドアのこと?》《「ひみつのドア」教えてもらったであります》《誰に?》長く病院にいる子たちは院内の造りに詳しい。
エレベーターで降りた僕を先回りする方法も知ってました。
《アツシ君!?あれ?今上にいたよね?》《シトロン星人は瞬間移動ができるのであります》ICUに何度も運びこまれたことがある患者ならスタッフしか知らない裏口も知ってる。
誤作動を起こせばスタッフの目をごまかせることも。
どうやれば人工呼吸器を操作できるかも。
(小夜)違います!わたしがミスしたんです。

(瑞人)もういいよ。
(小夜)瑞人君…。
彼も重要な関係者みたいなんで来てもらいました。
瑞人君はけいれん発作を起こして何度もICUに運ばれた。
瑞人君何があったのか話してくれる?駄目よ瑞人君。
小夜さん!瑞人君はまだ子供だけど。
でもかばうだけじゃ救えません。
(小夜)あなたに何が分かるのよ。
現に瑞人君は苦しんでるじゃないですか!巧君がああなって瑞人君が一番苦しんでる。
だから自分のオペも拒否してる。
頼まれたんだ。
巧に。
殺してくれって。
小夜さんが1人で親父に会った日俺心配でこっそりついていったんだ。

(小夜)《駄目よやめなさい!帰ろう。
ねえ行こう。
瑞人君。
行こう》
(瑞人)でも親父のことが許せなくて。
《殺してやる》
(巧)《本気?》
(瑞人)《止めても無駄だぞ。
あんな親…》《手伝うよ》
(瑞人)《えっ?》《一緒に殺してあげる。
1人より2人の方が確実でしょ》《その代わり頼みがあるんだ》
(瑞人)《何?》《僕を殺してくれない?》あいつ体弱くて叔母さんたちに心配ばっかかけてきたからこれ以上迷惑掛けるの嫌だって。
みんな隠してたけど自分の病気が脳腫瘍だって知ってた。
もし手術に失敗したら100%の成功じゃなかったって分かったら…。
殺してほしいって。
ちょっと待て。
巧君のオペは…。
(瑞人)だから俺のせいなんだって!あの日三浦先生たちが話してたんだ。
(医師)《オペは無駄だったな。
あの子意識戻らないよ》
(瑞人)それで巧と練った計画を実行に移した。
(看護師)《37歳男性。
交通外傷肝破裂です。
その他変わりはありません…》
(瑞人)スタッフが交代する時間はだいたい分かってた。
心電図を誤作動させればみんなの注意を引き付けられることも。
(看護師)《何でしょうか?》
(看護師)《呼吸は正常よね。
こっちの心電図もおかしいわ》
(瑞人)でも呼吸器止めただけでアラームが鳴りだすのは知らなくて…。
(呼吸器のアラーム音)
(小夜)《瑞人君何してるの?》
(呼吸器のアラーム音)《よかった。
血圧も元に戻った。
もう大丈夫》《でも意識戻らないんだろ?》
(小夜)《えっ?》《巧の手術無駄だったって》《誰がそんなこと?違うよ。
巧君のオペは成功したの》
(瑞人)俺が聞いた話はその日運びこまれた別の患者のことだったって後から知った。
小夜さんには全部話した。
《いい?今夜ここであったことは誰にもしゃべっちゃ駄目》《全部わたしたちだけの秘密にするの》《大丈夫。
巧君も朝になればきっと目覚めるから》でも目覚めなかった。
オペは成功してたのに俺のせいで…。
だから俺だけ治るわけにはいかない!手術なんて受けられない。
巧君君のこと怒ってないと思う。
何でそんな…。
自分に何が起きたのか全部知ってるんじゃないかな。
その上で巧君は君に伝えたかったんだ。
ようやく分かったんだ。
巧君がまばたきで伝えたかった最初の言葉はきっとこれなんだ。
「みずとごめん」あんなこと頼んでごめんって…。
何で?何で巧が謝るんだよ!俺が間違えたのに。
俺が悪いのに!だから君がそんなふうに自分を責めるのがきっとつらくてたまらないんだよ巧君は。
バカだよ。
バカだよあいつ。
(瑞人の泣き声)
(貴美子)ホントなの?巧。
何でそんなこと…。
迷惑なわけないじゃないの。
先生。
巧を助けていただけますか。
君はどうなんだ?とても危険なオペだ。
だから君が決めろ。
オペ受けるか?じゃあいくよ。
「う」「け」「ま」「す」「オペ受けます」ってことだね?分かった。
「た…か…ら…」?「だから」?
(巧)《だから瑞人も受けろ》巧君からの伝言だよ。

(猫田)巧君すごいです。
あの瑞人君をたった一言で説得しちゃいました。
じゃあ…。
はい。
おかげさまで2人ともオペが決まりました。
そう。
よかったわね小夜さん。
はい。
ありがとうございました。

(西園寺)じゃ始めようか。
(看護師・医師)はい。
(西園寺)メス。
(看護師)はい。
(西園寺)剥離子。
(看護師)はい。
(西園寺)モニター確認して。
(医師)異常ありません。
(西園寺)OK。
マイクロ鑷子。
(看護師)はい。

(西園寺)フゥー。
(麻酔医)麻酔をオフにします。
(西園寺)巧君。
巧君聞こえるかな。
巧君目を覚まして。
巧君…。
巧君。
(西園寺)巧君。
巧君。
(西園寺)よしいいぞ!
(西園寺)じゃちょっと手動かしてみようか。
できるかな?
(西園寺)ゆっくりでいいから指1本出してみて。
ああ…。
ハァ。
(西園寺)よしいいぞ。
今度は開いて。
(西園寺)OK。
握って。
(西園寺)よし!もう大丈夫だ。
・『守りたいもの』瑞人これ超限定商品なんだよ。
いや。
でもそれ俺にくれたんじゃないの?いいよあげる!ありがとう。
(巧)フフッ。

その後病院の内部調査の結果小夜さんは責任を問われ自ら病院を去った
瑞人君は治療の後家裁で審判されることとなった
(真琴)今日はミルクとお砂糖たっぷり入れときましたよ。
ありがとうございます。
よかったですね。
2人ともオペが成功して。
ええ。
あのうるさい人も厚労省に帰ってくれたし。
ああー。
何かしら?「東城医大救命救急では不正が行われている」・もしもし。
ああグッチー。
元気?白鳥さん!?さっき何か変な投書受け取っちゃってさ。
東城医大の救命救急がどうしたとか書いてあったよ。
あっ大丈夫です。
東城内部で解決しますんで。
あっくれぐれも戻ってこなくていいですから。
フフッ。
えーっ。
んなこと言っても遅いよ。
だってもう来ちゃったもーん。
あっ…。
勘弁してくれ。
ハァー。
2014/04/19(土) 09:55〜11:45
関西テレビ1
チーム・バチスタ第2弾 ナイチンゲールの沈黙[再][字]【『ケルベロスの肖像』公開記念】

田口&白鳥コンビが復活!殺人を目撃した少年が謎の植物状態に…天才脳外科医の医療ミスか犯罪か!?脳に閉じ込められた殺人の真相…カギは美人看護師の歌声に!?

詳細情報
番組内容
異色の医療ミステリーとして大好評を博した連続ドラマ「チーム・バチスタの栄光」の田口&白鳥シリーズ第2弾となるスペシャルドラマ。
バチスタ事件から9か月。東城医大病院では、脳腫瘍の除去手術を受けた少年・巧(中島健人)が、原因不明の植物状態に陥った。しかし、執刀した天才脳外科医・西園寺(遠藤憲一)や助手の三浦(袴田吉彦)らは手術は成功したと断言。
番組内容2
原因究明のため、心療内科医の田口(伊藤淳史)は、病院長から今回も厚生労働省の白鳥(仲村トオル)と共に調査をするよう命じられる。
しかし、巧のいた小児病棟の担当看護師・小夜(山田優)らに聞き取り調査を始めた矢先、新たな事件が起きてしまう。巧と同じ病室の少年・瑞人(高田翔)の父親が何者かに殺害されたのだ。
番組内容3
巧はなぜ植物状態に陥ったのか?
瑞人の父親を殺したのは誰なのか?
2つの事件のつながりと驚くべき真相とは?
出演者
伊藤淳史 
仲村トオル 
山田優 
中島健人 
高田翔(ジャニーズJr.) 
袴田吉彦 
小沢真珠 
名取裕子 
林隆三 
遠藤憲一
原作・脚本
【原作】
「ナイチンゲールの沈黙」海堂尊 著/宝島社刊

【脚本】
後藤法子
監督・演出
【演出】
今井和久
音楽
羽岡佳 
妹尾武

【主題歌】
青山テルマ「守りたいもの」(ユニバーサルJ)

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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