東北発☆未来塾「映像のチカラ ドキュメンタリー編 心の壁と向き合う」 2014.04.19

(生徒たち)おはようございます!
(是枝)おはようございます。
たまには最初俺に言わせて。
言いたいの?どうぞどうぞ。
「東北発☆未来塾」特攻隊長のサンドウィッチマンです。
応援団長ですよ。
よろしく!柄が悪いな。
4月の未来塾は「映像のチカラ」がテーマです。
映画監督の是枝裕和さんが福島の高校生に映像作りを教えます。
(富澤)この子たちは震災が起きた年に高校に入学したんだよね。
そうなんですよね。
まもなく卒業という事で震災への思いを映像に託したいっていう事なんですね。
今回登場するこちらの生徒はドキュメンタリーに挑みます。
誰撮るんだろ。
まさか俺?何でお前撮るんだ。
撮りませんあなたは。
お友達ですよ。
でも彼女には取材での悩みがあるんです。
彼女の取材は是枝さんのアドバイスで大きく変わっていきます。
どう変わるの?続きは後ほど。
「未来塾」始まるよ!よかった来れて。
そっか。
「東北発☆未来塾」。
今年2月是枝さんが訪ねたのは福島県立相馬高校です。
部活動の一つ放送局に所属する3年生が映像作りに挑みました。
根本李安奈さん。
もともと太鼓部に所属していましたが2年前からカメラに興味を持ち始め放送局に入部しました。
(太鼓の音)根本さんは原発事故の影響で今も避難生活を送っています。
震災をテーマにドキュメンタリーを作るのは今回が初めて。
卒業を前に友人があの震災をどうとらえているのか聞きたいと考えています。
(根本)やっぱ卒業してバラバラの環境に行って…。
根本さんは制作途中の映像を是枝さんに見てもらいました。
「友達とかに『あの時どうだったの?』って簡単に聞けないから。
それが何か友達との間に壁があるみたいでうちは嫌だった」。
根本さんは震災で友達同士の間に生まれた「心の壁」を描こうとしています。
でもナーバスな問題とあって取材の壁に直面していました。
(根本)ここまでです。
ふだん会話で聞かないようなあえて触れないような事をインタビューするって事がその本人たちに思い出させたりとか…。
それってどうなんですかね。
非常に本質的な質問で思い出したくない事を思い出させてしまう道具でもあるからね。
方法でもあるからね。
インタビューってね。
カメラってこうやって撮られてみると分かるけど非常に暴力的でしょう。
カメラを向ける行為自体は。
言葉っていうものはコミュニケーションの道具として人を傷つけもするし理解し合う道具にもなるっていうのと同じようにカメラっていう道具もそういう両面を持ってると思うんですよ。
で「暴力的だから駄目だ」って否定する人たちもいるけれども傷つける事が目的でインタビューする訳じゃないじゃない。
その先に撮ろうとしている人たちが何を見据えているかっていう事が大事だ思うんですよね。
ありがとうございます。
これまで根本さんは震災の時何を体験したか友人に話してきませんでした。
福島第一原発から20キロ圏内にある南相馬市小高区。
根本さんが暮らしていたこの地区は震災後立ち入りが制限され今も津波の傷跡が残ったままです。
現在日中の立ち入りは認められていますがまだ住む事はできません。
時々祖父母と一緒に自宅の掃除に通っています。
これとか取ってあります。
根本さんは中学校の卒業式を終えた直後に震災に遭い避難しました。
中学生までのアルバムはまだ自宅の部屋に残してあります。
少年野球に入ってたの?
(根本)そうです。
女子一人です。
何でかっていうと何で…。
何で笑ってるの?笑ってないと泣きそうなので。
いやいや泣きませんよ。
自分にもつらい経験があるからこそ友人に震災の事を聞けない。
それでも撮影しようと考えたのはある友人の何気ないひと言がきっかけでした。
でもいざ取材を始めると…。
聞くのが怖いぐらいな人のほうがいいと思いますよドキュメンタリーは。
相手に何かを聞く事が怖くない人間はこんな仕事しちゃいけないと思いますよ。
いますよそういうディレクターもね。
ズカズカと入っていく事だけがいい取材ではないので。
それはねテクニックではなくてねあなたが持っている友人との距離感とかそういうものが確実に取材の距離感に反映されるからいやおうなく。
ここに居ないカメラマンの話ばかりしてもあれなんだけどその山崎さんっていうカメラマンはさシンポジウムで質問されて「なかなか相手が心を開いてくれなくてカメラを向けられない撮れないんだけどどうしたらいいですか?」って質問されたら「君がね魅力的になったら大丈夫だよ」って。
「ああこの人なら撮られてもいいなって君が思われるような人間になればいいんだ」って言って。
すごい事言うなって思ったけど。
でもねそういう事はねあるね。
この人にだったらしゃべってもいいなとか思ってもらえるかどうかなんですよね。
基本的にはね。
「映像のチカラ」ゴールデンルール。
友人の心の壁に触れられないという根本さんに是枝さんは視野を広げるようアドバイスしました。
見えない壁といった時にさ多分被災地とそうじゃない人たちとの壁もあるだろうし隔たりと言ってもいいかもしれないけどだからどういう壁が私たちの間に存在するのか。
そういうチャプターにする必要はないけども取材をしてる時に1つ目の壁はこれだな。
2つ目の壁はこれだなっていうのを自分の中で組み立ててみるといいかもしれない。
そのほうがここで暮らしている人たちが抱え込んでいる抱え込まされている状況の複雑さというものが見えてくるんじゃないですか。
根本さんは身の回りにある壁を思いつくかぎり書き出します。
戻るか戻らないか。
いっぱいあるな〜。
でもこれらをどう作品にまとめていくんでしょうか。
どのタイミングとか。
分からない事もあるよ。
そんなにゴールの形ゴールの切り方を想像しながら今インタビューする事はないと思うよ。
今はとにかくインタビューをしてああなるほどって知らなかった事をたくさん知っていくっていう作業だから取材って。
答えはなくて当たり前なんですよ。
答えがあるんだったらだってしゃべればいいんだもん。
別に撮る必要ないんだもん。
それはだから何だろうな。
こういう瞬間がねああそういう事だったんだっていう瞬間がもしかすると来るかもしれない。
で来たらそこに至るまでの自分の内的な変化。
最初に思った疑問からその手を打つまでのプロセスをベースにして構成を作るっていうのがいいと思うんだよね。
今はとにかく取材するだけ!根本さんは友人以外にもカメラを向けました。
ここは原発事故が生んだ壁。
立ち入りが制限された区域との境界線です。
更に友人の取材には一工夫。
相手をより深く知るため思い出の場所でインタビューする事にしました。
この日は太鼓部に所属していたころからの知り合い佐藤さんを取材しました。
代え難い?何事にも代え難い?訪れたのは佐藤さんが3年前までよく遊びにきていた地元の海水浴場です。
津波で多くの命が奪われた南相馬市の沿岸部。
震災後はなかなか近づく事ができませんでした。
でも今回佐藤さんはあえてこの場所で取材してほしいと希望しました。
何で?何で来なきゃいけないって?だって地元の海だよ。
いっぱい…。
思い出だし。
来るのはさ勇気いる?そりゃね。
行っていいかなって。
思うか。
信頼する相手とだから来る事ができた場所。
そこは生活していくうえ生きて行くうえでは必要だった壁なのかなと思って。
壁は全て壊れるのが正解ではなくて必要なものもあるのかな。
彼女はこのあとも他の友人たちへの取材を続けたみたいですよ。
少しずつ友人の心の壁と向き合ってるんだね。
すごいな〜。
すごい作品ができそうですね。
期待しましょう。
続いては未来への芽。
(富澤)東北を応援する若者の活動報告です。
宮城県栗原市出身の高橋将です。
今日はみんなの思いで東北の空を照らす「あかりプロジェクト」を紹介します。
(高橋)
こちらは宮城県七が浜町菖蒲田海岸。
みんなが作っているのは「スカイランタン」という熱気球。
プロジェクトの発起メンバーの一人白鳥歩美さん。
津波で親友のあかりさんを亡くしました
どうしてもやっぱり受け入れきれない部分があってでももし彼女が本当にいなくなってしまったのであれば彼女のために何かしたい。
本当にそれだけだったんですけど。
そんなあかりさんへの気持ちを届けようと仲間が集まってこのプロジェクトを始めました。
SNSを通じて呼びかけたところ全国から多くの人が集まりました
僕も震災で友人が亡くなったので今回ランタンを飛ばせたらなと思って…。
参加者はそれぞれの思いを乗せてスカイランタンを飛ばします
あっ!やった!
この日はたくさんのスカイランタンが夜空に浮かびました
重かった心も一緒に飛んでいくっていうか…。
いつまでも友達なんだよっていう思いも届けられたんじゃないかなっていうふうに思ってます。
Dialogue:0,0:12014/04/19(土) 11:20〜11:40
NHKEテレ1大阪
東北発☆未来塾「映像のチカラ ドキュメンタリー編 心の壁と向き合う」[解][字][再]

是枝裕和監督の「映像のチカラ」第2回。ドキュメンタリーに挑む女子高校生は友達に「震災のことを聞くのが怖い」という。是枝監督のアドバイスは?【ナレーター】川島海荷

詳細情報
番組内容
福島県立相馬高校が舞台。一人が制作中のドキュメンタリーの仮タイトルは「見えぬ壁」。震災で友だち同士の間に生まれた「心の壁」を描く。しかし取材の「壁」にぶつる。是枝監督は言う。「僕だって怖いですよ、聞くのは。聞くのが怖いくらいの人がいい」。彼女は取材の仕方を工夫した。【応援団長】サンドウィッチマン【未来への芽】宮城県七ヶ浜町で開かれた「あかりプロジェクト」。津波で亡くなった友人への思いを浮かべる
出演者
【出演】映画監督…是枝裕和,サンドウィッチマン,【語り】川島海荷

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
趣味/教育 – 大学生・受験
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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