穂積の父 感じた異変「ろれつが回っていないようで心配した」
リングサイドで見守った長谷川の父・大二郎さん(58)は、前日計量後の電話で息子の異変を感じていたという。
「ろれつが回っていないようで心配した。今までになかったことです」
10年にがんで55歳の若さで亡くなった長谷川の最愛の母・裕美子さん。この3年、親子一緒に月命日の墓参りをしてきた。家族の絆に変わりはないものの、変化もある。ジムで息子の動きを見なくなった。無料通話アプリのLINE(ライン)で動画を送ってもらい、アドバイスを送る日々。年齢から来る衰えを感じているところに電話の一件があり、「勝っても引退してほしかった」と、目を赤くして打ち明けた。
2人の子供を大二郎さんと挟む形で観戦した妻・泰子さん(33)は、覚悟を決めていたかのように晴れ晴れとしていた。「途中でやめて、と思う場面もあったけど、意地で面白いボクシングを見せてくれた。凄く満足しています」。それでも、報道陣の輪が解けると「もうこんなこと(取材)もないかもしれませんね」と、夫の進退を推測し、寂しさを口にした。