映画「犬神家の一族」「東京オリンピック」などで知られる市川崑監督(1915~2008)が作画した幻のアニメ映画のフィルムが、アメリカに残っていることがわかった。1935年製作の「弱虫珍選組」。専門家によると、この時代の映画フィルムが見つかることは珍しいという。現在、米国で修復が進んでいる。

 35ミリのモノクロの可燃性フィルムで約145メートル、約5分間。少年侍が悪者にさらわれた女性を助ける物語だ。米の映画芸術科学アカデミーが所蔵し、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で保管している。同作の存在は知られていたが、フィルムの所在は長らく不明だった。

 「日本アニメーション映画史」を刊行した渡辺泰さん(80)によると、同作は少年侍・団子之助が活躍する「花より団子シリーズ」の3作目。当時、市川は京都市の「J.Oスタジオ」のトーキー漫画部で働いていた。市川が関わった現存のアニメ映画では、団子之助が主人公の「新説カチカチ山」(36年公開)が最も古いとされてきた。渡辺さんは「同時代のフィルムがあったこと自体、奇跡的だ」と話す。ディズニー映画のキャラクターの影響も見てとれる。