「日本球界では、リリーフエースの寿命は3年、という定説がある。勝利の可能性のある限り登板することが求められるこの役割は、肉体と精神を消耗させる。どれほどタフなピッチャーであっても、低迷することがある」
これは日本球界通算286セーブ、メジャー通算27セーブを記録した高津臣吾(元ヤクルト)の著書『ナンバー2の男』(ぴあ)に紹介されている言葉だ。
高津は'93年から'95年まで3年連続で守護神として終盤のマウンドに立ち、防御率2点台を死守している。'96年に防御率が3.24に落ち、'97年には適性を試されたのか先発として3試合に登板し、セーブは1ケタ台の7に落ち込んでいるが、'99年以降の5年間で162セーブを積み上げ、'04年からは舞台をメジャーリーグに移して2年間で99試合に登板するほどの活躍をしている。
高津の足跡を見る限り「日本球界では、リリーフ投手は4、5年目に大きな壁にぶち当たる」としたほうが適切だろう。高津以外にもそういうリリーフ投手がいる。たとえば、次の選手たちだ。
馬原孝浩(オリックス)……'05~'07年の3年間に各季40試合以上に登板、'08年は21試合
永川勝浩(広島)…… '05~'09年の5年間に各季50試合以上登板、'10年は10試合
久保田智之(阪神)…… '05~'08年の4年間に各季40試合以上登板、'09年は1試合
馬原がいま正に見せている2度目の復活。
彼らに共通するのは3~5年間、リリーフ投手として実績を積み上げるが、その後数年間低迷したのち、再びリリーフ投手として復活するというパターン。たとえば馬原は'08年に1度目の壁にぶち当たったのち'09~'10年の2年間に各季50試合以上に登板し、それぞれ29、32セーブを挙げている。'12年は右肩の手術のため登板はなく、翌'13年も3試合にとどまるが、今季は8試合に登板して(4月20日現在)、私が見た20日の西武戦では3番手としてマウンドに立ち、1イニングを無安打で切り抜けている。
ちなみにこの試合、ストレートの最速は150kmを計測し、木村文紀を外角低めの147kmのストレートで見逃し三振、浅村栄斗には3球続けて縦割れのチェンジアップを投じて、やはり見逃しの三振に斬って取っている。2度目の復活と言っていいだろう。
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