業界には恒久化を望む声
株価の鍵を握るNISA改革だが、業界からは非課税枠の問題の他にも、改善を求める声が少なくない。例えば、投資対象に債券が含まれていなかったり、損益通算ができなかったりと、使い勝手の悪さの改善要望だ。
NISAの改善については、金融庁が目下、金融業界からの要望を取りまとめており、8月には財務省に税制改正の要望として提出する。
その過程で、「政府・官邸から非課税枠の拡大を求める要望が出てくれば、当然従わざるを得ない」(金融庁関係者)。
一方で、証券会社の間では、非課税枠の拡大よりもむしろ、10年間の時限立法では効果が限定的として、NISAの恒久化を望む意見のほうが根強い。
株価の下支えが期待され、市場におけるアナウンスメント効果も大きい非課税枠の拡大。ただ、目先の株価を意識しすぎた改革に終始すると、使い勝手の悪さが改善されぬまま、個人からそっぽを向かれかねず、長期的な視点に立った制度改革が求められている。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 山口圭介)