【日本ハム】ドラ2浦野、プロ1勝!チーム新人一番乗り
◆日本ハム10―6ソフトバンク(23日・東京ドーム)
日本ハム・浦野博司投手(24)が23日のソフトバンク戦(東京D)に先発し、6回途中4失点でプロ初勝利を手にした。3度目の先発で、チームの新人では一番乗りだ。打線も大谷の初回の1号ソロに触発されたかのように、西川、大引、佐藤賢、ミランダに一発が飛び出し、浦野を援護。両軍合わせて9本塁打の空中戦を制した。
東京Dのお立ち台、浦野は初々しさ全開でヒーローインタビューに立った。冒頭、小声でしゃべり始めた途端、スタンドから「声を張れー!」「緊張するなっ」とヤジられ、一緒にお立ち台に立った年下の西川には、「浦野さんは、いつも立ち上がりが不安定」といじられた。最後に、プロ初勝利のウイニングボールについて聞かれ、「両親に贈りたいと思います」と照れ笑いを浮かべると、ようやく温かい拍手に包まれた。
ただ、セガサミー時代に経験のある東京Dのマウンド上では頼もしかった。140キロ台後半の直球にカーブで緩急をつけ、決め球のスライダー、フォークを低めに投げ込んだ。過去2度の先発で1回に失点するなど苦手な序盤3イニングは、松田のソロによる1点。6回1死一、二塁となったところで降板となり、「後ろの投手に申し訳ない気持ちで見ていた」と振り返ったが、東京D、しかもソフトバンク打線相手に2被弾4失点なら合格点だろう。
大切にしている言葉がある。元池田高野球部監督、故・蔦文也氏の「鍛錬千日之行 勝負一瞬之行」だ。「おじいちゃんが小さい頃に教えてくれました。一瞬のために、しっかり練習することを心がけています」。練習量では誰にも負けない自信がある。チームの新人で一番乗りとなったプロ初勝利には、何百、何千日の努力が凝縮されている。
浦野は「もっと直球を磨かないといけない。コーナーに投げること、腕を振ることを意識してやっていきたい」と反省したが、栗山監督は「立ち上がりがうまくいった。1つ勝つと落ち着くのではないか」と満足そうだった。将来のエース候補は、大谷や上沢だけではない。
◆浦野 博司(うらの・ひろし) 1989年7月22日、静岡県生まれ、24歳。浜松工2年秋に東海大会出場。3年夏は静岡県大会3回戦敗退。愛知学院大では4年秋の神宮大会準優勝。12年にセガサミー入り。昨年のドラフト2位で日本ハム入団。最速151キロの直球とカットボール、スライダーが武器。178センチ、70キロ。右投右打。背番号17。独身。