坂本、V打!セ単独トップ8盗塁!3連勝で25日から広島と首位攻防戦
◆巨人4―1DeNA(23日・鹿児島)
巨人が3連勝で2位に浮上した。0―1の4回、ロペスの7試合ぶりの7号ソロで追いつくと、7回だ。1死二、三塁で坂本が左前に2点適時打を放って勝ち越した。坂本は2盗塁を決めて、リーグ単独トップに。打って、走っての活躍で、2年ぶりの巨人公式戦開催となった鹿児島のファンを沸かした。25日からは敵地で広島との首位攻防3連戦に臨む。
鹿児島に吹く春風が心地良かった。坂本は自然と表情を緩めた。2年前の4月26日。同じ鹿児島でのDeNA戦では、プロ初の5打点を挙げる勝負強さを見せた。そして、今回は決勝打で、今シーズン初めてのヒーローインタビューに登場。「前回も打てたし、鹿児島が僕には合っているのかな、と思います。もっといっぱい試合をやってもらえるように球団に言っておきます」。ちゃめっ気たっぷりに声を弾ませた。
同点の7回1死二、三塁だった。長田の内角低めを突く140キロの直球に両腕をたたみ、左前へ弾丸ライナーを飛ばした。勝ち越しの2点打。「きれいに内側からバットが出てくれました。悪い時は必ず来るので、継続していけるように」と、大きくうなずいた。
開幕直後は打順が安定しなかったが、15日のヤクルト戦(静岡)から本来の1番に。そこから8試合連続安打と輝きを取り戻している。原監督は「見事だった。でも、その前(高橋由)が何とかしないといけない場面。今年は次の打者も同じようなケース(凡退)が多いので、非常に大きい」とたたえた。
鹿児島の有名人から力をもらった。試合前、20日の日本女子プロゴルフツアーで史上最年少Vを成し遂げた勝みなみ(15)が球場を訪問。坂本はベンチ裏で写真撮影をお願いした。「いいパワーをもらいました」。女子高生ゴルファーはラウンド中、「六甲おろし」を口ずさむほどの虎党だが、この日敗れた阪神を追い抜き、チームを2位に引き上げた。
初回無死一塁、勝ち越し打の後の2死一塁から二盗を決め、今季3度目の1試合2盗塁。広島・菊池を抜き、リーグ単独トップの8盗塁となった。12年は16個、13年は24個と盗塁数は年々、増えている。「(盗塁の意識は)数字を見てもらえれば分かると思います。試合の状況を見て、いけるところはいって…チャンスがあれば、どんどん走ってチャンスを広げたい」。守備では開幕から22試合無失策。攻走守でチームに貢献する勇人の理想像が、確実に近づきつつある。(小谷 真弥)