「ごみ屋敷」京都市内に112軒 条例提案へ初集計
京都市は23日、屋内や庭にごみがあふれた「ごみ屋敷」とみられる家屋が市内に112軒あることを、市議会教育福祉委員会で明らかにした。市内のごみ屋敷の軒数調査は初めて。周辺の生活環境を損なう恐れがあり、市は9月市議会にも指導や立ち入り調査ができる条例案を提案する方針で、問題解決に向けて体制を整備する。
条例案を検討する市のプロジェクトチームが、昨年12月から今年1月に区役所や福祉事務所、まち美化事務所、消防署に寄せられた苦情などを基に集計した。
112軒のうち、居住者がいるのは99軒(マンションも含む)。ほとんどのケースはごみの堆積や放置で、他に雑草の繁茂やペットの多頭飼育があった。
一方、区役所や地域住民らの協力でごみを処分した事例も13軒あった。市は成功例も踏まえて課題を整理し、今後の対策に役立てる。
市が提案を目指す条例案は、市が立ち入り調査や、ごみ処分の勧告・命令を出す権限を持つのが柱。命令に従わない場合は行政代執行で撤去する。
また、手続きを踏まなくても、居住者の財産権を侵さない範囲でごみ処分ができる「即時執行」の導入を視野に入れる。条例が制定されれば、区役所や支所に対策事務局を設置して体制を整備する。
ごみ屋敷のごみは悪臭や治安悪化を引き起こす恐れがあるが、道路にはみ出るなどの場合を除き、行政は勝手に撤去できず、敷地へ立ち入る権限もない。このため、東京都足立区や大阪市は対策のための条例を制定している。
【 2014年04月23日 22時20分 】